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ツイン・タクト (外部世界の不思議な物語)  作者: スラ君
第二章 ステラ村の攻防
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049話 ステラ村・・・C級へ挑戦

玉虫色の決着を好意的に認めて、気持ちも新たにC級へ挑む拓斗達だったのだが、其処で遭遇した光景は驚異的だった。

初めてのC級一階、地上から数えて二十二階なのだが、カメリヤを除く全員が驚く「此は・・・ヤバイ通路ですね、カメリヤさん」「そうなのよ、アタシも初めての時には随分と驚いたわよ」見ると断崖絶壁が左右に迫って、言って見れば高い山の峻険しゅんけんな尾根状態なのだ・・・


そして迷路状に分岐していて複雑、幅も二三メートルから数十センチほど迄、歩く事が困難な場所までが存在している・・・


前方の空を眺めながら、拓斗は呟く様に「それに飛行形態の獣魔達ですか・・・」


プテラノドンの様な恐竜タイプと、鋭い爪が付いて居る猛禽類が獲物を狙う・・・


更に見渡して「特殊個体やグリフィン迄いるな・・・」「真逆まさか何スがね、メニュー画面で見た事があるスよ、グリフィンと言うとライオンの身体に猛禽類の顔で嘴と翼がある伝説の生き物何スよ?そんな物がゴロゴロ居た日にゃ、命が幾つあっても足りないスね、因みにフランス語が語源の呼び方ならグリフォン何スよ」


「真逆と言うけれど、この世界の事を考えると、見た通り定番だな」〔勿論定番だわね〕此処では居て当たり前じゃの「ホンマやな・・・こんな細い道で襲われたら危ないやんか」「アタシも最初はそう思ったわ、でもね、案外レベルが低くて全て一撃だったわよ」


「それは高レベルのカメリヤさんやフェルさん達の話だよ、僕らでは油断をすれば危ないんじゃないかな・・・」「それじゃ、戻る?」「その選択肢もありかも知れないが、此処でビビっていたら先へと進め無い」「そうよね、確かにタクトの言う通りだわ、行きましょう」「そうスよね、自分も頑張るスよ」「しゃー無いわな、大将の言う通りやで、ワイも頑張るわ、気張って行きましょか皆さん」


指向性の念話が入り〔ねえねえご主人様〕〔何だスラ?〕〔アレを手に入れて皆で空を飛びたくは無いのかな?〕〔飛ぶ・・・そんな事出来るのか?〕〔身体の構造を解析すれば、スライム細胞をその様に変化させて、三体のグリフィンに二人ずつ跨がれば、世界中何処でもひとっ飛びだわさ!移動問題が一気に解決よ♪〕それに風系の魔法スキルも手に入るかも?此はウシッシだわさ・・・


〔相変わらずブレないな〕〔でもこの話は随分魅力的じゃ無いのかな?ご主人様〕〔確かに実現すれば凄いが、此処のはレベルが低いのだろ?〕


少し考えた様子で間が開いたが〔そりゃ此を軍団にするには、大変なんだけれど、解析して変化程度なら大丈夫、屹度実現可能だわさ、運搬能力の方もアタシとミウねえ、それとゲボを入れると6人だわさ〕〔成る程な、試す価値はあるな〕


〔ゴリラも既に数十体、未だ加工前のがあるからね、もっと増えるわよ、フフフ、此処で飛行形態の獣魔を手に入れて、制空権を物にすれば、世界征服も夢じゃ無いわさ〕〔おぬしも悪じゃのぉ〕〔お代官様ほど、元い、ご主人様ほどでは無いわさ〕


〔妾も昔、大空を制して魔族世界を席捲せっけんした物じゃ〕〔ジュート、お主もか?〕


〔勿論じゃ、制空権の無い陸上戦力や海上戦力は脆い、非力じゃからの、無論魔法なら一撃で落とす事も出来るんじゃ、過信は禁物じゃがな〕〔成る程、在って損は無いか・・・適材適所と言う奴だな〕


