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ツイン・タクト (外部世界の不思議な物語)  作者: スラ君
第二章 ステラ村の攻防
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080話 乙女達の語らい④

閑話的な話しですが、作中では彼女達の心情が余り描かれていませんので、時折り今後はエピソードを挟んで、深めたいと思います。本文の補足的な部分も多少有りますが、読み飛ばしても問題は有りませんから、ご自由にお楽しみ下さい。

何気に良さげな雰囲気で終わった日から数日、恐怖の大王ムウが突然降臨した。


二人っきりに成るとセラが「いやぁ―――と、強烈でしたスね、ミウさん」「真逆母さんがあんな風に成るとは・・・アタシ考えてもいなかったわよ」「障壁が在る事を知っていたとは言え、パリィ~ン!でしたからね、お見事ス」「ゴランも景気よく吹っ飛んでいたわ」チョット良い気味だと思ったのは内緒である・・・


セラも若干笑いながら「ガッチャさんも余計な事を言ってアレでしたからね、自分大人しく従っていて良かったス」【ヒー!!!おばちゃん堪忍や――!】「まあ、アレにはアタシも思わず笑っちゃたけれどもね」


「後で聞いたらガッチャさん【ミウさんやセラちゃんが受けてくれへんかったら、命の方が危なかったかも知れへんかった。おおきにな・・・】何て言ってたスよ、激減りしたHPが、多少回復したよう何ス」「其処までのダメージがあったの?」「そう見たいスよ」お互い冗談と知りつつクスクスと笑い合う・・・


ミウは会話の遣り取り中で疑問に思い「それに何時の間にかさん付けに戻っているわね?」「ああ、それは姐さん元い、ムウさん元い、マムの娘さんスからね、屹度敬意を込めたんスよ」「変な事で尊厳回復しても嬉しくないわよアタシ」


ややセラは嬉しそうに「まあ、一時的な話しスよ、それよりもミウさんが香ばしいのは、ヤハリ遺伝だった模様スね」「遺伝?何の事よセラ」


「いやぁ―――そのスね、突然【アナタ達に足りないのは、子供らしさよ!】発言でしょ、自分最初何を言っているのか全然理解出来無かったスよ」「確かにそれは言えてるわね」「その後【必殺技よ!香ばしい決めのポーズなのよ♡その為の子供らしさなのよぉ!】アレで自分、全てが理解出来たスね、此はもう不治の病、中二病だと・・・」


注、本来の中二病とは、程度の差は有れど成長期にありがちな、背伸びした言動や自意識過剰、自己愛に満ちた空想や嗜好などの想像を事もなげに語る人物、或いは団体などを揶揄したネットスラングであるが、実際に治療の必要とされる医学的な意味での病気、或いは精神疾患とは勿論無関係である・・・


話の途中からミウも気が付いていた模様で「ヤッパリ・・・アタシもあの時、子供らしさ?と思ったけれども、ヒョッとして専門用語を知らないだけで、言っている事はアレじゃ無いかと考えたのよ、ほらアタシ早瀬さんの記憶があるからね」


「そうスね、それも可成り重度のス、それ迄にミウさん、そんな兆しは無かったんスか?」「そんな兆しは・・・イヤ、言われて見ればあったかも?」「心当たりがあるスね?」「ええ、アレは確か二年ほど前、父さんが港町のモランから仕入れた魚を母さんが捌いていた時の事だったわ・・・」


遠い昔に思いをはせる様にミウは記憶を思い起こす「そうだったわ、あの時初めて母さんのアレを見た様な・・・」「アレとは一体・・・何なんスか?」「あの時、魚に向かって母さんが言ったのよ【此のアタシを手子摺らせる何て、良い度胸!】と・・・」「良い度胸スか?」


