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ツイン・タクト (外部世界の不思議な物語)  作者: スラ君
第二章 ステラ村の攻防
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052話 ステラ村・・・雪豹の娘

愛する兄の元へ向かうディアナの心は、早くも伝えたい事が山の様に募り、思いに馳せていたが、その頃拓斗達は・・・

アビスとリズの娘、雪豹のディアナは此の春から愛する兄、タクトの不在で彼女は不満が一杯だった。今年八歳に成った許りだが、背丈も発達した筋肉質な体格も、既にタクトとは余り変わらず、追い越す勢いで精神的にも成長を遂げている・・・


頭髪は薄めの茶色、可愛らしい三角の獣耳で、精悍そうな目付き・・・白地に黒と茶色の斑点模様が首から背中に掛けて目立つように主張していて、尻尾にも同様の柄がある為に見た目から二つ名が付いた程、毛並みの良い美しい幼女だ。


戦える期間が長く成る様に獣人の成長は平均早いのだが、特に女性は発育が良く、魔族ほどでは無いにしろ、普通に十二三歳頃には少女期を過ぎて、早い者は成長も止まる程なのだが、ディアナは異常なほど成長速度は著しい・・・


獣人族には種族固有の獣耳と尻尾、それと大型や捕食系の獣人には、腕と脛に毛皮部分があり、モフモフ、モコモコとしており、実情より手足が些か太く見える。


因みにミウやガッチャの様な小型や草食系の獣人の手足は、多少個人差はあるが、人族と変わらない姿の者も多いのだ。しかし、先の特性がある獣人はそのお陰で、防御力の方も些かならずアップしている・・・


早くから強靱な膂力と俊敏な脚力を得る為、どの系統の獣人種族でも成長度合いは早いのだが、獣人でも極稀に外見の特徴が表に出ず、人族と変わらない容姿の者も僅かにいて、獣人ながらも見た目では判別が出来ない者もいる・・・


しかし、成長が著しいディアナは、獣人としての素質を色濃く受け継ぎ、その太く見える手足が不満で、何時も零しているのだ。


最近は胸の膨らみも徐々に目立つ様に成ってからは、兄のタクトが恥ずかしがって入浴も別に成ると「兄様はアタシの事を嫌っているの」などと詰め寄り、タクトを困らせる・・・所謂いわゆるブラザーコンプレックス気味で、愛情は殊の外強い傾向だ。


そんな彼女がひと月以上も兄から離れ「今は遭難の危機に見舞われている」などと聞けば、心配を募らせて気が狂いそうに成り、助かったと聞いた後も「暫くは帰っちゃ来ねえ」などと父に言われた時には、大泣きしてアビスを困らせた。


其処へ今回の迷宮入りなのだ。嬉しくない筈は無く、ディアナは鼻歌を交えながら大喜びで転移陣へと乗っかり、今か今かと手ぐすねを引いて待って居る・・・


漸くリズとラブラ達の準備が整い、パーティー編制を済ませると、ディアナも同じ場所へと飛べる事に成る、見送りのアビスが彼女に何かを告げて来るのだが、既に心ここに存在せずの状態だ。


D級転移への柱に触れて起動させると、全員が中央へと集まり、暫くした後にE級ボス部屋裏の転移陣へと到着した。其処からはラブラやシェパが、獣魔を倒す度にレベルアップ酔いを起こし、目を回しながら先へ先へと進んで行った。


ディアナは覚えて居ないのだが、昔アビス達夫婦がF級へと娘を連れて身体強化のスキルを取得させている。数度繰り返して魔力操作と魔法創造も取得したのだが、彼女の特性は肉体に依存するタイプだった所為で、成長が早いのかも?一応アビス夫婦は彼女の安全を考えて、前以まえもって手を打って居たのだ。


此処へ来る前日、親馬鹿のアビスは娘に与える予定の装備一式と、武具などをリズに預けて「前以て段取りをしていた」などと言いながら照れると「未だ二年も先の話だったのにもうなのかい?」フン!と鼻を鳴らして息も荒く退出する姿をリズは呆れと笑い、そして慈しみを込めて見送った。


