作者のための設定資料・天界
★★天界★★
・霊力によって成り立つ界。原初の創造神が人界を作るための足がかりとした場所でもあるので、三界の中でも最も古い成り立ちを持っている。下層・中層・上層・最上層の四つに分かれ、それぞれ大気中の霊力濃度及び精霊族分布が異なる。イメージ的には円錐を逆にしたような世界。
○下層
霊力濃度:中(中位以下魔族が消滅)
霊圧:低~ふつう
面積目安:惑星面積くらい(目処がつく程度)
棲息精霊:四元精、人界よりの霊獣、霊樹など
最も人界に近い場所であり、比較的大気が雑多。人界と天界の境目がこの辺り。超自然界の中の秘境と呼ばれる場所がここと直接繋がっている。棲まう者も多岐に渡り、移住者も多い。他界からの思念が唯一届く場所でもある。
○中層
霊力濃度:やや高(高位以上魔族でも抗体をもたない者は消滅)
霊圧:ふつう
面積目安:下層の百倍以上
棲息精霊:四元精、霊樹、霊獣(一般的棲息地)、低級天使など高位及び一定以上の実力を持つ人型精霊族がここから棲む。他の層へ比較的出入りしやすく風土も安定していて過ごしやすいため、普通の霊獣や低級天使が数多い。
○上層
霊力濃度:高(抗体つきの最高位魔族も消滅)
霊圧:高~超高
面積目安:下層の千倍以上
棲息精霊:高クラスの四元精、霊樹(樹齢数万単位)、霊獣、低級~上級天使など
ほぼ純粋な霊力と高い霊圧の層。少しでも不純物のある生き物は居るだけで霊圧に器が負けてしまうため、棲息者もそれなりの強い身体を持つ。普通の霊獣及び妖精が上層以上に入るには、上層に棲むものの加護、もしくは天使の同行が必要。
○最上層
霊力濃度:超高(もはや魔と名のつくものは存在しない)
霊圧:超高
面積目安:広さという概念は無い、四次元空間のようなもの
棲息精霊:始祖霊獣、最高位天使、精霊王のいずれか
100%霊力で成り立つばかりか、限られた精霊族でなくては入ることすら出来ない。ここに存在するものが他層へ移動するだけで、天界全体が揺れ動くとされる。
・下~上層間の出入りは、天にすまうものであれば比較的簡単に出来る。「○層へ行く!」と強く意識し、身のうちの霊気に呼びかけるだけ。移動手段と道のりはその者次第。飛ぶか跳ぶか駆けるか潜るかでいける。
・ただし、下・中層と上層との間には超えることの出来ない霊圧という壁があるので、中層以下のものが上層以上に行く場合は天使に頼むか上層にツテを求めるかする必要がある。
・最上層は入り口を最高位座天使が護っており、入り込むにはその審議を受ける必要がある。器及び精神が弱いと、奥に存在する精霊王に吸収されるか気に中てられて消滅するか発狂するかしてしまうためである。したがって、最上層に入れるのは実質限られたもののみ。
・最上層から他層への出入りはいずれも簡単であるが、最上層にすまうもの自体が規格外なので、移動するだけで霊圧が変化してしまう。翼を出し入れできる天使は霊力の微調整が出来るため比較的影響は少ないが、それ以外のものは最上層から殆ど動くことは無い。動くその時はほぼ非常事態にあたる。
・過去、最上層に棲むとある始祖霊獣が一族の危機を感じ取り、他層及び他界に出現したことがあった。その間霊力及び筋力をセーブしていたにも関わらず、天界における自然現象が混乱。移動は一時的なものだったのですぐにおさまったが、そこから学び、簡単に引き起こされてしまう災害を防ぐため、最低限の問題を解決するべく天の治安機関が作られた。
--用語集その1・特殊植物--
【霊梓】・・・霊獣の幼生期における主食。百合のような形状を持つ花、レモンとオレンジを合わせたような実を持つ。特に実は栄養素が抜群で、腹持ちもする。乳離れ直後の麒麟の仔はこれ一つで充分育つ。果汁は病人の流動食や、乳幼児の離乳食代わりにもなる。天界上層にしか自生しない貴重種で味も超美味い。魔族以外の万物が食べられる植物とされる。
【皇柘榴】・・・普通の柘榴をちょっと大きくしたような植物。花は清涼感溢れる香りを伴い、赤い宝石のような実が美しい。栄養価はそれほどでもないが、消化されやすく口当たりがいいので口休めやおやつになる。天界中層に自生。
【蜜スグリ】・・・蜜のように甘い味をした植物。特に実の甘さは飴玉レベル。苦いお茶と一緒に食べると丁度いいということで、天界の天使や妖精がお茶請けにこれを出すことが多い。実をつける時期は短いが天界全域に生えている。味はともかく、糖質以外の栄養素は無きに等しい。
リョクはお仔ちゃま舌なのでこれが大の好物です。
【苦スグリ】・・・蜜スグリとそっくりな外見を持つ。しかし味は正反対で、一度口に入れるとその日一日は何も食べられなくなるほど苦い。天界下層~人界の超自然界に生えており、妖精が作る薬の材料になる。味はともかく、栄養素はめちゃくちゃ高い。
