071話 北のフィールドダンジョンにて後編
調査に乗り出した拓斗達だったが、其処で見た光景は凄まじい物だった・・・
目的地には然程の時間を掛けずに到着した拓斗達だったが、その光景を眺めて全員愕然とする・・・
途中見掛けたザンザの部下には撤退命令を伝えて、他にも伝達する様に頼みながら進んで行く・・・周りは鬱蒼と迄は言わぬが深い森林地帯、だが忽然と現れた目の前の荒れ地は、生物の気配すらしない・・・
倒木と化した木々や枯れた草、生物も一切近寄らない状態の土地が、所々で大きな円や幾何学模様を描いて数カ所存在していた。
大きな物で直径1キロ程が数カ所、半円形や三角形など小さい物ではもう数え切れない様子だ。様々な形の傷跡だが全体で見れば10キロ四方程が壊滅状態だった。
拓斗はそれを見ながら「どうやら話しに聞いた以上に進行してそうだな?」「そうスよね、此処へ来るまでにも聞いていた動植物以外の繁殖が、凄かったスからね」「この儘じゃ元から存在していた動植物が死滅しそうだわね・・・」ミウも辺りを見ながら心配そうに同意する・・・
周囲の確認をしながら拓斗は「確かにな、道中或る程度の獣魔を間引きはしたが、全く酷いものだ。だが根絶させるのは、チャンと調べた後からに成りそうだ。有用な動植物まで捨て去るには惜しいからな・・・」〔因みに道中分は、現在アイ子が分析中だわさ〕
スラの返事に頷きながら「だが開墾するなら案外手間が省けて、ザンザさん達には良いのかもな?」「屹度そんなに単純な物でも無いわよ」ミウは周囲を確認して、同情する様に暗い表情をする・・・
同意する様にセラも「言えてるスね、北や西の植生までが変化したら不味いスね、道中でも新たな獣魔が、ラプトルの餌を捕食していたスから屹度餌不足に成るス」「そうだな、此処だけなら問題も少ないが、被害が拡大すれば不味いよな、それに木という資源も必要だからな」倒木へ再び目を向ける・・・
因みにラプトル達は、中大型の草食動物や中型の獣魔などを好んで捕食している。
余談なのだが現在飼い慣らされているラプトルでも、常時生き餌を自ら捕食させて与えるならば、本能が刺激されて繁殖する事が、最近のロボスが施した実験結果で判明したのだ。
だがしかし、常時生き餌を与え続ける事が他所では困難だろうと予測されるので、最近の混乱も相俟って、未だ発表すら行っていないのが実情だ。
セラは再び森から荒れ地へと目を移し「それよりもスよ、此処を農場に出来るんスかね?」「マナ不足状態なら成長に著しい影響が在りそうだな」「言えてるわね」ミウも同意した後、拓斗と同様に「酷い有様だわよ」などと呟いた。
其処へスラがやや呑気そうに〔マナ不足を解消すれば、元に戻るんじゃ無いの?〕「それはそう何だがな、簡単に行くのか?」〔先ずは調査が先じゃな〕ジュートは難しそうな声の波長で告げると〔そお言う話しならアタシが分体を出して、全体を監視するわ〕「それが良いかな、頼んだスラ」
〔それにしても、又見事にハゲた物じゃな、未だ倒木何ぞも残っておる様じゃが、除ければ草木一本生えては居らぬの〕「ああ、確かに」〔邪魔なら片付けるわよ?丁度分体が各地点に到着すれば、監視以外では暇だもの、あの子達に食べさせれば良いと思うわよ、焼くのなら簡単だろうけれども類焼が怖いわさ〕
「何で死滅したかも未調査なんだ。食べて害は無いのか?」〔マナ不足で枯れたのなら問題無いわさ、それに食べさせれば分析も可能だし、上手くすれば最初の発生地点も判明するかもだわさ〕「何だか良い事尽くめの様な話しだが、そこに落とし穴は無いのかスラ?」
