第三十四話 オチはやっぱり『コレ』だよね? プリン系モンスターの約束ごと!
本日は19:30頃から後二話投稿します<(_ _)>
「えっ!? やってみるって!?」
「ダメだよ!! リリー姉ぇ! 初めての対話は『代償』が必要だって自分で言っていたじゃん!!」
代償だって!?
話の深刻さからして、『命』をうばわれることもあるのか!?
「みんな悪いけど、もう少しだけ時間をかせいでくれる」
「そんなっ!? リリー姉っ!!」
「安心しろ! 何かあったらオレがリリーを守る!」
「レヴィン兄ぃ……」
「フィル! ウィンをたのんだぜ!」
「……わかった!」
アニキとこぶしを付け合わせる!
リリー姉さんのこと、たのんだよ。アニキ。
「ウィン! とにかく時間をかせごう! 今は自分のできることをやるんだ!」
「……う、うん」
再び引き金を引く!
BANG! BANG! BANG!
「話は終わりまして!?」
「うん! 続行っ!」
「上等ですわっ!」
こうなったらとことんやってやる!
『PU! PUUUUUUUUUUUUUUUUUUDDDDDDDDDIIIIINNG!!』
くそっ! こいつっ!
まだまだ元気そうだ!
バカにしてるのかっ!
GRUMBL……。
「え……」
「なんでしょう。急に雲行きが……」
「さっきまで晴れていたのに……どうして!?」
「みなさん見てください! 空に黒い雲が!?」
「まさか!? リリー姉さんの!?」
「ホロロ……」
〈キキ〉はふるえている。
アレ苦手だもんな。
「ほら、キキ、バックの中に」
GRUMBL……。
『彼の心は純粋そのもの! 闇を恐れぬのは彼の力を知らなき者! 翼は稲妻がほとばしり! 雷鳴はその後を追う! 汚れし者に衝撃を! すべての者に畏怖を! 雷鳥の一撃ァッ!!」
稲妻をまとう鳥が黒雲の中から急降下してくる――!!!
KYYYYYYYYYYYYYYYYAAAAAAAAAAAA――!!
さすがに、マズイって思ったよ。
だからすぐにウィンをかばったんだ。
そして――。
KABOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOON!!!!
――どうなった?
「ゲホっ! す、すごい……ケムリ……そうだっ! ウィンはっ!?」
「クーン! クーン!」
「えっ! 無事!? よかったぁ……」
ウィンは僕の下で気を失っている。
まずはウィンを起こさないと。
「ウィン! しっかりして!? ウィン!?」
「……ん……ぅ……フィ……ル?」
「よかったぁ、気が付いてくれて」
「……えっと、どう……なったの?」
「わかんない。とりあえずみんなを探そう」
立ちあがって、あたりを見わたす。すると、すぐに――。
「おーい! フィルさーん!」
ケムリの向こうから声がした。
この声はリュシアンくんだ!
「こっち! こっちだよ! リュシアンくん! アリサさんも!」
「ああっ! よかった! 無事でっ!」
「お二人ともご無事でしたか! ところでお嬢様は?」
「たしか、近くにいたと思いましたけど?」
「こっちですわ!」
ケムリが晴れて、ジェニファーさんが現れ、その後ろには。
「わぁ! 丸こげじゃん!」
真っ黒になってヒビ割れ始めている〈グラトニー・プリン〉がいたんだ。
「あっちこっちからプスプスとケムリが、これじゃあもう確認するまでもないか」
それにしてもスゴイ、精霊術だったな。
あんなのを切り札で用意していたなんて。
「あ、そうだ! リリー姉さんとアニキは!?」
「うん、そうだね! さがさないと!」
「ゥワァン! ゥワァン!」
「どうしたの? キキ、あっちいるって!?」
遠くから、手を振ってだれかが近づいてくる。
「おーい! みんな! 無事か!」
「レヴィン兄ぃ!」
「アニキ!」
僕とウィンはすぐにかけよったよ!
その腕に白い髪のキレイな女性を抱きかかえるアニキの下へ――
ん? あれ? ちょっと待って?
「えっと、レヴィン兄ぃ? その人は?」
「ワン!」
はぁ!? キキ!? どういうこと!?
「失礼ね。私よ」
「えっ!? まさか!? リリー姉ぇ!?」
「どうしたの!? その髪!?」
「……精霊力を全部持っていかれちゃった。たぶん当分、使えないと思う」
これが代償。
でもなんといか。
ウィンと同じく白くて――。
「……キレイ」
「ふふ……ウィンと同じになっちゃったわね。これでもうちょっと姉妹に見えるかしら?」
「ば、ばか……もうとっくに姉妹でしょ」
笑ってみせているけど。
これは大変なことだ。
それに、アニキ、さっきからリリー姉さんを抱えたまま、ずっと下ろそうとしない。
どうしたんだ?
まさか――。
「リリー姉さん、まさか足も? もしかして歩けなくなったんじゃ?」
「あぁ~これはちがうの。ほんと一時的なものだから、立ち上がる体力がないだけだらから、心配しないで」
「なんだぁ……よかった。それにしても……」
「オメデトさんだね!」
「バ、バカ! からかうんじゃない! わぁ!」
「おっと! おっとあぶねぇ!」
「ご、ごめんなさい……レヴィン!」
「みなさん! そんなところにいないでちょっとこっちいらして!」
そうだった。
喜びにひたるのはとりあえず後だ。
ジェニファーさんたちが呼んでいる。
「どうしましょう。これ? どうやって報告します?」
「これって? ああ~……〈グラトニー・プリン〉の一部をとっていかなきゃいけないんですよね」
どうしよっか。
多分丸こげのものを持っていてもなぁ。
「別にとっていけばいいじゃない! んしょ!」
べりべりとはがし始めるウィン。
もうしょうがないなぁ――。
――PISH!
ん?
「さっき、黒こげの〈グラトニー・プリン〉の表面、ぴしって言わなかった?」
「まさか! 生きてる!?」
「ククククーン! クーン、クーン、ク~ン……」
「え? キキ、『お前はもう死んでいる』って? そんなシブイ顔しなくても分かるって」
いつの間にそんな芸をおぼえたのやら。
キキの話だと死んでるのはまちがいないっぽい。
じゃあなんなんだ?
PFFFSCH――。
「姉さん。なんか水がふきでたよ」
「お嬢様、これは危ないんじゃありませんか?」
「そうですわね。ですが幸い消化液じゃないようですわ。地面がとけていませんもの」
なんだかイヤな予感。
そういえば前にも似たようなことあったなぁ。
「せーのっ! ん~~~っ! あれぇ? と、とれなぃっ!」
そんな空気なんて、知ってか知らずか、表面をはがそうとウィンは苦戦中。
「なぁ、フィル、あれマズくねぇか?」
「う~ん、でも……」
「そうね。もう遅いわね」
今からにげても間に合わない。
僕らは腹をくくった。
「ねぇ、ウィン!」
「えぇ! なーにっ! フィル!?」
「あぶない」
「へ?」
BOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOM!!
ここまで読んで頂いた読者の皆様、読んでくださって誠にありがとうございます(人''▽`)
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「暗殺少女を『護』るたった一つの方法」
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