リョクは例にもよってこれが大の苦手です。こどもが「ピーマン嫌い」言うレベルと一緒。
【華花梨】・・・天界全域及び人界の一部に生える植物。見た目は薄紅色の花梨そのものだが、薔薇のような花の芳香が非常に強い。開花時期になると遠くにまでそれとわかるほどの匂いが漂うため、天界において一種の待ち合わせ場所や目印ともなっている。
【天無花果】・・・天界下層に大量に自生している植物。デカいイチジクといったところ。実は通常~大玉スイカくらいあって、甘くて美味しい。果汁は食物の臭みや余計な苦味などを取ってくれる性能も持つため、妖精の間では料理やお茶に重宝されている。
【仙山査子】・・・天界下層と中層の一部に自生。主に高地や斜面となった土壌に育つ高山植物でもある。栄養価が高く歯ごたえのある果実と棘が特徴。茎や葉、根、弦は丈夫で色々なものに加工可能、古代はこれ目当てによくドワーフが下層に出没した。彼らの努力で移植が進み、最近は人界の超自然区域にちょこっと生えてる。蒼のはこの実とちょっと柔らかめの若い棘が好物です。
【蓬莱桃】・・・天界中層及び上層に自生する稀少植物。長期に渡り生り続ける果実は甘くて非常に美味しく、芳醇な香りを放つ。百年以上落ちなかった実を食べると、寿命が延びるばかりか頭が良くなるらしい。子供を過保護気味に育てる鳳凰とかが、よく探している植物です。
【雲葡萄】・・・天界全域にランダムで発生する不思議なブドウ。味は酸っぱいものが殆ど。生態が雲のように掴みどころが無いが、甘い雲葡萄を見つけたものは幸せになれるという。人界でいう四葉のクローバー的なあれ。
【東鈴蘭】・・・人界と天界のはざま、自然区域と超自然区域の境目でしか花をつけない霊力界隈の鈴蘭。天界下層は超自然区域との境が曖昧なため、実質天界入口の目印ともされている。花は鈴のような音が実際に鳴ることで知られ、古代は妖精らが加工して自宅の呼び鈴等に使っていた。戦後は希少種になってしまったため、人界の者は見つけることがまず難しくなった。異称「秘境のベル」
--用語集その2・霊獣/天候関連--
【始祖霊獣】・・・天界の全ての霊獣の始祖。天における自然現象の源。大抵が最上層に棲み、滅多に他の層や界には移動しない。彼らが移動することで、天全体に様々な余波及び自然現象がもたらされる。一体にひとつずつ、力もつ四元精をまとっている。
【天雨】・・・天における雨。最上層の始祖霊亀が動くことによってもたらされる。恵みの場合も、穢れを押し流す場合も。
【天虹】・・・天における虹。見るものによって形状や色が異なり、最も見たい、美しいと感じる色を映し出す。作り出しているのは始祖虹蛇の演舞。全ての虹蛇は、これが現れるたびに祈りを捧げる。
【天風】・・・天における風。最上層の始祖麒麟、及び始祖鳳凰によってもたらされる。彼らの感情が波立ったときは激しくなるとされる。
【天震】・・・天における地殻移動(地震や噴火)。始祖獅子や始祖狼ら肉食の獣が暴れることで発生することが多いが、未だ全容は謎に包まれている。
【天光】・・・天における太陽。始祖霊獣すべてが健やかに生きている証。何頭かが眠っているとき、【天雲】が発生する。
--用語集その3・天使/精霊王関連--
【御使いの主】【翼持つ統率者】・・・最高位天使のこと。全ての天使の頂点で、人型種族では最高の霊力の持ち主。三対以上の翼を持つ実力者で最上層に棲み、天における秩序を管轄する。他層に移動したとしても始祖霊獣のような自然的影響は無いが、翼をしまっておかないと力の余波で霊圧が変わる。熾・智・座の順で席が高く、座天使は最上層における不要者を締め出す門番でもある。大抵は最上層から動かないが、極一部に変わり者もいる。
【天「本部」】・・・最上層の最高位天使、及び高位天使が基となり運営されている、天界の治安機関。人界のようなものではなく、あくまで問題が起きたら対処する程度。上層に設置されている通称「上層部」から天使が派遣され、巡察や警護などを行っている。
【精霊王】・・・最上層最奥にて君臨するすべての精霊族の王。万物の事象そのものであり、永久たる存在。あがめられながら、いかな精霊族でも傍に寄ることが出来ない霊圧に包まれている。器や精神の脆いものは、最上層に踏み入れただけで精霊王に吸収されるか壊されるかしてしまう。人界における「精霊王」は、余波から生まれた複製品及び子供のようなもの。
四元精やら霊獣やらイヴァやら麒麟やらの解説は、ムーンライト様にて完結済みの拙作シリーズを参照してくださいませ。「りらのぼーなすとらっく。」及び「丁香花の君」に載せてあります。例にもよってネタバレしまくってるので、ご注意ください。今更か。
2014/9/4ちょこっと追加
2025/5/5【東鈴蘭】追加