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ツイン・タクト (外部世界の不思議な物語)  作者: スラ君
第二章 ステラ村の攻防
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056話 ステラ村・・・攻防前編

愈々始まったが可笑しな話しの流れが出来上がった。ステラ村は?そして迎撃軍の運命や如何に?

ドドド、ドドド!多数の足音が鳴り響く街道を北東方面へと、二百騎程のラプトル騎兵がステラ村防衛軍の背後を奇襲する為にひた走る・・・


その後方を慌ててステラ村から進発したフェル達が、30分遅れで数騎のラプトル騎兵を引き連れ追い掛けている・・・


トキがフェルの後ろからしがみ付いてラプトルへ跨がり、前方を直視しながら話す「最初に開いた差が全く縮まらないさね」「ああ、あの混戦を立ち直ってから追い掛けて来たんだが、騎獣が同じ性能なら当然追いつけない」「その様だね・・・」


スズとフウも二人でラプトルに騎乗をしながら「姐さん、追いついても此方は数が少ない」スズが疑問を呈するとフウも同じく「此方は一騎当千のメンバーだけど、相手は数も多く腕もそれなりだよ?」「上手く追いつけば、挟み撃ちが出来るさ、屹度弟なら此の状態も策のウチに入っている筈だ。しかし、彼奴でも万が一が有り得るかも?だから奇襲を受ける前に信号代わりの魔法を打ち上げて知らせるんだ」


トキがスズやフウを安心させるように笑いながら「ロスちゃんならこんな事態でも考えのウチか・・・ならば奇襲さえ知らせれば良いと言う事だね?」「そうだな、もう対策をしているかもだが、油断は大敵だから追い掛けている」「真逆其処まで読んでいるとでも言うのかい、今回は不測の事態だろ?」


フェルは少しトキへ振り返り「例え俺達に取って不測の事態であっても彼奴はそう言う奴だ。それよりも放置してきた村の方が心配だな?」「アビスの旦那とラブラ姉弟が残って居るんだ。リズの姐さんやロランさん、その上にウチの連中も残ったから、そう心配は要ら無いさね」「ああ、そう願いたいものだな」先を進む騎兵が巻き起こす、その砂煙を見つめながらフェルは呟く・・・


後方を確認しながらカスターの部下は「未だ距離がありますが後方に砂煙」同様に確認しながらカスターも「確かに追い掛けて来るな、此方が敵陣の攻撃に手間取る事を期待して、挟み撃ちを狙っているのか?イヤ、あの程度の数なら敵陣への連絡要員だろう」「その懸念は十分にあります。足止め致しましょうか?」「そうだな頼む」二十騎程がその場に留まり、フェル達を待ち受ける・・・


その様子を伺いフェルは「さてお迎えだ。これ以上の差を付けられれば知らせる事自体が微妙に成る!迎撃が間に合わない事態も考えられるから、トキ!手早く処理するぞ」「了解さね、アンタ達も抜かるんじゃ無いよ」「分かっているよ姐さん」スズが返事をするとフウも了解と許りに頷く・・・


僅かな数の騎兵だが、フェル達以外の人員もクランの手練れが付いて来ている「副代表」「何だ?」「此処は任せて貰いましょう、始末を付ければ後を追いますから先へ進んで下さい」


自分達が抜ければ倍以上の数を相手取る事に成りそうな状況だが、フェルは彼らを信じて「分かった任せる」すれ違い様に二騎をアッサリ倒して先へと進んで行く。


反転する残りの十八騎騎をクラン白豹の爪の手練れが「此処は通さない」「それは此方の台詞だ」「僅か七騎で立ち向かうなんざ俺達を舐めてるのか?」「お前達が足止めなら、その足を止めれば先行した二騎が進む、そうなれば俺達の勝ちだぜ。タップリと時間を稼がせて貰うぞ」


「その人数なら我らの足止めにも成るまい、半分程は先に行け!」「オウ!此処は任せたぜ」再びのすれ違いで入れ替わり、フェルの後を追う者と残留して対陣する者とに分かれる・・・


