092話 誤算だらけのミーメ 前編
タクトの目の前に現れたミーメは、自信ありげに変な事をタクトへ命じた・・・
未だ昼には早いが朝のウチ?微妙な時間に表れたミーメは、タクトに命じる・・・
突然、足を突き出して「ぼぉ!ぼ僕の足を舐めろ」人払いして最初に命じた事は、とんでも無い話しで、ミーメとの対面は、何とこんな感じで始まった。
昨夜から始まったオーク達の騒ぎが収まったのは、何と翌朝だった・・・
その日の朝、シュンカ達が朝食を持って来て「お嬢様、朝はパンで御座いますか?それとも他がお好みでしょうか・・・」クロワッサンの様なパンと、コッペパンの様な見た目の二種類を最初に見せて、別のワゴンには、ライスや雑炊の様な雑穀を煮たものを差し出された。
選べばそれに応じて他の食べ物が供される様で、タクトは取り敢えずパンを選ぶ、すると合わせてスープが先ず出されて、次にはカリカリに焼いたベーコンに半熟の目玉焼きが二つ、塩加減も良さそうな状態で出されると、今度は飲み物を聞かれたので、果物ジュースを頼んだ。
サラダは葉物野菜と、何かのキノコを茹でて冷やした物が、適度に切られて何かの油と、ゴマを磨り潰したドレッシング擬きを掛けて、ゆで卵をほぐした物が、その上を彩る・・・
前日、タクトは夕食を沢山は食べずで、食べない物には手を付けなかった。メイド達には小食?と思われていて「お嬢様、何か他にもお出ししましょうか?」などと聞かれ、見ればワゴンに乗せられていた魚や肉、その他でも調理済みの物が湯気を立てて沢山出来上がって乗っていた。
それを見てタクトは「そうスね、だったら魚を揚げた物が欲しいス」魚でも焼いた物や揚げた物があれば、生の物を何かの液体まみれで切った物、肉も同様に他にも色々と取りそろえて目移りしそうだったが、タクトはそれ以上望まなかった。
只、気に成ったのは残りはどう成るのか?と言うその一点が気掛かりで、タクトは言おうか言うまいか?悩んでいるとシュンカがそれを察して「残り物は私共が全て残さずに頂きますので、どうかお気になさらずお好きな物をお召し上がり下さい」
昨日といい今日といい、恐らく好みを確かめる為だとは一応推察も出来るのだが、タクトは勿体無いと思っていた。だが後に聞いた話しでは、こうする事でお付きの下女達は、支給される食事にタクトの残り物が増えて、役付で無い者との差別化をしている模様で、仕える相手が出来ると彼女達の待遇も可成り変わるらしい・・・
待遇が変わると言えば、仕える相手が出来ると、下女から呼び名も侍女に変わる。
食後のお茶を楽しみながらタクトは「そう言えばスね、身辺護衛のカヌカさんは、下女の身分じゃ無いんスかね?」少し躊躇った後、カヌカは「その・・・言い難いのですが、私は下女と言っても、最初は武官を一応目指した落ちこぼれなのです」「落ちこぼれ?そう何スか・・・」「はい、申し訳ありません」
カヌカが詫びるので「いや謝る事じゃ無いスよ、それでもカヌカさん達は、自分の護衛に選ばれているじゃ無いスか、自信を持って欲しい所スね」「はい、有り難うございます。私達オークは十歳前後で王宮へと差し出された後で、女の子は武官を目指すか、下女として生きるのかを選択致します。男の子はその時点で殆どが武官一択で、ほんの少数が文官や執事を目指します」
「外の方は意外かと思われますが、女の子でも武官を目指す者達は、数多くが存在致します。しかし、目指した全員の実力が認められるとは限りません。本来、落ちこぼれれば通常の兵団に配属されるのですが、獣化能力が乏しい私は、残念ながら下女に成るしか御座いませんでした」「通常と言う事はどう言う事スかね?」
「それは近衛隊以外の各兵団で御座います。普通と申し上げたのは、騎馬隊、重装歩兵隊、軽装歩兵隊、弓隊などで志願兵です。他には下級の徴兵ですが、此処へは落ちこぼれでも配属されません。何故なら徴兵は、賤民の次男次女以下が対象で、男女別なく招集されます。ですので私達落ちこぼれは、志願兵の中上級へ配属されます。或いは実力を認められて近衛などの特別兵団に配属されます」
