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ツイン・タクト (外部世界の不思議な物語)  作者: スラ君
第三章 転移 魔人族の国、獣人族の国
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096話 誤算だらけのミーメ 後編

上部を破壊された塔の残り、その最上階直ぐの真下では・・・

タクト達が居た部屋から下は、大きく揺れ動いた・・・多少の瓦礫と埃は天井からパラパラと落ちて「何事ですか!?」女官長が問い質すが此処に居る者達には知る由も無い話しで、警護のイムカが先頭で階段へと向かうが崩れて通れない・・・


エルーザが張った障壁防御のお陰で、真下なのだが被害は少なく、無事だった。


次の瞬間、更に揺れて階段が完全に塞がると「女官長、駄目です」イムカが報告をすると、警護部隊の隊長が「一体上で何が起こっているのだ?」不安そうな女官長が「さぁー?しかし、先程陛下は【多少の物音で来るには及ばぬ】と仰って居られましたから私共が参っても宜しいのでしょうか?」「この音が多少だとぉ・・・」隊長が呻く様に返事をした。


しかし、上に行くにしても二次災害を恐れて天井を破壊する訳にも行かず、階段も瓦礫の山と化した状態では、流石の精鋭達も身動きが出来なかった・・・


その頃拓斗はセラの異常行動を見て、一段落が付くと急に不安が込み上げて来た。


既にあれから小一時間は過ぎて、セラを部屋へと送った後「此は恐らく向こうでも何か起こった可能性が高いよな・・・」独り言で呟きながら信号を発したが応答が無い「不味い状態で応答が出来無いのか?既にそんな状況を超えているのか・・・何方だ?」珍しく拓斗は判断に迷った。


だが拓斗は心配が勝り「行って見るか・・・」などと呟いて転移する事に決めた。


「「「ズガガァ―――――――――――――――――――――――ン!!!」」」


辺り一面を押し潰して立つその姿は、二本の足で佇む豚顔の巨大な生物・・・身の丈は8メートル程だがデップリと肥えた腹、その下にある強靱な筋肉がその巨体を支えて物質化した槍を振り回す・・・


ミーメ自身が完全に抜け出た積もりの残していった本体は、全く意思を持たぬ本能だけの存在だった。目の前のタクトに敵意をむき出し、加減を知らぬ動きで挑んで来る・・・


オーク・ディザスター、災厄級と言っても過言では無い怪物が暴れ出すと、近寄るオークは皆無で〔な、な!妾が申した通りじゃろタクトよ〕「ジュート、変な自慢話をしている暇は無いよ、それにしても此奴、力だけは凄い」今はジュート本来の紐状へと姿形は成り変わり、少年タクトの武器としてひとムチ当てると、元ミーメだった相手からマナや魔力を吸収する・・・


中庭から回廊を隔てた場所でカントンは「あれは陛下だな」横に現れたバショクも「その様だが何故か我を忘れて居られる様だな」「あぁ確かに・・・」当直だった近衛の女将軍で、シュンカ達の姉でもある花梨カリンが「何事です?」「カリンか・・・どうやら昨日の相手が陛下と戦っておる」カントが答える・・・


身の丈を合わせてタクトも巨大化、細胞を硬化させて金棒へと変化させて打ち合う姿は真に鬼、鬼神の如く打ち合い一合毎に轟音を響かせる・・・


オーガでは無く鬼人だった・・・迷宮で遭遇した三つ目の鬼で、タクトのイメージでは一番力が強く動き易いと感じていた姿を擬態化させて戦っていた。


共に得物は巨大で打ち合う毎に互いは吹き飛び、高く分厚い城壁を押し潰す・・・


無論王宮内の建物も同様で、次々と衝撃を受けては崩れ去り「待避ぃ~!!!」とオークの隊長格がふれ回っては、オーク達を戦いの場からドンドン遠ざける・・・


最初の位置でのんびり状況を伺っていた三人も「此は堪らぬ!」バショクが呟くと「まさしく仰る通りですね」カリンも同意して、先に待避を始めたカントンの後を追う・・・


すれ違う様にやって来た近衛師団の師団長が振り返り、三人へ「何事なんじゃ!」「それが・・・あー!」振り返り律儀に答え様とカリンはしたのだが、巨大な豚が後ろから飛んで来た「危ない!」自らは横へと逃れたが「何?」振り向いた時には既に遅く、敢え無く彼は下敷きに成って仕舞った。


