008話 進む迷宮探索 其の一 (お互いの事情)
取り敢えず変態だが、一応仲間も増えて迷宮探索が再開された一行の行方は・・・
此処は・・・未だ覚醒して居ないのか?確か血を吸われ過ぎて気絶したのだった。
気持ちの良い不思議な体験だったな、今の状態を理解すると、我ながら眠った儘で思考するなんて器用な事だな、イヤ、此は俺では無くタクト君の意識なのか?良く分からんな、理解不能だ。
目を軽く開けると「ア、気が付いた!大丈夫だったのタクト?」子犬が主の機嫌を伺う様に「大変申し訳無いス、自分反省ス」現状を理解するにつれて「大丈夫だ。心配掛けたな」「アア、良かった」「美味しかったス、自分タクトさん無しでは、生きて行けない身体に成ったス」「チョット、アンタ何言ってんのよ」「誤解ス」「誤解も何も無いわよ」「言い訳させて欲しいス」「何にが言いたいのよ?」
端末を見ながら「調べたんスけど、此の国は魔国でも人族が沢山住む場所でも無いんスよね」「そうだけど・・・それが何か?」「だからス、男の吸血鬼は、女性が一番らしいスが、自分姫何ス、男の生き血が一番何スよ」言いたい事は察しながら「それでぇ?態々何が言いたいの」
申し訳無さそうに「ミウさんの気持ちは分かるんスが、済んません暫くは、ご馳走に成りたい何てエヘヘ、虫の良いこと考えていました」「呆れたわね、他のエネルギー補給の仕方、別の方法を考えなさいよ」「少しずつなら俺は良いぞ」「流石はタクトさん、有り難いス、でもミウさんの気持ちも有るので考えるスよ」
嫌そうな顔をして「当面は仕方無いけれど、地上に出たらチャンと考えてね」「分かったス、けれど地上なら日中に棺桶へ入れば補給できるんス、但し棺桶の魔核に時折り、タクトさんの魔力を補充して欲しいスね」舌舐めずりをした。
その姿を見て嫌そうにミウは「それは誰でも良いんじゃ無いのよ!」「良いんですけどね、ヤッパリ極上物が良いスね」「呆れたわ」「だからそれ位良いよ、吸血も含めてな」「タクトさん、優しいスね、有り難いスよ、一生付いて行くス、下僕と呼んでくれても別に良いス」「大袈裟だな、けれど此から宜しくな」「宜しくス」「此方も一応改めて宜しく」「ハイ、宜しくス」棺桶にタクトさんの魔力、フフフ絶対感じるスよね、楽しみス♪
未だ本調子で無い拓斗が、フと、思い付いて皆に「此から共に戦い、成長を目指す仲間だ。他に何が出来るんだ?」「自分は、エナジードレインと吸血、従魔召喚の他には、現在身体強化だけス、それと吸血後には、一定時間のパワーアップすね、攻撃力も他の能力も上がるスよ」
吸血姫なら吸血でのパワーアップは、当たり前の事なんだな「成る程な、しかし、従魔召喚は良く契約が出来たな?」「棺桶の中で居た時、気配を感じたスよ、自分身体も動かないし、目も口も開か無い状態で、動く相手にビビったのと、気持ちも悪かったスよ、それで何か分からないけど出て行って!と願ったらスキルが勝手に発動して、試したらその後は、画面の案内に従っただけス」
「メニュー画面は、動いたので助かったス、それと此の一週間は、良い暇潰しだと使い込んだス」「それでは何か分からない事が有ったら尋ねるよ」「ハイ、分かる範囲なら良いス」「それなんだが、音声案内はあるのか?」「あるスよ、しかし、読んだ方が早いのでオフにしているス」「成る程な、ひょっとしたら、スラさんのガイダンスAIは、その名残かもな」「そうかも知れないスよね」
「ゲーム参加前のキャラファイルで仕入れた知識があるんスが、将来、見える範囲なら霧に変化して、瞬間移動が出来る様に成るんスよね、後魅了も取得出来る模様何スよ、将来を含めて手の内は、大体こんなもんスね」「多芸だな」「それ程でも無いスよ、照れるスよ、タクトさん」
更にレベルが上がれば、自分ドレインだけでも、十分生活が出来るんスよね、でもこの事は当面内緒にしておこうス、吸血行為には遠く及ばないんスから、此はもう仕方無いスよ、それにしてもタクトさんは凄いス、後から満腹感と酩酊感が来るんスよ、ドレインの数倍?イヤ、桁が違うスね。
