第44話:魔素鉱の改良、魔道士ギルドの使者現る
次は本日の12:00から1時間後づつの予定にいれました。
鍛冶屋ギルドの一角、ゼルヴォードの作業スペース。
彼は先ほど精製した魔素鉱をじっくりと見つめていた。
(……さて、"魔力暴走の危険"をどう処理するか)
通常、この鉱石は魔力を吸収・蓄積するが、一定量を超えると暴走し爆発する。
これを武器にすれば"一撃必殺"の兵器になるが、ゼルヴォードの流儀には合わない。
(そんなもん作っても、"持ち主ごと吹き飛ばす"可能性が高ぇ)
なら、"爆発"を別の形に変換すればいい。
「……よし、やるか」
ゼルヴォードはさっそく設計を始めた。
・"魔力暴走"を"別のエネルギー"に転換する
・安定した魔力供給が可能な"魔道具"として設計する
・必要なエネルギー変換のために"特殊な触媒"を探す
「──ふむ、興味深いな」
突然、背後から声がした。
ゼルヴォードは手を止め、振り向く。
そこに立っていたのは、魔道士ギルドのサブギルドマスターだった。
◆ リオネル・アークウェイブ
・種族:ドラコニアン(竜人族)
・性別:男性
・特徴:鋭い金色の瞳と、肩に小さな竜の鱗がある長身の男
・性格:穏やかで知的、だが戦闘狂の気配アリ
・職能:魔道士ギルドのサブギルマスターで、"魔力理論の専門家"
ゼルヴォードは目を細める。
「……誰だ?」
「これは失礼。私はリオネル・アークウェイブ。"魔道士ギルドのサブギルマスター"を務めている」
「魔道士ギルドの……? で、何の用だ?」
リオネルは微笑みながら、ゼルヴォードの作業台を覗き込む。
「君が今扱っている"魔素鉱"。我々も興味がある」
「……へぇ?」
「この鉱石は単なる"魔力蓄積鉱"ではない。我々の調査では、"魔力変換特性"がある可能性が示唆されている」
ゼルヴォードは小さく鼻を鳴らす。
「なるほどな。つまり、俺と同じことを考えてたってわけか」
「ふふ……どうやらそうらしい」
リオネルは軽く笑った。
「君が何を作ろうとしているのか、興味がある。もしよければ、その研究に"魔道士ギルド"も協力しよう」
ゼルヴォードは腕を組み、しばらく考える。
(……こいつ、ただの研究者じゃねぇな)
ゼルヴォードは"鍛冶師の勘"で相手を見る。
こいつは"知的な学者"の顔をしているが、どこか"戦士の雰囲気"がある。
(もしかすると、"直接戦える魔道士"か?)
「……面白ぇな」
ゼルヴォードはニヤリと笑い、魔素鉱を軽く持ち上げた。
「なら、お前の知識が本物かどうか……ちょっと試させてもらおうか?」
リオネルは嬉しそうに目を細める。
「もちろん、歓迎するよ」
こうして、魔素鉱を使った新たな魔道具の研究が始まった。