魔力を注入すると伸びる爪、ナックルガードを主体に格闘スタイルのディアナは、靴にも同様の仕掛けがある、安全靴擬きを履いて蹴りを入れると、獣魔が吹き飛ぶ程にレベルアップした頃には、二十階へと二日掛けて到達していた。


その夜、温泉を楽しんで居た親子の元に突然、カムセラとアムセラの二人が訪れて「シェパさんから此方こちらと伺い、待つ積もりでしたが、ラブラさんから一緒に入れば良いさね、などと言われ、失礼かと思いましたがご一緒させて貰いました。そしてリズ様、拓斗さんに言われてお迎えに上がりました」


「あらアンタ達かい、よく此処が分かったね」「拓斗さんに聞きました」その頃には裸に成ったラブラも現れて「成る程さね、アンタ達も入りなさいよ」「有り難うございます」二人は一度戻り、脱衣場で服を脱いで再びまみえる・・・


それを見てリズは「若いと言う事は、良い事さね」均整の取れた裸体は、全く同じ体型で二人の若さを強調するのだが、リズも未だに負けて居ない・・・それを見て「リズ様こそ大変お綺麗ですよ」


「お世辞でも嬉しいさね、それで態々迎えに来たのは何でだい?」「拓斗さん達が余り先行し過ぎると、母さんが追い付くにも大変だろう、と言う事で、二十四階でレベルアップをしながらリズ様達をお待ちしております」


「成る程ね、拓斗らしいさね、それでどんな按配なのさ?」「ハイ・・・」と二人は交互に攻略の模様を語り、所々でリズが質問をすると、丁寧に説明を付け加えて大凡の行動を報告し終えた。


ビッグタートルを倒した後、ボス部屋と向かう途中で一泊した拓斗達は翌日フレアから〔ヒャホー!拓斗♡〕双子を除く全員が聞こえた模様でその様子を伺いながら「もう双子にも、念話を飛ばして良いぞフレア、そしてジュートもな」〔分かった良いわよ、拓斗の判断に任せる〕〔もう良いのか主殿?〕


拓斗は二人の返事に頷くと「ああ良いだろう、突発的な戦闘中にバレて、混乱する方が不味いからな、カムセラとアムセラ」「ハイ、拓斗さん何でしょうか?」毎度の事だが二人からは、シンクロして返事が返る・・・


ジュートを捧げ持つ様に敢えて見せると「この紐ジュートは、大精霊が宿る意思が籠もった武具で、念話が出来るんだ。そして此から聞こえるのは、大妖精のフレアと言って俺達の協力者だ」二人共に驚いたが、ガッチャとカメリヤは、もう既に事情を知っていた。


ならばと念話を強めて〔此処なら樹木も多いから楽だわね、オット、そんな事よりD級へお母さん達が帰って来たわよ、随分と可愛らしい娘さんを連れてね〕「娘?誰だろう・・・」〔そんな事はアタシ分からないけれど、ボカスカ獣魔を殴る蹴るしている模様だわよ〕


話しを聞いて、徐々に顔が強張るミウは「それって、それってもしかしたらディアかも?」「真逆、あの子は未だ八歳なんだ。迷宮は厳しいだろ?」「例えレベルが低くても、あの子なら屹度やれるわよ」「ディアナさんて可愛らしいと噂の妹さん何スよね」「到頭来たのね、アタシも覚悟を決めなければ駄目だわ」


それを聞いてセラは「何時ぞやそんな話をしていたスよね、あの時も自分信じられなくて、聞き流したスけれど、タクトさんの妹さん何スよ?ミウさん今も信じられないスよ」


身体を小刻みに震わせて「セラ、本当の話だわよ、アンタも覚悟しておいた方が、良いかもね・・・」「それ程何スか?」セラは質問を返すとミウは真剣な面差しで「タクト成分の不足中であるあの子には、恐らく理性は既に無いわよ、それに屹度アタシ達がタクトを独占していると誤解している筈、其処へ見知らぬセラとポコはその原因、歳の近い二人は必ず排除対象と見做されるわ」