〔その時には分体自体を捨てるわよ、危ない事態も考えられるからね、意識までは分割しないわ、効率良く調査するなら、アタシよりもアイ子の出番でもあるしね〕〔ご主人様、お任せ下さいませ〕「アイ子か、なら分析のエキスパートに頼むよ」〔畏まりました〕
かくして調査の方は始まり、拓斗達はベースと成るキャンプの設置を始めた・・・
荒れ地からは獣魔などの姿も見えず、安心して森方向へと拓斗達は警戒網を拡げる「ミウねえとゲボにも分体を出して貰ってテント周辺の警戒を頼むよ」〔お姉さん了解だわよ、ご主人様〕〔畏まりました〕
スラが作業中に〔それにしてもご主人様〕「何だスラ?」〔荒れ地もそう何だけれども、近辺の森林にも動物の気配が無いわね・・・〕「案外野生の生き物などは敏感だぞ、何かを感じ取って動けない植物以外は、疾っくに逃げ散っている可能性がありそうだな」〔そうかもだわさ〕
荒れ地を見ながらドンドン倒木やその他が、スラの分体のお陰で片付いて行くのを眺めて「流石はスラだな」〔任せてよ〕「ああ、その内に渦が出れば、話しは早いんだがな?」〔どうやら中心部分の魔素が、この辺りでは一番低いわね、もの凄いマナ不足に成っているわさ〕「分体は大丈夫なのか?」
〔勿論大丈夫だわよ、あの子達は生き物でも在るけれど、生体プローブ、探査機と同じだと考えてよご主人様〕「と言う事はだ。一体一体の生存を気に掛ける必要が無いんだよな?」〔正解、と言う事で等間隔に配置して、どの地点でも始まれば、アタシを中継して観測が出来るわよ〕
やや傾き掛けた空を眺めて「早ければ助かるがな、もう直ぐ夕刻だから夏と違って今は日が沈むのも早い」〔そうだわね、獣魔が出て来る事を想定して、夜間戦闘も覚悟しなければ、これは駄目だわね〕「と言う話しに成るな、夜目が利くのは今回全員か?」〔見ている訳じゃ無いしね、アタシ達は大丈夫だわさ〕「アタシも勿論大丈夫だわよ」ミウが続けて返事をする・・・
「ミウは良しだな、セラも当然大丈夫と・・・ガッチャも鼠人なら見えるのか?」「はいな大将、ワイもよう見えまっせ。安心しておくんなはれや」「了解だ。なら俺が一番怪しいのか・・・」「そうでんな、大将は手持ちの【明る草目薬】などを使って、見える様に用心せんとあきまへんな」「分かったよ、用意しておく」
注・・・明る草は迷宮で採取出来る魔草で、特殊な加工を施せば夜目が利く。
そんなこんなで準備を進め、早目の食事を済ませた頃〔来たわよ!〕やや拓斗達のキャンプ場所から離れた地点で渦が発生して、直ぐさま大量の獣魔を吐き出す。
咄嗟に「戦闘態勢!警戒しろ!」緊張した拓斗が強めで命令すると「うぃーす!」やや気の抜ける返事が返る・・・
然程強い個体でも無く次から次へと湧き出すのが難儀だったが、順当に押し返して逃げ散る個体に対しては、後の事と割り切って、深追い為ずに逃がしたが、時折り強い個体が転移してくると、此は見逃しも出来ずに拓斗達は、意を決して勇敢にも敢えて渦近く接近しながら戦った。
十数分後、吐き出す一方だった渦が逆転した様に一度動きを止めた後、中心部へと逆回転を速めて動き出した。
拓斗達はそれが一体何を意味するものなのか、全く気が付かず放出が止まった事に安堵して、強めの個体を追い詰めて成敗しては、次々と倒して行ったのだが、突然異空間の渦へと、気体が吸い込まれ初めて、猛烈な風を伴い吸引し出したのだ。
向きと距離で拓斗を初め他の者達には、然程の影響も無かったのだが、一番近くで真正面にいたセラは渦に引き込まれた・・・
「「「タクトさぁ――――――ん!助けて欲しいんスよぉ――――――お!」」」