話しを聞いて思わず「ヨシ皆、刈り尽くそう」「え?大将話し変わっとるやんか」「何無謀な事を言いだしたのよ」「まあ、良いから獣魔を沢山倒して全員がレベルアップ!此なら良いだろ?」全員からの痛い視線に曝されて拓斗は誤魔化した。


当初懸念したレベル不足で苦戦・・・などと言う話しも無く、武器の性能が良いのか?既に此処での適正レベルを超えていたものかは不明だが、拓斗が障壁を足場の狭い場所では、戦闘中にウッカリ落ちない程度の高さで、手すりの如く見える様に張って、メンバー全員の安全性を向上、思いっ切り戦える土壌を作り上げると元々足場を気にしていなかったミウは「全く大した事無いわね」と近付く獣魔を次々に叩き落として呟く・・・


セラは雷龍の千条鞭で雷撃「ホントスよね、可成り楽勝スよ」笑いながら麻痺状態にすると、スラ達が触手を伸ばして取り込む・・・「頑張るデス」ポコの弓張月ゆみはりづきが唸る度に〔頂きだわさ!〕などと言いながらスラが回収すると、双子も呆れながら近付く個体を切り捨てる・・・カメリヤもガッチャも同様だった。


効果を発揮したのは風系の魔法で、大気の精霊シューの力を拓斗は借りて、上手く体勢を崩すと、危なげ無く戦闘の方は推移して、迷路はカメリヤが先導する事で、アッサリと此の階は抜ける事が出来た。


驚いたのはスラの新兵器?最後の方は恐れを抱いたものか、近付く個体が減少して遠巻き状態だった獣魔達をバズーカ砲の様な形態に身体の一部を変化させて分体を打ち出せば、遠くの獣魔を絡め取り、回収して地を這いながら帰って来るのだ。


落下の衝撃をどの様にして緩和?軽減しているのかは不明なのだが、元気に帰って来る分体を吸収しながら〔ヒャッハー頂き!此も頂だわさ〕更にミウねえとゲボもレベルアップしたお陰で、分裂が可能に成っていた。後で聞いたら衝撃耐性LV1を取得し、物理耐性がレベルアップした模様だ。


同様の形態変化を果たして、バカスカ打ち出すと(スラがブレないから、お姉さん疲れるわよ)〔お姉様方に負けては居られません〕此処に居る獣魔達に取っては、正に悪魔の所業・・・ジュートに至っては〔妾を上回る容赦の無さじゃの・・・〕などと発言して呆れていた。


因みにジュートには、落下した場合の保険で、レスキューを頼んだ為、全員に巻き付き彼女は拓斗には内緒で、少しずつドレインしていた。〔フフフ、役得じゃな〕


元々胃袋の機能は共用なので、ミウねえやゲボと同様に分体でも使用は十分可能、回収した獣魔も十分な量が確保出来たらしく、ホクホク念話が入る〔解析は早目にするからね、でも軍団化するにはもっと欲しい所だわさ〕〔そうなのか・・・なら定期的に狩ろう〕〔宜しくね♪ご主人様♡〕溜息を吐きたい衝動に駆られる・・・


最近は夜中の狩りを自粛している為、暇な時間はアイ子と武器や分体の変化などの開発に勤しんでいる・・・「マッドサイエンティストが二人も居るのかよ」話しを聞いてゲンナリしたものだ。


ゴリラが増えたので、ゴブリンなどは廃棄したらしいが、ロックウルフの核石は、出来た模様で基本ベースが出来上がると、形態の方は自由に成るらしい・・・結合方法がスライムと似通っているのが良いらしく、生体ゴーレムの様な物まで出来る筈と申告があった。


ゴーレムと言えば、魔力などで結合させた土や泥、或いはそれらを精錬した金属を使うと拓斗は考えていたが、生物の組織を使うならフランケンシュタインなのか?神は自身の姿に似せて作ったアダムも又、ゴーレムなのではないか?などとも言われている・・・極端な人型は、思い留まった方が良いかもな?スラと相談しよう。