セラとポコが恐怖に震える・・・慌てて拓斗は「待ってくれよ、今はそんな話しは後だよ、それに可愛い妹なんだよ?怪獣の話しでもあるまいに止してくれ」


フンと鼻を鳴らして「甘いわねタクト、現在の状況をあの子が知れば、間違い無く血を見るわ」「そんな大袈裟な・・・」話しを聞いてセラとポコが更に震えると、フレアから事態を楽しむような様子で〔そうだわね、今はレベル上げもしている模様だし、早くても到着に二日は掛かるわよ、良かったわね、フフフ♪〕「そうか、それではボスを倒して引き返すか・・・」


発言に疑問符が付いたミウは「何でよ、此処のボスを倒せば、区間転移が出来るのでしょう?面倒臭いわよ」「そうなんだが、転移陣を使いたく無い、前にも話しただろうミウ」


拓斗から指摘されて「あ!そうだったわ、ご免なさい」「ミウ、謝る必要は無いが確かに面倒臭い話しだな・・・」カメリヤが「区間の此処なら監視されていない、かも?」「カメリヤ、確証が無いし、危険が伴う事は、余りしたく無いんだ」


双子が顔を見合わせてカムセラが「その話は既に聞いているけれど、アタシ達なら何度も使った後だから、今更一度や二度の回数が増えても問題ないかな?」「そうだね姉様、此処から出た後に今後を考えれば、良い事だよ」「と言う訳だけれど、アタシ達が迎えに行こうか拓斗さん?」「そうか・・・」


少し拓斗は考えた後「ならば頼むとするかな、俺達は二十四階でレベル上げを行いながら待って居るよ」「了解したよ(だね)」「二十一階を戻るだけなら二人でも楽勝よ♪」アムセラが後押しすると「それではボスへと挑戦するか皆」「オー!」勢い良く返事が返ると獣石を使って扉を開ける拓斗は「フレア、情報を有り難う」〔どう致しましてよ〕


ボスは二足歩行をする恐竜だった。見た目はチラノザウルス擬きで、地竜の分類とされる大きな個体だった『ギャオーン!!!』〔待ってましただわさ!狩りまくるよ皆〕スラが勢い込んで巨大化すると、覆い被さって徐々に顔の周りへ集約すると窒息死を狙う・・・


無論、火を噴いたりは為ず、短い手でスラを振り解こうとするのだが、効果は薄く食い千切ろうと藻掻くが、それに合わせて伸び縮みすると、徐々に体力を奪われて〔今だわさ!〕スラの号令一下、各々が腹部へ切り付けると、くぐもった唸り声を響かせて、大した手間も掛からずに倒れた。


それを見て「魔法の木刀は、大した威力だな、ポコは魔法の矢であの堅い腹を貫く程の威力がある・・・全くフレア様々だよ」「そうねアタシの棍も突き抜けたわ」「セラの雷撃もスタン効果があったな」「ワイの一撃も褒めておくんなはれ大将」


得意そうなガッチャを見ながら「そうだったよ、ガッチャも随分と強く成った」エヘヘヘと笑うと、全員が満足そうな顔をして「ホント、羨ましいわよ」カメリヤが呟く・・・


その後、宝箱も無い事から「この獣魔石が区間転移の石だわね」「そうなのかカメリヤ」双子へと手渡して「頼んだよ」アムセラが「お任せよ♪」「頼まれたわよ」カムセラも引き受けると、転移石を使いD級神殿裏にある転移陣へとジャンプして行った。


それを見て拓斗は「さあ、俺達は此処を戻って、ボス戦を繰り返すかな?」〔勿の論よ、此の相手なら問題無いわさ!〕「本当のところは、そんなに簡単な相手でも無いのだけれどもね・・・」呆れ顔のカメリヤが呟く様にぼやく・・・


