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日常系、時勢・時事問題のエッセイシリーズ

#V-power消滅絶対反対を流行らせて出光を揺さぶりたい今日この頃

 突然なニュースに驚きを隠せないのは他でもない筆者と、恐らくマイカーユーザーには決して少なくないV-Power信者だろう。


 6月19日。

 新聞報道により出光と昭和シェルブランドは消滅し、新たに「apollostation」なる奇妙な名前でブランド統一することが発表された。


 これを報道はなぜか「双方のブランドが消滅する」だとか書いているのだが、勘違いも甚だしい。

 Apolloはガソリンスタンドを始めた初期の出光が用いていたブランド名。


 65歳以上からしたら出光のブランド名こそがApolloに他ならない。

 見てみればロゴマークは出光のもののままじゃあないか。


 どこが双方のブランド消滅なのかさっぱり理解できないわけだが……


 つまりこれは散々っぱら有識者が危惧していた「完全な形の統合ではない出光による昭和シェルブランドの乗っ取り」以外のなにものでもない。


 ただでさえ幹部級が出光陣営ばっかでバランスが取れていないといわれていたが、片方の創業者の一族は自身のブランドが継続すりゃシェルのブランドなんてどうでもいいと思っているのだろう。


 私からすれば「ライジングサン」石油の太陽のイメージを利用して出光と上手い具合に混ざり合った新生ブランドが生まれてほしいと思っていたのだが、店舗数でも規模数でも上回るはずのシェルはなぜか完全にそのイメージが消失してししまうわけだ。


 本件においてはそもそも当初より有識者が「早すぎる時期に強引な手法を行えばすさまじい反発が予想される」という記事を雑誌に投稿していた。


 とくにシェル系と出光系の場合、地元の篤志家が中心となって代々引き継がれてきた地元密着なシェルと、小さな母体ながらも日本の日本人による日本人のスタンドを作り上げた出光とでは温度差が激しい。


 正直言えば後者は結局は収益性を重視するので近年ではスタンドを畳む事例が相次いでおり、地元に根付いて周囲からの支援も受けながら営業を継続するシェル系とはスタンスも自負心もまるで異なっている。


 大体が出光系は小さな店舗を拡張していくという発想で基盤が弱いスタンドが数多くいたので、次の代に受け継がせるという前に昨今の自動車業界の時代の波に飲まれては廃業する他、選択肢などないぐらい貧弱な所があり、


 これを昭和シェルと統合することでノウハウ等も活用して再び活性化させるという思惑があったはずだが、現実的には新しいスタンドはシェルブランドばっかであったことを考えると、その考えは完全に上手く行かなかったといわざるを得ない。


 いわばこれは有識者が予想していた「創業者一族のプライドによりブランド名は出光へ」「実態としては現場の小売はシェル形式へ改める」という方向性なのだろう。


 いかな映画等で創業者本人が持ち上げられても、現実はシェルの運用基盤の方が圧倒的に今の時代に即していたというわけだ。


 にも関わらずに来年には切り替えというのは、上だけが決めて下は従わされるか別ブランドに乗り換えるかを迫られているような気がしてならない。


 これで全体の店舗数が減ったらお笑い種だが、果たしてどうなるかといったところ。


 それよりももっと問題なのが「V-Power」である。


 2020年6月現在、恐らく最も評価され、最も品質が高く、そして最も支持されているであろうハイオクだ。


 まずシェル自体の売り上げは他のブランドよりもハイオクの売り上げ比率が高い。


 これはもう旧昭和シェル自体が自信をもって株主に報告していたように、SNSや掲示板で「V-Power残せ」という主張がかなり散見されるように、最も評価されていたハイオクだったのだ。


 理由としては他社と異なり、一切元となるガソリンが混ぜられることがないことが保証されているからなのと……もう1つはやはりPEAの存在だろう。


 かつてこれと同格なガソリンはもう1つあった。

 それがエネオスのヴィーゴであり、V-Powerが駄目でもヴィーゴがあると言えた時代があった。


 それがエネオスはなんと統合したことで店舗数が増えて品質保証を出来なくなったことから、ヴィーゴの販売を2018年の8月時点でやめてしまったのだ。


 以降はエッソのハイオクブランド「シナジーF1」で統一されてしまい、まったくもって魅力が皆無となり、筆者はエネオスカードその他を全て解約して現在に至っている。


 二輪関係の小説を書いていた翌年には「ヴィーゴ」が消えたとか、いまさらな報告なのだが……エネオスでハイオクを入れてもPEAの入ったハイオクはもう提供されないし、一切他社のものと混ぜられていないとされた品質保証もなくなったわけだ。