最近は妃殿下やその他の美姫との酒色に溺れて長く鍛錬を怠っていた師団長だが、それ迄の鍛え方は尋常では無く、巨体の下敷きに成っても何とか生きて居たのだが「避けてぇー!」カリンの悲痛な声がすると、巨体は俊敏に動いて避けたのだが、下に居て動作の遅れが致命的な師団長は、目の前で振り下ろされたタクトの金棒が命中、アッサリとその場から消え失せる様に粉砕されて即死した。


そう・・・既に通常のオーク如きでは、介入する余地も無い程の戦いに成った。


何時の間にか単独行動を始めたジュートは、オーク・ディザスターへと絡み付き、エナジードレインをしながら拘束しようと踏ん張るが、敵の動きを鈍らせるだけで動きを止める迄には到らない〔細くすれば全体を抑えられるのじゃがな、幾重にも巻き付く迄に我が身が引き千切られかねぬわ〕〔ジュート!無理しなくて良いよ、動きを鈍らせてくれるだけでも戦い易いからね〕


ギュウギュウと締め上げながら〔了解じゃ、じゃが魔力をもう少し許り吸収すればじゃ、妾も後もう少しは強く太く成れるからの、暫くの辛抱じゃタクトよ〕〔了解だよジュート、頼んだよ〕話しながらも打ち合い、互いに吹き飛び王宮を破壊する二匹の怪物、其処へ割り込むオークなど、もう一度敢えて言うが皆無だった・・・

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

眼下の喧噪と地響き、時折り揺れる塔の中では「アレを見ろ!」窓の下を見ている兵士が叫ぶと、女官長は「一体何で御座いますか?」二人の怪物同士が組み合い、打ち合い、得物を避けては勢い余って建物や足元を粉砕する・・・


絶句はしたが女官長は、何とか気を取り直して「あの化け物達は何でしょうか?」質問を受けて兵士長が「貴様らは知らぬ様子だが、本気で戦う時の陛下で在らせられる」「アレが陛下の本当のお姿なのですか?」「然様、間違い無い」「それではもう一体は何者で御座いますでしょうか?」「それは分からぬ・・・」


既に塔以外は瓦礫の山と成っていた・・・タクトはオーク・ディザスターを飛ばす方向を見定めて、塔には影響を与えない様に戦っていたが、何事にも万全は無く、ウッカリとミスをして自身が塔に飛ばされた。


何人かは既に窓からその様子を伺っていたので悲鳴が上がる「不味い!」タクトは塔に対して影響を成るべく与えない様にその身体を軟化させて激突する・・・だがその一部が飛び散った。


「「「ベシャァ―――――――――――――――――――――――ン!!!」」」


それ迄は鬼と戦っていると誤解していた塔の中の面々は「あの生物は一体・・・」女官長が呟くと、シュンカが「女官長様、此処は逃げた方が良いのでは?」「今頃ノコノコと瓦礫を避けながら逃げるのですか?そんな事をしていると、戦いに巻き込まれますよ」「然様で御座いますね」


その後、城壁へと飛ばされた鬼姿のタクトは、今度は全く気遣いを見せずに城壁を破壊しながら派手に衝突した。


女官長は下の様子を伺いながら「不思議な事に何故かあの化け物は、此処に被害が出ない様にと戦っている風に感じます。それに私達は上に居られるお嬢様の安否を確かめねば成りません」「あ!申し訳ございません」漸く思い出したシュンカは、恥じ入る様に頭を下げて、落ち着き振りを頼もしく感じながら女官長の姿を見た。