桃子、イヤ、セラフィナの考えでは、タクトは縛りプレイ中のお助けキャラとして位置付けしている・・・
だって此の棺桶(オヤ、文字が全部消えているスね?)の文面は、参加者かお調子者以外は、開け無いしょ、それに吸血姫設定なら人族が大勢居る町か、魔族の国で何らかの食事、エネルギー補給が出来無ければ、全く話しが不自然過ぎるスよ。
まあ此の糞ゲーなら有るかも知れないスが、縛りでも現状では難易度上げ過ぎじゃ無いスか?本当はタクトさんが颯爽と現れて、お姫様を眠りから救出、その後は、自分と二人で仲良く冒険する流れが、本筋に違いないスね・・・
セラの話を聞いて内なるミウは「何よこの子、能力も侮れないし、可愛いし・・・アタシのタクトに抱き付く口実もあるんだから、安心出来ないわよね、負けてられないわ!今迄見たいにじゃ無く、可愛い路線を目指そうかな?でも無理かもね」
セラと共に一般基準で言えば、ミウも超可愛い部類で、気の強い性格の部分を少し抑えれば、将来も実に楽しみな逸材なのだ。セラの方は自分で選んだキャラクターなのだから、当然ながら自分が可愛いと、意識の方もしているのだろうが、ミウは微妙に気付いていない模様だ。
結局、態度はデレなのに会話は、ツンと言う微妙なミウが誕生する事に成る。
妙に姿勢を正して「次はアタシの番だわね、アタシは、今まで通り剣術と体術が、少しかな?タクトが言った見たいに将来、何か覚醒すれば、又報告するわ」「了解したよ」「タクトは如何なのよ」何気なくミウが質問話しを振ると・・・
質問を受けて躊躇った「俺か・・・心配するから、言いたく無かったんだけどな」「良いから言いなさいよ」「分かった。現在、俺は魔法が使え無いんだよ」驚いて「何でよ、アンタの取り柄は、しょぼいけど、魔法だったでしょ」「そうなんだけどな、実はタクト君は、魔法力を封印していた様子でな、威力は随分と強力だった見たいだ」
驚いて「エ?アタシそんな事、全然知らないわよ」「如何やら親父さんに言い含められてな、小さい頃から長いこと、嵌めていた指輪で制御していたらしいんだ」
手を広げて見せると「本当だ。何時もの指輪が無いわね」「それで此処へ来る前の朝練で、威力を試した様なんだが、今は全く発動しないんだよ」「如何してよ?」「理由は不明かな?一応魔力自体の放出は出来るのだが、如何も接触しなければ、出ないんだよ」「それではタクト、此から如何するの」心配顔で此方を窺う仕種を見せる・・・
「だから、スラさんの事は大助かりなんだよ、彼女が戦う度に経験値も分配されている模様でね、レベルが上がれば使用する事も可能になるかな?と言う訳だ」更に心配そうなミウが「それでは、今迄と一緒ね、アタシが助けて上げる」言っていて楽しく成って来たのかミウは得意そうだ「ああ、頼むよミウ」「任せなさい」
何かに惹かれたのかタクト君が選んだ胸当とマント、当人は全く気が付かなかった模様だが、最初の頃から見ると明らかに状態が良く成っている・・・そして俺には微かに光って見えるんだ。
だから精霊魔法?その手の物が俺には有る様に思うのだがな、ハッキリしないし、使い方もよく分からん、俺にも鑑定技術やメニュー画面、神の声などと言うものが有るのなら、是非とも早く欲しい物だ。
イヤ、一度スラさんをテイム、従魔化した時に聞いたが、あれ以来音沙汰が無い。
スラさんが〔脳内にスキルなどの解説が成されている〕と書いていた。その関係で聞こえたのかも知れないな、余り期待せずにしておこう・・・
三人が話し合う足元に此処へ来た経緯を書き出して、セラと擦り合わせいる・・・そしてスラさんが特技を列挙していたが、話しを聞いていたものか最後に〔護衛を付ける〕と書いて来た。
俺に取っても二人の擦り合わせ作業は、より詳しく参考にも成ったし、護衛は有り難い話しだ「スラさん、護衛は是非にでも頼むよ」すると分裂して拓斗の横へ並ぶとピョンピョン跳ねて意思表示をした・・・
ミウねえ出番だよ~(お姉さんに任せなさい)それじゃ、分裂するね(了解だわ)どんな感じ?(思った通り、意思疎通は出来るね)良かったよ、それ心配してた。
だけどアタシの意思通りには、行かない見たいね(と言う事は、分裂していれば、お姉さん自由なのね)その様だね・・・
