表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
105/186

第102話:魔道士ギルドのギルドマスター、アルテリアの訪問

──コン、コン。


静かに扉が叩かれた後、扉がスッと開かれる。


「ゼルヴォード、少し時間をもらえるかしら?」


「……ん? お前か」


ゼルヴォードが顔を上げると、そこには魔道士ギルドのギルドマスター、アステリア・ルーメンの姿があった。


知的な雰囲気を漂わせる彼女は、落ち着いた態度でゼルヴォードの前に立つ。


フィルミナがすぐに駆け寄り、にこやかに声をかける。


「アステリアさん、いらっしゃいませ!」


アステリアは軽く微笑みながら、フィルミナの頭を優しく撫でる。


「久しぶりね、フィルミナ。あなたも元気そうで何よりだわ」


「はいっ! 今日はどんなご用事ですか?」


・アステリアの目的は、ある"魔道具"についての相談だった。

・しかし、その内容が意外なものだった──。


ゼルヴォードが腕を組みながら尋ねる。


「で、今日は何の用だ?」


アステリアは優雅に微笑みながら、懐から"小さな宝石のような魔道具"を取り出した。


「これについて、あなたの意見を聞きたくてね」


ゼルヴォードがそれを受け取り、じっくり観察する。


・名称:"魔力増幅結晶"

・ランク:A

・特性:"魔法の威力を増幅する"機能を持つが、安定性に問題あり


ゼルヴォードは宝石を指先で弾きながら、興味深げに眺める。


「……ほう。魔力増幅の仕組みか。だが、"まだ安定してねぇ"な?」


アステリアは頷く。


「ええ、そこが問題なの。現在、魔道士ギルドで研究しているけれど、"どうしても暴走する可能性"があって……」


「なるほどな。それで、俺に何ができるかって話か」


アステリアが静かに言う。


「……あなたの技術なら、この"制御の問題"を解決できるかもしれないと思ったのよ」


3. フィルミナとカリーナの反応

カリーナが興味津々な様子で、ゼルヴォードとアステリアのやりとりを見ていた。


「魔力増幅結晶……すごく珍しいですね! でも、どうして暴走するんでしょう?」


アステリアはカリーナに向き直ると、軽く説明を加える。


「この結晶は、魔力を一点に集中させることで威力を高める仕組みなの。でも、その"集中"が過剰になると、一気に暴走してしまうのよ」


フィルミナも心配そうに言う。


「それって……下手したら"魔法を暴発"させる危険もありますよね?」


アステリアは小さく頷く。


「ええ。だからこそ、"安定した制御装置"が必要なの」


ゼルヴォードは少し考えた後、ニヤリと笑った。


「……面白ぇ。ちょっと試してみるか」


ゼルヴォードは鍛冶場の奥から、ある素材を取り出す。


・素材名:"練晶石(れんしょうせき)"

・ランク:C-(低ランクだが、魔力の流れを安定させる性質を持つ)

・特性:"魔力を穏やかに伝導する"能力があるため、暴走を抑制できる可能性がある


ゼルヴォードはアステリアに向かって言う。


「お前の結晶、"魔力の流れが一点に集中しすぎる"のが問題なんだよな?」


アステリアが頷く。


「そうね」


ゼルヴォードは練晶石を指で弾きながら続ける。


「だったら、この石を"フィルター"として組み込めば、魔力の流れを"分散"できるかもしれねぇ」


カリーナが驚いたように言う。


「なるほど……! 魔力を"均等に流す"ことで、暴走を防ぐんですね!」


アステリアは興味深そうにゼルヴォードを見つめる。


「……試してみる価値はありそうね」


・ゼルヴォード、鍛冶技術を活かして"魔道具の安定化"を試みる!

・アステリア、カリーナ、フィルミナと共に、実験が開始される!!

・魔力暴走の原因は、本当に"制御の問題"だけなのか!?


ゼルヴォードは魔力増幅結晶を慎重に扱いながら、作業に取り掛かった。


「……さて。お前のギルドの研究が、どこまで通用するか、見せてもらおうか?」


アステリアは微笑を浮かべながら、静かに答える。


「ええ、あなたの"鍛冶の技術"が、どれほどのものかもね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