「男女別なくスか?」「はい、獣化が出来れば、男女の戦闘力は差が無いのです」
「へぇー」
「但し、通常の生身で戦うなら、訓練を積んでいる私達には到底敵いません。そうですね獣化状態の一般兵となら、ほぼ同等とお考え下さい」「成る程スね、と言う事は訓練を積んだ志願兵の獣化状態には、負けるんスよね?」
カヌカは悔しそうな顔をしていたが「残念ながら仰る通りです。最低志願兵の獣化状態を、生身で圧倒出来る得る程の実力が、近衛には求められます。しかし私は、今一歩及びませんでした」「それでも通常なら強いと言う事スね」タクトの言葉を聞いて、少しカヌカは微笑んだ。
「私は姉達が勤める近衛を目指しておりました。近衛に配属されれば騎士の身分が約束され、その後の人生に自由が保障されます。近衛師団には、陛下の護衛以外に王族の貴妃やお子様達の護衛が御座いまして、男性では不味い仕事も御座います」「成る程スね、理解出来るスよ、お姉さん達が憧れだったんスね」
やや心配そうな顔をカヌカは、タクトに少しだけ見せたが切り替えて「はい、私は他の姉妹と同様で姉に憧れました。実はバショク閣下の部下でして、今度の遠征で閣下は、配下の全部隊で出陣したと噂で聞き及んで居ります。そして姉達の安否を私達は気遣って居ります」確か拓斗は敗残兵捕虜の中に、女性兵士が多かったと、そんな話しをしていたな・・・
「それで未だ知らせは無いんスね」「現状では知る手立てが御座いません。それに昨日今日の話ですから、奥にまで噂も未だ届かない状態です」「それは心配スね」「はい、近衛は二百程の中隊編制で五隊御座いますが、姉達はその内の三隊に分散して配属されて居りました。前日出陣したカントン閣下の元にも・・・」
タクトは後で拓斗に確認するかな?などと考えて居たが、今はそんな事を話せ無い状態だし、変に希望を持たせる様な気休めも言えないなと判断して押し黙る・・・
所がカヌカは、気持を切り替えたものか?今はタクトの関心を自分達に持って貰う方が重要と、やや明るい声で話し出す。
「オークは特級白金鎧の近衛兵団、上級銀鎧の騎馬兵団、通常の鎧に赤、黄、青、黒に染められた四つの重歩兵兵団は中級、更に徴兵された下級の歩兵兵団が御座います。そして女性が配属されるのは、中上級の兵団で御座いますが、騎士の身分が約束されるのは近衛のみです。但し各部隊にも上級、中級の指揮官がおりまして、その者達は準騎士、或いは準騎士見習いで御座います」
「先程私は普通と申しましたが、少し訂正をしますと、騎馬隊のみは上級でして、近衛の次に人気が有ります。但し獣化能力が必須で、実力では合格でしたが私達は駄目でした。獣化能力が無い者は、近衛以外では上位にいなければ、出世するまで身を守るのにも身分的に厳しいのです」
「だったら近衛でも厳しいでしょ?」「身分が違います。入れば既に騎士ですし、近衛に入る程の実力があるのなら、獣化の必要も御座いません。だから獣化が出来無い姉達でも務まるのです」「最低準騎士スか?」「はい仰せの通りです」
タクトが尋ねてもいない、詳しい話しをカヌカは、親切に教えてくれた「可成りの数が居るんスね、驚いたス」「下級の歩兵が大多数ですが、総数は数十万単位だと聞いて居ります」「それは凄いス」「下級にも女性兵士が混じって居ますが、彼女達はそのぉ・・・直ぐに妊娠します」あれまぁと、タクトは言葉も無い・・・
タクトが何も言わないでいると「そして通常の兵団に配属された者達も同様です」「それでは下女に成った方が良いんスよね」「そうとも言い切れません。何故なら通常兵団に配属でも、活躍次第で近衛へと昇進する道が残されており、出産後でも復帰する者も多いのです。最低準騎士の身分を手に入れれば、その先を夢見る事も出来ますし、男も女も関係無く暮らしが立ちゆく状態に成るのです」
「戦い生き残る事でレベルアップを果たし、女性でも出世の夢が見られます」
「それに市井の中で暮らすには厳しく、子供を差し出してでも軍に戻らなければ、生活が成り立ちません・・・食べる事だけは軍なら確実ですし、着る物や住む所も心配要りませんから、彼女達は或る意味率先して戻るのです」
