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ツイン・タクト (外部世界の不思議な物語)  作者: スラ君
第三章 転移 魔人族の国、獣人族の国
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095話 動き出したヘキサグラムの状況⑤ザイオン

数時間後、ディアナ達とプティマからの一団が遭遇するかも?と、それを心配した拓斗は、スラへと接触を命じた。

ビューン!ポヨ~ン!ポヨヨ~ン!と、目の前に突然現れたスラの分体だが、意思疎通の方法が無い・・・


身体を変化させ始めるとカムセラが「もも?」「お尻だよ姉様」「触手で叩いてるけど何?」「叩きながら動き出したね」「あ!尻に付いて来いだよ姉様」「成る程だわよ、アタシビックリ」変な所で関心すると触手が円を描く・・・


困り果てた分体は、体型変化のジェスチャーで、後を付いて来る様に伝えたのだ。


それを見たディアナは「此ってスラぁ?」「その様だよ」カムセラが返事を返すとアムセラも「だよね~」「どうやら付いて来いと言う事かなぁ?」「その様だよ」カムセラが返事を返すとアムセラも「だよね、その通り・・・」


「けど何でぇ?それに兄様は、もうアタシの行動を疾っくに知っているのかなぁ」カムセラは「そうなるね」ウンウンとアムセラも頷く・・・


勿論二人は前日から気が付いていたのだが・・・「何かあるんだよ!」カムセラが分体を見ると、アムセラも「此は問題事の匂いだね」「そんなの分かっているわ、だけどアタシの行動が兄様にバレていた何て・・・」焦りとガッカリとした思いが混じり合い、ディアナは根拠の無い自信が崩れて頭の中では大混乱、自らではもう為す術も無い・・・


やや話しを誤魔化す様に「ディアちゃん、反省は後の話しだよ、取り敢えず付いて行かねばね」カムセラが促すと「姉様の言う通りだね」アムセラも同意する・・・


身体は大きくなっても、未だ八歳の子供・・・広い視点など持っても居ない・・・


二人から促されて、スラの分体に付いて行く事をディアナは決めた「仕方無いの、行くのなの」二人はホッとして、街道を暫く行った先で杣道そまみちへと入って行った。


やや近道に成るが歩き難い・・・辛抱をしながら付いて行き、街道を迂回すると、暫くしてプティマからの一団を下に見るやや小高い場所へと出た。


事態を理解したカムセラとアムセラは「成る程、プティマの奴らか・・・」「何か下手を打って、ディアちゃんがVIPだと、彼奴らに勘付かれたら不味かったよ」「そうだねアムセラ」「助かったよ姉様」だがディアナだけは「VIPてなぁに?」


ディアナは知らない言葉だったので、質問するとカムセラが「ビップは要人だよ、重要人物と言う意味でね、万が一ディアちゃんが捕らわれて、彼奴らの人質にでも成ったらアビス閣下が、お父さんが困るだよ」アムセラも頷いて同意する・・・


初めて事の重要性が理解出来たディアナは返事の代わりに「兄様がアタシを助けてくれたの?」「どうやらその様だよ」カムセラが答えると、アムセラはスラ分体に「もう大丈夫だからね、後はアタシ達で、何とか街道に戻るとするよ」そう話すと理解したものか、スラ分体はディアナ達から離れて行った・・・


それを見送りディアナは「ヒョッとして知ってたぁ?」なのも忘れて詰問するが、カムセラは毛ほども感じず「昨日からね・・・」二人が片目を瞑ると「あぁ~あ、アタシ未だ子供扱いなんだ」


今度はカムセラが逆襲する「だってアタシらを騙してなし崩し的に後を追う何て、それって卑怯でしょ」「騙してないもん」ディアナが抵抗を見せる・・・


アムセラがそれを聞いて「【イーストアランへお使いを頼まれたの】などと言って【護衛して欲しいなの】とぉ、言ってたんだけどぉ?」「だってイーストアランで追い着くと、思ったんだもん!」カムセラが「だったら何でアランに入らなかったのさ?」盛大に突っ込んだ「それは・・・」さてディアナは困った。


二人にはもうディアナの考えを見通していたが、単独にする事も出来ずで仕方無く付き合う事にしたのだ。その晩にはスライムを発見してカムセラが「スラ?」妙にコミカルな動きで頷くと「何だぁ~?拓斗君は、もう知っているのか」アムセラが問うと、スラは再びコミカルに頷く・・・