「護衛が付くなら早く出発しよう」「そうね、時間も過ぎたし、もうお昼頃かな?お腹すいた」「時間とらして申し訳無いスね、その上自分はお腹も十分ス」「そうだったわね、自分だけ食べたのよね」恐縮しているセラを無視してバックから食べられそうな物を取り出すと、仕方なしに歩きながら食べ始めた。
確かにこの世界は、理解不能だ。OWOプレイヤー?それも二人出現した。現実をゲームにしている何者かが居るのか?前の前世で年甲斐もなく読んだラノベやファンタジーなどと良く似た設定だな?何を言っているんだと言いたい・・・
しかし、こんな状態で俺は灰色の世界で唯一話しが出来た彼の頼み【とある世界の救済、イヤ、解放かな?】を達成出来るのか?イヤ、頼みを聞き入れた訳でも無いそれに彼奴が言っていた世界とも限らない、成る様に成るしか無いかな、取り留めも無く考えたが結局、何時もの様に新しい此の人生を楽しむとするか・・・
便宜上、先頭を行くスラさんを一号、護衛を二号と決めて「先頭は一号とミウな、セラは中段、二号と俺は後衛の順番だ」理解したのか言われた順番に並ぶと探索を始めた。
相変わらずミウの先導は、法則性が無いのだが野生の勘で、宝箱や価値の有る物を次々と発見して行った・・・
その意味では当初、セラも獣魔との戦闘になると、我を忘れて動き、獣魔を深追いしたり、何かの加減で単独行動をする事もあったりで「心配だから慎む様に」窘めると「自分、集団行動をした事が今迄無かったスよ、と言うより人と直接こんなに長い事話した事が無いス、けれど以後は気を付けるスよ」素直に聞き入れ、以後はその手の行動は鳴りを潜めた。
一階は必需品が多かったが二階は、色々な物が手に入った。
特にセラフィナ関連の物が多く初回特典は、未だ続いていて「コレ、自分のスね」出て来たのは黒、白、紫の網タイツと、燕尾服タイプのベストや此如何するんだ?と言う様な際どい(下着の意味無いんじゃね?)下着が沢山出て来てミウなどは、嫌そうな顔をもう隠しもしない様に成っていた。後に下着と網タイツは、ピンクと金銀が出て賑やかに成った。
武具では、魔鋼製の楯や龍を模したワンドなどで、ミウもその事では喜んでいたがセラ専用の武具は、何とも言えないお遊び装備が、次々と出て来て「此、お馬鹿な運営のお遊びに違いないス、それに呪いも同然スよ、本来の自分の趣味じゃ無いスないんスよぉ~」悔し泣きをしていたが、出れば必ずウキウキ、イソイソと一度は着用して着心地を確認していた。
最初は、裸同然のセラフィナだったのだが紫の上下、ブラとパンツを着けて網状のレジェンド・レオタードを着込み、黒革燕尾のベストを装着、黒の網タイツに黒のハイヒールブーツ、手には黒の手袋「コレ可愛いス」と手に入れたピンクのハート型をその中心にあしらった黒の首輪、いわゆるチョーカーを装着すれば「コレ、外れないス」俺に見せて半泣きに成っていた。
後に判明したのだがセラの服?レジェンド・レオタードは、恥辱のレオタードと、言うらしい「自分、恥ずかしくって教えたくは無かったんスがね、自己主張する様に締め付けて来るんス、もう言わずに居られない状態に成って来たんスよ」見るとそれ迄締め付けていた紐が、紹介した途端に緩んだのだ。
こうして見ると、下着類以外は、見事に染色を合わせた様に統一した黒一色だな、バンパイアコートやブーツ迄が合ってる・・・一つ一つが誂えた物の様に見事にセラフィナには、似合っていて驚くばかりだ。
天晴れな完全武装で、後ろから見ると背中は見えなく成ったが、紫パンツの可愛いお尻が、元々チラリ、チラリと燕尾服の割れ目から見えていたのだが、歩くと更に大胆に見える・・・
前から見ると後ろは燕尾でやや丈も長めだが、前は短くおへそ辺りで切れ込む様に下には服の丈が無い、そんな状態なので、パンツの紫がアクセントに成る、そしてセラフィナの白い肌を強調する為に恐らく世の男性諸氏は、俺を含めて悩殺される事だろうな・・・
黒色のパンツならば、おへそ近辺の肌がやや露出するが、バニースーツを着込んだ様な姿に成る物を・・・
