第62話:冒険者大会、開幕!
王都にある大競技場——。
ここ数日、この場所は異常なほどの熱気に包まれていた。
「さあ、始まりました! 年に一度の冒険者大会! 今年は王国がスポンサーということで、例年以上に盛り上がること間違いなし!」
実況席から響き渡る声が、会場の隅々にまで広がる。
「本日の実況は俺、ギルド公認実況者フレイ・ザックが務めさせていただきます!」
彼は冒険者ギルド所属の実況専門職員であり、戦闘の知識も豊富で、その巧みな語り口から観客の間でも人気が高い人物だ。
「そして解説には、かつてギルドランクゴールド級まで上り詰めた実力者、ガルス・エインズさんをお迎えしています!」
「どうも、ガルスだ。派手な試合を期待しているぞ」
実況席には、隻眼の壮年の戦士が座っていた。
彼はかつてギルドの前線で活躍していたが、現在はギルドの教官として若手を育成している。
実戦経験が豊富で、解説者としても優れた洞察力を持つ。
大競技場のスタンドは、観客で埋め尽くされていた。
冒険者たちの戦いを一目見ようと、王都の住民だけでなく、地方からも多くの観客が訪れていた。
人々の声が混じり合い、会場全体が熱気に包まれている。
●大会スケジュール
●参加者数:50名(トーナメント形式)
●試合総数:49試合(優勝者決定まで)
・1日目:1回戦前半(50名 → 25試合)
・2日目:1回戦後半+敗者復活戦
・3日目:2回戦&3回戦(26名 → 14名 → 8名)
・4日目:準々決勝(8名 → 4名)&準決勝(4名 → 2名)
・5日目:決勝戦!
1日目(1回戦前半)
「さて、今年の参加者は総勢50名! 剣士、槍使い、魔法使い、弓兵……多種多様な戦闘スタイルがぶつかり合います!」
「1回戦から熾烈な戦いが予想されるな」
「そうですね、ガルスさん。今年は特に戦闘スタイルの個性が光る大会になりそうです! 例えば、1回戦から弓兵対槍使いのような変則的な戦いも予定されています!」
「戦闘スタイルの違いが、戦略にどう影響するか……見ものだな」
会場の熱気がさらに高まる中、試合開始の合図が鳴る。
2日目(1回戦後半 & 敗者復活戦)
1回戦の後半が行われ、激戦の末に勝ち上がった26名が確定。
さらに、敗者復活戦を勝ち抜いた1名が追加され、計27名となる。
「さあ、ここからが本番だ! 次の戦いでは、さらに熾烈な戦いが繰り広げられるぞ!」
3日目(2回戦 &3回戦)
2回戦では、戦いのレベルが一気に上がる。
「おっと、ここで魔法使いが超高速詠唱を見せる! このスピードは……!!」
「いや、それをかわして距離を詰める槍使い! 一撃入るか!?」
会場の歓声がさらに高まる中、戦いは続く。
・2回戦終了時点で14名に絞られ、敗者復活1名を加えて15名
・3回戦でさらに半分以下に絞られ、ベスト8が決定!
4日目(準々決勝 & 準決勝)
ついにベスト8が決定。
ここからは、"ギルドのトップクラス"たちがぶつかり合う熾烈な戦い。
「この戦いを制した者が、ついに決勝戦へと駒を進める……!」
「準決勝はまさにハイレベルな戦いだな。実力が拮抗している……!」
試合の激しさは増し、戦術・技術・体力のすべてが試される戦いが繰り広げられる。
一方、競技場の一角では、参加者たちの控室にて噂が飛び交っていた。
「今年の決勝戦は、例年とは違うらしいぜ……」
「噂によると、《強化フィールド》が展開されるらしい」
「マジかよ!? 魔法による制限が緩和され、全力で戦える環境になるって話だ……」
王国が用意した決勝戦の舞台には、特殊な魔力障壁が施されており、よりハイレベルな戦いが可能になるという。
「まあ、俺たちがそこまで辿り着けるかどうかは別の話だがな……」
「ハッ、まずは1回戦突破しねぇとな!」
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