表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
烙印を背負う少女を『救』うたった一つの方法  作者: 劇団がお~ん 座長:さむえのたいがー
第二章 思わぬ『ライバル』登場で、いよいよ二人の間は急接近!? 浮かび上がる彼女のホントのキモチ!!
38/50

第三十八話 さぁ! 精霊のほこらへ! 『運命』にあらがいし子らよ!

――サンストーンキャニオン ナンナ・ヌー族の聖地――



 新聞を見てもエリオットたちの音さたがない。


 連日のように『見つからない』や『決死の逃亡劇』などといった見出しが続くばかり。


 ケガを負わせたと書いてあったし。


 もしかしたらってこともあるかも。


 う~ん、まぁ、考えても仕方がないことだよね。



 さて僕らは、カルサイトリコを出て3日。


 ようやくサンストーンキャニオンへと着いたんだ。



 でもね。集落に入った時から、なんだかみなさんに、にらまれているんだ。


 リリー姉さんからよそ者をきらうっていう話は聞いていたけど。


「叔母さん! エハウィー叔母さん! 私です! リリーです! ワナギースカの娘のリリーです!」


 馬をおりて、リリー姉さんが大声でさけぶ。


 すると――。


「リリー! リリーなのね!?」


 薬草カゴをかかえた、どことなくリリーさんに似た一人の女性が近づいてきたんだ。


「あぁ……リリー、よく来たわね。こんなに大きくなって」


「お久しぶりです。エハウィー叔母さん」


「……あら? その髪、さては精霊術を使いすぎたのね」


「ええ、実はそうなんです」


「あはは、私も昔よくやったわ。えっと、そっちの二人はもしかして……」


「はい、ウィルク父さんとエレノア母さんの息子、レヴィンと娘のウィンウィルです」


「どうも」


「……こんにちわ」


 二人ともいつになくよそよそしいなぁ。


 緊張してるのか?


「やっぱりね。どことなく二人の面かげがあるわ……あら? そちらの方は?」


 エハウィーさんと目があった。


 ここは自分から名乗っておくべきだよね。


「えっと、僕は――」


 ちょっと待って? 


 そういえばなんて説明すればいいんだ?


 旅の仲間であるのは確かだけど。


 リリー姉さんはよそ者をきらうって言っていたし。


 もしかしたら赤の他人だとマズ――。


「ウィンウィルの夫のフィルです」


「ちょ! り、リリー姉ぇ!?」


「ぼ、ぼくたちはそんなんじゃ――」


 BONK!


「ぐはっ!」


 リリーさんの(つえ)先がいきなり腹にっ!


 な、なんで……。


「そ、そうなのね! ふふ、かわいらしい新婚さんだこと」


「クーン! クーン!」


「ああ! ごめんごめん、この子はジャスパーフェネックのキキ。よろしくって言っていってます」


「あら、そうなのね。よろしくねキキ、私はエハウィーよ。仲良くしてくれる?」


「クーン!」


「んふふ、ありがと。さ、酋長(しゅうちょう)のところへ案内するわ。いらっしゃい」


 それから、ぼくらはエハウィーさんの招かれるまま、集落を案内されれたんだ。


 でもさ。


 いくらなんでも赤の他人はマズイからって、夫はなくないか?


 イヤなのか、だって?


 そんなことはない。


 そんなことあるわけないじゃないか。


 ただ、むしろウィンの方がイヤがってるんじゃないかってぇぇぇーーーっ!!


 MUNNG!


「ちょ、ちょっとウィン!?」


 ウィンがいきなり腕をからめてきた!


 心臓はもうバクバク!


「こ、こうしないと夫婦にみえないでしょ……だ、だから、しかたなくなんだからね」


 もしかして、これってイヤじゃないってことなのか。


 期待していいかな?


 ――ゴクリ。


 だ、だれか教えてくれ!


「さっ! どうぞ中へ、あいさつが済んだら、ウチに泊って行きなさい。腕によりをかけて、ごちそうするわ」


「いえ、そんな……悪いです」


「リリー?」


「はい?」


 PATSCH!


「痛たっ! なにするんですか!? いきなりおでこを小突くなんて……」


「なーに子供が遠慮(えんりょ)してんのよ。久しぶりに会ったんだからそれくらいさせなさいよ」


「……はいっ! ありがとうございます。エハウィー叔母さん」


 楽しみにしていてね、と言い残してエハウィーさんは去っていく。


 なんか陽気な人だったなぁ。


 さて、改めて僕たちは集落で一番大きい『ティピー』の中へ入る。


「来たか、運命にあらがいし子らよ」


 

 


 酋長しゅうちょうにまるで待っていたかのような口ぶりで出むかえられたんだ。


「お久しぶりです。おじいさま」


「……うむ、久しぶりよのぉ、リリー」


 あざやかな羽かんむり。


 強面で厳格(げんかく)そうな人だ。


 手には(つえ)? 