そしてカメリヤがドン引きすると「相手のレベルが、低いのだろうな?」「相性の問題だわよ、所見殺し的にスラの攻撃が有効だっただけだわ」「そうかもなミウ、もしブレス攻撃がある手合いだったら大問題だったよ」


拓斗が指摘するとスラは〔やらかしたか・・・〕と後で震えるのだが「だが嬉しい誤算だな、経験値も稼げるし、獣石もデカいから楽しみだよ」そして行きつ戻りつしながらカメ戦とボス戦を繰り返したのだった。


二十階へと話しは戻る・・・


リズは足だけを温泉へと浸けながら「ウチの人がアンタ達二人を許すてさ」それを聞いて双子は、涙を堪えきれずに流すと小さな声で「有り難うございます。地上に戻った暁には、改めてお詫びを伝えます」「ああ、そうしておやりなよ、ウチの人なら面と向かって可愛らしい子達に詫びを入れられれば、もう何も言えないさね」


或る意味、ホッとしている双子をリズは見やりながら「それにしてもタイミングが良いさね」「何がでしょうか?」「いやさ、此処で落ち合えた事が腑に落ちないのさね?」「その事ならアタシ達は二三日、此処で待機する予定で来ていますよ?真逆到着したその日に合流出来るとは思いませんでした。反対に驚いている程です」「そうなのかい、まあ、良いさね」


確か拓斗さんは、転移陣に入る前に【フレアの事は母さん達も知っているんだが、真逆階層を跨いで探知の方が可能と迄は考えていないだろう、細かい能力迄は知ら無いからな、まあ念話の方は実際階層を跨いだし、母さん達なら別に良いんだが、一応その辺りを言及されそうなら上手く言って誤魔化してよ】その様に聞かされていなかったら、素直に話していたかも?と二人は思った。


その後の二人は、あの後色々拓斗達と話し合った事をリズに伝え、今は打ち解けて楽しくC級を攻略した話しを再び面白可笑しく、今度は事細やかにリズ達に伝えて行く・・・実際彼女達も拓斗達の行動には、驚きの連続だったらしいのだ。


リズやラブラも話しを聞いて(元々それ程親しい間柄では無かったが、この子らも変わった?)印象で思う様に成り、互いに冗談の一つも言える様に成った頃・・・


大人の話だと遠慮をしていたが、些かディアナは突発的に「アンタ達は兄様と一体どう言う関係」「兄様って?」リズが横に居るディアナの頭を撫でながら「ああ、紹介が遅れたね、この子はウチの娘でディアナ、一応拓斗の妹さね」成る程と頷きながら様子を伺う(確かミウちゃんがブラコンの妹)などと言っていた事を二人は思い出し、互いに頷くと止せば良いのに悪戯心が働く・・・


カムセラはアッサリと「アタシ達は拓斗さんの奴隷かな?」「姉様、下僕だよ♪」アムセラも笑いながら悪びれずに話すと「奴隷?下僕?楽しそうに話して一体何の事なの?」「恋の奴隷?」「愛の下僕?」「恋に愛?」


話しを聞いた途端に跳び掛かるディアナをラブラが寸前で止めると「こんな小さい子を揶揄うなんて感心しないさね」諸手を挙げて「済みませんラブラさん」二人は同じ台詞を告げるとカムセラが「ご免ねディアナちゃん、恋だの愛だのは嘘、でも奴隷は本当だよ」「下僕もね」如何言う事?とリズへ顔をディアナが向ける・・・


しかし、突発的に動いた為、温泉に逆上のぼせた様子でディアナは崩れ落ちる・・・


それを見て「やだよこの子は・・・ご免なさいね、タクト絡みじゃ無ければ、大人しい良い子なんだけれど、絡むと直情的に成るのさね」抱き上げて冷たい岩床へと寝かすと「取り敢えず上がってから続を話すかね」「そうですね姐さん、アタシは洗ってからテントへ向かいます」「それじゃアタシ達も後で向かいますが、ホント揶揄って済みませんでした」「まあ良いって事さね」


