〜二学期初めの1日〜
朝のホームルームは、新学期でのお知らせなどの話があり、あっという間に終わってしまった。
その後始業式があり、眠くて半分くらい寝てしまったがまぁ大丈夫だろう。
相変わらず校長の話はつまんないし長かったからね。
でも、生徒会長からの話は面白いしわかりやすいからしっかり聞いた。
これだから、生徒からも人気で支持も多いのかな。
そして今は教室に帰ってきて二学期の役割決めをするところだ。
委員会と学級組織を先生が指示を出しながら立候補で決めていく。
「ということで、まず代議員立候補者いるか〜?」
「はい!」
「は、はぁい!」
着々と役割に割り振られていく。
私がなんの役割がいいかはもう直ぐ分かるだろう。
「次に図書委員立候補者いるか〜?」
「「はい!!、え/お、」」
私が勢いよく手を挙げると同時に葵くんも返事をし手を挙げていた。
(なんで葵くんが図書?てっきり運動とかその辺りかと思ってたけど、、)
私は昔から本が好きだから毎回この委員会にしているが、はて、葵くん読書家だったっけな?
あまりそんな感じのイメージじゃないけど、私が知らないだけかな?
「ん?二人ともどうかしたか?」
「あ、いや、大丈夫です先生!」
「俺もなんでもないです!」
「ならいいが、図書委員は白座 葵と野崎 杏で決まりだな。じゃあ次に学級組織の方を決めていくぞー」
正直葵くんと同じになるとは思っていなかったので少し驚いたけど、これから委員会の仕事で困ったりとかはないと思うから、気にしなくていいだろう。
私がああだこうだ考えているうちに役割決めは着々と進んでいった。
「とりあえず全部振り終わったな。じゃあこれからのことを説明する。この後直ぐ昼の休みが始まるから、その時間で学食に行くなどして昼食を済ませ、終わった後、委員の生徒は各委員会の活動のある場所に行き、残りのそうでない生徒は部活に行くか下校だ。」
うちの学校は少し変わっていて、1日目は午前中で帰るのではなく、午後各委員会のこれからの活動内容や常時活動の確認の時間が設けられている。それ以外は部活動などを行い下校する。無論、私は図書委員のため、活動場所である図書館に昼休み終了後にいかないといけない。
「キーンコーンカーンコーン」
「それでは役割決めを終了する。礼!」
「「「「「ありがとうございましたぁ!」」」」」
「杏ちゃんこれから一緒に学食行かない?」
「うん、いいよ莉里華ちゃん。」
私たちは昼食を食べに学食に向かった。
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「杏ちゃんはお昼何食べる予定なの?」
「うーん、私はオムライスにしようかな?」
「杏ちゃん学食のオムライスよく食べてるもんね!」
「うん、ここのオムライス、ケチャップがあまりすっぱくないやつなのかわからないけど味がマイルドでやみつきなんだ〜」
そんなことを話していると一階にある学食についたので、私たちは学食を頼もうとしている学生たちの列の後ろに並んだ。
弁当を作るのが大変なのか、学食がただ美味しいのか、、まぁ多分後者の方の理由で生徒の半分以上が学食を利用している。
「そいえば杏ちゃん、葵くんと同じ図書委員だったよね?いいなぁ。」
「いやいや、たまたまだよぉ〜。葵くんって本とか読むのかな?」
「そういう話は聞いたことないけどねぇ。」
「嬢ちゃんたち、今日は何食べてく?」
話をしているとあっという間に学食を頼むおばさんのところまで列が進んでいたので、お気に入りのオムライスを頼むことにした。
「私はオムライスで。」
「じゃあ私はカレーうどんにしようかな?」
「オムライスにカレーうどんね!じゃあトレイを持って先に進んでもらってきてね。」
この学校の学食の支払いは学費などと一緒に後から引かれる制度で直ぐに払う必要がないため、少し手間が省ける。
前に進むと、カレーとケチャップのいい匂いがしてきた。
「はい、お待ちどうさん。オムライスとカレーうどんだよ!」
「ありがとうおばさん!」
「ありがとうございます。」
