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第七話

「はあ……はあ……」

「まだまだっすよ~せんぱい」

「もう少し……手加減しろ」


 こはねが指さしたのはいわゆる屋内型複合レジャー施設だった。

 屋内でいろいろなスポーツやボウリング、ビリヤードなんかができるしせつだ。こはねは友達とよく行くらしい。俺はスポーツをあんまりしてこなかったのでこういうのは人生初めてだ。

 今俺たちは卓球をしていた。

 だがこはねに右へ左へと球を打ち分けられへとへとだ。


「おりゃー。やった~」


 俺はこはねにぼこぼこにされた。


「いや~先輩弱いっすね~」

「はあ……はあ……お前のスタミナどうなってるんだ」

「こっちは鍛えてるっすからね~」


 いつも部室でごろごろしているのは仮の姿だったのか。

 俺は疲労で動けなくなったのでベンチでぐったりしていた。


 結局そのあとこはねにいくつかのスポーツに付き合わされ、夕方に解散となった。


「せんぱい。今日はありがとうございましたっす。めっちゃ楽しかったのでまたいきたいっすね」

「スポーツはもう勘弁してくれ」

「今度はバスケとかもやりましょうね」

「また疲れそうなスポーツを…… でも俺も楽しかったよ。またこうやって遊ぼう」


 今日こはねの部室で見せる以外の顔を見れた気がした。楽しそうな顔をみているとこっちまで楽しくなってくるようだった。


「じゃあな」

「あ、せんぱい。1個伝え忘れてたことが」

「うん?なんだ?」

「月曜日の朝の放送、せんぱいが科学部の宣伝をするって放送部の友達に伝えといたんで、月曜日の朝8時15分には放送室にいてくださいね」

「まじかよ」

「がんばってくださいね」


 こはねはいたずらっぽく笑った。

 その顔を見て、放送をしなければならない不安とともに、なにかむねのあたりが締め付けられるような感覚がした。

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