「戻らない女性達は、その殆どが針子などの下働きか農作業、良くて市民の下女、場合に因りますが事情が逼迫して、九界の下位へと落ちるのが常で御座います」
「身分制度は厳しいんスか?」「はい、陛下を頂点に王族と貴族、市民と豪農迄は支配層で御座いまして、残りの大多数が賤民です」「市民とは一体何なんスか?」「豪商や土地持ちの豪農などは、貴族に準じる程の金と権力がありますが、商人や技術者、土地持ち農民などは所謂一般民扱いで、市民と言われております」「成る程スね、理解したスよ」「因みに最下層は男女共に奴隷です」
「賤民の子供は売られる事が多く、女の子は娼館良くても市民の下女止まりです。但し市民以上の子供達は、王宮や高位の貴族へ差し出される事が多く、賤民よりは待遇も良く出世の機会も多い、と言う事に成ります。男の子はより悲惨で幼少期を生き延びれば一般兵役、それが済んだら小作か坑夫が普通ですね」
「但し兵役中に活躍すれば出世の道が開きますので、戦いが始まれば上を目指して必死ですし、戦いが無ければ不満が噴き出します。多産のオーク世界では、賤民は辛い身分ですからね、だから私達オークは、近隣諸国から嫌われて居ります。特に牛と犬ですね・・・」
長い説明を聞き終わりタクトは「大体の事情は飲み込めたスよ、色々話してくれて有り難うス」「いえ如何致しまして、お役に立てたのなら幸いです」〔牛や犬でもオーク共ならキツかろう、恐らく数で押して居るのじゃ〕
突然エルーザからの念話が入り、タクトは〔へぇーそうなの?〕〔他の種族では、ゴブリンなどの、弱っちい奴らなら勝てるが、上位個体ででも無ければじゃ、通常オークは弱い部類じゃ〕〔成る程ね、参考に成ったよジュート〕そんな話しをしていた矢先にドタドタと足音が聞こえて来た・・・
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とある一室でミーメは、本体と同時体験する為にハンカイの身体と接続する・・・
同調した所でミーメは、目の前の端末へと直接アクセスした。この端末は手動での操作も出来るが、直接脳に繋がるコードを接続すると、より早くより多くの処理が可能と成る・・・
小煩い相棒のアルベルトは、地上で混乱を巻き起こして、数多くの魂を回収する作業に出て行って以来、有り難い事に今日まで帰ってこない、渦の調査中に見付けたセラフィナを誰にも知られずに玩具として扱える機会だと、ミーメは考えていた。
ぐふふふ・・・ぐふ♪思わず笑いを堪えきれずに、一人で悦に浸っていたが、突然思い出した様に怒りだした「許せん!許せんぞあのイレギュラーめ!」当然ながら自分の感覚では、もう疾っくの昔に拓斗の物に成っている筈だと考えて「クソォ、糞、くそぉ~う!」ゲスの勘ぐりで、拓斗とセラフィナの仲を見ていた。
こうなったら初期化して、セラフィナの身体すらも真っ新に上書きしてやる・・・だが、その前に今のセラフィナを僕の前で辱めて、身も心も屈服させてやらねば、気が収まらない!あのイレギュラーの影に隠れたあの仕種「許せん!」思わず声に出して怒りを発散させると「先ずは男無しでは居られない状態にしてやる・・・」
段々と大きな声で計画を宣言する様に、そのゲスな考えを口にする「僕の目の前で疼かせてぇー!燃えさせてぇー!我慢させてぇー!焦らして焦らして焦らし抜いてぇー!何でもすると懇願させるのだ!ぼ僕の全てを舐めさせて、それでも焦らして這いつくばる迄、ぼ僕にあられも無い姿を全て曝け出す迄、僕は許さないからな」
本体の方のミーメは、やや遅く起き出して早速セラフィナの元へと急ぐ・・・既に股間は膨れ上がり、歩く度に螺旋状の物は上下するのだが、全く気にした素振りも見せず、通りで平伏する家臣達を鷹揚に見ながら塔へと進む・・・
本体は別室のミーメから、同時体験されているとは、気が付いても居ないのだが、当然それ位の事はしているだろうと思っていた。同じ魂で繋がっているのだ・・・考えている事も同様に理解出来るし、徐々にリンクが強まって別室のミーメがどうしたいのかも、自分が何をしたいのかも同調し始めた。