戦闘を熟しながら死骸を吸収していたスライム達も、此の状態に気が付いて自らの触手を伸ばしたが、セラの手に在ったジュートが、拓斗へと向かって伸びて行った為にスラ達は、拓斗の身体を固定する事を優先して触手の方向を変えた。
「「「シュゴォ―――ン!ゴワ――ン!ブオ――ン!シュゴォ―――ン!」」」
砂埃や岩などがセラを打ち付ける・・・危険を感じたセラは、霧に変化して転移を考えたが拓斗から先に「霧に成ったら簡単に吸い込まれる恐れがあるぞぉ――!」其処でセラの身体を被う様に遠隔で障壁を展開した。
指摘されたお陰でセラ自身も硬化して堪える・・・咄嗟に霧へと変化せずに拓斗の言う事を聞いて良かったと胸をなで下ろし、皆が自分を引っ張ってくれている姿を見ながら、助けられるその時をセラは辛抱強く待った。
何もかもが吸い込まれた戦闘後の惨状を見て拓斗は「セラ!無事で良かった」「本当だわね、良かったわよ」「自分、自分、もう死ぬかと思ったスよぉ~!」拓斗へ抱き付きながら大泣きしているセラは、天を仰いで滂沱の涙を流した・・・
少し経って全員が落ち着いた頃、天空より飛来した物体が大きな音を立てて地面と激突する(ズゴォ―――ン!!!)「何だ!?何だ?」「今度は何よ?」「自分は見てたス!空から落ちて来たスよ」「何がだ?」「知らないスよ」
比較的冷静だったスラが〔ご主人様、アレを見て!〕見ると激突したかに見えた物体は、バウンドして再び落ちて来る・・・「何だよアレは・・・」〔見る限り有機物だわよ〕「有機物?」〔そう、肉の塊だわさ〕「何でそんな物が又ここに落ちて来るんだよ?直径2メートルはあるぞ!」〔それはアタシにも分かんないわよ〕
更に数度弾んだ後、制止した肉の塊の中央から目玉が飛び出して、ギョロリと周囲を確認した。肉塊の中で蠢く目玉が気持ち悪く「悪趣味ね」「自分、気持悪いス」「ホンマでんな、気色悪いわ」ポコも嫌悪感を隠していない様子だ。
拓斗も様子を伺いながら「これ敵だよな?」〔この場合は敵の生体探査機だと思うわさ、ウゲェ・・・アタシの可愛い子達とは、外見は全く違うけれどもね〕
アイ子から緊迫した様な声で念話が入る〔何らかの秘匿暗号で通信を送っている模様ですご主人様〕「通信?だと・・・」〔はい、チャンとしたパターンが存在している模様ですから間違い御座いません〕
「そうかアイ子、有り難う」〔どう致しまして、ただ残念な事に現在の時点では、解析不可能で御座います〕「と言う事はリアクション待ちか・・・だが危険が伴いそうだな、みんな注意する様に」「うぃーす!」
暫くして肉塊が溶け始めて、一本の太い線から複数に分割されて細く成り、徐々に地面へと何かを描いて行く・・・全員で観察していると〔不味いわよご主人様!〕「ああ、魔法陣だ!」〔それも大型転移陣じゃの〕「何よそれ?」
ミウが聞き返すと、律儀にジュートが全員に聞こえる様に説明する〔転移陣は本来大量に物資や人員を動かす機能を備えて居るのじゃが、此の地に存在しておる陣は小型なのじゃ、じゃが今展開して居るのは大型じゃ!〕〔来るわよ!〕
「全員警戒!」
夕闇迫る時間帯に明るく輝く転移陣の光、陣を構成している肉塊は、硬化を終えて拓斗達は、為す術も無くただ黙って見ているほか無かった・・・
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ミーメが最初の渦を発見してから数十日後、既に三箇所の渦を発見して対処した。
本来なら此程の頻度で地上に繋がる転移の渦は見た事が無かった。況してや挙動の可笑しさでは彼ですら見逃し掛けた程で、先ずは発見する事に全力を傾ける・・・
