36話④ 家族との別れ
(銃撃音)
ダダダダン!!!ダダン!!!
ダダダダダダダン!!!
ダダダダン!!!ダダダン!!!
敵兵を数人撃ち殺す
零地「敵の攻勢が思っていたより静かだな…」
浜津陸曹長「それより先程の爆発はなんでしょう…?」
エレー「別の誰かが戦ってるんじゃないでしょうか?」
ドォーーーーーーーーーーーーン!!!
零地「…かもな。龍馬達が確認できてるかもしれない。聞いてみよう」
無線で呼び出す
零地〔龍馬、今さっき爆発音が聞こえたんだが、そっちからは確認できたか?〕
龍馬〔あぁ爆発は見えてる。元凶はまだ分からないが誰かが暴れてるみたいだな。分かったら教える〕
零地〔助かる。他にないか?〕
龍馬〔村の中央で戦闘が起こってるみたいだ。爆発と関連があるのかは分からないが…。それと爆発の方に敵軍が向かっている。村人達の所まではほとんど敵兵がいないが気を付けろ?〕
零地〔了解〕
無線を切る
零地「爆発については分からないみたいだ。あと村の中央で戦闘が起こってる。それにこの先敵兵がほとんどいないみたいだ。この気を逃さず行くぞ!」
見張りの兵士を倒しながら村の中央へと向かったが、山と山の間に経っている大きな建物が大火事で燃えているのに阻まれる
高畠 澪二曹「隊長、火が激しく通ることができません」
零地「困ったな…」
新米秋斗三士「隊長、意見具申してよろしいでしょうか?」
零地「言ってみろ?」
新米秋斗三士「レミアは大魔術師です。水魔法で火を消せるのでは?」
零地「確かに…レミアできるか?」
大魔術師レミア「出来るけど時間が掛かる」
零地「どうしてだ?」
大魔術師レミア「そこら辺が火事のせいで大気中の水分が無くなって水の生成に時間がかかるんだよ」
零地「さすがの大魔術師でも無理なものがあるのか…」
大魔術師レミア「はっ?」(ピキ)
浜津陸曹長「では2手ですね」
零地「だな。半分ついてこい。ダナト、迂回路はあるか?」
ダナト「知ってる。ついてきて!」
零地「エレー達もついてこい! ヴァルダ、上から先に行っててくれ!」
ヴァルダ「…」(うなずく)
大魔術師レミア「私とランデスはこの火を消すよ!」
ランデス「うん!」
ダナトを先導させ、村の中央が見えてくるとたくさんの兵士が見え
モバンダ陸曹「ま〜たこの数…」
零地「もう慣れた」
エレー「いつも通りやるだけです!」
新米秋斗三士「それにしてもなんで自分らを捕まえるのに1万人程に割いたのでしょうか? 他国に攻めれるぐらいの数です。なにか裏があるのでしょうか…?」
零地「それを考えるのは後だ」
新米秋斗三士「了解」
っとダナトが零地に
ダナト「…先行ってて。ちょっとやりたい事がある」
零地「…分かった。早く来いよ?」
ダナトと別れ、村人達が集められている場所へ到着するとすぐに戦闘を開始。ダナトの親達と合流する
フェレード「レイジか。やっときたんだな?」
零地「ダナトの…えっ? その格好は?」
(銃撃音)
ダダダダン!!!
ダナトの父親もアサシンの服を着ている
フェレード「さっき言おうとしたんだが、言えなくてね」
サレン「ごめんなさいね? この帝国兵のせいで〜」
レーゼスト「母ちゃん本気やるなよ?」売れんわ
するとエレー達がすっごくビックリした様子で
(武器は構えてる)
エレー「ええ!!? ダナトの家族ってあの『影の家』だったの!!」
ランデス「影の家って暗殺一家の?!!」
マティナ「国家指導者をいとも容易く暗殺してしまうっていうあの…?」
フェレード「…そこまで有名になってたか」
零地「説明ありがと」
ドォーーーーーーーーーーーーン!!!