だがそれが彼らの間違いだった・・・ほぼ同数なら残ったクラン側の相手では無く傭兵達は瞬く間に打ち減らされて全滅、クランの者達は先に行った残りの半数を僅かな時間差で追い掛ける展開に成った。


カスター達を追い掛けるフェル、その後を追い掛ける十騎程の傭兵、その後に続くクランの七騎、戦場までは丸一日程の距離を走るマラソンが始まった。


ラプトルなら丸一日でも走り続けるのだが、騎乗している者達には休息が必要だ。

前が停止すると多勢に対して此方は無勢、当然二騎では追い付く訳にも行かず。


仕方無く様子見をしている状態の所に敵の後続が迫り、再び戦闘を開始したのだが更に追い付いたクランの者共と協力して、結果的には相手の殲滅に成功した。だが大した休息が取れぬ状態で疲労が蓄積する事に成る・・・


因みに山間部からステラ村への道程は、嘗て一週間程要したのだが、街道の整備が進み今では徒歩で三四日、馬車なら二日程に短縮されていた。


その様子を見て「僅かな兵では足止めにも成らんな、フェルが居るのか?手練れが追い掛けて来ているみたいだ」「フェルが相手なら申し分ない、一度戦ってみたい相手だった。俺が足止めをしよう」


「騎兵隊長のサルーンか、しかし駄目だ。彼奴は俺が仲間達と共に相手をするが、奇襲を掛ける直前にしよう、その時は騎兵を率いて敵陣の蹂躙を頼む」「それ迄は彼奴らを引き連れて行くのか?」「そう成るな、此の人数だからこそ彼奴も俺達を攻撃し辛いんだろ」


「成る程な、話しは理解したが、俺はヤハリ彼奴と戦いてえ」「そこまで言うなら任せる」「ヨッシャー!任されたぜ」「ああ、頼む、だが俺も戦うからな、仲間に他の相手をさせて二人でやろう、それ程の相手だ」「ちぇ仕方無いか・・・」


「だが蹂躙組をどうしようか?」「それは副官達に任せるぜ。後ろから隙を突くだけなら彼奴らでも十分だ」二人の副官も任せてと許りに頷くと「それじゃ頼むわ」「お任せ下さい」後ろから狼が付いて来るのだが、カスターは余り気にした様子を見せずに先を急ぐ・・・


話しは数日遡り、迎撃する側のステラ軍は・・・


眼前で布陣を始めたジャッカ軍を眺めながら「ヤレヤレ、漸く到着した様ですね」ロボスが呟くとギンガが「途中で襲えば、サクッ!と全滅させる事も出来たがな」「そうだね兄貴、山間の道ならば出来たよ」コチャも肯定する・・・


しかしロボスは「それは閣下の意に沿わないからね、待つのも仕方ない」「被害者としての状況作りなんだろう?」「そうだよギンガ、此で彼奴らは悪逆非道な侵略軍へと成り下がった」「軍使の遣り取りはするのかい?」「相手次第だなコチャ、もう既にその段階を越えている」


ギンガは厚かましい奴だなと考えながら「あの慇懃無礼な弾劾状を突き付けられて怒り心頭で此処まで来たんだ。今更話す事なんざ相手にも在りはしねえなコチャ」「それでも一応戦の慣わしだよ、無しと言う訳には行かないんじゃ無いの?」


ロボスはコチャへ心配要らないと許りに「一応、上から目線で降伏の使者なら来るかもな?まあどうせ蹴る話だがな」そして嘲笑的な笑みを浮かべて視線をギンガに向けると「違えねえな」「でも良いのかい?閣下もそれにフェル迄もが居ない此の陣では、真面まともに交渉が出来ないんじゃ無いの?」


ギンガはコチャの話しに対して「其処までの話し合いをする理性が、相手に残っていないだろ、況してや挑発した張本人相手ではな」「それもそうか、それでは戦う前提で話しを進めるけれど、この場はどうするの?」


ロボスは子供口調でちょける様に「真面に戦って上げない、籠城して飢え殺しさ」「砦と言う訳でも無い此処で籠城なの?」「此処を作ったのはアラン何だよ、陣に見えて砦なのさ、今はもう居ないが、彼奴が工夫したんだ万全だよ」