監視衛星からの映像を自ら解析して、特異な現象をピックアップするソフトを彼は独自に開発する、観察と実験を繰り返していた時「あれはセラフィナ?真逆・・・あの状況で生き残ったのか、それは上々ラッキーだぁ―――っうの♪」感激と共に彼の下半身には、血流が集中して目眩を起こすほど、正直に疼き始めていた。
彼は砂漠地帯と亜熱帯のジャングル地帯は、対比の為に観測と記録だけに留めて、北寄りの人里に近い渦だけを実験対象とした彼は、生体プローブを打ち込んでその後内蔵していたエネルギーを使い爆破、強引に最初は渦発生直後に押さえたのだ。
しかし、彼の思惑からは外れて、アッサリと数十時間後には、渦が再発した・・・
但し、他の二箇所は壊滅的なマナ不足現象を残した儘、再び開くことが無かった。
此を踏まえて彼が何度か強制的に閉じると、他の渦よりマナ吸収自体は減少して、多少の位置がズレる事は確認出来るも、渦自体の再発が止まる様子は無かった。
幾度か観測してデーターを取った後、今度は最後まで開放した儘、放置して閉じた後に再発するものかどうかを実験しようと決めて、渦が発生する事を彼は前日から満を持して待っていたのだ。
警報が響き、再度接続された異空間の渦から獣魔が吐き出され、再び周囲のマナを引き込み掛けた時、数人の者達が渦の近くで待ち構えて、獣魔と戦闘状態に入っていた。
彼は頭上から見ていた為に最初は気が付かなかったのだが、渦の閉じる終了間際に大気をも吸引しだして、前日見掛けた数人を呑み込んだ時の様に「今回も何人かは引き込まれそうだな」単なる実験中の事象を確認するが如く眺めていた。
それ以前の実験では、早目に閉じれば獣魔を吐き出すだけだと確認済みで、獣魔を吐き出した後、暫く様子を見ると獣魔達は地表でちりぢりに拡散した。
その後はマナを吸い込み始めるので、彼は渦を閉じるのだったが、今回の様に長く放置したのは、既に閉じた二箇所と一番最初に発見したもののみ、だがその挙動は予想の範疇内だったのだ。
趣味も悪く面白可笑しく彼は、吸い込まれるのを今か今かと眺めて居たが、吸い込まれそうに成っている少女から、ロープが何かの力を使い巧みに伸びて男の子へと巻き付けば、数人の少年少女達が支えて、引き込まれ掛けた少女を救い出した。
拓斗に縋り付き、時折り天を仰ぎながら涙する少女セラフィナの姿を見咎める。
「あれはセラフィナ!・・・」
その姿をミーメは何度も確認して「最初見た時は真逆と思ったが、此はもう間違い無い、それでは此処はステラ村の近くなのか・・・」彼は渦実験をステラ村近辺で行っていた事に今更ながらに気が付いた模様だった。
三箇所のウチの一箇所で、逃げ惑うセラフィナの映像を見て彼は驚く事に成った。
今まで以上、そう嘗て無いほどの興奮と欲情を覚えて今すぐにでも転移を考える。
以前余りの忙しさで泣く泣く諦めたセラフィナが、生きてミーメの手が届く範囲に現れた。執着心が蘇り、気も狂わんばかりの愛おしさで、ミーメの箍は外れて気が付けばプローブを打ち込み、転移陣マーカーとして作動し出したのだ。
ミーメは焦っていた。
現在の監視体制では、夜間は可成り弱く成る・・・イヤ、殆ど役立たないと言って良い状態だ。大きな現象や強力な個体ならば、別の方法ややり方次第で探知の方は出来るのだが、人間の様な小さい物では、先に述べた様な状態で、ミーメは喜んだのが束の間だと、改めて認識したのだ。