 一部SS乗りなんかは今暗黒時代といわれてたりする理由は、ただでさえ航続距離がそう長くないのにエンジン保護考えるとV-Powerを入れざるを得ず、スタンド探しに苦労して横道に逸れて新しい発見をしようにも苦労するからである。(YZF-R1乗ってる人は結構V-Power入れている印象がある)


 その一方でどっかのふざけた男が京都のアニメ会社をガソリンで燃やして以降、携行缶へのガソリン給油は正しい運用……つまり車体に固定した状態でですら断られるようになってきている。


 そもそも固定した状態で仮に入れるとしてもいちいち店員に免許証見せてなんでかんでやらないといけないので、周囲からしたら「何モタモタしてんだよ! 早くしろよ!」なんて罵声を浴びせかけられないぐらい時間がかかるようになった。(実際にSNSでは罵声を浴びせかけられた報告が挙がっている)


 正直言って面倒なことこの上なく、単純にタンク容量を増やす方が楽なぐらいだ。

 そしてそう思う人間はどうやらメーカーに対して需要を生むほどにはいたらしい。


 元々筆者は「航続距離は450kmはほしい」なんて主張していたタイプだけど、近年では本気で同様の悩みを持つライダーは増えてきたのか……


 なんとつい最近、売れ筋のZ900RSに対し、あのヨシムラが3Lも容量を増加させたアルミタンクを販売すると発表していたり、各所で人気の新型バイクに対する増量タンクの登場が目立つ。


 特にZ900RSは17Lでハイオクにて田舎道を走ると大体22km/1Lぐらい。


 20LタンクのZ900RSは430kmは確実に走ると思われるが、給油は400km毎ぐらいでよくなるはずなので……極めて優秀なツーリングマシンに化ける。


 といっても、あの硬すぎるサスペンションなどは連続400km運転には辛すぎるとは思うが。


 きっとアレをツーリングマシンとして仕上げようと思う人はスポークホイールを入れたりして乗り心地をよくするのだろう。


 ちなみに筆者はイベントでパーツメーカーにビッグタンクを望むってな話をしていたZ900RSユーザーを目撃している。


 ホンダのNC750とX-ADVでも同様の発言をイベント等でメーカーに問いかける所有者は多かったが、ことZ900RSも17Lでは足りないと思う者はそれなりにいたようだ。


 それだけの価値が十分あるバイクである。


 このようにビッグタンクが登場するぐらい、あの事件とエネオスによるヴィーゴ販売終了は様々な影響を与え、少なくないライダーを苦しめているのだ。


 一方でエネオスだったスタンドが昭和シェルになったり、昭和シェル自体のスタンドが統合後に増えていった事から不安は若干減少してはいた。


 しばらくの間は安泰だしV-Powerでいいやと、個人的にはそう思っていた。

 その矢先の出来ことである。


 これまで自らを支えていた土台がまさに崩れかけているのが現在というわけだ。


 V-Powerは元々ロイヤルダッチシェルの商標。

 あくまでこれまではライセンス利用させてもらっていたに過ぎない。


 だからシェルの商標を返上する場合はこいつも使えなくなる。


 間違いなく商品名としての「V-Power」は消える。


 だが多くの昭和シェルユーザーは「V-Power」と同等の商品がアポロステーションから販売されないなら、もう出光系のステーションなんて使わんだろう。


 だって「スーパーゼアス」なんてさして魅力ないし。

 そもそも出光の販売方針はハイオクではなくレギュラーガソリンの品質の向上を中心としているから力も注いでいない。


 中身も洗浄剤が入っているというが安価な洗浄剤で、洗浄力についての宣伝はまったくしていない。


 ヴィーゴとV-Powerの時代から名前を聞いたのはエッソ、モービル、ゼネラルのシナジー1ぐらいで、他のハイオクは「緊急時に入れるかどうか」なぐらいであって、TVCMでも前者2つばかり強調されていたぐらいだ。