兵士達に命じて瓦礫の撤去に掛からせると「アナタ達は何事が起きても対処出来る様に」「はい、女官長様」シュンカ達は薬や包帯などを探し出して、もし怪我でもしていたらと、お湯を沸かしたりなどを始めた。


それにしても・・・と、女官長は既にセラフィナの生存を半分諦めていたのだが、もし陛下がご執心のひとなら、案外その身を気遣って庇っているかも?とも考えての命令だった。それに何も為ずで此処に居れば、自分を初め恐怖でみんなが可笑しく成りそうな、そんな気に成り仕事を与えたのだ。


其処らの兵隊や兵士長などよりも余っぽど女官長は、度胸もありシッカリしている。


既に半時間以上?いや、もう小一時間程は互いに打ち合い、周りの瓦礫もスッカリ一掃されて、戦いの場は綺麗な広場と化した頃、漸く最上階へ向かう階段の瓦礫を一部撤去して、小さな女子供なら通れる様に成った。


兵士長は様子を見て「デカいのに阻まれて上が少し開いただけだが、子供なら通れるぞ」その話しを聞いて「トウカ、ユウカ、ハルカ、アナタ達三人は先にお嬢様の様子を見てきなさい」


シュンカが告げると女官長が「セラフィナ様と仰られます。失礼の無い様に・・・分かりましたね」「はい」三人を含めて他の者達も、今迄セラフィナの名前をすら知らなかったのだ。


何れは知れる機会もあり、問い質すには失礼に成ると考えて、彼女達は当人に直接聞けず。女官長も正式な侍女に成る迄は教える必要も無し、と判断していたので此処迄遅く成ったが「賊が入って来たとしても、陛下が庇われて、彼のお方は無事やも知れません」「はい、女官長様、屹度探し出してご覧に入れます」三人は微かに開いた上の隙間を潜り、最上階へと向かった。


転移して拓斗は、数時間前から変わり果てた部屋に驚く事と成った「あれ?こんな開けた場所じゃぁ無かったよな・・・」下では剣戟、唸る得物の風鳴、土を抉る轟音、互いに打ち合い吹き飛ぶ巨体が崩す瓦礫、既に戦いの場では壁や王宮の建物は崩されて、この塔以外は跡形も無くなっていた。


其処へ可愛らしい紺色のお仕着せを着た侍女が三人現れて「何者!」「曲者だぁ~!」「アタシ知らせてくる!」残った二人は何処から取り出しのはか不明だが、それぞれが短剣を構えて拓斗を問い詰めた。


眼下での戦い、その様子を伺いながら大凡の事態を察した拓斗は「君達がタクト、いや、セラフィナから聞いていた下女達だね?」トウカは更に警戒しながら「セラフィナ様?お前お嬢様を知っているのか?」拓斗は答えに成って無いがセラの事はチャンと認識しているな・・・などと考えた。


トウカが可愛らしい声でいかついても、全く迫力が無いのだが、拓斗は未だ彼女には同年代と捉えられて威勢が良く「答えろ!」此は先に警戒を解いた方が良いかなと「僕はセラの友達だよ」聞いた二人は「友達?お前何を言ってる・・・」ハルカは理解不能と言った感じで小首を傾げた。


そして二人は顔を見合わせるが「だってセラは僕の所から攫われたんだよ、迎えに来るのが当たり前だろう?」その様に言われて初めて忘れていたセラの境遇を思い出す二人は「セラフィナ様を迎えに来たと言うのか?」


トウカが問い返すと拓斗は「そう言った筈だけど」二人にとっては既にご主人様であるセラフィナは、もう捕虜でも何でも無い、彼女達が仕える相手だった。其処でトウカは「ならばセラフィナ様は一体何処に・・・」辺りを見渡しながら拓斗へと問う・・・