本来ならカードが発信器代わりに成り得て、位置確認程度なら出来るのだが、拓斗達は誰もカードを所持していない、誰も彼もが詳細すら表示されずに物陰に入れば見失う、況してや夜間なら移動して仕舞えば、次に捕捉する事は困難だと考えて、彼は焦っているのだった。
嘗て此の問題を指摘して、所長のシュミットへ改善を求めたのだが「一体何を態々言っている、お前が勝手に補正すれば良い、現状それ程困っておらぬからな」にべもなく言われてから、彼もやる気を無くして放置していた事が徒と成った。
生体プローブを使う手も考えたのだが、もう彼の中では既に一分一秒をも待てず。
今セラフィナを見失う事など、考えただけでも気が狂う、何もかも放り出して彼女の元へと行きたかったが「此処を離れると万が一見付かれば事だ。仕方無い本体で向かうとするか・・・」
彼に与えられた身体を残してミーメは本体へと、意識の大半を戻して彼の大軍団に号令を掛ける「余に付いて参れ!」「ハ!大王様」「転移の先では、敵も存在しておる、主立った部下以外は変化して完全武装じゃ!相手は少数だが力を見せ付けて制圧する」セラフィナに余の力を見せ付けて、無傷で屈服させてやる・・・
「ウォ―――――ォ!ブォ―――――ォ!ブヒブヒブヒ――――ィ!」「大王様に続けぇ――――!」従順な彼の部下は、行き先も聞かずに熱り立つ・・・この様な時のミーメは、部下に対して寛大な事を承知しているからだ。
ミーメは単にステラ村にも女くらいは居るだろうと、この際蹂躙するのもありかと考えて、アルベルトがしくじった仕事を序でに手伝い、貸しを作ってやろうなどと軽く考えていた。
余談なのだがアルベルト自身は、しくじったとも考えていない、彼の目的は混乱を招くことこそが肝要で、戦の成否は別に頓着していないのだが【ステラ村か・・・ヤハリ因縁があるのかもな?気に成る所だ】この発言で、無意識にでも気に掛けて居る事を暴露しているのかも知れない・・・
付き従う軍団は近衛師団、全軍団を招集すれば数十万に及ぶ彼の軍団だが、強さで言えば近衛師団は、他の軍団を集めたものにも匹敵するし、個々の力も普通よりも遥かに強い、彼は直ぐにでも出動可能な軍勢を引き連れて転移陣へと飛び込んだ。
その数、数百・・・千にも及ぶオークの大軍団が、次から次へと拓斗達が驚く目の前で、転移陣から現れては、直ぐさま陣を備えて行く・・・統率の取れたその光景の凄まじさは、普通なら見ている者達が身動き出来ない程の迫力だった。
だが流石は拓斗達だった・・・
次から次へと転移してくる武装オーク集団の姿を見ると「此奴は可成り不味いぞ」「タクトさん逃げるんスか?」「足の速さでは此方が有利だと思うが、万が一追い付かれて背後から攻撃されると事だな」「ならどうするのよ?」ミウも焦り気味に質問を投げ掛ける・・・
何故ならオークに混じり、人型で騎乗している指揮官らしき者と、数十の騎馬隊も転移してきたからだ。騎馬と言っても馬の足が八本もある大型種で、軽々とオークを乗せていても如何にも早そうな、スレイプニールと呼ばれる軍馬だった。
拓斗は頭をフル回転させながら「テントまで一時徹底、森を背にポコは俺と防壁を半円形に構築するぞ」〔籠城かの?〕「一時凌ぎだ!その間に此方もスラ達の軍団を急ぎ展開させるぞ」〔分かったわよご主人様〕〔お姉さん頑張るわ〕〔お任せをご主人様〕
ミウが心配そうに拓斗へ「逃げられないの?」「ノースアランへ来た時の様にスラ達に騎乗すれば、十分に逃げ切れるだろうさ、だがこの軍団を引き連れて帰ると、発展途上のノースアランは元よりさ、ステラ村での戦いに屹度成るだろう、それを俺は避けたい気持が大きいな・・・トレインは不味い」「成る程分かったわ、でも勝てるの?」