更に詳しく思いだそうとしてミウは目を瞑る・・・そして「ええ、その後、包丁を手にして【久し振りにまみえる強敵!お覚悟】とね・・・」「お覚悟スか・・・」


「そしてアタシ、屹度記憶から消していたんだわ【包丁の背、鱗アタッ―――ク!三枚下ろし骨削ぎスライス!】その後鼻歌交じりで、笑いながら下ごしらえした後【フフフ♪卵の海に沈めてやるぜ!】キャー!アタシもうこれ以上堪えられない」「それって・・・」


「それから続けて【メリケン粉窒息防御!】パン粉をまぶした後に【イケー高温の油アタック!サクサク仕上げよ♡】何て無残にも魚を苦しめて、香ばしいポーズを決めていたわよ」「それってマムは、料理をしていただけでは・・・」


「そうなのよ、料理なのよ、だけど一々ポーズして一々口に出す必要があるの?」「無いスね」「アタシ、記憶から削除していたけれど、母さんはあの頃から・・・イヤ、もっと前からその傾向があった様な気がするの、アタシ既に感染しているのかも?」「してるスよ、母子感染いや遺伝スね」


機嫌悪そうに聞き返すミウ「何て言ったのよ?」「いや気の所為スよ、ミウさんは普通ス」「でもさっき遺伝て言った!」「言っちゃいましたね」「言ってたわ!」「まあ、自覚症状が無いのも此の病気の特徴スからね」「ホント?自覚症状が無いのぉ~」モジモジしながら腰をくねらせてミウは悲嘆に暮れる・・・


「此は気が付くか付かないかは、個人の資質で気が付かない場合は、大人に成って症状が抑えられていても、再発予備軍何スよね、一生もんス」巨匠の名画の如く、ミウは両手で頬を押さえて叫びそうに成ったが「大人でも出るの?」「ムウさん、イエ、マムが良い例スね」「アタシ、頭が痛いわよ・・・」


「此ばっかしはどうにもね、それにゴランさんにも、その傾向があるスよ」「え?あのバカ兄貴もそうなの」「タクトさんとガッチャさんに交じって、前に香ばしいポーズを取っていたじゃ無いスか?中二病はヒョッとしたら遺伝では無く、世にも恐ろしい伝染病何スよ、環境がものを言いそうスね」


「確かにバカ兄貴は鏡の前で【俺は美しい】何て言いながら大胸筋をぐりぐり動かしていたわね」「それはナルシストじゃ無いんスかね?まあ、中二病患者にもその傾向があると思うんスけれど、未だ中二の春程度なら良いス」「春なら良いの?」


ミウの問いにセラは「夏が過ぎて秋が巡り、冬とも成れば・・・」言葉を選び少し言い淀んだので、ミウは促す様に「冬とも成れば一体どうなのよ?」「寒いス」


「ヒョッとしてアタシの家族は・・・」「マムはもう完全に冬スね、ゴランさんは周りが気を付けてやれば、何とかスかね」「アタシはどうなのよ?」「ミウさんは自然にポーズを決めているスからね、既に夏スよ」「アタシが夏なの」「熱いス」


「アタシの香ばしいポーズは、熱いのぉ―――?止めてよねセラ」「直ぐに涼しく成るスよ、秋間近スね、何にしても恥ずかしがっていた春は、屹度遠い昔に過ぎて行ったスよ、ミウさんは・・・」などとセラは告げると、慈母が微笑む様にミウへ優しい眼差しをへの字で向けた。笑いを堪えながら・・・


それにミウさんは自分自身で、香ばしいポーズって既に言ってるスよね・・・


悔しいが認めざる終えないミウは話しを逸らす様に「それでもアタシは未だ腐界の住人では無いわよね、セラ?」「それ、聞きますか・・・ならば言うスけど自分、本来は中二何スけれども、あの時分の女子はごうが・・・カルマが深いんスよね」


突然言いだしたセラの言葉に(何故?何を言いだしたのよ)疑問を覚えながらも、恐る恐るミウは小声で「深いの?」「深いスね、日本海溝に匹敵、イヤ世界一深いマリアナ海溝並スね、一度深見に嵌まると、富士の樹海も足元に及ばない程の迷宮何スよ」「それ程なの・・・」