それを聞いて兄妹は「それなら陣構えの方は安心だな」「そうだね兄貴」「一応罠的に穴を開けているが、チャンと塞ぐ用意はしている、それよりも此処を無視して先に行く様ならそれを阻止するからね、ギンガとコチャ、その動きを見せたら知らせと足止めの方を頼むよ」「任せな(てよ)!」頼もしい返事にロボスが頷くと、見た目は200人程の軍勢を頼もしげに眺める・・・


だがその実態は、新規募兵と開拓村からの屯田兵を一部加えた弱兵揃いだ。


ロボスは鼻歌交じりで「さて用兵の何たるかを彼らに見せて上げるとしようか♪」ギンガは胡散臭そうに「まあ、お前なら女子供おんなこどもが主戦力状態でも、屹度勝つ方策、その見込みを付けるんだろうな・・・」(其処まで戦力不足なら僕でも難しいよ)


ギンガは恐ろしいものを見る様に呟くと「褒め言葉は嬉しいね、此の陣を堅守するだけなら大した事は無いが、中入りの阻止も含まれるからね、少し頭が痛いけれど上手くやるさ」「中入りされても問題がないんだろ?」ギンガが指摘する・・・


それを受けてロボスは「確かに閣下には十分な戦える戦力を残して来たから問題は無いよ、けれども負担を減らす事は無駄じゃ無いからね、それに中入りは引き際が肝心、相手は中入りとも考えていないよ、恐らく手薄と勘違いしている筈だから、もしそれを実行するなら奇襲か強襲位に考えているんだろうね」


「成る程な、駆け引きの段階で既にまさっているか・・・しかし、此方が手薄と判断したら遮二無二と攻めて来るだろう?」「だからアランに陣を構築させたんだよ、仕上げをご覧じろさ」


コチャが嫌そうに「アンタだけは敵に回したく無いわね」「それも褒め言葉と一応取っておこう」ヤレヤレのポーズをコチャはするが、ギンガは(一体どれ程の策を思案して実現させているものやら)「確かにお前は油断ならねえな」


モタモタといまだ展開が終わらない敵陣を眺めながら、二人は交互にロボスの顔色を伺う、そして相手の運命に同情するのを禁じ得なかった。


一方ジャッカ軍では・・・


陣の構築を済ませてカルロスは「取り敢えず降伏の使者を送るか・・・」「閣下、それも結構ですが今更降りますまい」「まあ、戦の慣わしだな、決裂したら先ずは様子を探る為にも仕掛けて見るぞ」「畏まりました」当然ながら決裂して攻め込んだが、柵と塹壕に阻まれて思う様には攻め切れずに撤退、その後睨み合い一日目を終了した。


苦虫を噛みつぶした様なカルロスは「全く思う様に行かぬな」「然様ですな閣下」「陣の東端にある柵の隙を狙うか?」「恐らく罠がありましょう、あの界隈に人を配置して居らぬ様子ですからな、落とし穴やそれ以上の悪辣なる罠が仕掛けてある筈です」


「そう此方が判断する様に仕向けて居るのやも知れぬ」「まああの数ですからな、全てを防備するには手が足らぬ状態やも知れませぬ、が、それなら陣を縮小すれば済む事、あの様に広範囲な陣を構える必要も御座いますまい、敢えて火中の栗を拾う様な真似を為ずとも、正面から少しずつ塹壕を埋めて柵を破壊していけば、何れ必ず突破出来ましょう」


初日に勢い込んで柵の破壊に近付いた部下が、塹壕に伏せていた弓兵や魔法士の攻撃を受けて、手痛い損害を出した後の会話だった。


敵陣を眺めながらカルロスは「だが悠長に攻めて居れば食料が持つまいよ」「その事ですが閣下、カスター殿からの知らせで明日明後日には増援と食料の補充が届くそうです」「何?そうなのか、今迄は連絡の一つも寄越さなかったが、彼奴めその様な計らいを考えて居たとは頼もしい」