後から追体験する事も可能だが、どうせなら同時体験の方が良いと考える筈だ。
無論、口調も本来のミーメへと戻ったが、扉を遠慮無く開けると煩わしそうに手で人払いを最初にした。当然下女達は黙って従い、大人しく次々と階下の控え室へと戻って行く・・・
それを満足そうに見送って、中央の部屋にある大きな椅子に座ると突然、足を突き出して「ぼぉ!ぼ僕の足を舐めろ」と最初の話しへと場面は戻った。
当然ながら率先して舐める筈だった・・・だが、便所虫を見る様な蔑んだ目をして「何で?」タクトは挑戦的に問い返すと、驚いたミーメは本体だけでは無く別室のミーメも驚く羽目に成った・・・
この時点でセラフィナは、既に身も狂わん許りの状態に成っていた筈、可笑しいと考えたミーメは「暗示が弱かったのか?」再び強制的に前より更に強いコマンドを打ち込む・・・しかし、変化が見られない「何故だ?何だというのだ!」ミーメはコンソールを乱暴にぶっ叩いた。
その瞬間、目の前にガイアが出現して、ミーメを何らかの力で拘束した。金縛りに成った様なミーメ、その姿を確認したガイアは、理屈はよく分からないが機械に左手を突っ込み、コンソールからデーターを引き出し初めた。そして右手でミーメの頭の中を探る様に拘束して、その思考と記憶を読み取り始めるのだった。
その頃、本物のセラフィナは拓斗を求めて既に部屋へと侵入、ベッドへと猛進して身悶えしていた。そんな場面でミーメからの暗示が、再度の命令が強烈に下され、我を完全に忘れて仕舞っていた。
そんな事とは全く知らない本体のミーメは、コマンドを再度打ち込んだと言う別部屋のミーメから知らされて、その効果を待ち望んでいた「ソロソロ我慢も限界なんだな、ぼ僕の言う命令に従うんだな」などと言いながら先程と同様で、今度は自信タップリで足を突き出す。
サッパリ事態を理解していないタクトは「何で?何でそんな汚い足を舐めなくてはいけないんだよ、バカなのかお前?」既にタクトはセラの真似事をする気も無く、素のままでミーメと向き合う・・・
それ迄舞い上がっていたミーメは、此処で初めて鑑定スキルを発動する・・・だが正体不明と結果が出ると「阻害スキル、或いは装置か・・・」と呟いた。しかし、タクトは樹核石を使用した、この世では唯一の生命体で、初めて遭遇した者なら、誰が何れ程の、例え神ががり的な鑑定スキルを使用しても、結果は誰もが同じで、正体は不明なのだ。
エルーザも臨戦態勢でその姿を現すと「タクトよ、此処で奴と決着を付けるぞ!」「了解だよ!」タクトも変身状態を解いて「さて此方のターンだ!」拓斗が戦場でミーメに言った台詞をそのまんま投げつけると「ゲゲ!きっ貴様は昨日の・・・」「生憎だったな、セラ姉ちゃんじゃ無くて」「騙したのか・・・」
タクトはニヤリと笑い「人聞きの悪い話しだね、其方が勘違いしただけだよ、それじゃぁ洗いざらい話して貰うには、先に拘束させて貰うよ」「そうじゃな、それが先じゃな、覚悟せよ!」エルーザも決め台詞を宣うが、ミーメは初めてジックリと大魔女王エルーザを見た。
驚愕するミーメは「もしや・・・もしや貴女様はエルーザ様、ど、どぉ、如何してこんな場所に」「何じゃぁ~?初めて見る顔じゃが誰じゃ?」脱兎の如く逃げ出すミーメ、それを押し留める様にエルーザは、反射的に「待て!待つんじゃぁ~!」などと陳腐な台詞を吐いたが、その瞬間ミーメの足は止まった・・・
「「「ズガァ―――――――ン!!!」」」階段脇の踊り場に身体毎突っ込んだ。
全く慣性力とは、恐ろしい物で、足が止まってもその勢い迄は静止せず。ミーメは翻筋斗を打った様に転げた・・・タクトとエルーザはお互い顔を見合わせて「此は何じゃ?」「さぁー?」エルーザの問いにタクトは首を傾げた。
物音に驚いた警備と下女達が階下から上ってくる・・・「ヤバいんじゃ無いか?」「早くセラに戻るんじゃ!」「分かった」全く動きを見せないミーメだが、漸く足以外が動き出して這う様に逃げ様とする・・・「無様じゃの」「全く」
