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第5.5話:ギルドへの報告と謎の旅人

色々見てきたけど、こういう外部の話はちょこちょこ入れていこうかと思います。

メインでは説明しない点などを確認という意味も込めて。

──学園都市ルナエスト・冒険者ギルド本部


 夕刻、ギルドのカウンターには三人の冒険者が並んでいた。

 依頼を終え、ようやく帰還したロイガー(盾・男)、スレア(短剣使い・女)、カーティス(魔導師・男)の三人組。

 彼らは、疲れた表情を浮かべながらも、確かな手応えを感じさせる態度で、質素ながらも整った身なりの受付嬢に報告書を差し出した。


 受付嬢──リセルカ。

 彼女は無駄のない言葉遣いをするが、決して冷たいわけではない。

 強く、しなやかな芯を持つ女性であり、ギルド内でも信頼の厚い職員だった。


 「おかえりなさい。お疲れ様でした」


 リセルカは手際よく報告書を受け取り、内容を確認する。

 ギルドの灯りが報告書の文字を照らし、ペンを走らせる音だけが静かに響く。


 「……調査地の探索、遺物の確認。依頼の達成度は問題なしですね」


 しかし、彼女の視線がある一点で止まる。

 そして、少しだけ眉をひそめた。


 「……ところで、アイアンベアーに遭遇したと書かれていますが?」


 リセルカの問いに、スレアが思わず苦い顔をする。


 「うん……まぁ、そうなのよね。予定外だったんだけど、あいつに襲われちゃってさ」


 カーティスが腕を組み、ため息をつく。


 「遭遇したら即撤退が基本だろ? まったく、最悪なタイミングだったぜ」


 ロイガーは肩をすくめ、低く答える。


 「あぁ……わかってる。でも、"いきなり"だったんだ。逃げる余裕もなかった」


 ──アイアンベアー。

 まるで鉄の鎧を纏ったかのような重装甲の魔獣。

 通常の剣や槍ではまともに傷をつけることすらできず、討伐には専用の武器や戦略が必要な存在だ。

 普通の冒険者なら、戦うことすらせずに逃げるのが最善の選択。


 リセルカの表情がわずかに険しくなる。


 「……それで? どうやって切り抜けたんですか?」


 ロイガーは短く息を吐き、静かに答えた。


 「……通りがかった旅人に助けられた。」


 ギルドの奥、書類を整理していた職員の一人が、何気なく報告を聞いていた。

 男の名は──ヴェイル。


 サブギルドマスター直属の部下であり、情報管理を担当する男。


 知性を感じさせる鋭い目つき。

 口調は穏やかだが、長年の経験に裏打ちされた威圧感がある。

 普段は無駄な言葉を発しないが、その観察力と情報収集能力には定評がある。


 彼は手を止め、ゆっくりとロイガーたちに歩み寄った。


 「少し話を聞かせてもらえるか」


 ロイガーたちは顔を見合わせる。

 ヴェイルは、冷静な表情で問いかけた。


 「アイアンベアーを撃退したとのことだが……この近くに、それほどの実力者がいたのか?」


 スレアはすぐに頷く。


 「いたよ。信じられないくらい、強かった」


 カーティスは半ば呆れたように笑う。


 「なあヴェイルさん、信じられるか? ロングソード一本で、アイアンベアーを"半分に"したんだぜ。」


 ヴェイルの目がわずかに細められる。


 「……半分、か」


 ロイガーは静かに頷いた。


 「あぁ……俺も目を疑った。でも、あれは紛れもなく現実だった」


 ヴェイルは慎重に言葉を選びながら、さらに尋ねる。


 「その旅人の風貌を詳しく教えてもらえるか」


 三人はそれぞれ記憶を辿る。


 スレア:「黒髪だったな。目は……深い色をしてた」

 カーティス:「見た目は30前後って感じ? でも、もっと年上にも見えたな」

 ロイガー:「身なりは簡素だったが、無駄がなかった。……あれは"本物"の戦士だ」


 ヴェイルはしばし沈黙した。


 (黒髪、無駄のない動き、並の武器でありえない威力を出す……)


 ──そんな人物に、ヴェイルの知る限り、心当たりが一人だけあった。


 だが、それはありえない話だった。


 彼は報告書を軽く指で叩きながら、静かに言葉を漏らす。


 「……まさかな」


 ヴェイルは報告書を手に、サブギルドマスターのもとへと足を進めた。

これ以降の話を20輪くらいまで作ったのですが、ダラダラと話が遠くなっていき自分が思い描いていたのと違ってきたので、修正の為6~9話まで削除しました。

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