表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/186

第66話:暴走する魔力変換装置、ゼルヴォードの記憶!

──王都郊外、異変の中心部。


ゼルヴォードは、目の前に広がる異様な光景を睨みつけていた。


「……なるほどな、"魔力変換装置"の暴走か」


眼前には、崩れかけた建物。

そこから、黒い靄が"波打つように"漏れ出し、周囲を侵食している。


その手前では、リオネル・アークウェイブが魔法障壁を展開し、歯を食いしばっていた。


「……チッ、このままじゃ持たねぇ……っ!」


すでに部下たちは倒れ伏し、"黒い靄"に覆われて動かない。

生存の可能性は、ゼロ。


ゼルヴォードは状況を冷静に整理しながら、ふと昔の戦場を思い出す。


(……昔、これに似た魔獣を倒したことがある)


それは"魔力生命体"と呼ばれ、通常の武器が通用しない相手だった。

だが、"ある特殊な武器"でのみ討伐可能だった──。


ゼルヴォードは、マジックポーチに手を突っ込み、無造作に"その武器"を取り出した。


◆武器紹介:グランドバスター

・週類:大斧

・ランク:A+

・効果:斬撃時に"魔力吸収"を行い、敵の魔力を徐々に削ぐ

・特性:"魔力生命体"に特攻。特定の魔力場でのみ真価を発揮する

・備考:"過去の戦場"で使用した対魔力生命体武器。通常の敵には効果が薄いが、"魔力変換装置"の暴走によって発生した"靄"には有効である可能性が高い


ゼルヴォードは、大斧(グランドバスター)を軽く振った。


──シュンッ!


刃が黒い靄を斬り裂き、その一部が"溶けるように"消失していく。


「……やっぱり、こいつなら"削れる"ってわけか」


リオネルは驚愕の表情を浮かべた。


「今の攻撃……!? もしかして、この靄を"消せる"のか?」


「完全に消せるかはわからねぇが……試す価値はあるな」


ゼルヴォードが次の一撃を放とうとした、その時──


──ズォォォォォ……!!


靄が突然、"意思を持ったかのように"蠢き始める。


「……嫌な予感がするな」


ゼルヴォードは、剣を構え直した。


・黒い靄は、"異形の魔獣"として実体化を始めた──

・それは、単なる魔力の集合体ではなく、意志を持つ"災厄"の存在へと変貌!


「……ッ、こいつ……"形を持ち始めてる"!」


靄は、まるで"意思"を得たかのように自らの姿を固めていく。

徐々に輪郭を成し、四足のシルエットを形成。


それはまるで──魔獣の王のような威厳を持った黒き影。


──ズォォォン……!


突如、その影が"咆哮"を上げた。


リオネルが顔を歪める。


「……やばい、これ以上"こいつ"の実体化が進めば……!」


だが、もう遅い。


黒い靄はついに"異形の魔獣"として完全に実体化した。


・巨大な四足獣の姿、漆黒の鎧のような身体、内側から溢れる魔力の奔流

・目は"暗黒の業火"のごとく揺らめき、ゼルヴォードを睨み据える

・"知性"を持ち、ただの魔物とは異なる行動パターンを示す


「……チッ、面倒なことになったな」


ゼルヴォードは、武器を構え直しながら呟く。


「今度は、ちゃんと"実体を持った敵"ってわけか……」


次の瞬間──


黒き魔獣は、一瞬にして"ゼルヴォードの前"へと跳躍した。


──ドンッ!!!


重力を無視するような速度。

ゼルヴォードは瞬時に回避するが、背後の地面が"抉れ"、深いクレーターを残す。


(……さっきの靄とは、レベルが違うな)


ゼルヴォードは口の端をわずかに吊り上げた。


「……ま、いいさ。お前みたいなヤツは"何度も見てきた"」


手にしたグランドバスターの刃が、淡く光を放つ。


「──狩るだけだ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