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四月半ば、或る日のジャッカ領で廊下を歩くカステロは、一人の商人を連れていた「三國屋・・・催促か?」「そうですわ、ご明察でんなカステロ様」「此は又嫌な時に来る物だな」「まあ此が飯の種ですさかい、堪忍しておくれやす」


しかし、考えように依っては後押しにも成るか・・・カステロは内心を隠した。


扉の前に立ち「三國屋からの使者ですカルロス閣下」「三國屋か・・・入れ!当然頼んだ金子を持って来たのだろうな?」「失礼致します閣下、この者が三國屋の代理で何と言ったかな?」「わてはサイゾウと言います。以後宜しゅうに頼みます」「それで?」やや苛ついた様を見せながらカルロスは、サイゾウを観察する・・・


やや線の細そうな身体と顔付きで、目付きも細く多少笑って居る様な面差しを向けながら「閣下、前々から期限を据え置かれた借財の返済は、手前の主より申し付けられ秋迄、と言う事を通告しに来ましたんですわ」年齢すら判然としない物腰だ。


苦虫を数匹噛み潰した様子のカルロスは「又急な事だな三國屋」「イエイエ、もう二年も据え置いて、既に去年の分まで滞っておりますねん、この秋に三年分と迄は申しませんが、利息と一年分は精算して貰わんと、この前の申し出を断らなアカン事態に成りますねん」


不満そうなカルロスは、やや威圧的に「春の分は貸して貰えないのか?」「ハイ、そう成りまんな」「それは困る、困るのだ。今年の作付けが滞るのだ。何とか成らぬか?」「と申されてもでんな、秋の返済約束と何か担保が無ければ無理ですわ」


此処でカステロが「閣下、例の件が御座いますれば、秋時分には何とか出来ますでしょう」「愈々本腰を入れなければ成らぬのか・・・ならば秋の分は利子を付けて一年分だけ返すとしよう、そして担保は無理だが三國屋だけは、交易の減税を実施する」「成る程分かりましたわ、帰って主に伝えますよって、次に来た時にでも又お話させて貰いますわ」ジャラ!態と音を鳴らすのだが・・・


アッサリと踵を返すサイゾウを慌てて「待て待て!仕方無い、ならば銅鉱山を質に入れようぞ」「それはもう既に担保物権でっせ」「そうだったか?儂が思い違いをしておった。ならば銀山じゃ!此なら文句もあるまい?」「枯渇寸前でっしゃろ?それもあきまへんな」ニヤリとサイゾウが笑う・・・


カルロスは苦しげに「ムムム・・・ならば仕方が無い、迷宮の運営権、此ならどうだ!」半分火を噴く勢いで告げる・・・


サイゾウはニッコリと笑って「毎度おおきに利息は何時いつもの通りで宜しおまっしゃろか?」「ああ、それも呑む、だから今それを置いて行け!」「それでは・・・」サイゾウは大判金貨を数えながら百枚、目の前で揃えると魔法契約書を差し出して署名をさせる・・・


ニッコリと満面の笑みをたたえ「次も宜しゅうに」サイゾウは頭を深々と下げて、部屋から退出すると『ガシャーン!!!』何かが割れる物音がした。


五月上旬、ステラ村・・・


書簡を携えてロランが「閣下」「閣下はねえだろロラン?」「仕方ねえなアビス、ジャッカ領からだ」手渡されて封を解き、読むとアビスは苦虫を噛みつぶした様な顔をして黙している・・・


その様子を伺いロランは「アビス、何を言って来たんだ?」「ロラン、おめえも此読んでみな」預かって二度も読み返すと「言い掛かりも良い所だぜ」「そうだな、拉致した領民を返せだと?全く何をとち狂った物言いをしてやがるんだ」「だな、迷惑を被っているのは此方だぜ」「全くだ・・・」