耳元でセラはミウへ囁く様に「BLやGL何て可愛いもんスよ、あの頃の女子には言い知れぬカルマがあるスね、自分口に出すのも恐ろしいスよ」「一体何がよ?」「女子の腐界率スよ、此の時分に腐界へと誘われた魂は、大人に成っても後戻りが出来ずに彷徨うス」「一体何処で・・・何処で迷うのよ?」


「腐界の海、腐界の空、腐界の・・・アァ~!これ以上は・・・これ以上は、自分の口からは、もう言えないスよぉ―――と、言う程の話しスね」


驚愕するミウは「真逆、真逆、マ・サ・カ・・・此のアタシが既に腐の住人だとでも言うの?」「その通りスね」「イヤよ―――ぉ!イヤイヤ、そんな筈無いわよ」「でも早瀬師匠の記憶を受け継ぎ、徐々に浸食されている現在のムウさんは・・・自分もうこれ以上伝えられないス」


セラが巧妙に張り巡らせた、粘着の糸に絡め取られたミウは、既に息も絶え絶えで「嘘よ・・・」一言呟いた後一瞬気を失うがセラへ逆襲しようと足掻く「アンタも腐の住人よ」指差して抵抗を見せたが「あ♪自分腐の住人スよ、態々否定しませんスからね、共に仲良く腐界へと一緒に誘われるスよミウさん」ニヤリと笑う・・・


完膚なきまで叩きのめされたミウは「アンタが、イヤ間違い無くアンタがアタシの感染源だったのね・・・」髪を振り乱して詰め寄ると「自分じゃ無いス、もう既に深い所迄、ドップリと浸かっている原因は、師匠の記憶そのものス」段々と記憶が浸透してくる気配が、足音と共にミウの感情を揺さぶり起こし、突然高らかに笑い出す。


「「「キャハハハ――――――――――――――――――――――キャハ?」」」


一瞬黒目が反転して白くなるとその後、何事も無く一転してミウは「それにしても以外だったのはディアね」どうやら会話を脳内リセットした様で、余りの哀れさにセラも調子を合わせる「ディアちゃんがどう以外なんスか?」


これ以上追い詰めるとヤバイすね、此処は完全に話しを合わせなければ、駄目な様スよ「あの子、ああ見えても優しいのよ、それが肉片塗れに成ってもアレでしょ、考えられないわよ」何にも気が付いていないスよ、仕掛けておいて何なんスけど、自分一体どうしたら良いんスか?怖いス誰か助けて欲しいス・・・


セラも思い出した振りをして「厳しいマムにも褒められていたスものね、相手にも容赦無かったスよ」フフフ、セラも焦って来ている模様だわね、一瞬トリップしたけれど、此処は意趣返しよ「ホント、あの子どうしちゃったのかしらね・・・」


イヤ何だか違和感が・・・見ると笑いを堪えて真剣そうに話しているミウをセラは確かめる様に「それってアレ、アレじゃ無いんスかね?」「アレとは何よ?」未だ堪えているスね、それならば「ムシャクシャしてもう見境無しとか?スね」「あ!それはあるかもね」同調できて笑える話しから、ミウは満面のへの字モードだ。


どうやら一杯食わされた様スね、だが此方から指摘するのは不味いスかね?悔しいスけど、もう此の儘流される他無いスよ「まあ、お陰でマムに怒られる事は少ないスけど、あの儘じゃね・・・」


セラの指摘にミウも考え込むと「あの子次第だわね」「母さん!?」「だってそうでしょ、戦闘面では幼さもあって、残酷な事が出来るけれど、成長した暁にアレが出来るとも思えないわね」「成る程スね、無知故に出来る事もあるスからね」


「セラちゃんの言う通りだわね、それと今のまんま猪突猛進なら、今後は外す事も視野に入れて考えねば、あの子は使えないわ」「現状は危なかっしいス」「それに自分の力が、日毎に上がっている感覚に追い付いていない様子だし、あの子自身が考えを改めなければ、もう要らないかもね」