チラリと下を拓斗は伺い「下で豚と戦っているよ」などと告げて飛び降りた・・・


ユウカはとって返して「曲者が居ます」「何ぃ曲者じゃとぉ~」「どいて下さい」とやや小柄なイムカが兵士長を押し退けて、無理をしながら隙間へと入ると、多少きつかったものか「ユウカ!引っ張りなさい」「はい、イムカお姉様」何とか通り抜けて来てみると、下を覗いている二人を見付けた。


カヌカもユウカに助けられて通り抜けるとイムカの元に辿り着き「お嬢様は?曲者は何処?」立て続けに問われて「セラフィナ様は彼処で曲者も一緒」「何?」覗き込むと黒ごげにされた豚と、ハイタッチしているジュートと拓斗が、鬼と和やかに話している・・・


飛び降りた拓斗は落下中に上から油をぶちまけて、火炎魔法を繰り出し本来上へと上がる火炎を無理矢理オーク・ディザスターへと命中させた〔酷いのじゃぁ主殿〕ジュートは念話のイメージ投影で、アフロ姿をしていたが「アレくらいの火炎なら屁でも無いんだろう?」〔まぁそう何じゃがな、主殿が来たのなら消滅魔法が怖いからの、タップリと魔力も頂いた事じゃし妾は退散じゃ〕「そうだな、任せろ!」


拓斗は上手く爆風を受けて軟着陸を果たし、鬼人姿のタクトにのんびり話し掛ける「よう!タクト、お疲れ」「拓斗も来たんだ。向こうで何かあったの?」「セラがチョットな、それでもしやと思って来た」変化したエルーザが「主殿はもう大人に成ったのじゃな?」エルーザはミーメとの会話を思い出して、本物のセラフィナが良からぬ影響を受けたと推察した。


話しながらも攻撃を仕掛ける拓斗とタクトは「僕も可成りやられちゃったけどね、此奴の手足を結構な回数引き千切り、胴体なども吹き飛ばしたんだけど、此奴も僕同様に直ぐ様再生をするんだよ」いい加減タクトもウンザリとした様子だ。


実際、ミーメが長年戦い続けた経験は侮れない、知恵は無くとも危うい場面では、的確に防いで反射的に致命傷を避けるのだ。タクトも何発かは貰って劣勢に成った事もあり「此奴に知恵が伴っていたらどう成っていた事やら・・・」などと拓斗に向かって再びぼやいた。


ミックスアップとでも言うのもか、タクトとミーメはお互いに技術を向上し合い、最初は上位者だったオーク・ディザスターと、互角に打ち合う迄に成っていた。


その様子を見て拓斗は「実戦に勝る以上の訓練など、存りはしないと言う事かな?オッと此奴、俺までも標的とし出したよ、油断大敵だな」「ね♪可成りしぶといんだよ、分かってくれるかな?」


再生したオーク・ディザスターは元気よく、拓斗に迄にも攻撃を仕掛けるのだが、それを避けながらタクトの話しに頷くと「いやエルーザ、此方は何とか成ったよ、だが状況はどうなの?」エルーザが「此奴はミーメと言っての、面白い奴じゃったのだが、本体が抜けて今は我を忘れて居る」「抜けて?とは・・・」


エルーザは何時の間にか取り出した豪華な椅子に座り、足を組んで優雅にタバコを吹かしながら「此奴は精神生命体とでも言うものかの、妾もよく理解出来ぬのだが他者の身体を乗っ取るのじゃ、其処で長年取り付かれた本体はもう白痴状態、気も狂うて暴れて居る」


いつの間にやら出て来たテーブルで、エルーザは優雅に紅茶を啜っていた・・・


その横ではバロンが給仕をしている姿を拓斗とタクトは見付けて「何でバロン?」「エルーザ、バロンを呼び寄せられるのか?」「何を言って居るのじゃ、バロンは妾の下僕にして執事じゃぞ?必要な時に呼ぶのは当たり前じゃ」


