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ツイン・タクト (外部世界の不思議な物語)  作者: スラ君
第三章 転移 魔人族の国、獣人族の国
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087話 囚われのタクト 中編

拓斗達と連絡が付いてホッとしたのも束の間、何やら数人の足音が近付いて来るのだが・・・

甲高い靴音が規則正しくカツン!カツン!と階段を上って来る・・・だがしかし、足音を忍ばせる様に歩く複数の気配も感知されて、タクト達は警戒を強めた。


次にはドアを軽くノックする音が数度して「どうぞ」タクトが返事をすると「失礼致します」などと言いながら数人の女性が入室して来る・・・


やや年嵩としかさの一人が前に出て「お嬢様、どうぞ此方へお越し下さいませ」などと言いながら開かない扉へ案内する・・・


ガチャリと音を立てて扉が静に開かれると、タクトは言われるが儘、何時の間にかベルトへと戻ったジュートを掴み取って従った。


其処は狭いながらも浴槽が中央に設えて有った・・・薄布を纏った若い女性三人がタクトの服を脱がして「どうぞ・・・」湯船に入る事を促す。


拓斗の服はスラ達と同様に質感もソックリで、魔力の込めようでは、暫くその儘の姿を保つ・・・丁寧に娘は折りたたみ、籠へ入れてそれを持って出ようとするが、慌ててタクトは「それを置いておいて欲しいんスよ」セラの口調を真似て話すと、服を持って行かれては、元の細胞へと戻った時点でバレる・・・タクトは内心で、長時間の放置に耐えられる程の強度は持たしていないんだよ、などと考えていた。


無論、着用していれば、継続的に魔力は補充されて、防御力を含めて強化されるのだが、一旦手放すと最初に込めた魔力が消費された時点で形が崩れる・・・


タクトの話しに女官長は訝しんだが「お部屋に綺麗な衣装や下着などを取り揃えて段取り致します故、その中からお好きな衣服をお選び下さいませ。大事と為さっておられる品物なら元のお召し物は、洗濯すると致しましょう」などと告げて娘から女官長は受け取り、中年の女官へと受け渡す。


もう一人の女官は、セラの衣装を持って出ようと、動き掛けたがタクトは制止して「それらはスね、実は専用アイテムの衣装と下着なんスよ、洗濯も不要で魔法力を加えれれば、元の真っ新状態に成るんスが、他人の魔力を不用意に流しては、服が反発して(嘘なのだが)服自体が破壊されるんス、それに正直言うと、何処に何が仕込まれているのか分からない代物を自分は着たく無いんスよ、もし着るのなら、もう少しアナタ達の事を自分が知ってからにして欲しいス」


やや残念そうでも、然もありなんと考えた女官長だったが「私共が信用成りませぬか?誠に不徳、ただお嬢様がその様にお考えするのも、私共にも理解は出来ます。今日の所は元の衣装で残念ですが、致し方御座いません」既に多くの下着や衣装を脱衣場へと運んでいた最中だったのだが、何人かは一礼をして再び運び出した。


セラ専属の際どい衣装や下着とは全く違い、タクトの細胞が変化した物は、真面な質の良い生地と、チャンとした縫製がされた衣装や下着に見える代物だった。


女官は下着を手に取り、その質感を確かめた後「然様で御座いますね、致し方御座いません、それではお前達は、再び呼ぶまで下がっていなさい」「畏まりました」女官の全員がこの階から出て行った。


この場に残った女官長と、薄布を纏ったほぼ裸の豚娘達が三人、甲斐甲斐しく浴槽の段取りやその他を初めて、タクトをチラチラと盗み見た。


白い肌に黒髪で、容姿は超が付く程の美人!胸も形が良く上を向いて引き絞まった胴回ウエストり、更に腰が張ってくびれが強調されている・・・セラフィナは、この数ヶ月のレベルアップで、体付きも少女から大人の一歩手前まで成長した。その姿は異種族の同性でも見惚れる程だ。


