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10 七十先輩

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七十(ななじゅう)先輩は、わたしが花屋に就職した時七十歳だった。


本人がそう言ったのだ。


初出勤でスタッフを紹介され、仕事の手順は七十先輩が教えてくれることになった。


「山形、青木の面倒見てやれ。俺は配達に行ってくる」

社長が車の鍵を持って配達車両のあるガレージに行った。

「はいよ。これからよろしくねぇ」

「こちらこそよろしくお願いします」

「あんたいくつだい?」

「二十一です」

「いいねぇ。若いねぇ」

「山形さんはおいくつなんですか?」

「七十だよ。人生あっというまだねぇ」



そして、あれから二年の月日が流れ去り・・・



「今年おいくつなんですか?」


と、聞くと


「七十だよ。人生あっというまだねぇ」


と今年も言う。


永遠の七十歳・・・。


わたしが彼女を七十(ななじゅう)先輩と、呼ぶ所以(ゆえん)である。









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