所がスラ、イヤ、早瀬さんは〔二足歩行をする夢の機動兵器も出来るわさ〕などと言いながら喜んで居る・・・〔フハハハ!一年戦争の白い悪魔でしょ、それとトリプルの黒い奴、当然赤い彗星は外せ無いわよね、ウフ♪更に炎の匂いがするアレも良いわね、伝説の巨大ロボットも捨てがたい、それに合体・・・ウフフ♡ロマンが溢れるわさ!どれにしようかな?〕此は聞かなかった事にしようと拓斗は思った。


〔最終的な目標は、ウフ♪陸上移動用に地竜と高速移動用にラプトル、空も飛竜が理想だわさ〕〔それヒョッとして俺達が倒すんだよな?〕〔ま、そう・成るわね、多分だ・けれどもね〕〔どれだけ強く成れば、良いんだよ・・・〕〔ま、先は長いわさ、頼りにしているわよ、ご主人様♪〕


どうにも最近、スラの収集意欲に触発されているな・・・ゴリラで始まり、猿達、オーガ、サイクロプス、狼に食肉用でオーク、そして今回のグリフィンなどの飛行型生物などなどだ。


人は、イヤ、生物はただ生きて行くだけで、他の生き物達の命を奪って行く・・・その上更にこの様な殺生をして行けば、自らの魂すら穢す。


故意に他者の魂を穢す行為に比べれば未だまし?とも言えるのだが、イヤ、それも屹度違う・・・誤魔化しは止そう、どっちもどっちだ。


この様な所業を続けていれば、何時かろくでもない終わり方をする様な、そんな悪い方の予感しかしない思いに、ついつい拓斗は駆られて仕舞う・・・


だが、この世界で生き残る為には、仕方無い事、と割り切るのか?はたまたそれをする位ならばと、自ら殺されるのを只待つのか?信念なんて持てない弱い考えで、毎日自問自答を俺はしているな・・・


この前殺された事で強くは成りたいのだが、余り殺生はしたく無い思いがあるのも此また事実だ。しかし、経験値が入るからと他人任せにもしたく無い、何も為ずに座していれば、それは自殺同然だな・・・


昔誰かに教えられた一番最悪な殺人は『自殺』だと言われた事が有る・・・自分を殺す事は何時でも出来るし、その衝動に振り回される人生も御免被りたいが、魂を穢す行為の最たる物が自殺なんだろう・・・


勿論、他人の命や魂を誹謗や中傷などで、玩ぶ好意も自身の魂を穢す。例え話しの指差しと同じだな、知らず知らず無知故に犯す過ちも罪だ。


だから人は知識を蓄え、倫理観を自ら育む・・・無知故の罪に恐怖するからだ。


だが何故か敢えて此の罪を犯す人の何と多い事何だろうか?況してや状況をチャンと把握している者が、態と自らの行為に歯止めも為ずに突っ走る、敢えて此の罪を犯す事は、魂を穢す行為以上の罪なんだろうと思う・・・


獣魔と言っても魂はあるだろう・・・況してやOWOプレイヤー達は人間だ。


可能な限りは避けたいのだが、既に狩る気が満々の相手なら避ける事も「難しそうなんだよな・・・」最後には、思わず声にだして呟きながら拓斗は、戦闘中に取り留めも無く考えて仕舞っていた。


いかんな・・・戦闘中にこんな事では駄目だな、思考を戻して集中だ・・・


カメリヤが曰く「アタシ達は前回残念ながら二十八階で引き返したのよ」「そうなんですか?それでは未だC級の方は、制覇をしていないんですね」「そうなのよ、だから案内が出来るのも、其処迄だわよ」「了解致しましたよ」「次はね・・・」それから次階以降の情報を仕入れて、改めて攻略を開始した。


C級以上では、所々でボスが出現する・・・部屋がある場合は、攻略後に転移陣が出現する模様で、其処を区切りに行き来しながら攻略を進めて行く事に成るらしい「出口へ繋がって居るのですか?」「違うわよ、その手の転移はD級神殿裏のC級転移陣か余所ならば、ボス部屋裏のC級転移陣入口と繋がって居るけれど、専用の転移石か道具の類いが要るのよ、だけどC級転移陣へ一旦戻れば、出口に繋がって居るから帰るのも自由」