しかし女官長は、セラに扮したタクトの裸体を上から下まで、舐める様に確かめて(器量と体付きは誠に素晴らしく、申し分御座いませんが、陛下にお仕え、或いはご奉仕為ほうしなさるなら、あの言葉使いだけは頂けない)などと観察を怠らない・・・


浴槽には適温にされたお湯と、後から入浴剤と香りの良い石鹸を投入して泡立てる「此処は屋上に薄く引き延ばしたタンクを数多く設置しておりまして、日中の太陽光で温めたお湯が流れて来る・・・そんな仕組みが施しております」タクトが問う前に女官長が説明をしてくれた。


だがしかし、タクトは「誰もこの部屋に居なかったスよ?何でお湯が張ってあるんスかね」タクトの質問に女官長は「詳しいことは存じませんが、日が暮れれば常時使える様に工夫がされております。但しですが、上のタンクが空に成る迄で御座います。それ故に今日は夕刻前から残念な事に曇り出しまして、お食事よりも先に御入浴をと、私共は考えました」


周りを見ると変な形の椅子やらマット、面白い形をした複数のシャワー器具、一体何に使用するかは全く不明だが、色取り取りの液体が入っている怪しげな瓶などをタクトは見ながら「そう何スか、それはご丁寧に・・・けれど自分はスね、捕虜の身でしょ?何でこんな扱いをするんスか?」先程の三人が裸に成ってセラに化けたタクトの身体を丹念に洗い始めた。


一目でオークの女性と分かる豚耳だが、三人とも合格点の容姿と豊満な体付きだ。


暫くするとマットに横たわる様に促され、彼女達は熱心に身体を動かし初め、更にタクトの身体をその裸体で洗い始める・・・徐々に上気しだしたものか?甘く熱い吐息を付きながら三人は、本能の赴く侭、今度は互いに怪しく絡み合いだした。


タクトには全く効果が無かったのだが、マットにはヌルッとした液体が撒かれて、どうやら多少の媚薬効果が含まれた物だった。徐々に興奮し出した三人の豚娘達を見るに付け(タクトは内心で効果てきめんだよ、などと思ったが)おさまる気配も無く、娘達はタクトを巻き込んで更に激しく互いに絡み合い、身悶えをしだした。


タクトは堪らず「あのチョット、チョット待って!いや、チョット待つス、止めて欲しいスよ」一瞬タクトの口調に戻りかけたが誤魔化した。その後も乳房や手足がタクトにも絡み出して、洗っているのか?只単に迫っているのか分からない状態に成ったのだが、上手く逃げ出して、タクトは慌てて三人の娘達から離れた。


しれっと女官長は先の質問に答える「お嬢様は客人ゲストで御座いますれば、此は歓迎の意を込めた私共の、僅か許りの気持で御座います」「気持?ゲスト?な、な、何を言ってるんスか?自分拉致されて来たんスよ?」「私共は陛下自らが態々お迎えに参った、大切な客人とだけ伺って居ります」


そんな話しをしながらも豚娘達から再び押し倒されて、タクトへ媚びる様に迫り、密着させながら動き回る三人から、今度は思わず飛びのいて離れた。


種族の特性なのか、三人の娘達は互いに絡み合い、妙なスイッチが入った様に我を忘れて貪り合った「この子達はもう益体やくたいも無い・・・済みませんお嬢様、未だ未熟なもので、自らの欲望を抑えられて居りません」申し訳無さそうに女官が言うので「そぉ、そう何スかぁ、い、良いスよ」タクトは何とも言えない返事に成った。


その後は自分でシャワーを浴びて出ようとしたが、見ると三人は更に激しく身悶えしながら絡み合い、セラの事などお構いなしだった「お気に召しませんでしたか?お嬢様、高貴なお客様にはこうしてお持て成しするのが私共の慣例で御座います」「そ、そうスか、で、でもこう言うのに慣れていないスよ、勘弁して欲しいス」


不思議そうな女官長は「本来ならこの様にお持て成しするのは、男性をも含めてお相手するのですが、不足で御座いましたか?流石にお嬢様に男性を当てがう訳にも参りま為ず。この者達にお相手を務めさせましたが、もしや慣習の違いですかね?或いはお相手がお気に召しませんでしたか?ならば別の者達を早速呼びます故暫しお待ちを・・・」「いや良いス」両手で押し留めたタクトだった。


