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蠱毒の後宮妃

作者:及川 桜
後宮の奥深く、誰も近寄らぬ秘地に〈華蠱宮〉がある。
蠱婆が守るのは、古来より禁圧されながらも受け継がれてきた〈蠱術〉。
それは皇帝のためだけに許された解蠱の知と契約だった。

ある日、妃・梅昭媛が惨たらしい最期を遂げ、宮中は騒然となる。
呪いなど信じない第四皇子・楊胤は、渋々ながらも真相究明を命じられ、蠱婆の住む宮へ赴く。

そこで彼が出会ったのは、毒草と毒虫を愛し、未来の断片を垣間見る力を持つ蠱師見習いの妃・仙霞。
礼をわきまえぬ物言いに苛立ちながらも、楊胤は仙霞と共に調査を始める。

禁術は本当に働いたのか。もしそうなら、誰が、なぜ。
兄弟の野心、妃たちの確執、古い契約の影──。
伝説と思われていた禁術は、いまや宮廷そのものを揺るがそうとしていた。

理屈で世界を測る青年と、理屈の外側を生きる少女。
正反対の二人が相棒となったとき、呪いの謎は解き明かされ、そして心もまた予定外に揺れはじめる。

中華後宮×怪異×ミステリ×恋愛。
禁術と宮廷が交わるとき、二人の運命が動き出す──
序章
ふたりの出会い
2025/09/17 21:01
第一章 蠱毒の妃
風変りな妃
2025/09/18 08:26
第二章 不遇の皇子
呪いの死体
2025/09/20 20:50
第三章 華蠱宮の蠱婆
呪毒を継ぐ女
2025/09/21 20:50
秘宮に咲く異花
2025/09/22 20:50
蠱婆の間へ
2025/09/23 20:50
不本意な相棒
2025/09/24 20:50
第四章 皇子の女官
夕葦の予兆
2025/09/25 20:50
不意の抱擁
2025/09/27 20:50
夜の密談
2025/09/29 20:50
疑惑の妃たち
2025/09/30 20:50
憂いの瞳
2025/10/01 20:50
第五章 後宮の四夫人
四夫人の宮
2025/10/07 21:10
李貴妃の宮
2025/10/08 21:10
揺淑妃の宮
2025/10/09 21:10
宇徳妃の宮
2025/10/10 21:10
喚賢妃の宮
2025/10/11 21:10
第六章 墓掘
月下に眠る真実
2025/10/12 21:10
蟲毒の心臓
2025/10/14 21:10
第七章 狙われた妃
呪毒の余熱
2025/10/15 21:10
書庫のふたり
2025/10/17 21:10
香煙に揺らぐ影
2025/10/20 21:10
影を喰う猫
2025/10/21 21:10
第八章 皇位継承権
夜半の訪問者
2025/10/23 21:10
彼女の秘密
2025/10/24 21:10
猫鬼の鳴く夜
2025/10/25 21:10
玉座を蝕む毒
2025/10/26 21:10
皇子、父の間へ
2025/10/27 21:10
玉座に沈む月
2025/10/28 21:10
第九章 蟲毒の禍
決行の夜
2025/10/31 21:10
呪術の代償
2025/11/02 21:10
神血の剣
2025/11/03 21:10
守るための罪
2025/11/04 21:10
第十章 幕引き
天命を拒む者
2025/11/08 21:10
終章
華蠱宮、再び
2025/11/09 21:10
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