私たちは自分の頼んだ学食を持って窓際の席に着いた。
食堂には四人で座れる席が真ん中の方に、窓際に二人で向かって座ったり一人で食べれるところがある。広さは、大体体育館と同じくらい。
「んー!やっぱ学食のカレーうどんが一番!」
「よくカレー飛ばないよね。」
「プロですから!」
莉里華ちゃんはそういうとニコッと笑った。可愛い。
「そいえば、莉里華ちゃんはなんの役割にしたの?」
「私は文化委員会だよぉ!」
「そいえば、ちっさい時からピアノならってて、今も吹奏楽部だったっけ?」
「うん!楽器弾くのすきなんだぁ。」
莉里華ちゃんの特技は歌を歌うことや楽器を弾くなど音楽関連だったけか。私は強いていうなら絵描くのすきかな。楽しいし。
うちの学校の組織はまず一番上が生徒会で、そこから各委員会、代議、図書、学習、保険給食、文化、体育、生活とプラス部長会があるといった感じだ。
委員会は各学級から男女二人ずつ出ているが、生徒会は、推薦30票と偏差値65以上じゃないと入れないという、ハイレベルな集まりなのだ。
私は、勉強ができたとしても推薦が30も集まらない気がする。
「ん〜!美味しかったぁって、もうこんな時間!!杏ちゃんもう昼休み終わっちゃうよ!?」
時計を見るともう昼休みが終わるまで五分もなさそうだ。
「ほんとだ!ささっとかたずけて教室いこ!」
私たちは食器を直して早足で教室に戻った。
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「じゃあ杏ちゃん今から委員会の集まりでしょ?私も文化委員会の集まりあるからまた明日ね!」
「うん!また明日ね!」
莉里華ちゃんはそう言うとこちらに手を振りながら教室を出て行った。
「私もそろそろ図書室行かなきゃ。」
私はドアの方に行き、開けて廊下に出ようとすると後ろから声をかけられた。
「待ってよ野崎さん!俺置いてくつもり?悲しいなぁ。」
「え、葵くん!?いや、置いてくつもりはないけど、、」
「んじゃいっしょに行こ!」
まさかいっしょに行くとは思ってなかったので少し驚いたが、彼から誘ってくれたので断るわけにもいかず、結局一緒に行くことになった。
「野崎さんって呼び方、堅苦しいしこれから数ヶ月一緒に仕事する同級生なんだから呼びタメ、杏って呼んでいい?俺も葵でいいからさ。」
「うん、いいよ葵くん」
彼とはなんとか上手くやっていけそうだ。
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「ーーーーーー以上で第一回図書委員会を終わります。礼。」
「「「「「ありがとうございました。」」」」」
これからの活動内容と常時活動の確認が終わり、あとは練習として本を三冊本棚に直したら帰っていいとのことだった。
私は着々と本を直していき、あと文学の本一冊だけだ。この本を直すために文学の本のコーナーに向かっていた。
図書館は体育館まではいかないがそこそこ広くて、本棚は私の身長より少し高いくらい。
「この本はここだね。おいしょっと。」
「、、パサぁぁ!!」
「あ!?」
本を直した時に肘があたって一冊の本が床に落ち、床で開いてしまっている。
「あちゃちゃぁってこの紙の切れ端なんだろ?」
落ちた本の横に、この本から出てきたと思われる紙の切れ端があった。
私はその紙を拾ってまじまじと見た。
「ーーーーーーーーーーConvoquer?」
そこにはアルファベットが並んでいて、上にカタカナが振られていた。
そう、私はとっさにその振られていたカタカナを”読んで”しまった。
「え、なに、これ、」
私が立っていた床が真っ黒に染まり、なんだか体が沈んでいく感覚がする。
「っ!?杏!!!」
「葵、、くん、、、?」
葵くんの声がしたところで私は意識を手放した。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
今回の作品は私の初めての小説となっております!
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