拓斗も心配そうに「やって見なくっちゃ分からん、だが俺達には幸運にもスラ達がいるからな」「そうなのね、アタシも覚悟を決めるわ、タクトの言う通りステラ村を戦禍に巻き込むよりは、此処でアタシ達が戦う方がましだもの」「俺自身もそうだが、皆にも俺が知らない隠し技があるようだしな、何とか出来るだろう・・・」
秘匿念話でスラから〔最悪、例の個体が使用可能だわよ〕〔ああ、分かった。万が一の時には頼らせて貰う〕〔任せてよご主人様〕拓斗も最初から頼み込む積もりでいたが、スラから同意された事で切り札が出来た。
切り札のお陰で心の平静を少なからず取り戻した拓斗は隠蔽用に薄い壁を構築した後にスラの分体数十匹を含めてミウとセラの二人を従え、目立つ様に前面で相手を待ち構えている・・・
そして壁の後ろでは、不意を突く為の軍団が急ぎ展開を始めて満を持していた。
だがその間も、次から次へと大型転移陣から溢れてくるオーク軍団、まるでスタンピードが始まる寸前の如く、拓斗達の眼前で増えて行く・・・
魔族の大陸でも有数の大国、旧王都のバビロン村をその国内傘下に収め、今の王都『ソドム』から多数のオークを束ねてミーメが転移を済ませる・・・その後も続々と転移して来るオークが最後の転移を済ませたのは、転移が始まってから小一時間程の時が過ぎ去った後だった。
無論、慎重な彼は幾ら女にうつつを抜かしていても、部下達の諫めを受け入れて、真っ先に転移を為ずに後から鷹揚に転移をする・・・
そして夕暮れを過ぎて闇が訪れる直前の時間に拓斗達と向き合う事に成った・・・
拙作ですが楽しんで頂ければ幸いです。
次回の更新予定は9月16日ですが閑話を挟みます。
細かな部分の言い回しやその他で気が付いた間違い等を随時訂正しています。
拓斗 男 人族 魂転移者 本名 板垣拓斗
【通常:精霊魔法LV4・精霊視LV2・妖精視LV2・魔力操作LV4・魔法創造LV4・エナジードレインLV2・魔力自動回復LV3・物理障壁LV3・障壁コントロールLV3・念話LV4・火系操作LV4(UP)・土系操作LV3・鑑定LV2・身体強化LV2・生活魔法LV2(UP)・地形操作LV2・風系操作LV2・空間魔法LV:--(NEW)時空間魔法LV:--(NEW)】
【エクストラスキル:契約魔法LV4(UP)従魔〔スライムのスラ他プラス名無し〕従精霊〔ジュート〕奴隷〔セラフィナ〕仮奴隷〔ポコ〕対等契約〔フレイアー〕】
【精霊契約:火の精霊サラマンダー・土の精霊ゲブ・水の精霊アプスー・大気の精霊シュー】
装備品:形見の胸当とマント・風林火山のブーツ・ワンド・ナイフ・フレアの守り(頭部装備)・魔力制御の指輪・絆の腕輪(パーティー編制用の道具、装飾品)・フレアの木刀
ミウ 女 兎人 OWOプレイヤー扱い
【通常:身体強化LV4・体術LV4・剣術LV4・探索LV3・気配察知LV3・解錠LV1・俊敏LV4・回復LV2〔ヒーリング〕・魔力操作LV1・魔法創造LV1・水系操作LV2・隠密行動LV1・気配遮断LV1・忍び足LV1・生活魔法LV1・瞬歩LV1】
装備品:白の燕尾服バニー仕様、ピンクの兎着ぐるみ、くノ一スタイル服、ヒットマンニット(生地自体は光を吸収するが、明るい状態で魔力を使えば、真反対の光学迷彩機能付き)革製の防御装備一式 魔綱製のロング・ソード、くノ一スタイル時の忍者刀(名は黒鐘)・フレアの棍棒
装飾品:魔力制御のイヤリング・イメージ・チェンジ・リング(五着分の変身を可能にする)
スラ 不明 拓斗の従魔スライム 元OWOプレイヤー 本名 早瀬美優