冷たい言い方にミウは驚いて思わず「母さん!それは余りだわよ」「アンタあの子一人の我が侭で、全体を危険に曝す事を私に見過ごせと言うの?」「それは・・・母さんの言う通りだけれども、未だ幼いのよ、此から導けば良い話しだわよ」


「それ、誰がするの?タクトちゃんは妙に遠慮しているし、周りは強く言える程親しくないわね」「それってアタシが・・・」「最後まで言わせないでねミウ、他に誰がいるのよ?」「分かったわ母さん、アタシが面倒を見る!」「そう、それでは頼んだわよ」ムウは振り向いた後、ニコリと笑いその場を後にした。


何時の間にか一触即発の危機も、ムウのお陰で回避されて、難しい仕事を託されたミウに対して「ミウさん自分も応援するスよ、何か手伝える話しがあれば何時でも言って欲しいス」「有り難うセラ、その時には頼むから宜しくね」二人は硬い握手を交わして、会話途中の話しを有耶無耶のウチに水にと流した・・・


その後のミウは率先してディアナよりも、先制して攻撃を加えて、他人の振り見て我が身を省みるを見せて行った。言葉よりも態度のミウらしく、実際に見せる事でディアナは徐々にその危険性を悟り、共同して前衛を無難に熟して行く事に成る。


何時の間にかディアナとの蟠りも緩和された頃「母さんらしいのかな・・・アタシには課題を与えて、拓斗達には別の事を押し付けている間に何時の間にか嫌悪感が減って、課題を全員がクリアして行くわ」


述懐する様に呟くとセラが「屹度そうスね、マムは自分達に足りない部分を教えてくれたんスよ」「そうだと良いわね・・・」ブートキャンプもそろそろ終わろうとしていた或る日の会話だった・・・

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

辛かったブートキャンプの第二弾がひと月ほど経ち、そろそろ終了しようかと言う時期のミウとディアナの会話・・・


今日も危ない場面シーンで、拓斗に助けられたディアナを見て「ねえアンタ、何時まで意地を張っているのよ?」「意地なんて張ってないもん」「張っているじゃ無いの、助けられて嬉しい顔をしている癖に、お礼も言わないし、その後拗ねた態度を取るのもどうかと、アタシは思うわよ」


小石を軽く蹴りながらディアナは「だってあの人は、アタシの兄様じゃ無いもの」「兄様じゃ無くったってもね、他人様でも助けて貰えば、お礼の一つも言う物よ、兄様じゃ無いと言って置きながらキッチリと甘えているじゃ無い」


痛い所を突かれてディアナは返す言葉も無いのだが、素直にお礼の一つも言えないのが現状だ「だって・・・」「だっても、でもも無いわよ、実際助けられてるし、この前だってそうだったわよね?」「この前は不可抗力だったもん」


「そうじゃ無いでしょ、アタシも悪かったけれども、二人敵中に残されて危なかったわよね、あの時助けられた後にアタシはお礼を言って謝ったわ、だけどアンタは無視をした。そんな事じゃ本格的にタクトから嫌われるわね」


森林地帯でハイ・オークキングの軍団から上手く誘い込まれた後、二人が敵に取り囲まれて、前衛の役目を果たせずにタクトから救援をして貰った時の話しだ。


「だってあの時助けられたのは、本当の兄様だったもん、アタシはチャンと兄様にお礼言ったもん」「それを指示したのはあのタクトで、協力したのは早瀬さんだったでしょ、それをアンタはタクトにばっかりかまけて、二人にお礼も言わずでそのまんまじゃ無い、人としてどうかとアタシ思うわ」


「それはアタシも悪かったと思うけれども・・・嬉しくって後からに成ったら言い出し辛かったんだもん」「そうね、あの時タクトも慣れぬ仮の身体で、無理をしていたわね、並み居るオーク軍団の中を先駆けて、タクトがスラのゴリラ軍団を引き連れアタシ達を助けてくれたわよ、だけどそれが出来たのはハイ・オークキングをあ、の、タクトが引き付けて、母さんの決め技で倒したからでしょ」