満足そうなカルロスを見やりカステロも「その知らせの中で攻略に際しては無理を為ず、吉報を待つ様にと記載されておりました」「その様に書かれて居ったのか、屹度何か策があるのだろうな?」


到着した手紙を今更ながらにカステロは渡し「恐らくあるのでしょう閣下、此処は慎重に対応して、自軍の損耗を避ける方法を取り、書かれてある様に吉報を待ちましょう」


話しを聞いてカルロスは、光明を見た思いだったが「確かにそれが良いのやも知れぬな、だが二三日は待つがその後は力押ししてでも進めねば、丸っ切り甥の力頼りでは顔向けも出来まい」「それも確かに言えますな、しかし、現在は此の儘で行きましょう」「ああ、了解した」


数週間前、プティマでは・・・


虎髭のザンザが「俺の所は大隊規模と言っても、他の部隊に比べれば数は少なく、動かせる軍勢は歩兵と特殊部隊を併せて千程、そしてラプトル騎兵は二百チョイが限界だ。それでも相手は多く見積もっても三四百程度なら問題無い数字だな」


カスターはそれを聞いて「俺の方は仲間と誘った冒険者達を含めれば五十程だが、騎獣を持って居るのは二十程だ。だから数の上では心配無いが、アビスとフェルのエース級が二人いるステラ村が相手では、厳しい事に成るかも知れない・・・」


弱気なカスターの発言にザンザは追い打ちを掛ける様に「その上クランの中にも強者が居るからな、よくそんな所と事を構える事にしたぜ?頭のねじが緩んで考える事が出来ないんじゃねえのか」


「確かにそうだな、伯父貴も表面は取り繕っていたが悲愴な顔をしていたよ、実際本音ではお人好しの伯父貴を諫めたかったが、行き着くところ迄行き着いて仕舞ったんだろうな、だから俺が後継者に成る積もりだ。それとお袋にも頼まれたしな」


少しジャッカの内情を思い出しながらザンザは「お袋様と言うと、確か現当主の姉だったな?」「そうだ、妹婿カステロがムチャクチャにしたが、嫁に行ったお袋は、三男の俺に対して為たい様に・・・自由にさせてくれたんだ。お袋の願いだからな、伯父貴の命を救い出し、従妹と結婚して引退して貰う考えだ」


腹立たしげに「彼奴は・・・カステロはジャッカ領を駄目にした。俺が伯父貴の一人娘と結婚して養子に入る話しが出た時に反対して邪魔をしたが、今回助成を請う時にはアッサリ手の平を返して認めた。それ迄は俺の事を呼び捨てだったものを卑屈にも今度は様付けや殿付けだ。決着が付けば追い出してやる」


「成る程な、俺は貴族という柄じゃ無い、部隊の後継者には息子を望んでいたが、しかしその器じゃ無い、だがカスターおめえの家臣なら多少無能な息子でも、俺の跡を継がす事は可能だろ?だから俺は進んで協力する事にした。全てを懸けるんだ期待は裏切るなよ?」


頷きながらカスターは「ならば手筈通り、目立たぬ様にサウス・ザイオンへ飛んでステラ村へ侵攻してくれ、或る程度部隊が整ったらジャッカ領方面へ二百程迂回、伯父貴の支援のために物資と共に兵を送ってくれれば、途中の戦力を蹴散らして、伯父貴と共に引き返す。しかる後に挟み撃ちだ」


「全て心得て居るぜ。其方は副官を付けて先発させる・・・物資の方は部下達を商人にでも化けさせて、七月の半ばには戦場へ到着する手筈を整える」「高速移動がしたいからな、足の速い部隊を俺に付けてくれ」


「それも了解だ。転移陣への突入に際しては、魔法士と後方働きが得意な人員を手配する」「部隊の転移に際しては、プティマのアルゴスが黙認する筈だ。脅かしたお陰で糞っ垂れなカステロが働いた様だ」「ならば勝ったも同然だぜ」


「プティマからステラ村への転移は、此方が稼働後の一時間後だ」「時差か・・・一応朝の八時から通常稼働を始めるが、向こうが稼働状態で無ければ、転移の方が出来ねえからな、他国と繋がっている王都の大転移陣以外では、防衛力を考えても日中しか稼働させていねえ」