「その転移石はどの様な物何ですか?」「ボスの魔石か?獣石に成るわよ、階層の大ボスならば、石以外にもドロップする道具などの場合があるのよ、それが正式なC級転移陣への転移道具や転移石と言う訳なの」「成る程、理解しましたよ、カメリヤさん」「此処は三階毎だったわ、二十四階、二十七階の二箇所よ、二十八階は少し見ただけで引き返したわ」


「何があったんですか?」「其処からは、寒冷地対策が必要だったのよ」「それは大変ですね、俺達はどう何だろう?」「準備はしておいた方が良いからね、今回は頑張っても二十七階迄で帰る方が無難だわね」「了解しました」


二十三階から四階では、森と草原地帯が広がる広大なエリアだった「此処はジュラ紀なのか?」「恐竜が闊歩しているスね」「首長竜や三角龍トリケラトプス、小型も数種類は居る模様で、ラプトルも居るが地上の物より随分凶暴そうだ」「勿論凶暴よ、レベルも徐々に上がって鰐の大型種も居るから水辺も危ないわ」カメリヤの説明が続く。


所々川の流れから外れた三日月状の池や沼なども沢山ある・・・あの辺りは、森と言うよりは「鬱蒼として此はもう、ジャングルだな」「この辺りは未だ全部調べて居ないからね、お宝も眠っている可能性があるわよ」此を聞いてミウは「アタシの出番だわね」


ミウが遣る気に満ちた声で宣言するとガッチャは「ワイも此処は頑張って探さんとアカンな、特に防具や!小手の一つもあったら、無事やった可能性が高いんやったからな、キバって探しますわ」「そうだわよね、アンタ紙装甲だものね、良いのがあれば上げるわよ」


「まあ、身軽なのが売りやさかい、阻害されん程度の物が欲しいんですわ」「自分も見付ければ、進呈するスよ、ガッチャさん」「有り難うなミウはん、セラはんもおおきに」「未だ上げて居ないわよ」「そうスよ、進呈した後でお礼は聞くスよ」


拓斗は防具の少ないポコへと目を転じて「ポコの物もあれば良いんだがな・・・」「ポコは何時も後ろデスから、ガッチャ様を優先で良いデス」「ポコも軽装が良いかもな?」「そうだわね、弓なら余り動きを阻害しない物が良いかもだわ」ミウも同意すると「そうね、C級なら良い物が出る可能性は大きいわよ」


カメリヤが再び嬉しい事を言うと拓斗は「なら先ずはバッグ系の物があれば、欲しいんですけれどね、どう何ですか、カメリヤさん?」「運次第だけれども、あれば便利だからね、ジックリ探しましょう」


〔アタシ達は素材集めだわさ〕(また集めるの?お姉さん呆れたわ)〔此も遠大な計画の一環ですよ、ミウお姉様〕(そんな事お姉さんも理解して居るわよ)「俺はそれにも期待しているよ、頑張ってくれ」(分かっているわよ、ご主人様の為ならお姉さん頑張っちゃうわよ)〔そうですね、ゲボも頑張ります〕〔と言う事で皆、出発よ!ヒャッハー!!!〕


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その頃ステラ村の領主館では・・・益々増える流民達からジャッカ領の様子を聞き取り、流民達を保護して、西の開拓村へと送り出していた。


今年秋まで持つ最低限の食料と支度金、そして農機具や大工道具を貸与して、その上更に二年据え置きの分割で、緩い支払い契約を結ぶと「有り難うございますだ。助かりますだ。此処は正に天国ですだよ」などと口々に言い合い、流民達は喜んで借金を背負い、開拓の仕事を請け負って西へと向かう・・・


その姿を見ながら「魔法の契約だから此で結果を出せない者は、更に生活が苦しく成るよな」「借金を返すために小作人に成る者も出ますからね」ロボスはアビスの呟きに答えると「開拓した分だけは占有出来ますが、広さ分の地代と収穫の三割は納めるのですからその上の借金返済は、決して楽な条件でも無いですよ、それでも喜んでいますね・・・」