二人は戦闘中なのでこれ以上尋ねなかったが、もうエルーザは観戦モードだった。


先程から拓斗は消滅魔法で身体を消していくが、頭部から徐々に再生を始めるしつこさに辟易して「成る程な、それでは此奴を倒して葬ってやる方が良いのかな?」「主殿、引導を此奴に渡してやれば良いのじゃ」既に汚物でも見る様な目付きで、エルーザは事もなげに言い放つ・・・


そう・・・徐々に再生の速度が鈍り、肉の塊と化したオーク・ディザスターを少し拓斗は哀れんでいたのだが、エルーザに後押しされて最後まで消す決心をした。


因みに千切れた手足をタクトの分体が回収していたのは、スラの影響だろう・・・


タクトも元の姿に戻り「セラお姉ちゃんは大丈夫なのかなぁ?」「あぁ大丈夫さ、今頃は部屋でよく寝ている筈だ」「だったら安心だね」「主殿済まぬ、本体を逃がしたのが実に惜しい」エルーザはしおらしく詫びると拓斗が「それは俺が倒した」説明するのが面倒なのと、未だ話せ無いと判断してガイアの存在は伏せた。


エルーザは少し驚いて「主殿が倒したじゃとぉ~う?」「あぁ、セラを操っている繋がりの糸を手繰り、異空間で消滅させた」本当はガイアの説明を聞いただけなのだが仕方無いか・・・


やや疑る様な視線を向けたエルーザだったが「ヤッパリ主殿は流石じゃの、じゃが妾が推察するに未だ此奴の中にミーメは存在しておるやもの・・・」拓斗は話しを聞いて、自分との繋がりからエルーザの絆を探り、其処から伸びている複数の糸を手繰った。


そして「未だ微かにだがエルーザと繋がっている様だな・・・」目の前のミーメに繋がる糸を見付ける・・・


余裕の笑みを浮かべてエルーザは「その様子じゃな、妾も確認をした。逃がしたと思って居ったが、主殿の話しを聞いて、今一度探ってみたのじゃ」「糸、繋がりの話しか?」「そうじゃ、ミーメを此の身体に縛り付けたのは妾じゃからの、もしやその影響を受けて妾はジュートに魂が定着したのやもじゃ、それ迄の妾にはこんな能力が無かったからの、妾の執念が強い故にこの世で残ったと、単純に考えて居ったのじゃが、案外此奴の能力に助けられて居ったのかもじゃ」


拓斗もありそうな話しだと思いながらも「それは一考の価値があるかもな・・・」だがエルーザはアッサリと「まぁ彼是と今更考えても答えは出ぬ話しじゃ、じゃが此奴を消滅させればじゃ、ヒョッとして妾にも影響があるやも知れぬがの・・・」「いやエルーザ、それは無いと思うぞ」「何故じゃな主殿?」


拓斗は少し考えたが「既に本体は消滅して残されて居るのは残りカスだ。糸も既に細く殆ど消滅しかかっている、ならばこの時点で何らかの影響を受けても可笑しく無いだろうと俺は考えるよ」「成る程じゃな、万が一影響を受けても主殿が何とかしてたもれ」やや甘えた様な鼻声でエルーザは答えた。


既に大した抵抗も無く、数度同じ事を繰り返したのだが、復活する姿を見る・・・拓斗は切りが無いので、今度は頭を消滅させたが、残った胴体部分から頭が生えて動き出す始末で「此なんとか成らないかエルーザ?」「今度は頭を残してドレインをして見るのじゃ、魂エネルギーを長年吸い続けて居るからの、此奴も中々にしぶといのじゃ」