暫く双方が無言で考えた後「流民も徐々に増えるなら簡単だが、急激に増えるのは勘弁だ。此方が干上がっちまうからな」「儂も同感だが、回答期限は今月末だぜ。如何する?」「どうもこうにも・・・」室内を歩きながらアビスは北を向く・・・


そして窓際から遠くの北門を眺めると、更に向こうから現在進行形で流民が近付くのをアビスは視認して「取り込めば今は苦しくても何れは元が取れるが、帰すだけなら戻すにも金が掛かる・・・」「まあ、当然だな、戻しても損をするだけで何も残らねえからな、それに拉致とは言いようだぜ」ロランは鼻で笑う・・・


溜息を吐きながらアビスは「難癖以外の何ものでも無いぜ。王家と糞っ垂れな伯爵様にも、一応早い段階で相談したんだがな、何方も埒が開かねえ・・・」「伯爵は兎も角、王家もか?」「屹度官僚の段階で止まって居るのだろうぜ」「成る程な」此処で二人の会話が暫し途切れる・・・


暫くしてロランは少し笑いながら「今度は昔の地図を持ち出すよりは頭を使った?のかもな」「全くバカな話しだぜ。取り敢えずロボスが戻って来たら返事を考えて貰うさ」「ああ、彼奴なら効果的に怒らせてくれるだろうな」ニヤリと笑う・・・


後世に残る慇懃無礼なロボスの弾劾状は、この事を切っ掛けに綴られた物である。


抜き差しならぬジャッカ領からの侵攻が、避けられない状態に成った事を痛感するアビスとロランだった・・・

拙作ですが楽しんで頂ければ幸いです。次回の更新予定は7月11日です。


細かな部分の言い回しやその他で気が付いた間違い等を随時訂正しています。


拓斗 男 人族 魂転移者 本名 板垣拓斗


【通常:精霊魔法LV4・精霊視LV2・妖精視LV2・魔力操作LV4・魔法創造LV4・エナジードレインLV2・魔力自動回復LV3・物理障壁LV3・障壁コントロールLV3・念話LV4・火系操作LV4(UP)・土系操作LV3・鑑定LV2・身体強化LV2・生活魔法LV2(UP)・地形操作LV2・風系操作LV2】

【エクストラスキル:契約魔法LV4(UP)従魔〔スライムのスラ他〕従精霊〔ジュート〕奴隷〔セラフィナ〕仮奴隷〔ポコ〕対等契約〔フレイアー〕】

【精霊契約:火の精霊サラマンダー・土の精霊ゲブ・水の精霊アプスー・大気の精霊シュー】


装備品:形見の胸当とマント・風林火山のブーツ・ワンド・ナイフ・フレアの守り(頭部装備)・魔力制御の指輪・絆の腕輪(パーティー編制用の道具、装飾品)・フレアの木刀


ミウ 女 兎人 OWOプレイヤー扱い


【通常:身体強化LV4・体術LV4・剣術LV4・探索LV3・気配察知LV3・解錠LV1・俊敏LV4・回復LV2〔ヒーリング〕・魔力操作LV1・魔法創造LV1・水系操作LV2・隠密行動LV1・気配遮断LV1・忍び足LV1・生活魔法LV1・瞬歩LV1】


装備品:白の燕尾服バニー仕様、ピンクの兎着ぐるみ、くノ一スタイル服、ヒットマンニット(生地自体は光を吸収するが、明るい状態で魔力を使えば、真反対の光学迷彩機能付き)革製の防御装備一式 魔綱製のロング・ソード、くノ一スタイル時の忍者刀(名は黒鐘くろがね)・フレアの棍棒

装飾品:魔力制御のイヤリング・イメージ・チェンジ・リング(五着分の変身を可能にする)