どうらや拓斗は承知でディアナを放置している模様で、カムセラは「此は当分付き合わなくては、成らないのか・・・」アムセラは悟った様に「アタシ達、あの人に逆らえないもんね・・・」「まぁディアちゃん一人を放り出す訳にも行かないさ」「そうだね、働けば拓斗君の事だし、屹度報酬も出るわよ」「それじゃアムセラ、当分惚けて付き合うかな、騙された事は不本意だけど・・・」「仕方無いね姉様」


昨夜の二人は、こんな感じで仕方無く覚悟を決めて、ディアナに付いていた・・・


カムセラがやや強い口調で「デ!それは・・・から何?」ディアナも此はヤバいと観念して「ご免なさい・・・」「どうせ拓斗君の転移魔法で、送り返されるとでも考えたのでしょ?」アムセラが突っ込むと、ディアナは頷いて肯定する・・・


ディアナは、もう拓斗達に自分の行動がバレている話しを二人が黙っていた。その事が悔しいのだが、もう不問にするしか術は無かった「ズルイ!」「何方がぁ?」「ご免なさい」ニコリと二人が笑うと「さぁ、街道に戻りましょうか」「そうだね姉様」「はいなの・・・」ディアナも素直に従った・・・


この様な雰囲気で旅は続く・・・敵地でもあるジャッカは、数カ所で転移マークを設置すると拓斗達は早々に出発、ディアナ達に連絡を着けて立ち寄る事を禁じた。もう同行していると言っても過言では無い状態だったが、送り返される事を恐れてディアナは拓斗との接触を拒んでいた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

数日後・・・


今日頑張ればザイオンだと言う地点で、やや小高い丘に立っていた拓斗達「拓斗、ディアに何故声を掛けないの」「ミウ此はもう信頼の問題だよ、此処まで皆に手を焼かせているのに素直では無い、俺はもうお手上げだ」「確かに言う通りだわね、あの子ったらどうしようも無いわ、でも追い返されると恐れている気持はチョット分かるわね」「でも痛いスね」「痛いわよね」「痛すぎまんな」「はいデス」


やや非難されている様な気分に成った拓斗は「俺から折れろ!と、でも言いたそうだよな?」「そんな事、何も言ってないわよ」「言って無いスよ」「言ってまへんがな」「はいデス」何とも言えない雰囲気の中、拓斗はロボスから指定されていた戦略的要地に転移マークを付ける・・・


ザイオンとは敵対していないのだがロボスは「彼処は未だ動向がハッキリとしないんだよ、それで用心の為に何カ所かマークして欲しいんだ」「分かりました」返事をして此処に立つと、ザイオン全体を見渡せて、更に後方には軍の展開がし易く、流石はロボスが指定した要地だ。そして街道近くで進退も容易いのだが・・・


当然ながらこんな要地を相手が放置する訳も無く、疾っくの昔に砦の建設をし始めていた「おい!お前達」「はい何でしょうか?」「こんな所で一体何をしている?此処は立ち入り禁止だ!」やや貧相だが三人の兵士が現れた。


「それはどうも、気が付きませんでした。僕達はかけ出しの冒険者でして、小物の獲物を追い掛けていると、何時の間にか道に迷いました。所が此処でザイオンを見付けてやっと居場所が判明した所です。申し訳ありませんでした直ぐにでも街道へ戻ります」


やや胡散臭げな顔をした兵士だったが、淀みの無い拓斗の説明を受けて「何だそうなのか、お前達かけ出しの来る場所じゃ無いからな、以後気を付ける様に・・・」兵士が拓斗へ告げると「待て!」驚いた拓斗達は一瞬たじろいだが、後ろから声を掛けて来たのは見覚えのある顔だった。


半年ぶりに見た顔はラーハルトだった・・・その後ろにはガニメデと、初めて見る亡きイオの息子テミストと、亡きエウロパの息子カルポが付き従い、この二人は、拓斗を警戒をしていた。だが「お久しぶりです」と拓斗の方から先に声を掛けた。


そのラーハルトは「見事な言い訳であったな拓斗、此処はジャッカ領が不穏な為に建設中の砦、其処へ君達が来て、何故か冒険者のかけ出しだと言う・・・信じられるか?」拓斗も首を横に振りながら「いいえ」「それでは何しに此処へ参った?」「偵察と融和」「偵察は理解出来るのだが、融和とはどう言う意味でだ?」拓斗の顔を見ながら問い返すラーハルトは、話しぶりすらも変わっていた。


拓斗は、態と懐から手紙を出す真似をしながら、アビスから預かっていた親書を異空間から取り出した。


前夜新たに「拓斗、明日か明後日にはザイオンだろ?」「そう成ると思いますが、それが何か?」「ロボスからの勧めでな、ザイオンと親交を深めたいんだぜ。確かおめえは縁があっただろう、此を頼むぜ」書簡を机から取り出して拓斗に見せた。