「向こうの稼働直後を見計らって、先ず魔法士と荒事専門の部隊で転移陣を占拠、その後俺達が転移して北へと向かう段取りだ。そして南からザンザ、アンタの本体七百で止めを刺すのが、今回俺が考えた作戦だが、アンタが遅れた場合には、転移陣に残された部隊は不味い事に成る」


「その場合はおめえが門を出た後で自由にさせるさ、追っ手でも差し向けてくれるなら更に南が手薄に成るぜ」「上手く混乱中に仕掛けるのも良し、遅れた場合でも戦力を分散して貰えれば、一番の手柄は転移陣組に与えても良いくらいだな」


ニヤリと笑うザンザは「上手く行って貰いたいもんだぜ」「ああ、確かにな、俺もそう思うぜ。七月末頃までには、決着を付けたい物だな」「違えねな・・・」所がジャッカ軍の侵攻が滞り、予定は十日ほどずれる事に成る・・・


サウス・ザイオンとステラ村の中継地点に『ソダン』と言う街がある・・・其処は街道の分岐点で北上をすればジャッカ領へと到り、西に向かえば港町の『モラン』そしてザイオン迄の距離は意外と近く、徒歩で二日程度の道程だが、山から流れる大きな川のお陰で南には船でも行き来が出来る立地だ。


其処へ数年前、ステラ村への街道が整備されると、更に重要性が増した街なのだ。


ザンザはザイオンの干渉を嫌い、転移後にはこの街を拠点に活動を開始した・・・


川沿いに多く存在している倉庫街の一角で、変装をした部下に武器や装備を調ととのえて密かに分隊毎で出発させている・・・


商人に扮した部下達が携えて来た武具などの物資を倉庫へろし、食料などに積み替えて先発したその翌日から次々とザイオンを経由してやって来る部下を激励し、主立った部下へ作戦の概要を伝えて行く・・・


無論密かな行動を心掛けていても、その様な動きが発覚しない訳も無く「お館様」「何事だ?」「最近目付きの悪い者共が転移してきては、何処やら目立たぬように移動しております」「何じゃと?」


サウス・ザイオンを支配している『レオン・ワイツタイガー』の人物へ老家宰が「愚考を致しますれば徒歩、或いは船を使い、消え失せている模様からモランでは無く、恐らくソダン方面へと向かっておるやに見受けられます」「心穏やか成らぬ報告じゃな、共に我が領地じゃ!不穏な輩に占拠されても堪らぬな」


「目と鼻の先で軍勢が屯している状態は頂けませぬ」「そうじゃ、だが狙いは我がザイオンではあるまい」「然様に私めも愚考致しますが、勿論油断は成りませぬ」「一体何処の者じゃ」「現在調査中で御座いますれば、何れ報告があるやと思われます」


「しかし、それ程多くの者共が転移して居ったとは、爺も迂闊な事じゃったの?」「申し訳御座いませぬ、どうやら最初は商人共や冒険者に扮していた模様で御座います。現在は転移陣の監視を強化しておりますが、昨日辺りから数の方が縮小して推測で御座いますが、大凡九百程が転移した模様です」


その話しを聞いて「何じゃ九百程か、その程度の寡兵かへいなら全く問題はあるまいに」「然様で御座いますお館様、その上悪さをする様な素振りも見せず、大人しく既にソダンを出発した模様です」「成る程其処までは調べてきたと申すのじゃな」


「然様で御座います、徒らに御心を騒がせては申し訳無いと、事態の把握に努めました」「うむ、上出来じゃが既に転移が終了した後では、褒めた話しでは無いの」「汗顔の至りで御座います」


などと言いながらでも老家宰は涼しい顔をして「今後如何にすれば宜しいので御座いましょうか?」「過ぎた事を申しても仕方無いが、当家が見過ごした為に事態が不味く成ったと言われては適わぬの」思案しながら机をトントンと叩く・・・


