片恋の焔【一人で詩の連作企画⑥】
どんどん侵食されていく
あなたが私に放った焔
燃えて焦がして灰にして
こんな想いはもう消して
↓ もえる
あっという間に絡め取られた
燃えるような情熱の朱
身動ぎひとつ許されないまま
君の瞳が火を点けた
↓ じょうねつ
君を想っても想っても
この涙は止まらない
愛を忘れても忘れても
この情熱は消えない
↓ あい
君は英雄
誰からも愛され祝福を与えられ
ちっぽけなひとりの慕情などに気付きもしない
君は英雄
↓ しゅくふく
神々の祝福を受けたのです
ここに生まれ落ちてくれてありがとうと
世界はたしかに光に包まれていました
あなたを喪ってしまうまでは
↓ ありがとう
ありがとう
ありがとう
この広い地球上で
たったひとつの私を見付けてくれて
↓ たった
こんなにも哀しいものか
たったひとりのひとが
わたくしだけを見つめる姿は
こんなにも愛しいものなのか
↓ いとしい
愛しいひとよ笑ってないで
ちゃんと私もつれていって
おいてけぼりにされたままでは
絶頂に至らぬ愚の骨頂
↓ つれて
眠れぬ夜は隣で見ていて
異国の街をつれて歩いて
さみしがりやのあなたの為に
わたしが一緒にいてあげる
↓ となり
この身に明日が在るのなら
君の隣に行ってみたい
決して届かぬその居場所で
君の笑顔を見ていたい
最後までお読み頂きありがとうございました。
vol.06のこちらは、片想いの作品が多くなりました。燃えるような片想いの情熱や輝き、そして自身をも滅ぼすような危うさが伝われば嬉しいです。
ひとつでもあなたの心に響く作品があれば光栄です。