零地「…所で爆発は仲間がやってるのか?」
フェレード「えっ?? あれはお前達のじゃないのか?」
零地「・・・第三者か。いったい誰d」
すると突然目の前で爆発が起こり、土埃が段々と薄くなると子供を片手で抱っこしたビスカルが現れる
母親「あっ、だ、大丈夫だったかい!?」
英雄ビスカル「ほら、あそこにお母さんがいるぞ?」(子供を降ろしてあげる)
子供「お母さーん!!」
親子が泣いて抱きつき、それを安心して見ているビスカルだったが、零地の方へ振り向くと
英雄ビスカル「…よぉ。やっぱりここにいたか。あの時のツケ…払ってもらうぜ」
ビスカルを見た途端、零地達一同は心の中で「あっヤベ」と思い、武器を向ける
フェレード「おっ、おい! あの女は元英雄のラジューじゃないか!?」
レーゼスト「なんでこっちに殺意むき出しなの?!」
サレン「あらら〜追われる身は大変ですこと」
フェレード「いったい何をやらかしたんだ!」
零地「いや〜…ちょっとな、喧嘩売られたんで倍返ししただけで…」
英雄ビスカル「おいテメェ、俺の時だけふざけやがって…。あまり調子…ん?」
ビスカルが後ろに振り向くと国軍(帝国軍)が陣形を整えてこちらに向かって来ていて
英雄ビスカル「まだ敗走してなかったか」
零地「意外としぶとい奴らだな…」
フェレード「特に帝国義勇軍はな」
龍馬から無線が入る
龍馬〔零地! 爆発の元凶が分かった! あの時戦ったラジューだ!〕
零地〔バカ野郎遅せぇわ!!〕
龍馬〔えっ…(汗)。あ、あと民間人が避難出来るルートだが、西側が安全そうだ。 時間稼ぎを頼む!〕
零地〔了解した!〕
龍馬〔それとひゅうがからの援護はないと思え〕
零地〔…了解〕
龍馬との無線を切った途端雰囲気がガラッと変わった。
零地達の後ろには村人達、無線から聞こえた内容、村人を守りたい。
この共通点が一致したことでこの零地達とビスカルは喋らずだが自然と共闘する流れへとなっていた
英雄ビスカル「…俺は裏切りや虐殺は嫌いなんだ!」
瞬間移動で敵の中へと突っ込んで行く
零地「俺達は民間人の誘導と護衛だ!」
部下達「了解!」
エレー「分かりましたー!」
ランデス「いきますよー!」
大魔術師レミア「魔法の力をご覧あれ!」
ヴァルダ「………上から援護する…」
フェレード「まさかこうなるとは…」
レーゼスト「運が良い」
サレン「さぁ、やりましょ!」
マティナ「…そう言えばダナトは…?」
零地達が村人を誘導.護衛をして避難させている一方、ダナトは敵司令官達のテントにおり、床には首を切られた兵士達の死体が広がっていた
ダナト「…」(アサシン服を着て、全身血だからけ)
指揮官「だ…誰か……助けてくれ…」(致命傷を受けている)
司令官「が、ガキめ…あれだけの護衛をたった1人で…!」(致命傷を受けている)
ダナト「…」(目に光がない)
指揮官「い!、命だけは…!」
ダナト「……邪魔だよオッサン…」
勢いよく首を切り(ダガーで)、周りに血が吹き飛ぶ
司令官「わ、わ、わ…分かった! もう手は出さない!! 金も出す!! だ、だから…グフォア゛!!」(脇腹を刺される)
ダナト「黙れよジジィ…俺の村によくこんなことしてくれたな…? お前だけは苦しんで死んでもらうよ…」
司令官「や!やめ…あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!」
そして零地の方では村人達の避難を終えており、後ははぐれた仲間と合流するだけとなっていた
フェレード「村人達をありがとう。後は私達に任せて欲しい」
零地「ああ。…どこに住む予定なんだ?」
フェレード「さぁな。牧畜さえ出来ればどこでも」
零地「牧畜さえ…か…。それならユーラナンスかアルディアムに行くのがオススメだ。ユーラナンスは首都周辺と沿岸地域には広い土地があるし治安も良い。アルディアムは…言わないでも知ってるか。それにダナトにも会える頻度が高い」
フェレード「ん〜…候補にはしとく」
零地「その辺はご自由に」
そして龍馬達がやってきて合流する
龍馬「遅れてすまない。これで全員か?」
零地「いや、ダナトがまだだ」
龍馬「ダナトか…ダナトなら大丈夫だろう。…それより、ビスカルを置いて行くのか?」
零地「もちろんだろ? 敵兵が全滅したら次は俺らだぞ?」
ドォーーーーーーーーーーーーン!!!