目の前の老家宰を見ながら「儂は不精者での、今の風潮に乗る事は為ぬが、野心が多い者に隣を支配して貰おうとも思わぬ」「然ればディオン領へと派兵為されますか?」「それもしたくは無いな、だが領境付近の関所は奴らの通過後に封鎖せよ、負けた方が野盗擬きと成って我が領民に危害を加えるやも知れぬからの、そうじゃ惚けて事態の報告はアビスにしておくか・・・」


老家宰は子供の頃より養育してきたレオンを頼もしげに見やりながら「然れば先ずプティマへ飛んだ後、ステラ村へと転移すれば、かの者達が到着する以前に連絡は着きましょう」「此は肩入れかの?」「数字的には厳しい対応を迫られる筈、例え事前に知って居ったとしても、不味い状況には変わりませぬ」


「確かにの・・・だがあの知恵者がおるからの、手際を見る為にも格好の状況やも知れぬな?何れプティマが此処へよこしまな事を考えても、今回を乗り切るようならばじゃ、丁度良い防波堤にステラ村は成る可能性がある」


「流石に今回は厳しい状況と愚考を致しますが、確かに乗り切れば使い道も御座いましょう、然れば恩を売るのも良い思案かと?」「そこまで為ずとも良い、知らせるだけでも恩義に感じるだろう」「然様で御座いますな、あの御仁なら背後に敵を背負う愚行を為ぬ事でしょう」


「此方の思惑を承知の上で誼を通じて来る筈じゃ」「確かに・・・然れば早速手配を致します」「一つ聞くが事態が進むまで放置、していたとは言わぬだろうな?」話しの途中でレオンは机をトントンと叩いた。


老家宰は人の悪そうな笑みを浮かべ「私めはその様な畏れ多い事を・・・お館様に対して不遜な事を考えても居りませぬ」「然様か・・・」狸相手は疲れるの・・・

拙作ですが楽しんで頂ければ幸いです。次回の更新予定は7月25日です。


細かな部分の言い回しやその他で気が付いた間違い等を随時訂正しています。


拓斗 男 人族 魂転移者 本名 板垣拓斗


【通常:精霊魔法LV4・精霊視LV2・妖精視LV2・魔力操作LV4・魔法創造LV4・エナジードレインLV2・魔力自動回復LV3・物理障壁LV3・障壁コントロールLV3・念話LV4・火系操作LV4(UP)・土系操作LV3・鑑定LV2・身体強化LV2・生活魔法LV2(UP)・地形操作LV2・風系操作LV2】

【エクストラスキル:契約魔法LV4(UP)従魔〔スライムのスラ他〕従精霊〔ジュート〕奴隷〔セラフィナ〕仮奴隷〔ポコ〕対等契約〔フレイアー〕】

【精霊契約:火の精霊サラマンダー・土の精霊ゲブ・水の精霊アプスー・大気の精霊シュー】


装備品:形見の胸当とマント・風林火山のブーツ・ワンド・ナイフ・フレアの守り(頭部装備)・魔力制御の指輪・絆の腕輪(パーティー編制用の道具、装飾品)・フレアの木刀


ミウ 女 兎人 OWOプレイヤー扱い


【通常:身体強化LV4・体術LV4・剣術LV4・探索LV3・気配察知LV3・解錠LV1・俊敏LV4・回復LV2〔ヒーリング〕・魔力操作LV1・魔法創造LV1・水系操作LV2・隠密行動LV1・気配遮断LV1・忍び足LV1・生活魔法LV1・瞬歩LV1】


装備品:白の燕尾服バニー仕様、ピンクの兎着ぐるみ、くノ一スタイル服、ヒットマンニット(生地自体は光を吸収するが、明るい状態で魔力を使えば、真反対の光学迷彩機能付き)革製の防御装備一式 魔綱製のロング・ソード、くノ一スタイル時の忍者刀(名は黒鐘くろがね)・フレアの棍棒

装飾品:魔力制御のイヤリング・イメージ・チェンジ・リング(五着分の変身を可能にする)