セラはウキウキと身体も偶にくねらせて「縛りの所為ス、此の縛りプレイが悪いんスよ~!」如何やらこの手のアイテムに触ると着替えるのは強制らしく、此もまた強制で「もう、タクトさん以外に嫁げないス」泣きながら着替える度に俺に見せに来るが目に毒で「勘弁してくれ~!」と言いたい・・・
数々のアイテムを獲得したが、セラ関係はセラと俺しか触れない・・・拗ねたミウが「何で触れないのよ?」「調べるス、ア、分かりましたス」「本来は滅多に無い事らしいスが、魔力の枯渇状態なら最初に吸血した相手の魔力波長に成ると書いて有るス、もう自分タクトさんの色に完全に染まっている状態なんスね、嬉しいス」
「おや?・・・スラさんが先だったよな?」「イエ、スラさんには、反対に吸われましたし、吸血もしてないス」「成る程な、それなら手荷物を預かるよ」「お願いするス」
装備中なら誰でもタッチは可能だと後に判明するのだが、最後まで確認をしなかった為にセラは、裸以外では自分に他人が触れ無いと、長く勘違いをして仕舞った。
ミウさんには悪いんスけど、沢山恥ずかしい姿も見られ捲りですし、もう自分は、タクトさん一筋ス、などと何かに誘導された如くの志向が働き、セラが密かに思っていようとは、拓斗もミウも預かり知らぬ事だった。
武具に関しては千条鞭が何気に良い仕事をしていた。サンダーと唱えれば、電撃が振り抜いた場所から、魔力の込め方次第で飛び散り、ドレインと唱えれば、エネルギーを吸収している模様で、時折りゲップをしているのが納得いかない・・・
他の宝箱とは、一目で違うと判る宝箱を見付けて、ミウが悪戦苦闘して鍵を開けたのだが、蓋が重くて動かない・・・
気楽に箱の上で座って待って居たセラが、立ち上がり見ていたが「ミウさん駄目スか?」軽く持ち上げると、アッサリ開いてミウが何とも言えない顔をした。
中に細めのロープが見えて「此は捕縛用に良いかもスよ」手に取ると、器用な事に一瞬にして自分自身を緊縛していた。縛りプレイの効果なのか、弊害と言って良いのか?当人は泣いていたが、あの一瞬で所々に結び目が出来ていたのには驚くやら呆れるやら、何とも言えない・・・
所が有用である事が判明、輪投げの要領で投擲すると強敵を捕縛したり、小者なら大量に動きを阻害する、お得アイテムだと分かるとブンブン振り回して、猿の獣魔フライングモンキーの親玉格、フライングエイプ、或いは、類人猿などど呼ばれる獣魔を捕縛した。
後で確認すると緊縛プレイ中だったが、セラは嫌そうに止めを刺すと、泣きながら紐を洗って居たのには、笑うしか無かった。
その後、紐でぶっ叩くと、敵が燃え上がったり、凍ったり、電撃で痺れさせたり、即死させたりなどと、多彩な攻撃手段が有ることも判明して、セラは大変嬉しそうだった。
意外にセラは器用で近・中距離は、利き手の千条鞭が威力を発揮する他、左手でも器用に緊縛紐(専属)が扱え、接近戦にも強いオールラウンダーだと言う事が理解出来た。
一方、ミウの勘は益々冴え渡り、次々と宝箱(匂いがするんじゃね?)を制覇して夕刻前には階段を発見した。視聴覚と嗅覚の探査能力が向上していそうなのだが、当人は「流石はアタシね」と悦に入っていた。
先に進んでも良かったが少し戻った所にお誂え向きの場所が在ったので階段の確認後に俺達は、引き返した。勿論一号、二号は共に大活躍をして居た事を申し述べておこう・・・
オカリ~楽しんだ?(お姉さんタクトちゃんの横に居たのだけれど、あの子は何?最初は弱々しい魔力だったのが、段々漏れ出て思わず吸っていたわ)
ご主人様の魔力は、特に美味しいからね、アタシも瀕死状態の時にタップリと頂いちゃってね、恐らくさっきのセラちゃん同様、私達も影響を確実に受けているわね(了解だわ、途中から気分も良く、働く気に成らなかったもの)オイ、オイ、お姉シッカリ頼むね(分かっているわ)
明日の朝、二人で美味しく頂きましょう(そう言えばアンタ吸って居たわね、ミウちゃん羨ましそうに見てたわ)ハハハ、あの子も幼いから、顔と態度に出るのよね揶揄うと面白いわよ?(それでも好き過ぎでしょ、スライムに嫉妬していたわよ)