 にしては細すぎし、変な形をしている。


「……この人が、リリー姉ぇのおじいさん」


酋長(しゅうちょう)、あんた、オレたちが来るのを待っていたみてぇだけど、どういうことだ?」


「ちょっと、レヴィン! 口をつつしんで! この人はヌー族の中でも英雄と言われた人なのよ!」


「ホォホォホォ、かまんわよ。さぁ、お座りなさい」


 意外とやさしい。


 でもなんだろう。


 空気がこう、何っていうんだろう。


 おごそかっていうのかな。


 どうも落ち着かない。


「それで、酋長(しゅうちょう)。私たちを待っていたようですが……いったい」


「リリーよ」


「はい」


「昔みたいにおじいちゃまって呼んでくれんのかぁ~」


「ちょ、ちょっとおじい様!」


 意外。


 考えてみればなんてことはない話だけど。


「へぇ~……リリー姉ぇ、そういうかわいい時期があったんだねぇ~、ニシシ」


「そ、それは、ほ、ほら、子供だったから!」


「あったりまえだろ? つーか、今も十分カワイイだろうが」


「ば、ばか! 人前で、そ、そういうこと言うのやめなさいよ! レヴィン!」


「ホォホォホォ、その青年のいうとおりじゃな。さて、リリーのかわいらしい姿を見たことだし、本題にうつるとしよう」


「うぅ~、もうおじいさま!」


 ほんとお茶目な人。


「さて、お主たちが来ることを知っていたのはほかでもない。精霊の知らせがあったからのう」


 なんでも昨日砂絵で対話していたところ、そういう話があったとか。なんとか。


「その白き娘の【烙印(スティグマ)】を消す方法を探しに来たのだろう? その者の母と同じように」


「え!? どうしてエレノア母さんのことを!?」


「うむ、お前たちは知らぬだろうが、その者も同じ道をたどったのよ」


「「「なんだって!」」」


 だったら最初から、そう言い残してくれていれば。


 いや、ちがう。


 多分――。


「なんだよ。親父のやつ、最初からそう言っておいてくれればよぉ」


「アニキ、それは多分ちがう。僕らは星霊銃(ピースメーカー)を手に入れ、〈グランドモンスター〉をたおさなければいけなかったんだ」


「うむ、その少年の言う通りだ」


 やっぱりね。


「フィル、どういうこと?」


「〈ジェードロッジ〉の酋長(しゅうちょう)がいっていたよね。【烙印(スティグマ)】を消す方法を知る人物は〈グランドモンスター〉をたおした人としか会わないって」


「うん、たしかそうだった気がする」


「おそらくだけど、〈グランドモンスター〉に戦える武器が星霊銃(ピースメーカー)だったんだ」


 リリー姉さんの精霊術でも戦えるけど。


 見ての通りリスクが大きい。


 〈グラトニー・プリン〉を()てたのはたまたま。


 もっと星霊銃(ピースメーカー)を使いこなせれば、きっとリリー姉さんに負担をかけず、たおせたはずなんだ。


「ウィンのお父さんとお母さんはきっとその手がかりを残していたんじゃないかな?」


「そういうことだったのかよ、ったく」


「あの二人らしいわね、私たちをきたえるためにわざと」


「……お父さん、お母さん、ありがとう」


「ホロロ……」


「ありがとう、キキ、またなぐさめてくれるんだね」


 ウィンの涙がまぶしい。


「さて、話はほとんど少年が話してくれた通りじゃ、では本題じゃ――」


 酋長(しゅうちょう)はすっとリリーさんの前に、自分の杖を差し出して。


「明日にでも、この【聖なるパイプ】をもって精霊のほこらへ行ってみなされ」


 そっか、あれ、(つえ)じゃなくてパイプだったんだね。


「そこで【星獣】様が待っておられる」


「【星獣】様?」


「うむ、そのお方が、【烙印(スティグマ)】についてくわしく教えてくださるじゃろう。リリー、【聖なるパイプ】の使い方はわかるな?」


「はい、ですが、私、見ての通り精霊術が」


「なら、その前にここの【泉】で水浴びしていきなさい。そこでなら回復することができる」


「ありがとうございます。何から何まで」


「いや、カワイイ孫娘のためじゃ。気にするな。さて今日はエハウィーのところへ泊まるのだろう? さぁ、行ってやりなさい」

ここまで読んで頂いた読者の皆様、読んでくださって誠にありがとうございます(人''▽`)




さらに☆☆☆☆☆やブックマークもいただけると本当に嬉しいです!(^^)!




また【新作】の供養投稿をはじめました!




「暗殺少女を『護』るたった一つの方法」


https://ncode.syosetu.com/n9106hy/


「あのヒマワリの境界で、君と交わした『契約ゆびきり』はまだ有効ですか?


https://ncode.syosetu.com/n9125hy/


ご評価いただけると執筆のモチベになります! ぜひよろしくお願いいたします!




「面白かった!」って感想一文いただけるだけでも、すごくうれしいです!






何卒よろしくお願いいたします<(_ _)>




【追伸】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑にある☆☆☆☆☆から、作品への応援をお願いいたします!
執筆の励みになります!
「面白い!」「続きが読みたい」と思ったら星5つ、つまらなかったら星ゼロでも1つでも大丈夫です! 
正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です! 何卒よろしくお願いいたします<(_ _)>








cont_access.php?citi_cont_id=985483668&s ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