拓斗はアルーザから言われた通りに頭部を残し、エネルギーの吸収をイメージして吸い取り始める・・・だが膨大なエネルギーは拓斗の手に余り、異空間へと逃がす事に決めたのだが、様子を見ていたエルーザが「主殿」「何だエルーザ?」「手に余る様ならばじゃ、異空間にエネルギーを閉じ込めて、何時でも出し入れが出来る様に此の触媒を使え」


渡された物は宝玉?何かの珠で、少し試しに流し込んでみれば、エネルギーを吸収する特性を持っていた「此は使えるな、限界を超えて爆発でもしたら怖いから異空間へ送り込んで試して見るよ、有り難うなエルーザ」「どう致しましてじゃ主殿」


大きな頭部に手を添えて、可成りの時間を掛けて吸い出すと「此、何時終わるんだよ?」「長年蓄えたエネルギーじゃからの、おいそれとは行かぬわえ」エルーザの答えにウンザリとしながらも「長年とは何時からだ?」


既に戦いの後始末、その程度としか考えて居なかった拓斗だったのだが・・・


徐々に膨れだした肉塊が大きく成り、拓斗へと迫って来ると一旦中断して「おい、此は一体どうしたんだよ?」エルーザは様子を見ながら「既に制御が仕切れぬ程に身体が弱まって居る様じゃな、主殿」「何だ?」「残りを吸い出す事は可能かの?無理なら此処から遠く離れた方が良い、爆発でもしたら堪らぬからの」


それを聞いたタクトが「爆発だってぇ!エルーザ、どの程度の規模なの?」「妾も正確な規模迄は分からぬが、途方も無いエネルギーじゃからの、此処ら一帯がアッサリと消し飛ぶやもの・・・」聞いた二人は驚いて「此処に残って居る人達はどう成るの?」「まぁ巻き添えじゃの」エルーザは事もなげに言い放つ・・・


既に直系は20メートル程に膨れ上がり、加速を付けて大きく成って行く・・・


突然一部が膨れ上がり、拓斗は力を抑え付け様と一応努力はしたのだが、指向性を持って爆発した。


「「「ボオォ――――――――――――――――――――――――ン!!!」」」

「「「ドゴォ――――――――――――――――――――――――ン!!!」」」


人が大勢住んで居そうな方向に向かうのを、拓斗は爆発寸前に無理矢理ねじ曲げて「おい、おい、オイ!此は一体何なんだよエルーザ?」見れば裏山の半分以上が、吹き飛ばされて大きく抉れている・・・「こりゃぁ~又見事な物じゃの」のんびりとした口調だが、エルーザも緊張し始めた。


そのエルーザが「タクトよ」「何だよエルーザ」「先程の答えじゃがの」「答え?答えって何のだよ」「爆発の規模じゃよ」「今更かよぉー!」「見ての通りじゃ」「そんなの分かっているよぉ~!ほんの一部でこの破壊力は侮れないじゃ無いか」


慌てて拓斗は「タクト!」「何?」「手伝ってくれ」大きな異空間扉を開けると、タクトも拓斗の意図を理解して「分かった蹴り込むからね」「了解だ!」タクトは再び巨大化して右の回し蹴りを肉の塊に打ち付けた。


「「「ズガァ――――――――――――――――――――――――ン!!!」」」

「「「ドガァ――――――――――――――――――――――――ン!!!」」」


蹴り込むとそれは、ほぼ同時に爆発した・・・僅かに聞こえた爆発音は、閉じる寸前に漏れ出た音だったが、それでも可成りの音が響き、蹴り出したタクトにも衝撃波が伝わる程だった・・・


そしてその音は、オーク・ディザスター、精神生命体ミーメの断末摩だった・・・

拙作ですが楽しんで頂ければ幸いです。次回の更新予定は12月16日です。


何時も応援有り難うございます。又ポイントが上がるのは、励みに成ります。

此れからも頑張りますので、感想などを聞かせて頂ければ幸いです。作者拝

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