ワッ・ハ・ハ!人に化けて口移しで吸い取ったら大騒ぎに成るわよ(止めて上げてね、既に元人間で同じ年と分かって居るんだから、可哀相だしお姉さん心配だわ)了解二号(此からその呼び方にするの?)一度言ってみたかっただけ(あらそう)
野営の準備を始めていたその頃、地上の入口付近では、クラン白豹の爪に所属する最強のパーティーが揃っていた。
30前後の精悍な男が「親父さん!」「オウ、呼び出して悪かったな?」「やっとステラ村にも、迷宮が見付かったと聞けば、他の仕事を切り上げてでも来ますよ」「如何だウチの中堅共は?」「良い仕事してますよ」少しニヤついて「お前にそお言って貰えれば満足だ」
「それで如何です?」「状態は悪い、発見から九日だぜ。色々試して二日前に偶然発動したが、その後は動かねえ」「珍しく焦ってますね」「そりゃお前、子供二人だけで初見の迷宮に潜って居るんだぜ」「タクトとミウがもう成人とは驚きですが親父さんでも作動しなかったと聞いてますよ」
残念そうに「俺も迂闊だったんだ」「それはまた如何して?」「タクトの指輪を外していたんだ。真逆経験に関係無く、魔力量だけで引っ張られるとは、考えもしなかったぜ」「成る程、それではミウちゃんは、巻き込まれたのですか?」「そうなるな、ロランに悪くってよ」聞こえて居たのかロランが、気にするなと許りに手を振り「お前の所為じゃねえよ」と近寄って「久し振り」「お久し振りです」
「それでは一応挑戦してみますか?」「イヤ、それはいいぞ待機だ。恐らくタクト達が帰って来る迄、動かねえよ」「それは残念」「イヤ、本格的に攻略して貰う為にお前達、白銀のフェルを呼び出したんだからな」「有り難う御座います。ウチのメンバーも期待してますよ」「二番手では旨味もねえがな」「E級から初見に成るなら十分」
「アハハハ!違えねえな、毎日起動する為に苦心している・・・一応明日も起動に挑戦するが、今日は帰った許りで疲れて居るだろうしな、明日は頼むぜ」軽く頷き「しかし、発見から一週間起動しなかったのが、不思議ですね」「春にはな、毎年色々と不思議な事が起こるが、幾年か毎に大荒れの年が有るからな、仕方ねえ所もあるさ」
「此処がC級以上なら、親父さんも愈々、本格的な貴族ですね」「今の騎士で十分だぜ、それに上がっても、準男爵止まりだな」「期待していますよ」「取らぬ狸の皮算用に成らなければ良いがな」
一昔前、親父さんことアビスに挑戦した若者がいた。
正に天才とは、彼の事と言っても過言では無い能力を示し、若くして勇名を馳せたフェルだったが、アビスはその名の通り俊敏な動きと、彼には理解出来ない曖昧なイヤ、正体不明の回避能力を駆使して彼の攻撃を避け続け、軍門に下した。
そして心酔した彼は、アビスに師事したのだ。
クラン内でも上位で鳴らしている白銀のフェルは、若いが副代表を務めてロランと同格の活躍をしている猛者だ。
パーティーメンバーも全員上位で、今回の発見で一週間前に呼び出されたのだが、今日に成って到着した。
発見から既に九日、タクト達が引き込まれてから二日が経過していた。
拙作ですがご辛抱の程をお願い申します。
当面の間、ストックの続く限り毎日更新致しますので楽しんで頂ければ幸いです。
細かな部分の言い回しやその他で気が付いた間違い等を随時訂正しています。
拓斗とミウのスキル獲得状況は、現在不明だが目覚めつつ有り。
拓斗に精霊魔法(LV1)追加の疑い
スラさんの固有スキルと追加スキル
【種族固有:胃袋LV1・強酸消化LV1・物理耐性LV1・聞き耳LV1・分裂LV1・魔力吸収LV1】
【固有新規:生物吸収LV1(NEW)・エナジードレインLV1(NEW)・変化LV1(NEW)】
【新規獲得:毒耐性LV1・腐敗耐性LV1・並列思考LV1(NEW)】
【ガイダンスAI有り】
セラフィナの種族固有のスキル
【種族固有:吸血LV3・エナジードレインLV1・召喚LV1】
【通常:身体強化LV1】
【吸血後:身体強化LV3・エナジードレインLV3】
【現在縛りプレイ中:放置プレイ、羞恥プレイ、女王様プレイ】