第61話:唯一無二のイヤリングと、激突する強者たち
ゼルヴォードは鍛冶屋ギルドの工房で、完成したイヤリングを見つめていた。
「……これで決まりだな」
作り上げたのは──《エンハンス・フェザー》
美しい羽根を模した装飾が施され、黒・青・金・オレンジのグラデーションが魔力の流れに沿って揺らめく。
その中心には、A+ランクの希少魔石が埋め込まれている。
使用魔石:
《サンクティア・オーブ》(A+ランク)
「祝福の魔石」とも呼ばれ、装備者の潜在能力を引き出す希少鉱石。
通常は王族や高位魔道士しか手にできないほどの貴重品。
◆イヤリングの仕様
名称:《エンハンス・フェザー》
ランク:B(だが、実質的にはA級に匹敵する一品)
効果①:「装備者のステータス全体を微増(+7%)」
効果②:「装備者の属性を一段階上昇(例:火→上級火)」
(これは、"世界に一つしかない"イヤリングだ)
ゼルヴォードは満足げに頷き、景品用のケースに収めた。
●参戦ギルドと戦闘スタイルの特徴
模擬戦大会は、冒険者ギルドの本部が主催し、王国がスポンサーとなった大規模イベントへと発展。
参戦ギルド & 参加人数
冒険者ギルド(約20名)
・多様な戦闘スタイルが特徴(剣士・槍使い・弓兵・魔法剣士など)
・個人戦は強いが、戦略面ではややバラつきがある
鍛冶屋ギルド(5名)
・鍛冶の技術とフィジカルを活かした"重量級"の戦闘スタイル
・武器の扱いに精通し、力押しの戦法を得意とする
・ただし、魔法戦に弱い傾向がある
魔道士ギルド(10名)
・純魔法型の戦闘スタイルが中心
・属性ごとの戦略が明確(火・水・雷・氷・風など)
・近接戦闘に持ち込まれると不利になりやすい
王都騎士団(15名)
・「防御と統率力」が強み → 組織戦が得意
・個の実力は高いが、冒険者のような"荒削りな戦闘"には弱い一面も
●ルール
・トーナメント形式(1対1、最後に勝ち残った者が優勝)
・勝敗は"戦闘不能" or "降参"で決定
・決勝戦では「特殊ルール」が追加される可能性あり
ルヴォードはギルドの大会会場の一角で、景品のイヤリングを手にしながら腕を組んでいた。
「……これはもう"模擬戦"じゃねぇな」
もともとギルドの内部イベントだったはずが、気づけば王国の騎士団まで巻き込んだ大規模な戦闘大会へと発展していた。
「お前も参加すりゃいいのによ」
オルグ・フェンリルが肩を叩く。
「俺は完全に裏方だ」
ゼルヴォードはイヤリングを掲げながら、ニヤリと笑った。
「お前らの戦いを"見届ける側"ってのも、悪くねぇ」