拓斗は半年程前の出来事を思い出して「確かにありますね、出来る出来ないは別として、届ける位は引き受けます」「あぁそれで良いぜ」「はい父さん」親書を受け取り、さてどうやってラーハルトに会おうかと、考えていた矢先だったのだ。


暫くは当時を懐かしみ、拓斗とラーハルトは互いに笑いながら語り合う・・・


その様子を遠くから伺い「息子と話して居る冒険者風の者が居るの・・・」「その様で御座いますな、私が見て参ります」少し気に成り「良い儂も参ろう」「ならばお前達も来い」と数人の兵士を引き連れて動き出した。


ワイツ卿とその護衛で相談役の風のバインドが現れて「何者じゃ?」「はい父上、半年程前にステラ村迷宮で何かと世話に成った者達です」「成る程話しには聞いて居ったな」「はい父上、妙な所で見付けたもので、此方から声を掛けました」


其処で拓斗はこれ幸いにと「お初にお目にかかります閣下、私はディオン・拓斗と申します。此に携えておりますのは父アビス・ディオンよりの書簡で御座います。何卒お受け取り下さいませ」他はもう成人前の顔付きだが、十分に幼い顔の拓斗が子供らしさの欠片も無く挨拶をした。


拓斗は親書を敢えて書簡と言い、相手が受け取り易い工夫を凝らした・・・


拓斗は人族で獣人族とは違い、身体の成長が遅い模様でワイツ卿は「父じゃと?」「はい父で御座います。私は人族ですが養子で御座いまして、獣人で無い事を腑に落ちないかとも存じますが、事実で御座います」因みに戸籍上は違うのだが、事実上の養子と言う意味と、話し易さを考えて拓斗は堂々とディオン姓を名乗った。


上から下までジロリとワイツ卿が拓斗の品定めをすると「成る程の、付いて参れ」書簡を受け取ったワイツ卿の後を見回りの兵士を除いて、この場の全員が大人しく付いて行く・・・


元々から数カ所の砦建設は、昨今の情勢を鑑みて計画中だったのだが、此処に来てジャッカ領に対する懸念と不安材料が増大して、ワイツ家としてはザイオン防衛の要として、急遽全体を見直し彼方此方の計画を前倒しにして推し進めていた・・・


前日からの砦視察を終えたワイツ卿は、もう一箇所別の場所へと、効率良く向かう為に、昨夜は建設中の砦で一泊して、今日は朝から出発の準備が終わるのを待っていたのだが、未明から動き出した拓斗達と偶然遭遇した。


既に昨夜使用した豪華なテントは取り払われて、その場所が丁度良く青空が見える広い場所に成って居た。其処へ兵士が持って来た、工事現場を監督している者達が使う粗末な机を挟む様にして向かい合う・・・


偉い人は眉毛で文を読む・・・時折り眉毛を上下させながら「ふむふむ、成る程」などと呟き、長い文を読み終わると「拓斗と申したな?」「はい然様で御座います閣下」「ご苦労であった」「有り難う御座います」「文面によればじゃ、儂と誼を通じたいとあるが誠か?」


一礼をしながら拓斗は「然様で御座います。ワイツ閣下、父アビスは今回の内乱、いえ簒奪では【何処いずこも平穏無事では居られない】などと申しまして【ワイツ閣下の意向を確かめたい】と考えております。出来ますれば当方と親交を深め、手を取り合ってこの難局を乗り切りたいとも申して居りました」


一拍返事を考えた後、ワイツ卿は「成る程の・・・儂の所へその方が申す簒奪者、パトス陛下を支持する宰相のラン・ロスト殿と西のウルサル・プティマ殿の連署で勧誘をされて居るが、現在敵対して居る王太子アーサー殿と北のモルド・サウス・ヨーク公爵からも勧誘されて居っての、実は迷って居る・・・」


拓斗は内心で・・・殿か・・・殿下では無く殿と呼ぶのならやや向こうに近い?


