36話② 敵軍襲来
次の日、零地達はヘリが着陸できる場所を貸してもらうため村長などに頼み込み、アデュル村で使われていない土地を使わせてもらい、そこにヘリが着陸させて燃料や弾薬などを補充していた…
七海「…おお〜。ダナトはマティナのことが好きとなんだ〜」
エレー「凄く驚きました! 応援しないとです!」
七海「良いね〜羨ましいね〜」
モバンダ陸曹「お〜い、話してないで手伝ってくれ〜」
エレー「はーい」
七海「はいよ〜」
零地の方は龍馬と林機長で地図を見ながら
龍馬「ここから先は本格的に連絡が取れなくなる地域だ。この村の人達も道が整備されてなくてあまり通らないみたいだ。それと魔獣が出る」
零地「近道は聞かなかったのか?」
龍馬「もちろん聞いたよ」
零地「じゃあ言えよ」
龍馬「森の中を突っ走る」
零地「バカ野郎。道に迷うわ」
龍馬「そもそも道もないのにどうやって通るんだよ?」
零地「結局長道なんだな…」
林機長「そこで時間が食われそうですな」(笑)
龍馬「けどこっちには土地慣れしたダナトがいるから大丈夫だな」
零地「途中に橋がいくつもあると聞いたが、クーガーの重量に耐えられると思うか?」
林機長「ダメな場合はウィンチを使って川を使って川を渡る手もありますが?」
龍馬「防水性を強化してるんだ。いけるだろ?」
零地「…まっ、その時はその時だな。…んで、この一帯を向けたらまたすぐ補給だ」
林機長「了解」
龍馬「戦闘はできるだけ控えといた方が良いな」
零地「それとはぐれないようにな」
七海がやってきて
七海「林機長、準備整いました」
林機長「では私達は戻ります。幸運を」
零地「ありがとな」
そして林機長達が乗るヘリを見送ると、入れ違いにフェレードとサレンが零地の下まで来て
フェレード「レイジ…と言ったな。ちょっと時間はあるか?」
サレン《(ダナト母)》「大事な話がありまして…」
零地「…龍馬、少しあけるぞ」
龍馬「おう」
零地はダナトの親に連れられ家に入る
零地「…で? 大事な話ってなんです?」
フェレード「…息子から聞きましたよ。1番世話になってるって」
零地「えっ?まぁ…」
サレン「かなり迷惑もかけてるみたいで」
零地「迷惑と言うよりも…無茶するなって感じですかね?」(笑)
サレン「確かに周りに合わせたり、頑張りすぎたりしますしね」(笑)
零地「…話とはこれですか?」
フェレード「いや違う。ダナトの事だが、こんなことじゃない」
サレン「実はですね…」
ダナトの母は神妙な感じになり
サレン「ダナトは…貰い子なのです」
零地「…貰い子? それは…ダナトは知ってるんですか?」
フェレード「いや、教えてない」
零地「じゃあなぜ自分に?」
フェレード「ダナトから1番お世話になっているって聞いてな」
サレン「ですので事実を…」
零地「…それで自分に?」
サレン「そうです。知っていて欲しくて教えてしました」
零地「えっと…自分より本人に言った方が…?」
フェレード「本来はそうなんだが…言わないことにしてるんだ」
サレン「ダナトは普段から明るい子ですけど、本当はとても落ち込みやすい子で…」
零地「…人前じゃ落ち込んでない感じですか?」
サレン「その通りです。だから秘密にしているんですよ」
フェレード「けれどお世話になる人には伝えておこうと決めているんだ」
零地「…そうでしたか。親としての気持ちは分かります。この事は秘密にしときます」
フェレード「ありがとうございます」
サレン「ありがとうございます」
零地「…あの。失礼ながら、血の繋がった親はご存知なのですか?」
サレン「それが…分からないのです。何人かの手に渡ってこの家に来たので…」
零地「親の特徴が分からないと…」
サレン「ただ、母親は銀髪か白髪だったと聞いています。それ以外は何も…」
零地「銀髪か白髪? ダナトは黒髪ですが…?」
サレン「恐らく父親似なのだと思います」
零地「あぁ…」(シンプルに考えればそうだったなっと思っている)
フェレード「…それと別のことでもう1つ」
零地「もう1つですか?」
フェレード「私ら一家は…」
ダナトの父親が秘密?を言おうとした時、零地の無線から偵察に出ていた五十嵐一曹が慌てた様子で
五十嵐一曹〔大変です三尉! 総勢約1万を越す軍勢がアデュル村に向かって行進しています!〕
零地〔嘘だろ!? この村を襲うには多すぎるぞ?!〕
五十嵐一曹〔それに帝国兵だけじゃなく、軍種が違う兵士が多いです!〕
零地〔どこだ? 親衛隊か?〕
五十嵐一曹〔分かりませんよ! とにかく多い!〕
零地〔すぐに撤退しろ。そこは危険過ぎる!〕
五十嵐一曹〔とっくに撤退中です!〕
無線が切られる
零地「…この村は危険です。速やかに避難を…」
零地の無線から聞こえた内容にダナトの父親が険しい表情になり
フェレード「おかしい…おかしい過ぎる」
零地「早く避難を!」
フェレード「おかしい過ぎるんだ! 国の連中とはこの村を襲わないと誓っているはずなんだ! それに…その軍勢は恐らく帝国義勇軍だ!」
零地「誓った? それに帝国義勇軍って言ったか?」
フェレード「あぁ。帝国で1番タチが悪い軍隊だ。国軍(帝国軍)と一緒だとすると上の命を受けてるんだろうな」
零地「なら早く避難を…」
フェレード「いや、ここは私達が相手する」
サレン「あなた方は隠れていて下さい」
零地「しかし危険です!」
サレン「大丈夫です。お客さんは守らなくてはなりませんので」
零地「しかし…」
フェレード「早く仲間と隠れろ!」
零地「…分かりました」
ダナトの父親達に強く言われ零地達は村を見通せる山に隠れ、村のを見守りながら時間が経過して日が沈んだ
③へ続く…