肉の宴と化した風呂場で、我を忘れて絡み合う可愛い三人の豚娘、それを蔑む様な冷たい言葉を投げかける女官長の真意とは・・・


だが醒めた目付きで女官長は、三人の娘を見下ろして「アナタ達はお仕事も満足に出来ずで、此で良いのですか?」問い掛けると、ビック!とした娘達は覚醒して、慌てて起き出した。立ち上がろうとするその目には涙混じりの必死さが、タクトの目にも映り(この子達は一体・・・)その答えを得ようと思い始めた。


女官長や娘達の振る舞い、その奇妙な習慣に驚いた少年タクトとエルーザは・・・


念話でエルーザから〔お持て成しも所変わればじゃな・・・妾には勿論好ましいが少年にはキツかろうの、クックック〕〔僕もタクトの知識が有るから構わないんだけどね、今はセラ姉ちゃんの姿だから無茶も出来無いでしょ、だからだよ・・・〕笑いを押し殺して〔まぁそお言う事にしておいてやろう〕


ややムキに成ったタクトは〔此は万が一、セラ姉ちゃんの不名誉に成ったら不味いだろ?〕〔何もムキに成らんでも良いじゃろう?旅の恥は掻き捨てじゃな、楽しみたければ四の五の言わず、妾に遠慮する事は無いのじゃ〕〔勘弁してくれ、頼むよジュート、人に見られながらじゃ僕の精神が持たないよ〕女官の澄まし顔を見る。


少し楽しそうな波長で〔まぁこの位で許してやるわ〕〔助かるよジュート〕思わず笑いが込み上げて来たが、フと会話の途中で、何気に疑問を思い付いたエルーザは〔前から気に成って居ったのじゃがの、お主は下僕のことを何故姉扱いしておるのじゃ?この際じゃから聞いて置こうかの〕


タクトは(何で今此の場面で関係の無い話しをと)少し苛立ったが、気分を変えるのもありか?と思い直した。するとエルーザの、大人としての対応も妙にシックリ来たので、素直に話し始める・・・


〔同じ年なのは勿論知っているけれど、ガッチャの兄ちゃんも同様で、本来なら僕よりも年上だろ?〕〔確かにそうじゃな〕〔だから自然とさ、ミウと拓斗以外は、兄ちゃん姉ちゃんに成っちゃったんだよ〕


エルーザは一応話しに納得したが〔ディアナはその儘じゃな?〕〔彼奴ディアは初めから僕の妹だったからね、でも今はどう何だろうか・・・〕〔相手も兄として慕とうて居るのじゃ、今迄通りで良かろう〕〔そうだね〕


二人はそんな会話を内緒でしていると、女官長から叱咤された娘達が、見れば三人とも未だグッタリとして、遠くを見つめながらユラユラと立ち上がる・・・そして立場を思い出した娘達は、涙ながらにタクトの身体を拭き始めて「誠に、誠に申し訳ございません」「ん?何で謝るんスかね」「アタシ達が到らない許りに・・・」媚薬と本能に負けたとは言え、自らの醜態に恥じて泣きながら必死に働く・・・


その時女官長が「この子達は満足に仕事を致しませんでしたから、後で必ずキツいお仕置きが待って居ります。いえ、今の現状では更に酷いかと・・・」


この言葉に驚いて「それは駄目スよ、こんな事位でお仕置きだなんて・・・そんな事はさせられないス」「ならばお嬢様、お付きとして召し抱えて貰えますか」裸の一人が懇願する様に告げると、不安な顔を向ける残りの二人もタクトへひざまずいた。


それを見てタクトは「召し抱えなかったらどう成るんスか」女官長は清ました顔で「罰を受けます。そして代わりに他の者が来る事に成ります」「何度でもスか?」「はい、何度でもお気に召す下女が見付かるまで繰り返されます」「だったらこの子達を召し抱えるスよ、でも自分は給料も出せない囚われの身分なんスけどね?」