アビスはフェルの指摘に「全くだな・・・五年程前から増えているが、半分の流民が更に借金を増やして、今では小作に甘んじているぜ」「余り大地主が増えるのは問題も多く成るんじゃ無いのですか?」「ロボスの言う通りだぜ。先には考えねえとな」


人の悪そうな顔をして「一定以上の土地を占有している地主から相続税をガッポリ取りましょう」「成る程な、その手もあるが、小作は商売と見做して売上税にしても良いよな」「親父さん、今は隣が五割の税と地代を取っていますから、此方では不満も出ませんが、余りキツく締め上げると問題ですよ?」フェルは心配そうだ。


「確かに地主を締め上げると、小作に負担が行くか・・・」「そうですよ、折角の支援が無駄に成ります」「それにしても、よく支援の方が続きますね?」ロボスが問い掛ける・・・


「ああ、それは南南西の火山地帯で、昔の廃鉱跡が見つかってな、掘るには採算が合わねえんだが、ムウの土魔法で集めれば何とか支援金が出せているんだ。本当に助かっているぜ」「成る程ですね、ムウ姉さんにも頭が上がらないですよ」


少しアビスも笑いながら「先程の話しに戻るんだが、或る程度の有力者は協力して貰える間、使い道の方もあるんだがな、力を付け過ぎると、隣の商人と同じで碌な事を考えねえ、抑えるところはチャンと抑えねえとな・・・」アビスが考え込むとロボスも同様に「隣の商人ですか・・・その商人の動きは如何なのですか?」


難しい顔をして「本気見てえだな、例のカスターと連れウチの傭兵が出て来るぜ」「カスターですか・・・強いとの噂ですが人品骨柄じんぴんこつがらの評判は悪い人物ですね」


ロボスが論評すると「フェルなら勝てるよ」「そりゃ当然兄貴なら問題無いと思いますが、卑怯な手を使うと言う噂の方も多いですからね、安心は出来ませんよ?」「それが分かっていて嵌まる事もねえだろ?」話しを振られたフェルは嬉しそうに「そうですね親父さん、任せて下さい」「ああ、頼んだぜフェル」


ロボスが更に論評する様に「それにしても、かき集め過ぎですよ、自領を空にして捨てる積もり何でしょうかね?」「仮に一揆が発生して捨てても、もう既に惜しくない程、隣は不味い土地に成っているんだろうぜ」「成る程ですね、ステラを手に入れて、自領は後から対処する腹何でしょうね」「まあ、そんなところだろうぜ」


その分析にフェルは残念そうな顔をして「そんな領主の民は堪った物じゃ無いですね」「政を放棄しているな・・・二三年前なら遣り様もあったがな、此方が豊かに成る噂を聞けば、流民も更に増えて、向こうは益々苦しく成るぜ」ロボスも同意と許りに「そうですね、その流民が止まれば、侵攻間近と言う事ですね」


「そうなるな、道が塞がれれば来ねえから流民も止まるが、その前に動きの方は束みたいぜ」「それは手配済みですが、何処で迎え撃ちますか?」「ウチに入る迄は手出し無用だ。どうせ領民の居ない地域だからな、深く入り込ませて一気に叩く」「一気にですか・・・確かに手間取ると割り込んでくるお人が居ますからね」


ロボスの答えに我が意を得たりと頷くが、アビスは遣る瀬なさそうに「それが狙い何だろうぜ。全く嫌に成る・・・」「逆恨みされていますからね」「人様の女房を抱かせろなんて言う話しを真面に聞けるか!気持ち的には既に手切れ状態だぜ」


思わずアビスが声を荒げると、宥める様にフェルは「親父さんの気持ちは、当然皆知っていますよ、欲深の上に女癖の方も悪いウルサルから、もし無理難題を言って来る様なら、姉さんの為にも戦いましょう」