「そう何だけれども・・・ズウッと後からだけどお礼は言ったもん」「聞こえるか聞こえないかの際どい小声でね」(まあタクトは聞こえていた見たいで、ニコリと笑っていたけれど・・・)「でもアタシは言ったもん」


「みんなに聞こえる位の大きな声で言わなければ、チャンと伝わらないわよ、ウチの家訓はね、恩は倍返しだけれど怨みは三倍返しだわよ、お礼や感謝を述べる時は大きな声で!だけど文句や怨み言を言う時には、より大きな声で言えと、アタシは教えられたわよ、恩なり借りなりが出来たなら、先ずは聞こえる程の大きな声で、感謝を伝えなくては駄目よ」「ミウ姉さんの子じゃアタシ無いもん」


少し前から話しを聞いていたムウが「それは間違いだわね、アビスもリズもどんな育て方をしたのかしら?今の家訓はね、アビスが言ってたのよ、ウチは真似ただけだわ」「母さん・・・」「それとディアちゃん、話しは少し聞いていたけれども、小母さんはミウが言う通り、間違っているのは、アナタだと思うわね・・・」


何も言えないディアナへ更に「この先、この儘の状態ならば何れタクトちゃんが、旅立つ時や他の仕事へ向かう時に置いてきぼりにされるわね」「え?そんな事無いもん」「屹度そう成るわね、今の儘なら確実にね」「そんな・・・」


唖然とするディアナへミウも「そうだわね、みんなもそう考えているわよ」「ミウお姉様もそうなの?」「此の儘じゃね、アタシだけじゃ無く、屹度他の者も同様に感じているわね」真逆の発言に愕然と成るディアナだった。


後に地上へと出た拓斗達が、紛争の混乱を収束した後、再び迷宮へと入るのだが、ディアナに声が掛かる事も無く、仲間ハズレにされた事に唖然とするのだった。


それにはチャンと次の様な理由が存在していて、拓斗達よりも先に地上へと戻ったムウがリズへ「ディアちゃんの事だけれども、暫くはタクトちゃんと別にした方が良いわね」「あらそうなの?」「此の数日見て来たけれど、今の儘一緒にいれば、本格的にタクトちゃんから屹度嫌われるわ」「あの子ったらそんなに駄目なの?」


「或る意味ね、タクトちゃんなら我慢が利くとは思うけれどもね、ものには限度と言う言葉もあるから・・・」「そうなのね、分かったわよムウ、暫く手元に置いて様子を見るわね」「そうした方が良いわね、気持を持て余している間くらいわね」「有り難うねムウ、アタシも言い聞かせるよ、地上が落ち着いたらあの子を迎えに行くわね」


ムウも同意と許りに「賛成それが良いわね、普通ならレベルアップに応じて身体や精神の方も徐々に馴染むものなのよ、けれど成長過程で極度に上昇させると、身体だけがそれに応じて成長を果たす。この時期の子供達は普通でも比較的に見違えるものなのは事実だけれど、あの子達の成長は著しくアタシをも驚愕させた程だわ」


ムウが話す言葉を理解したリズは少し残念そうに「それに対してウチの子は、身体的には兎も角も、精神的には全く成長しなかったのね」「ええ、他の子とは条件が違うからだわ、或る意味本来の幼い年齢の子は、ディアちゃんだけだもの・・・」「分かったわ有り難う、あの子の所為では無い事はチャンと理解したわよ」


余談なのだが本来ならこんな危険なレベル上げはしないのだが、ディアナを除いて全員が精神的には10歳以上の考え方をしていたお陰で拓斗達は堪えられたのだ。ポコの場合は性格の素直さに助けられた部分が多い・・・


因みにディアナは、態とパーティー経験値分配を低くしていて、或る程度は成長を抑えたのだが、それ以前のレベルアップが激しく、やや心のバランスを欠く結果と成った事が残念で有る・・・