その時ラーハルトは、父ワイツ卿に何か言いたそうにしていたが、それを無視して「支持をする有力者が数の上でも劣勢な王太子兄弟と、前回は勝ったが新興で未だ力が足りないアビス殿に加勢して、この儂に如何ほどの利があるのじゃ、その方、忌憚なく申して見よ」


損得勘定なんかで動く様子ならこの人は駄目か?拓斗は考えながら「本来ならば父アビスが申し上げる話しかと存じますが、閣下が忌憚の無い意見がお望みでしたら申し上げます。先ずは大義名分が手に入ります。後の世で簒奪者側に与して、敢え無く身を滅ぼしたなどとそしられる事もありません」


烈火の如く怒りを表したラーハルトは「拓斗!その方は我が父に対して何と無礼な物言いじゃ、許さんぞ!」だが拓斗はアッサリと「ラーハルト様、誤解無きように願います。問われたから申した忌憚ない私の意見です」


ラーハルトの青さに少し笑いながらそれを手で制してワイツ卿が「その方は未だ肝心な話しをして居らぬ」「はい然様ですね閣下、それでは先ず損得は勝ってからの話しで御座います。勝てば後の話は何とでも成りましょう、負ければどの様な報酬を提示しても無意味に成ります。先程は後の世で云々とも申しましたが、負ければ大義名分すらも書き換えられて、酷い話しに成る場合も御座います」


「うむ当然じゃな、だが口で勝つと言うのも簡単な話しじゃ、勝算を儂は聞きたいのじゃ・・・本当の所は何方にもくみせず、儂自身はやり過ごせれば良いのじゃが、そうも言っては居られぬ事情が、此方にも少なからずあるからの、先ずは其方から先に手の内を明かして貰おう」


「未だ敵とも味方とも、何れとも決まって居ないお方に手の内で御座いますか?」


「然様じゃ、其方から誼を通じて来たのじゃ、その位の誠意は見せねば成るまい、などと儂は考えるがどうじゃな?」「確かに仰る通りで御座いますね、ならば暫しお待ちを・・・」拓斗はみんなを残してその場を離れ、異空間無線を使用した。


携帯電話を実現する前段階の技術として、小型携帯発信器と共に制作していたが、最近に成ってアイ子とスラが不眠不休で試作品を完成させていた。


可成り大型で大きなリュックサック程度はあり、魔石も結構大きめな物を使用している魔道具を取り出し作動させると「ステラ村の誰かか、或いは父さん、拓斗だけど聞こえているかな?」「何だ拓斗、聞こえているぜ」「いや良かったよ、其処に居てくれて助かった。今、ワイツ卿と折衝中なんだけど話せるかな?」


アビスは数日前から無線室を設置して、ロボス達や主立った者達との会話に此を使用している・・・何れは不要に成る事を承知しているのだが、友好勢力に手渡すとしても傍受するのは必須で、専門の人員を配置した許りだった。


当然ながらアビス自身も、今は他の者と話す機会が多く、一々呼び出されるよりはと詰めていたのだ「ワイツ卿ともう会えたのか?スゲえなお前は・・・」「いや、偶然だよ父さん、だったら少し待っててよ、代わりに話して貰うから」


ロボスから試作品の此なら供与しても良いと、アビスからも既に許可を貰っている品物で、携帯電話とは違い、内緒だが傍受が可能なこの品を友好の証しとして贈る事なども場合に因ればだが、話し合いの結果次第で織り込み済みでもある・・・


因みにザイオンに贈る品物には、チャンネルを固定で二つほどにしてある・・・


他者を傍受できない様に工夫する事も決まっているが、対で渡さないと利用価値が少ないだろうと、実は道具も二つ用意してある・・・


この様な技術があると思って貰えるだけでも、戦略的には大きな意味を持つ・・・


この無骨で大掛かりな無線機を見せた時、ロボスは言った「良いかい拓斗君、この魔道具、いや、無線機だけでも、見せればその戦略的価値が分かるものなんだよ、もし見せて何も興味を見せない相手なら、もう無視して構わない」「そう何ですかロボスさん、この程度で信じられないです」


「それは君達が実現させ様としている携帯成る物を知っているからだよ、普通ならこの機械だけでも軍事と経済に寄与する、と考えるのが必然なんだ。だから携帯が完成した暁には、当分の間は秘匿技術としたいね」「了解致しました」


「一例を挙げると、例えばジャッカ領が邪魔をして、ステラ村とザイオンは、地勢的に分断されているよね」「そうですねロボスさん」「だけどこの道具があれば、緊密な連携を可能にする」「成る程・・・」「軍で此を複数所持すれば、部隊間の連絡や全体の作戦伝達に役立つ」「はい」「他にも有用性があり過ぎる道具だよ」


急いで携帯に発展させる事は不要なのか?だが俺達は魔の国の事があるから、急ぐ必要性がある・・・そうだ!出来上がっても発表時期を考えれば良い話しか?いや主要なメンバーだけの限定で、当面は良い筈だから、その時には改めて相談すれば良いか?などと拓斗は話しを聞きながら取り留めも無く考えてもいた。