「有り難うよフェル、しかし、今回もプティマ絡みとはな・・・全く何の為に毎年上納金、イヤ、餌を与えているのか分からねえぜ」「遣り切れませんね」フェルも切なそうな様子だ。


ロボスが様子を伺い「侵攻ルートの方は街道一択で、既にハッキリとしていますからね、監視するのは簡単で問題無いですし、領主自らが出て来れば、一押しで一揆の方も始まる手筈を整えましょう」「余り他領と言えども民間人に頼りたくねえ、だが勝手に始まるなら自業自得だ。だから手を出すなロボス」


「分かりました。ですが可成りの確率で発生しますね、チャンと指導してやれば、領民達の被害も抑えられるかも知れませんよ?」「成る程な、それもあるか・・・だがヤハリ手を出すな、旨味はもうねえがウチへの足掛かりとして、ジャッカ領をプティマが狙って居る可能性もあるんだ。俺は変に突っ込まれたくはねえな」


少しアビスの戦略眼に驚いてロボスが感心しながら「ウチへの足掛かりですか?」「旨味のねえ土地だからな、狙いが無ければ放置だろうが、彼処を占領するなら、先ず間違い無く此方狙いだろうぜ。そうなれば領民の被害は増えるし、手を貸した場合、俺達迄も関わりが深くなる」


「成る程ですが、可哀相でもありますね」「フェル、おめえは優しいな、だが此方にも余裕がある訳でもねえからよ、気にしているおめえの気持ちも理解は出来るが済まんな」「いえ親父さん、気を遣わないで下さいよ」「ああ、分かっているぜ」


「何方にしても情報集めは始めていますが、詳細に行いたいと思います」「それと此方もソロソロ人数の方を集めなければな、それも含めてだが頼りにしているんだロボス」「お任せを・・・」


「迎えるなら峠を下りた街道の辺りで広い場所だな・・・俯瞰ふかんされて不利な面も出るが、相手も負けた場合撤退に難儀するから嫌な場所だろうぜ」「麓に広い河原がある場所が有りますので、其処へ陣を張れる様に調査を済まします」


少し付近の地形を思い浮かべながら「彼処か・・・本当のところは、山間の壊れた関所辺りが良いんだがよ、境界が曖昧でな、越境した事実が欲しいんだ。済まねえがそれを織り込んだ上で、成るべく被害を此方には出さねえ様に頼むぜ」


領主アビスからの難しい注文だが、ロボスの方はアッサリ「分かりました」と軽く返事をした。想定では後ひと月後に戦いは始まる・・・

拙作ですが楽しんで頂ければ幸いです。次回の更新予定は7月1日です。


拓斗 男 人族 魂転移者 本名 板垣拓斗


【通常:精霊魔法LV4(UP)・精霊視LV2・妖精視LV2・魔力操作LV4(UP)・魔法創造LV4(UP)・エナジードレインLV2・魔力自動回復LV3(UP)・物理障壁LV3(UP)・障壁コントロールLV3(UP)・念話LV4(UP)・火系操作LV3(UP)・土系操作LV3(UP)・鑑定LV2(UP)・身体強化LV2(UP)・生活魔法LV1・地形操作LV2(UP)・風系操作LV2(UP)】

【エクストラスキル:契約魔法LV3(UP)従魔〔スライムのスラ他〕従精霊〔ジュート〕奴隷〔セラフィナ〕仮奴隷〔ポコ〕対等契約〔フレイアー〕】

【精霊契約:火の精霊サラマンダー・土の精霊ゲブ・水の精霊アプスー・大気の精霊シュー】


装備品:形見の胸当とマント・風林火山のブーツ・ワンド・ナイフ・フレアの守り(頭部装備)・魔力制御の指輪・絆の腕輪(パーティー編制用の道具、装飾品)・フレアの木刀


ミウ 女 兎人 OWOプレイヤー扱い


【通常:身体強化LV4(UP)・体術LV4・剣術LV4(UP)・探索LV3(UP)・気配察知LV3・解錠LV1・俊敏LV4(UP)・回復LV2〔ヒーリング〕・魔力操作LV1・魔法創造LV1・水系操作LV2(UP)・隠密行動LV1・気配遮断LV1・忍び足LV1・生活魔法LV1・瞬歩LV1(NEW)】