 昭和シェル電気にまで契約してV-Powerを入れていた身としては、そこまで契約してんのはV-Powerのためであって、出光に乗っ取られたアポロステーションブランドが同等のハイオクを保証しないなら全部解約だ。


 何1つ利点ないからな。


 というかそこまでやっているのが昭和シェルの強みであり魅力なのに、なにやってくれちゃってんのって話ですよ。


 店舗数ならそもそもエネオスの方が多いんだから、素直にシナジーF1と同等のハイオク入れてフューエルワン入れるよ。


 でもそれが嫌だったからV-Powerに拘ってきたのだよ。


 非常に高いオクタン価に対してPEAの配分比率もかなり高めだからこそ、魅力的だった。


 100オクタンのハイオクにフューエルワン5%も入れたら単純計算でも95オクタンになってしまう。

 ハイオク限定車両なんてそんなの危なすぎて使えんでしょう。(ハイオク車の最低運用オクタン価は96以上とされる)


 ヴィーゴとV-Powerはそういうのを気にせず入れられるからこそ評価され、そして中でもV-Powerに特別な感情を抱く者が多くいたのも、フィーリングどうこうよりもエンジンにやさしいのが実際にエンジンバラせば一目でわかるからだ。


 筆者も愛車含めて何度も綺麗なエンジン内部を見てきているので、絶対にこれ以外入れないというぐらいの気概でもって使い続けていた。


 まさがそれがこんなにもあっさり崩れ去ろうとするとは。


 しかしこのまま諦めて代替案を考えるぐらいなら、普通に強く訴えていく方が良いと思った。

 だからこそこのようなエッセイを書いている。


 まさかの2日連続エッセイ投稿とは思わなんだが……


 ともかく、出光昭和シェルの幹部級はエネオスと同じようなことを考えているなら見直していただきたい。

 スーパーゼアスで統一するんじゃない。


 アポロニューパワーだのなんだの名前付けて、V-Powerを全ての店舗で提供していただきたい。


 それこそエネオスとの差別化を果たした上で評価される流れでしょう。

 もちろん、本当にそうなるなら筆者としては至上の喜び以外のなにものでもないよ。


 苦労して昭和シェル探していて目に入ったのが出光……なんてことがなくなるわけだ。

 貝殻じゃなくなっただけだと考える事ができるわけだ。


 Google mapが昭和シェルだけナビ上に表示してくれたりしないから全国の昭和シェルを個人的にマーカー付けて、長距離ツーリングにて計画を練りながらガソリンを入れていくような気苦労も減るようになるわけだ。


 これが無いとなるとまずハイオク限定車には乗れないな。

 というかレギュラー車でも95オクタンとか怖いからやりたくなかったのに、フューエルワンをいちいち給油後に入れなきゃいけないわけか。


 2ストバイクじゃないんだからさー。


 混合ガソリンみたいな事やりたくないのよ、長距離ツーリング時において。

 モタモタしてるとトラブルになったりするからね。


 だからマジにV-Powerは名前はなくとも同等のハイオクは保証しろ。

 ブランド名はこの際諦めてもいい。


 一番重要なのは中身だから。

 建前ではなく実利が重要だからね。


 すでにSNS、ネット掲示板含めて同様のコメントが寄せられているが……


 できればこの件の話題が本エッセイより拡散され、同じ思いを共有する人間が立ち上がってくれることを望む。


 他のハイオクと差がないスーパーゼアスは要らない。

 ほしいのは、V-Powerだ。

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― 新着の感想 ―
[一言]  昔々、ガソリンが化学合成品?と切り替わった時代。  私もハナタレのガキだった頃。  北海道では半年ほどバイクが冬眠する。  それで見事にキャブをやられた。  で、バイク屋さんのお世話にな…
[一言] > コスモがハイオク虚偽表示 洗浄添加物なし、10年以上サイトに 景品表示法違反恐れ やってるとこはありそうとは思ってはいてもやっていたとは
[一言] 長年付き合いの有ったシェルも統合の時廃業しました。 販売のシステムを出光の物に変えなければならず、その資金が無かったからだそうです。
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