女官はニコリと笑い「ご心配は無用で御座います。当然国費であがなわれて、彼女達やその家族には、手厚く給金とこの子達の代金が支払われるで御座いましょう・・・今から彼女達は、お嬢様のもので御座います」三人は共に手を取り合い、更に抱き合って喜びに沸いていた・・・


この国は子沢山である・・・その上成長も著しく早い、その為に貴族の娘でも幾人かを手元に残して、後は王宮の下働きとして献上したり召し上げられたり、或いは市民階級へ落とされたりするのだが、王宮に奉公しても食べさせて貰えるだけで、見染めらるか何かの役職にでも就かなければ、彼女達の将来は大概見通しが悪い。


そして競争の相手として商家の娘や一般市民の娘でも、気立てと見目麗しければ、王宮での奉公が叶う・・・当然ながら良い縁談が有れば、彼女達にも機会が訪れるのだが、その奉公先で、今回の様に褒美として兵士に下賜されれば、彼女達の夢や希望に叶わず可成り悲惨である・・・


だが今回の様に王宮都合の場合は、彼女達の実家に大金が支払われているのだが、彼女達には何の慰めにも成らない。この下女奉公で貴族や豪商に見いだされる事もあるのだが、それも運で巡り合わせ次第、大抵は不幸な事に成る話しも多い・・・それでも平民の娼館などに売られるよりは未だましなのだ。と言う話しをタクトは後に彼女達から聞かされる・・・


無論、貴族や豪商の娘で、嫁ぎ先などが決まっている者達は、行儀見習いである。

因みに男は軍役に付く事が奨励されていて、子供の頃から訓練を始める者が多い。


今回急な話で三百人の下女を下賜させると話しに聞いた女官長は慌てた。彼女達は連れて来た女官長が、日頃から目を掛けていた者達から選りすぐり、タクトの元へ送り込んだ未だ幸運な下女達だったのだ。


彼女達は言い含められて、兵士共の慰み物に成るくらいならと、一時的に本能には負けたが、気に入られるために必死だったのだ。


因みにお持て成しは、派手な方が誰にでも喜ばれると、娘達や女官長もその文化や習慣から勘違いをしていたのだが、タクトの態度を見て誤解だと知る事に成った。


女官長は三人を連れ「この者達に先ずは支度をさせます故、暫しの間お待ち下さいませ」深々と四人は頭を下げた「勿論良いスよ、自分としてはゆっくりして貰って欲しいスよ」「それは成りませぬが、早く身支度を整えてお食事の用意をさせますので、お嬢様には暫しの間ご辛抱をお願い致します」「そうスか、それでは待っているスけど、余りお腹の方は空いていないスから、ヤッパリのんびりで良いスね」


豚娘達と女官長は再び頭を下げて「ご配慮は忝く、お嬢様にお礼を申し上げます」


一旦は踵を返しかけたが女官は思い出した様に「当方の都合で誠に申し訳ございませんが、お嬢様には後幾人かの下女をお引き受け頂けませんか?」「こうなったら何が何だか自分、理解していないスけど、それは構わないスよ」「快く引き受けて頂き感謝致します」女官が頭を下げると、更に喜んだ下女達も同様に頭を下げた。


四人が出て行くとエルーザは「お持て成しも様々じゃな」「ビックリしたよ、でもあの子達に感謝されたなら、案外良い情報源に成るかもね?」「まぁ我らの監視も兼ねて居るのじゃろうがな、じゃがお主は最後まで面倒を見る気なのかの?」


タクトは無責任な事はイヤだなと思いながら「関わっちゃったからね、取り敢えずよく事情を彼女達から聞いた後で考えるよ」「相変わらずお主はお人好しじゃの、まぁ妾も少しなら強力してやるわい、手懐ければ案外面白いかもじゃ」「有り難うジュート、面倒事に巻き込みそうだね」「構わぬわ」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

それから暫くして悲鳴混じりの嬌声が下で響き渡り始めると、獣の宴が始まった。


オーク化を解かない兵士共に生身では、これは持たないと察した下女達は、自らも魔獣化して対応するのだが、その能力に乏しい下女達は、涙ながらに悍ましい物を見て恐れ戦いた・・・