ムウはリズに忠告する「未だ子供だし、深刻に成らなくても良さそう何だけれど、周りの子達との兼ね合いもあるからね」「そうだわね、特にアンタのミウちゃんと諍う事に成れば駄目だものね」「ウチの子もキツいからね・・・」「仲良くしてくれれば有り難いけれども、一時の感情で駄目にはしたく無いわね」「お互いにね、それじゃ後お願いね」


そのひと月後、リズが迎えに来る前に偶然ながら拓斗達が地上へと出て来た。


その時にリズから暫くは手元に置く事を拓斗は伝えられて、正直少しばかりホッとした事は否めない、そんな拓斗の様子をリズは見て取り、ムウの忠告が正しかったとリズは実感した。


そしてディアナに諭したのだ「ディア、アンタ、仲間ハズレにされたと思ってるわね?」「だってそうだもん」「違うわよ、アタシが拓斗に頼んだ結果よ」「え!?何で?何で母さんそんな事言うの?」


「自分で考えなさい、未だ幼いからこんな事は言いたくは無いけれども、体付きはもう大人の一歩手前まで成長したものね、それに見合った考え方が出来るまでは、まるで駄目、外の世界ではアナタの体格を見て、もう子供扱いはしてくれないわ、屹度大人扱いされるからね、だから外に出る事も暫くは禁じます。その間は考える時間と知識を蓄える時間にしなさい」


強い口調で告げた後、リズは「一つだけ助言するならば、ディア、アンタが拓斗の事を他人だと思っている間は、拓斗の方でもアナタの事を他人だと思っているわよ屹度ね・・・人は鏡と同じ、敏感に考えている事が相手にも伝わる物よ、アナタが怖い顔をしていれば、鏡に映る顔は一体どんな顔何でしょうね?」


この時、初めてディアナはあの時の態度を後悔した・・・自分をみんなが見ていたんだと、此から厳しい戦いや旅に出るあの人達の仲間に相応しくないと思われたんだと、ミウにも散々忠告を受けていたのに顧みなかったアタシがバカだっんだと、ディアナは初めて後悔した。


秋に成った頃「ディア!」「何?ミウお姉様」「少しは見られる顔に成ったわね」「そうかしら?アタシは全然変わんないよ」「そう、そうなのね・・・」「だけどアタシ頑張るもん、屹度何時かみんなと一緒に戦うもんね」「そうだわね、頑張んなさいよ、アンタは強い子だからね」全く素直じゃ無い所は、変わんないけれど、ヤッパリ変わっているじゃ無い、年上として少し応援して上げようかな・・・


晴れ晴れとした顔をミウへと向けて「ディアね、少しだけ考えて、ディア自身が分かった事があるの」「何がよ?」「確かにあの人は、アタシの兄様じゃ無いかも知れないけれど、人としては良い人よね、あの時のアタシはどうかしていて、普通に感謝の言葉すら言えなかったわ、況してや他人様と思っているのならば、チャンとお礼を言うべきだったってね、だからアタシは最初からもう一度やり直すのよ」


「それが分かって来たのなら何も言う事は無いわよ、アタシも一度は心をリセットしたものね、チャンと向き合えば、今のタクトが素晴らしいって屹度分かるわよ」「それはどうかアタシには未だチャンと理解出来無いけれども、一人の人間として向き合うわ」ミウは頷いて嬉しそうに立ち去った。

拙作ですが楽しんで頂ければ幸いです。次回の更新予定は10月21日です。


乙女達の語らいシリーズは、既に何作かの構想が終了しております。


本文の合間に少しずつ紹介したいと思いますが、不定期ですのでシリーズの次回作予告は致しません。


正直に申しますと、シリーズの一話二話などはもう少し早めに投稿しても良かったのですが、本編へ差し挟むのが躊躇われて苦慮致しました。


今回のように突然差し挟む場合では、本編での行き詰まりか改変などで、時間的な余裕が減少した時に投稿しております。(実際助かっております)


事情をお察しの上ご辛抱下さい・・・作者拝

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