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第六話

 俺たちは駅の近くのおしゃれなカフェに入った。

 軽い食事を頼んで落ち着いてきたら、こはねが口を開いた。


「本題の部員集めのことなんすけど、グループラインで言ってみたのは反応がなかったっす」

「そうか~。やっぱり厳しいか」

「でも友達何人かに聞いてみたら一人入ってもいいかなって言ってくれた子がいました」

「ほんとか!?ありがとうこはね!」

「え!?せ、せんぱい、手を……」

「ああ、すまない。無意識で」

「いや、……ぜんぜんいいっすよ。いつでもつないでもらっても」


 こはねは消え入りそうな声でそんなことを言う。

 

「え?いつでもって」

「い、いや。何でもないっす!忘れてください」

「ああ、わかった」


 いつでもってどういうことだ?そのままの意味だったとしたら、そんなの恋人みたいじゃないか。

 それはいったんおいておくか。


「よし。とりあえず一人加入しそうだからあと2人だな。それで、ポスターはどうする?」

「そうっすね。まずデザインを全部変えましょう」

「ええ!?せっかく頑張って書いたのに……」

「残念ですがこのポスターは全然ダメっすよ」

「まじか」

「はい。まず活動場所と顧問の先生が書いてないっす。これでは入りたいと思ってもどこにいって誰に入部届を出せばいいのかわからないっす」

「た、確かに」

「あと、活動日やどんな人を募集しているのかも書いておいたほうがいいっすね」

「さすがです」

「絵が下手な先輩の代わりに私がこの実験の絵はかいておくっす」

「え、こはね絵描けるの?」

「そうっすよ。例えば実験の様子なら……」


 こはねは持っていたペンでさらさらと男の子が実験している絵を描いていく。


「おお。うまい!」

「まあこんなもんっすね」


 こはねが描いた絵はまるでプロがかいた線画のような雰囲気をまとっていた。


「プロの下書きみたいだな」

「いやいや。まだまだっすよ。でもありがとうっす」


 そんなこんなで話し合いは進み、(ほとんどこはねのおかげで)いいポスターができた。


「いや~ありがとうこはね。おかげで部員が集まりそうだよ」

「どういたしまして。でも油断しちゃだめっすよ」

「お礼になんかできることあるか?」

「じゃあ、せっかくなので2人で遊びまくるっす!」

「うん、いいけどなにするの?」

「体動かしたい気分なんであそこっす!」

「え、まじ」


 俺はこはねが指さしたほうを向いてちょっと不安になった。

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