スラ 不明 拓斗の従魔スライム 元OWOプレイヤー 本名 早瀬美優


【種族固有:胃袋LV4・強酸消化LV3・物理耐性LV4(UP)・聞き耳LV2・分裂LV4・魔力吸収LV3・生物吸収LV3・エナジードレインLV3・変化LV3】

【通常:毒耐性LV3(UP)・腐敗耐性LV3(UP)・強酸耐性LV3(UP)・並列思考LV4・念話LV3・気配遮断LV1・隠密行動LV1・気配察知LV2・魔法耐性LV2・解体LV3・分析LV3・魔力操作LV1・魔法創造LV1・水系操作LV3・衝撃耐性LV1(NEW)】

【強奪した能力:強制支配LV1同族限定】

【ガイダンスAI協力体制、命名アイ子】


セラフィナ 女 吸血姫 拓斗の奴隷 OWOプレイヤー 本名 山口桃子


【種族固有:吸血LV4・エナジードレインLV3・召喚LV2(蝙蝠の鞍馬)・血液操作LV2】

【通常:身体強化LV3・ドレイン耐性LV2・痛覚耐性LV3・変化LV1・気配遮断LV1・魔力操作LV1・魔法創造LV1・水系操作LV1・生活魔法LV1】

【吸血後:身体強化LV4・エナジードレインLV3・各種耐性の強化】

【エクストラスキル:痛覚の快楽変換LV3・恥辱のパワー変換LV4】

【強奪した能力:頑強LV1】


【現在縛りプレイ中:放置プレイ、羞恥プレイ、女王様プレイ】


標準装備品:伝説の網状恥辱レオタード・奴隷仕様改(能力未公開)女王様のブーツ(能力未公開)黒の燕尾ベスト(能力未公開)パピヨンマスク(赤外線、熱感知、相手に見せる幻視)魅惑の網タイツ他、セラ専属恥辱品装備多数・雷龍の千条鞭(雷撃・ドレイン)・ジュート(貸与中)緊縛のチョーカー格上げ・フレアのナックルカバー


特殊装備品:インビジブルマント(透明裸窃とうめいらせつのマント)・奴隷仕様改(UVカット、セラ専用装備品の強制収納、透明化)日中限定


備品:棺桶〔アルフォンス・シルベスター・ヒッキンゲン男爵、通称バロン〕


ポコ 女 狸人 拓斗の奴隷


【種族固有:舞踊LV1・鼓舞LV1・変化LV1・土系操作LV1】

【通常:身体強化LV2・体術LV2・魔力操作LV1・魔法創造LV1・水系操作LV2(UP)・生活魔法LV1・弓術LV2(UP)・小太刀LV2(UP)・風系操作LV2(UP)】


装備品:絆のチョーカー(物理障壁あり)・弓張月ゆみはりづき・フレアの小刀


ガッチャ 男 鼠人 OWOプレイヤー 本名 佐藤浩一


【種族固有:俊敏LV3(UP)・気配遮断LV2・強嗅覚LV2(UP)】

【通常:腐敗耐性LV1・隠密行動LV1・身体強化LV2(UP)・体術LV2(UP)・魔力操作LV1・魔法創造LV1・火系操作LV1・生活魔法LV1・交渉LV1・剣術LV3(UP)】

【強奪した:現在無し】

【現在縛りプレイ中:笑福の呪いプレイ(一日一度他人を笑わせる事、但し滑るとHPにダメージ)デンジャラスショッピング(買い物で負ける事は許されない)】

装備品:フレアの木刀大小・革鎧一式

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銀の狼、通称は銀狼ぎんろう・・・メンバー紹介


白銀のフェル:30歳リーダー、長剣使い 魔法剣術使い アビスの弟子

堅狼のロボス:27歳フェルの弟 杖使い 後衛回復役

ラブラ:28歳 シェパの姉 長斧使い 前衛、護衛兼突撃役

シェパ:26歳 ラブラの弟 槍使い 前衛、護衛兼突撃役

ギンガ:29歳 蛮刀使い 探査、切り込み役 

コチャ:24歳 ギンガの妹 弓使い 探査役

カメリヤ:21歳 双剣使い フェルの恋人 便利屋 OWOプレイヤー

本名スージー・アナスタシア・ロチェンコフ

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