スラ 不明 拓斗の従魔スライム 元OWOプレイヤー 本名 早瀬美優


【種族固有:胃袋LV4・強酸消化LV3・物理耐性LV4(UP)・聞き耳LV2・分裂LV4・魔力吸収LV3・生物吸収LV3・エナジードレインLV3・変化LV3】

【通常:毒耐性LV3(UP)・腐敗耐性LV3(UP)・強酸耐性LV3(UP)・並列思考LV4・念話LV3・気配遮断LV1・隠密行動LV1・気配察知LV2・魔法耐性LV2・解体LV3・分析LV3・魔力操作LV1・魔法創造LV1・水系操作LV3・衝撃耐性LV1(NEW)】

【強奪した能力:強制支配LV1同族限定】

【ガイダンスAI協力体制、命名アイ子】


セラフィナ 女 吸血姫 拓斗の奴隷 OWOプレイヤー 本名 山口桃子


【種族固有:吸血LV4・エナジードレインLV3・召喚LV2(蝙蝠の鞍馬)・血液操作LV2】

【通常:身体強化LV3・ドレイン耐性LV2・痛覚耐性LV3・変化LV1・気配遮断LV1・魔力操作LV1・魔法創造LV1・水系操作LV1・生活魔法LV1】

【吸血後:身体強化LV4・エナジードレインLV3・各種耐性の強化】

【エクストラスキル:痛覚の快楽変換LV3・恥辱のパワー変換LV4】

【強奪した能力:頑強LV1】


【現在縛りプレイ中:放置プレイ、羞恥プレイ、女王様プレイ】


標準装備品:伝説の網状恥辱レオタード・奴隷仕様改(能力未公開)女王様のブーツ(能力未公開)黒の燕尾ベスト(能力未公開)パピヨンマスク(赤外線、熱感知、相手に見せる幻視)魅惑の網タイツ他、セラ専属恥辱品装備多数・雷龍の千条鞭(雷撃・ドレイン)・ジュート(貸与中)緊縛のチョーカー格上げ・フレアのナックルカバー


特殊装備品:インビジブルマント(透明裸窃とうめいらせつのマント)・奴隷仕様改(UVカット、セラ専用装備品の強制収納、透明化)日中限定


備品:棺桶〔アルフォンス・シルベスター・ヒッキンゲン男爵、通称バロン〕


ポコ 女 狸人 拓斗の奴隷


【種族固有:舞踊LV1・鼓舞LV1・変化LV1・土系操作LV1】

【通常:身体強化LV2・体術LV2・魔力操作LV1・魔法創造LV1・水系操作LV2(UP)・生活魔法LV1・弓術LV2(UP)・小太刀LV2(UP)・風系操作LV2(UP)】


装備品:絆のチョーカー(物理障壁あり)・弓張月ゆみはりづき・フレアの小刀


ガッチャ 男 鼠人 OWOプレイヤー 本名 佐藤浩一


【種族固有:俊敏LV3(UP)・気配遮断LV2・強嗅覚LV2(UP)】

【通常:腐敗耐性LV1・隠密行動LV1・身体強化LV2(UP)・体術LV2(UP)・魔力操作LV1・魔法創造LV1・火系操作LV1・生活魔法LV1・交渉LV1・剣術LV3(UP)】

【強奪した:現在無し】

【現在縛りプレイ中:笑福の呪いプレイ(一日一度他人を笑わせる事、但し滑るとHPにダメージ)デンジャラスショッピング(買い物で負ける事は許されない)】

装備品:フレアの木刀大小・革鎧一式

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銀の狼、通称は銀狼ぎんろう・・・メンバー紹介


白銀のフェル:30歳リーダー、長剣使い 魔法剣術使い アビスの弟子

堅狼のロボス:27歳フェルの弟 杖使い 後衛回復役

ラブラ:28歳 シェパの姉 長斧使い 前衛、護衛兼突撃役

シェパ:26歳 ラブラの弟 槍使い 前衛、護衛兼突撃役

ギンガ:29歳 蛮刀使い 探査、切り込み役 

コチャ:24歳 ギンガの妹 弓使い 探査役

カメリヤ:21歳 双剣使い フェルの恋人 便利屋 OWOプレイヤー

本名スージー・アナスタシア・ロチェンコフ

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