【種族固有:胃袋LV4・強酸消化LV3・物理耐性LV4(UP)・聞き耳LV2・分裂LV4・魔力吸収LV3・生物吸収LV3・エナジードレインLV3・変化LV3】
【通常:毒耐性LV3(UP)・腐敗耐性LV3(UP)・強酸耐性LV3(UP)・並列思考LV4・念話LV3・気配遮断LV1・隠密行動LV1・気配察知LV2・魔法耐性LV2・解体LV3・分析LV3・魔力操作LV1・魔法創造LV1・水系操作LV3・衝撃耐性LV1(NEW)】
【強奪した能力:強制支配LV1同族限定】
【ガイダンスAI協力体制、命名アイ子】
セラフィナ 女 吸血姫 拓斗の奴隷 OWOプレイヤー 本名 山口桃子
【種族固有:吸血LV4・エナジードレインLV3・召喚LV2(蝙蝠の鞍馬)・血液操作LV2】
【通常:身体強化LV3・ドレイン耐性LV2・痛覚耐性LV3・変化LV1・気配遮断LV1・魔力操作LV1・魔法創造LV1・水系操作LV1・生活魔法LV1・転移LV1(NEW)】
【吸血後:身体強化LV4・エナジードレインLV3・各種耐性の強化】
【エクストラスキル:痛覚の快楽変換LV3・恥辱のパワー変換LV4】
【強奪した能力:頑強LV1】
【現在縛りプレイ中:放置プレイ、羞恥プレイ、女王様プレイ】
標準装備品:伝説の網状恥辱レオタード・奴隷仕様改(能力未公開)女王様のブーツ(能力未公開)黒の燕尾ベスト(能力未公開)パピヨンマスク(赤外線、熱感知、相手に見せる幻視)魅惑の網タイツ他、セラ専属恥辱品装備多数・雷龍の千条鞭(雷撃・ドレイン)・ジュート(貸与中)緊縛のチョーカー格上げ・フレアのナックルカバー
特殊装備品:インビジブルマント(透明裸窃のマント)・奴隷仕様改(UVカット、セラ専用装備品の強制収納、透明化)日中限定
備品:棺桶〔アルフォンス・シルベスター・ヒッキンゲン男爵、通称バロン〕
ポコ 女 狸人 拓斗の奴隷
【種族固有:舞踊LV1・鼓舞LV1・変化LV1・土系操作LV2(UP)】
【通常:身体強化LV2・体術LV2・魔力操作LV1・魔法創造LV1・水系操作LV2(UP)・生活魔法LV1・弓術LV2(UP)・小太刀LV2(UP)・風系操作LV2(UP)】
装備品:絆のチョーカー(物理障壁あり)・弓張月・フレアの小刀
ガッチャ 男 鼠人 OWOプレイヤー 本名 佐藤浩一
【種族固有:俊敏LV3(UP)・気配遮断LV2・強嗅覚LV2(UP)】
【通常:腐敗耐性LV1・隠密行動LV1・身体強化LV2(UP)・体術LV2(UP)・魔力操作LV1・魔法創造LV1・火系操作LV1・生活魔法LV1・交渉LV1・剣術LV3(UP)】
【強奪した:現在無し】
【現在縛りプレイ中:笑福の呪いプレイ(一日一度他人を笑わせる事、但し滑るとHPにダメージ)デンジャラスショッピング(買い物で負ける事は許されない)】
装備品:フレアの木刀大小・革鎧一式
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銀の狼、通称は銀狼・・・メンバー紹介
白銀のフェル:30歳リーダー、長剣使い 魔法剣術使い アビスの弟子
堅狼のロボス:27歳フェルの弟 杖使い 後衛回復役
ラブラ:28歳 シェパの姉 長斧使い 前衛、護衛兼突撃役
シェパ:26歳 ラブラの弟 槍使い 前衛、護衛兼突撃役
ギンガ:29歳 蛮刀使い 探査、切り込み役
コチャ:24歳 ギンガの妹 弓使い 探査役
カメリヤ:21歳 双剣使い フェルの恋人 便利屋 OWOプレイヤー
本名スージー・アナスタシア・ロチェンコフ