更にロボスは「此は自意識過剰だと思うから言うのだがね拓斗君、実際この状態を考えた何者かは僕達のステラ村に対する策謀では無くて、ザイオンを後ろから狙う為・・・或いは分家のサウスザイオンとの分断を謀った?と考える方がシックリと来るんだよ」「僕達では無くてですか・・・」


やや自嘲気味だがロボスは「そうなると思うよ拓斗君、実際僕達は新興勢力で未だ力不足だからね、プティマか或いは後ろで台本を書いた者にとっては、未だ取るに足りない相手だと言う話しさ僕達はね、だが相手が油断してくれるのならもっけの幸い、静かに此方は力を蓄えたい所だよね」「目立たずですね」


「そうありたいがどうやら微妙だね・・・このゲームの差し手は遙か頭上から俯瞰ふかんして、盤面全体の流れを読む事が出来る恐ろしい存在だよ、此れ迄は兎も角、既に不確定要素として僕達のステラは、疾っくに警戒されている、と見て間違い無いと僕は思うんだ」「それは心して掛からねば成りませんね」「そう言う事だね」


拓斗はロボスの説明を思い出し、スラが居なければ戦力増強などは、一朝一夕には行かない、と言う話し何だろう・・・多少は今回の紛争でステラ村の方も力は増えたが、色々と問題も山積みだ。実際は手際良く今回の紛争を片付けた事で【敵も警戒をし始めている】と此方が本命で俺に注意を喚起してくれているのかもな・・・


だがしかし、昨日アビスと話した時に再び思い出し、父さんやロボスさんは、俺の話しを信じて成るべく計画の邪魔をしないでいてくれる・・・自らで何とかしようとしているからこんな言い方に成るんだろう、などとも考えて居た。


ザイオンのワイツ卿が、何をどう考えて居るのかも気に掛かる・・・ロボスさんの言い様は、同盟するなら邪魔も入ると言う話しだよな?何か頭が痛く成った来た。今回のこの話し次第では、ステラの命運を分ける事に成るかもな、気を引き締めて事に当たろうと、拓斗はこの時には考えて居た。


閑話休題・・・


拓斗は敢えて今許可を取った振りをする為に、一旦ワイツ卿から離れたが「閣下、先程父アビスから許可を貰いました。此方の手の内、その一つをお見せ致します」再び無線機を取り出して、拓斗は「此は魔道具で無線機と申します」


簡単な操作をした後で「どうぞ閣下、此で父と話しが出来る様に成って居ります。機密事項に絡む話しをされるかと思いますので、私達は此処から話しが聞こえない範囲まで一旦離れます。終わりましたらお呼び下さい」「うむ、此処に向けて話すのじゃな?」


拓斗は簡単に操作方法を教えながら「はい、そして此の道具から父の声が聞こえて参りますので、同盟を結ぶのならその時にでも詳細をお話し下さい」「承知した」手振りでラーハルトとバインド以外を下がらせて、ワイツ卿は遠くステラ村に居るアビスと話し始めた。


何を話し合って何処まで話したのかは伺い知れないが、長く続いた話しの後で呼ばれた拓斗達にワイツ卿は「話しは着いた」固唾を呑んで見守る拓斗達へ「そんなに心配する様な話しでは無いが、此処で大きな声で話す内容でも無いからの、明日、いや、明後日に成るがその方らは訪ねて参るが良い」


拓斗は一礼をして「畏まりました閣下、悪い話しで無かったのなら幸いです。私達も何かと御座いますので、明後日なら準備を調えて訪問させて頂きます」「うむ」拓斗達の全員が頭を下げると突然ラーハルトが「おい拓斗!」「何で御座いますかラーハルト様」「俺も楽しみにしているからな」


屈託の無い笑顔を見て、拓斗もやや嬉しそうにしていたが「有り難う御座います。けれど実の所何か手土産があれば良いのですが、旅先で何も御座いません、それが残念ですが土産話なら沢山御座いますので、その時にはこの半年間のお話しをしましょうラーハルト様」


ラーハルトは「手土産は良い、話しだけで十分だ。だが様は無しにしろ!様はな」「それではラーハルト、明後日にでも再び目見まみえましょう」「此でやっと居心地が良く成ったわ」お互いに笑い合いながら拓斗達は街道へと向かった。


いよいよ明後日には、近隣で一番大きな街、ザイオンへと向かう事に成る・・・

拙作ですが楽しんで頂ければ幸いです。次回の更新予定は12月12日です。


何時も応援有り難うございます。又ポイントが上がるのは、励みに成ります。

此れからも頑張りますので、感想などを聞かせて頂ければ幸いです。作者拝

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