第67話:暴走する黒き獣 VS ゼルヴォード、決着の一撃!
「……マジかよ……」
リオネルは、安全な距離を取りつつ、目の前の戦闘を"呆然"と見つめていた。
(なんなんだ、あの戦いは……!?)
"巨獣"と"男"がぶつかり合うその様子は、もはや"人間と魔獣"の戦いではなかった。
「通常の武器じゃ通らない」と思われたベヒモス・アビスの外殻を、ゼルヴォードは巨大な大斧で強引に叩き割っている。
──ドォォォォンッ!!!!
大斧が地面を砕き、衝撃波が周囲を吹き飛ばす。
しかし、ベヒモス・アビスはそれを正面から受け止め、"咆哮"を上げた。
──グォォォォォン!!!!!
その場にいたリオネルでさえ、鼓膜が破れそうになるほどの衝撃。
次の瞬間──
ベヒモス・アビスの"尾"が、ゼルヴォードへと襲いかかった。
──ズバァァァンッ!!!!
ゼルヴォードは大斧を盾のように構え、直撃を受ける。
だが、吹き飛ばされることなく、"その場に踏みとどまった"。
「……へぇ、悪くねぇな」
リオネルは、その言葉を聞いて、さらに震えた。
(今の一撃、並の冒険者なら即死だぞ……!?)
ゼルヴォードは、一歩前へと踏み出した。
「じゃあ、そろそろ"本気"といくか」
(さすがに"これ"を使わねぇと、埒が明かねぇか)
ゼルヴォードは、大斧へ魔力を込めた。
すると、斧全体が淡く光を放ち、その"光"が徐々に変化していく。
──赤黒い波動が、刃の周囲を覆う。
●魂鋼
・2段階目解放:"魔力干渉特性"が強化され、魔力耐性の高い敵にもダメージが通る
・刃に"魔力を砕く"効果が付与され、通常では弾かれる攻撃も"深く通る"ようになる
「……さて、ここからが本番だ」
ゼルヴォードは一気に距離を詰める。
「おらよッ!!!」
──ドォォォォン!!!!
大斧の一撃がベヒモス・アビスの肩口へ直撃!
今度は、外殻が"確実に砕けた"。
「……ッ、通った……!?」
リオネルが驚きの声を上げる。
ベヒモス・アビスも、自身の"防御を貫かれた"ことに気づいたのか、一歩退がる。
(あぁ、やっぱり"通る"ようになったな……)
ゼルヴォードは、ニヤリと笑った。
「さぁて、どうするよ?」
「──グオオオオオオッ!!!!」
ベヒモス・アビスの"全身"が、一気に"黒き魔力"を噴出させる。
リオネルが顔を歪める。
「……まずい!"暴走のピーク"が来るぞ!!」
──次の瞬間。
ベヒモス・アビスが"巨大な魔力球"を生成し始めた。
・必殺技:グラビティクラスター発動
・重力を一点に集中させ、広範囲の地形を"粉砕"する超破壊技
・発動すれば、この場所一帯が更地になるレベルの大技
「……やらせるかよ」
ゼルヴォードは、大斧を振り上げる。
「これで終わりだ……"3段階目"」
◆ "魂鋼"、3段階目解放──"全てを断ち切る"一撃
・3段階目解放:"魂断"──対象の魔力を"根元から断ち切る"特性を持つ
・この攻撃を受けた者は、一時的に"魔力再生を封じられる"
・防御不可、回避困難の"必中"レベルの攻撃力
ゼルヴォードの大斧が、"漆黒"の輝きを放つ。
(……斬る)
次の瞬間──
──ズバァァァァァッ!!!!
ベヒモス・アビスが"真っ二つ"に斬り裂かれた。
──ドォォォォォン……!!!!
その場に"重い沈黙"が訪れる。
リオネルは、"言葉を失った"。
(嘘だろ……アイツ、本当に"真っ二つ"に……?)
ゼルヴォードは、大斧を肩に担ぎながら、一言。
「……終わり、っと」