女官長もその事を熟知しており、お気に入りの中でも特に獣化能力の低い彼女達を選んで連れて来ていた。無論器量と気立ては、念入りに吟味した上でだが・・・


数千とも数万とも言われる王宮の下女だが、こんな時に選抜されるのは、見た目は美しくとも、反抗的であったり、怠け者であったりする者が、当然ながら真っ先に生け贄と成る・・・因みに能力が低いと見做されている者達もだ。


女官達の一同が去った後、エルーザは「しかし、面白いものじゃの、あらゆる面で妾達とは違って居るわ」「そうだね、随分と驚いたよ、お風呂だけでも習慣が違うんだね」「まぁその通りじゃな」「だけど今の話しでさ、風習や生活習慣での違いなら、拓斗の記憶中で僕は面白い話しを急に思い出したよ」


少しエルーザは興味を持って「それは一体何じゃな?」「今は関係無い話しだし、余り綺麗な話しじゃないんだけれどもね」などと勿体と更には注釈を付けて、悪戯心が働いたものか?少し笑いながらタクトは話し出す。


「何時の時代なのか良く分からないんだけれども、拓斗が或る日海外の別地域で、暫く暮らしていたんだ」「それがどうしたのじゃ?」「そこの生活では便所の紙が硬くて、粗悪品だったのが不幸の始まりで、其処で暫く暮らした後、地元に帰った拓斗は、何時もの習慣通りに力を込めてお尻を拭いたんだ」


「それの何処が不幸なのじゃ?」「イヤなにそんな大袈裟な話しでも無いんだよ、地元の紙は柔らかくって、更に水に溶ける材質だったから、帰って来た当時は前の感覚で思いっ切り力を込めて拭くと、想像が付くだろう?」「フハハハ!気不味い思いを主殿はしたのじゃな?」「その通り、アハハハ」


「後に拓斗がその地域の人に聞いた話しでは【彼処へ行ったらお便所トイレの紙には気を付けろ!】などと大袈裟に言われて居たらしくってね、後年お尻を洗浄する機械が開発出来て広く普及される迄、人の話しを聞かない人々に不快な不幸が続いたらしい・・・」「フハハハ!それは愉快な話しじゃな、所が変われば品も変わるじゃ、さて冗談話しはさておいてじゃ」


やや心外そうにタクトは「冗談や作り話しでも無いんだけど、今は関係の無い話しだったね、それではジュート考えを聞こうか?」「考えと言うよりは疑問なんじゃがな、奴ら下僕の食事事情を理解して居るのかの?と思った迄じゃ」「あ!それがあったね、僕は何でも食べられるけど、人間の男に噛み付く趣味は無いよ」


ニヤリとエルーザは笑い「そうじゃろう、どうするのじゃな、此は楽しみじゃの」「僕が嫌いそうな話しで、自分自身は楽しんでいる何て、趣味が悪いよジュート」「まぁ普通の食事なら問題は無いが、生き血を差し出される事くらいは、覚悟しておく事じゃな」「確かに考えて居なかったよ、けれど生き血くらいなら、問題無く栄養として摂取も出来るよ、それでも男に噛み付くのは勘弁だね」拓斗のぼやきにジュートの忍び笑いは続く・・・


ジュートは話題を変える様に「だが主殿の召喚魔法には驚いたわい」「あれは確かに驚きだったね」「多少の手解きをして、従来の召喚魔法を教えただけじゃったが【だったら空間の入口と出口を直接繋げたら良いんだよ】と来たものじゃ、確かに簡単で魔力消費量も抑えられるが、あの発想は一体何なのじゃ・・・」


タクトはエルーザの驚き様に少し戸惑いながらも「だったよね・・・本来ならさ、異空間にある点と点を魔法力で道を作って繋げる話しが、その後で【点と点を直接繋げれば簡単な話し何だよ、道なんて関係無いんだ】と言いだしたからね、意図も簡単に試しで行き来した時には、僕ですら本当に驚いたよ」


