第十四話 関係者が『語』る!? かつての仲間がとったとんでもない行動とは?
――開拓の町ルチルタウン 酒場・金色の輝き――
「くそっ! おもしろくねぇ!」
DUTZ!
酒がまずくて仕方がねぇ!
こんなまずい酒、初めて飲む。
「なんでA級のオレたちが金で困らなきゃならねぇんだ!」
明日の酒を飲む金もねぇなんて、『ウォラック興産』始まって以来だぜ!
ったく……。
「……そうイラつくなよ、リーダー。いまヴェニーが割のいい仕事探してるからよ」
「そもそも、あんとき逃げる必要なんかなかったんだよ! てめぇのせいでな!」
「ちょっとまてよリーダー! そいつはねぇだろ! あのとき逃げなきゃ! みんな死んでじゃねぇか!」
「はぁ!? それがそもそもの間違いなんだよ! あの後オレ一人でも十分――」
「リーダー! 兄ちゃん! 持ってきたよ! あれ? どうかした?」
「なんでもねぇ……いいから見せろ」
なになに……デザートウォーム、50匹討伐……20ノル――はぁ!?
「ヴィニー! てめぇ! クソみてぇなB級の仕事もってくるんじゃねぇよ! ふざけてんのか!」
「で、でも、酒場のマスターがこれじゃねぇと受けられねぇって」
「はぁ? どういうことだ?」
それを聞いたオレは、すぐにマスターにつめよった。
どういうことなんだってな!
「どういうことだ!? サム! なんでオレたちがB級に下がってんだよ!」
「はぁ!? しらねぇよ! 協会がお前らはB級っていったんだからそうなんだろ! どうせ前の依頼失敗と、協会認定の〈ガンスミス〉に銃を向けたのが原因だろうよ」
「ぐっ……」
「それとな! 最近お前ら素行悪すぎだぞ!? 賞金稼ぎつったら荒くれものぞろいだけどよ!」
「あぁ?」
「その辺のクソみてぇに毎日毎日安酒ばっか注文しやがって、フィルがいたころの方がマシだったぜ」
「んだと! ふざけんな! こっちだってヨユーねぇんだよ! いいからA級の仕事よこせ!」
「はぁ!? だからだせねぇって――おいおい、ちょっとまてよ」
「リ、リーダー……」
「リーダー、そいつはさすがにマズイって」
どいつもこいつも、ムカツク。
オレには時間がねぇんだ!
「な、なにも銃を向けるこたぁねぇだろ? 落ち着けって、それにオレに銃を向けることがどいうことかわかってんだろ? おい?」
「知らねぇな! いいから依頼をみつくろえ!」
「だからできね――」
――BANG!
GATSHAAANG! KLIRRRRR!
オレは酒場のマスター、サムの言葉をさえぎってやった。
棚にあった酒がいくつかふっとんだがそんなのはしらねぇ。
全部、ヤツのせいだ。
そうだ。全部簡単なことだったんだ。
はじめっからこうすればよかった!
「なにやってんだリーダー!」
「リーダー、もういいわけできねぇよ……」
「うるせぇ! テメェらはだまってオレの言うことを聞いていればいいんだ!」
「エリオット、テメェ……このことは協会に報告させてもらうからな!」
「ああ、かまわねよ。その代わりA級の仕事はうけるがな」
「……あのな」
「おっと! また下らねぇことぬかしやがったら、今度はてめぇの頭が風通しよくなるぜ?」
「……ちっ! ほらよ! オレは責任とんねぇからな! あくまでもテメェらが勝手に受けただけだ! オレはなにもしらなぇからな!」
世話の焼けるヤローだ。
こんだけ言って、ようやく出してきやがった。
よし、これで――。
「あら? 何かお困りの様子ですわね?」
「姉さん、やめようよ。まずいよ、入っていっちゃ」
「お嬢様、ここはかかわらない方が得策かと……」
なんだ? おかしな三人組が入ってきやがった。
真ん中にいるのは、金髪縦ロール? どっかの資産家か?
にしても乳がでけぇなこいつ。
それととなりのちっこいのは、弟か?
なよなよしやがって、こいつ見ているをフィルを思い出してムカついてくる。
フッ――ちょっとまて、おいおい、なんだぁ?
後ろにいるやつ、ありゃメイドか?
しかもあの頬のウロコ、竜人じゃねぇか。
「おいおい、こんなところまできて、ピクニックか? ここはお金持ちのお嬢様がくるところじゃねぇぜ?」
「そうですわね。酒場に来たつもりでしたが、この馬屋に似たにおい」
「んだと?」
「それにOINKOINKと金にたかるブタの大合唱、どうやらブタ小屋と間違えてしまったようですわね? ごめんあそばせ」
こ、こいつ……!
「テメェ……」
「てめぇじゃありませんわ。人には名前というものがありますのよ? ブタさん?」
オレは〈ショットガン・アックス〉・【シルヴァラート】を振り下ろす!
「がっ!?」
な、なんだと!?
こ、こいつ、いつの間に銃を!?
オレよりも早くアゴに銃口をつきつけやがった!?
「ノロマですわね。ダイエットをオススメしますわよ。ブタさん」
オレはおどしのつもりだった。
こんな女に時間をとるだけムダだからな。
ちょっとおどしてやれば、泣いて逃げ出す。
そう思っていた。
なのに!
「ブタ並みの頭でもわかるように教えてあげますわ! わたくしの名は〈ジェニファー=シルヴァーヒールズ〉、シルバーヒールズ家当主、A級賞金稼ぎ、【平原の災厄娘】とはわたくしのことですわ!」
「な、なんだって!? て、てめぇか!? あの伝説賞金稼ぎの名を語っているっていうニセモノは!?」
「な……!」
「あちゃ……」
「言ってしまわれましたわね」
なんだ、こいつらそろいもそろって、ため息つきやがって……。
BATZ!
「わぷ――か、顔になにか!? いきなり、な、なにしやがる!? なんだこりゃ!? グローブ?」
「上等ですわ! 表に出なさい! わたくしのはニセモノではなく! リスペクト! そのへんのところよぉくそのブタ並みの頭に教えて――」
「お言葉ですが、お嬢様。ブタに例えるのは、生産者さまに失礼かと」
「そ、そうですわね。生産者のみなさまは尊敬に値する方々、さらにブタにも失礼ですわね。あとで謝罪会見を開きましょう、うんうん」
なにわけわかんねぇこと言ってんだこいつら?
とにかくオレをバカにしているのはたしかみてぇだ。
「と、とにかくそのつっるっつるの頭に刻んであげますわ!」
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「暗殺少女を『護』るたった一つの方法」
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「あのヒマワリの境界で、君と交わした『契約』はまだ有効ですか?
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