どうやらエルーザの言葉が、ミーメに対して何らかの影響を与える事が推察されて「エルーザ」〔何じゃ?〕「何か命令して見ろよ」〔動くな!〕ジタバタしていた手足が静止した「どうやら有効だね、此は拘束する手間が省けた」〔その様じゃ、ならば上がって来る者達を一旦下がらせよ〕
ジュート本来の姿に成っていたが、ミーメがその姿を見て、恍惚としていた・・・
人払いが徹底していて、警備の者達もやや上がって来るのが遅かったのだが・・・
漸く入って来た警備兵と、その後に続く女官長と侍女にミーメは「余が転けただけじゃ、大事ない・・・皆の者!下がって良い」「その陛下、宜しいので御座いますか?」「少々の物音で動じよって・・・此れから先少しの間、何があっても来るに及ばぬ」「畏まりました」
次から次へと上がって来る者達を「陛下のご命令である!下がれ、下がれ!」押し留めながらも、この場にいた者は、訝しがりながら階下へと下がって行った・・・
大汗を掻きながらもミーメは「エッ、エルーザ様、仰せの通りに・・・」元の姿に戻って「うむ!大義じゃ」偉そうに宣うと「そう言った風に話すと、本当に偉そうだねエルーザは・・・」「まぁな、妾は偉かったのじゃ、じゃが此奴を憶えて居らぬの、お主正体を明かしてみよ」
やや抵抗を見せたミーメだったが「お懐かしゅう御座いますエルーザ様、ミーメで御座います」「ン?ミーメじゃとぉ~う!」「はい、ミーメで御座います」「昔の下僕が何で此処に居るのじゃ?」「何と申し上げれば良いのか・・・此処は私めの王国で御座いまして、申し訳ございません」平伏する・・・
不思議に思ったタクトは「何で此のミーメと言う奴は、素直にエルーザの言う事に従うの?」ニヤリとエルーザは笑うと「此奴はミーメと言っての、兎に角面白い奴なんじゃ」「エルーザ、答えに成って無いよ」
エルーザは急かされて「昔に強力な奴隷紋で魂毎縛って居るのじゃよ」「成る程、だけど何千年も前の話でしょ?」「弱くはどうやら成って居るの、じゃが未だ十分有効な様じゃ、じゃろ?ミーメ」「はい、仰る通りで御座います」
「と言う話しじゃ、それに此奴はオークでも何でも無い、ただの精神生命体での、昔っから女好きでイケ面の魔人を乗っ取り、魅了を掛けつつ妾の寝所へと参ったのじゃ、じゃがバレて妾が咎めたのじゃ、その時魔人の身体は滅ぼしたのじゃがな、精神体に成って此奴は逃げ様とするので、妾は追い掛けたのじゃ」
「それで?」
「追い込んでとっ捕まえた時に、近くにオークの子供が居った。チョット油断した隙にその身体へ逃げ込んでの、妾がこれ以上逃げない様に奴隷と化して、強制的にその子供へと魂毎固定した。じゃがあのまんま成長した模様じゃな、ブハハハ♪」「はい仰る通りです」
「その後は従順に妾の僕として暫く面倒を見て居った。妾の足を舐めるのが殊の外得意での、遊び半分で揶揄ったものよ」「今でもおみ足なら舐めとう御座います」「こんな奴なんじゃ、ジュートや鞭での、縛って動けぬ此奴の尻をよく叩いたものじゃ、今思い出しても笑えるわ♪ワッハッハァーじゃ」
ミーメは当時を思い出して「それはもう何時でも、今からでも直ぐにお仕置きを、お願い致します」少し涎を垂らして恍惚とエルーザを飽きもせずに見つめていた。
やや頭痛がする思いのタクトだったが、肝心な事を聞かねばと「だったらミーメ、答えて欲しい」フンと鼻で笑い「余が何で貴様の言う事を聞かねばならぬのだ?」「ミーメ!答えよ」「はい、エルーザ様、畏まりました」憎々しげにタクトを睨みミーメは従った。
タクトは何から聞こうかと、思案し始めた。そして・・・
拙作ですが楽しんで頂ければ幸いです。次回の更新予定は12月2日です。
何時も応援有り難うございます。又ポイントが上がるのは、励みに成ります。
此れからも頑張りますので、感想などを聞かせて頂ければ幸いです。作者拝
九界・・・仏語ですが十界の仏界以外の世界を言います。それは地獄・餓鬼・畜生・阿修羅・人間・天上・声聞・縁覚・菩薩で九つの世界です。