「そうじゃったのぉ~アレは渦?扉擬き?いや、新たにゲートと呼ぶのが相応しいかもの?」「まぁ取り敢えず。そのお陰で拓斗オリジナルの転移陣を刻んだ簡単な装置で、信号くらいは受けられる様に成ったからね、便利なことだよ・・・」


話しに納得が出来無いエルーザは「本来なら空間を歪める事自体がじゃな、途方も無いエネルギーを必要とするもじゃぞ?じゃがその魔力消費問題も、何故か上手く回避しておる」「それも理解しているけれど、成せば成る理論だよね、途轍もない話しだから誰も思い付かないんだ」


「それに自力で転移が出来うる存在も少数に成って居るからの、そんな状態なら転移魔法もそんなに発展は為ぬ筈とも思うのじゃ、そして主殿とて使い始めて未だ間無しの話しじゃ、発展に寄与する事自体が難しい筈、だがそんな固定観念の理論を意図も簡単にアッサリと跳び越え居ったのじゃ、妾は空恐ろしゅうて成らぬわえ」


「それは科学知識があったからだよ、実現は未だ先の話だろうけれども、とんでも無い理論は数多く前の世界ではあったからね、魔法力と言う都合の良いエネルギーを利用する事で実現出来たのだろうね・・・」「確か主殿は【此で携帯電話擬きが出来るぞ】などと呟いて居ったが、携帯電話とは一体何じゃ?」


「それは電気と言うエネルギーを使って電波を生み出し、それを送受信する事で、スピーカーと言われる装置から音声に変換増幅して、遠くの人に自分の声を伝える便利な道具だよ、後に科学技術が発展して時代遅れの初期型だけど、世界の発展に寄与した事は、間違い無い技術だね」「然様か・・・妾達なら念話があった故な、そんな発想は終ぞ思い浮かば何だわ」


「念話を遠くに迄伝えるには、可成りの魔法力が必要だし、相手の感度も高い事が必要だからね、それに相手がしょぼければ、受けるだけで返事が出来無いからさ、拓斗の膨大な魔力を使っても一方通行だよ、だが亜空間携帯電話なら器具を持って居れば、多少の魔力を流すだけで届くのだから画期的だね、電波塔も要らない」


「念話だけも凄い事何じゃが、今の話しならこの世界を変えうるの、特に戦場ではその力を発揮し、戦略眼を持って敵を観測すれば、相手の動きは丸裸じゃ、劣勢の戦局すらも左右する筈で、戦略面でも途方も無い情報伝達速度を得る筈じゃ、経済面でもあらゆる相場などに影響を与えるぞ!商人共が泣いて喜ぶわ・・・」


「だろうね・・・拓斗は何処までを考えて普及させるのか?僕は心配だよ」「まぁ主殿の事じゃ、無節操に商売で儲け様などと、考えては居らぬじゃろうな・・・」


「是非そう願いたいね、今はこんな一方通行の受信機だけを預かったけど、携帯が出来たら直ぐにでも持って来そうだね」「全くじゃ、お主やスラ、主殿をも含めてとんでも無い者達じゃな」「僕の場合は、拓斗の記憶が基本に成っているからね、受け売りで中味の無い知識だよ、実際形に出来るとしたら拓斗だけか、或いは早瀬姉ちゃんやそのAIのアイ子姉ちゃんかな?」


「まぁ或る意味楽しみな話しじゃ、こんな時代が動く時に巡り負うた事を感謝じゃな・・・」「だからジュートは僕達に協力的なのかい?」「それも一因じゃ、妾は自ら言うのも何じゃが複雑なのじゃ」「アハハハ!ジュートらしいや・・・」


そんな話しをしながら事態が動く事を期待して、タクトとジュートは待っていた。


其処へ待望の知らせが届く・・・

拙作ですが楽しんで頂ければ幸いです。次回の更新予定は11月18日です。


何時も応援有り難うございます。又ポイントが上がるのは、励みに成ります。

此れからも頑張りますので、感想などを聞かせて頂ければ幸いです。作者拝

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