龍馬「………それもそうだな」
そこへやっとダナトも戻ってくるが全身血だらけで、零地達は驚き
零地「ダナト! その血はなんだ?!」
エレー達も来て
エレー「ダナト!! その服と血は!?」
マティナ「エレー様、今零地殿が聞きました」
ダナト「いや…こいつの首を」
首だけになった敵司令官を見せる
エレー「うっ!? うぅ…」(青ざめる)
零地「これはこれは…」
マティナ「こんなことが出来るのか…」(少し驚いている)
フェレード「ダナト…お前1人でやったのか!?」
ダナト「まぁ…うん。どうしても許せなくて」
ダナトの父親は軽く数回頷き
フェレード「ダナト…捨てなさい」
ダナト「…」(首をその場に捨てる)
首を捨てたと同時に村長と浜津陸曹長がやってきて
村長「フェレード、出発するぞ?」
浜津陸曹長「隊長、我々も出発する準備が整いました」
零地「…また会いましょう」
フェレード「ああ、次会う時はもっとでかい農場も持ってるな」
そして別れようとすると、ダナトの母親がダナトを抱きしめ
ダナト「ちょ! か、母さん…?」
サレン「ダナト…行かせる前に言わせて…。あなたは私の誇りよ?」
ダナト「えっ? うっ、うん…」
サレン「だから…好きに生きなさい。うちの家業なんか気にしず、自由に、外の世界で生きて…」
ダナト「…良いの??」
サレン「良いのよ…愛してるわ、ダナト…」
ダナト「…僕もだよ」
ちょっと遠目から
マイケル「…親子とこ絆だな〜」
エレー「愛してもらってるんですね〜」
モバンダ陸曹「母ちゃんが恋しいなぁ〜」
大魔術師レミア「姉としても妹と離れるなんて心配だからね〜」
ランデス「うぅ…」
龍馬「…めんどう見てやんねぇとな」
零地「だな」
マティナ「…フッ」(どことなく笑顔)
するとヴァルダが警戒態勢で零地に
ヴァルダ「………近い」
零地「えっ?」
ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!
零地「…確かに近いな」
大声で
零地「全員今すぐ出発する!! 各自車両に乗り込め!」
全員車に乗り込み、まだ離れようとしないダナトにマティナが近づき
マティナ「…ダナト、行くぞ」
ダナト「…」
サレン「…大丈夫、またすぐに会えるわ。だから行きなさい」
ダナト「……うん。じゃあね」
ダナトは零地達の元へ戻り、マティナも戻ろうとするとダナトの母親に
サレン「マティナちゃん」
マティナ「はい? なんでしょう?」
サレン「…ダナトをよろしくね?」
マティナ「……皆でめんどうを見てますよ」
サレン「…そう。ありがとう」
零地「マティナお前も早く来い!! ここはさすがに危険すぎる!!」
マティナ「では…」
全員車に乗り込みその場から離脱。ダナトの父親フェレード率いる村人達も西部へと向けて離脱を成功させた。
その後今回の戦いはフェールゲルグ帝国側の大敗退で終わり、生き残った者は少ない。
この短いようで長かった戦いは『アデュル村事件』と言う名で帝国全体へと話が伝わり、帝国議会にまで知れ渡り議論されるまでになった。
そして帝国内の各構成国や自治区域などで波紋を呼び、帝国の国内影響力が急激に減少していき、帝国は窮地に立たされる。
そんな国内が不安定化した帝国を日本は見逃さず、和平交渉に乗り出すのだった…
お詫び
今回、2…3ヶ月?程投稿できなかったことに関し、お詫び申し上げます。(_ _*))
①〜④話までのストーリーが膨大だったのと、過去作の修正で時間がかかってしまいました。
それとストーリーが長くなってしまい申し訳ございませんでした。
読んでいる間ムカムカ感を感じさせたと思いますが、キャラストの一種なのでどうしても長くなってしまいました。
次回から少しのあいだは日本の外交&内政がメインになります。主人公零地の登場が無くなりますが、戦闘回を出しすぎたのでその処置です。
次回からは過去作の修正に力を入れたいので、投稿がかなり遅れます。たまには投稿致しますので気長にお待ちしていて下さい。では。(_ _*))