装備品:白の燕尾服バニー仕様、ピンクの兎着ぐるみ、くノ一スタイル服、ヒットマンニット(光吸収と光学迷彩付き)革製の防御装備一式 魔綱製のロング・ソード、くノ一スタイル時の忍者刀(名は黒鐘くろがね)・フレアの棍棒

装飾品:魔力制御のイヤリング・イメージ・チェンジ・リング(五着分の変身を可能にする)


スラ 不明 拓斗の従魔スライム 元OWOプレイヤー 本名 早瀬美優


【種族固有:胃袋LV4・強酸消化LV3・物理耐性LV4(UP)・聞き耳LV2・分裂LV4(UP)・魔力吸収LV3・生物吸収LV3・エナジードレインLV3・変化LV3】

【通常:毒耐性LV2・腐敗耐性LV2・強酸耐性LV2・並列思考LV4(UP)・念話LV3・気配遮断LV1・隠密行動LV1・気配察知LV2・魔法耐性LV2・解体LV3・分析LV3・魔力操作LV1・魔法創造LV1・水系操作LV3(UP)・衝撃耐性LV1(NEW)】

【強奪した能力:強制支配LV1同族限定】

【ガイダンスAI協力体制、命名アイ子】


セラフィナ 女 吸血姫 拓斗の奴隷 OWOプレイヤー 本名 山口桃子


【種族固有:吸血LV4・エナジードレインLV3・召喚LV2(蝙蝠の鞍馬)・血液操作LV2】

【通常:身体強化LV3・ドレイン耐性LV2・痛覚耐性LV3・変化LV1・気配遮断LV1・魔力操作LV1・魔法創造LV1・水系操作LV1・生活魔法LV1】

【吸血後:身体強化LV4(UP)・エナジードレインLV3・各種耐性の強化】

【エクストラスキル:痛覚の快楽変換LV3・恥辱のパワー変換LV4(UP)】

【強奪した能力:頑強LV1】


【現在縛りプレイ中:放置プレイ、羞恥プレイ、女王様プレイ】


標準装備品:伝説の網状恥辱レオタード・奴隷仕様改(能力未公開)女王様のブーツ(能力未公開)黒の燕尾ベスト(能力未公開)パピヨンマスク(赤外線、熱感知、相手に見せる幻視)魅惑の網タイツ他、セラ専属恥辱品装備多数・雷龍の千条鞭(雷撃・ドレイン)・ジュート(貸与中)緊縛のチョーカー格上げ・フレアのナックルカバー


特殊装備品:インビジブルマント(透明裸窃とうめいらせつのマント)・奴隷仕様改(UVカット、セラ専用装備品の強制収納、透明化)日中限定


備品:棺桶〔アルフォンス・シルベスター・ヒッキンゲン男爵、通称バロン〕


ポコ 女 狸人 拓斗の奴隷


【種族固有:舞踊LV1・鼓舞LV1・変化LV1・土系操作LV1】

【通常:身体強化LV2・体術LV2・魔力操作LV1・魔法創造LV1・水系操作LV2(UP)・生活魔法LV1・弓術LV2(UP)・小太刀LV2(UP)・風系操作LV2(UP)】


装備品:絆のチョーカー(物理障壁あり)・弓張月ゆみはりづき・フレアの小刀


ガッチャ 男 鼠人 OWOプレイヤー 本名 佐藤浩一


【種族固有:俊敏LV3(UP)・気配遮断LV2・強嗅覚LV2(UP)】

【通常:腐敗耐性LV1・隠密行動LV1・身体強化LV2(UP)・体術LV2(UP)・魔力操作LV1・魔法創造LV1・火系操作LV1・生活魔法LV1・交渉LV1・剣術LV3(UP)】

【強奪した:現在無し】

【現在縛りプレイ中:笑福の呪いプレイ(一日一度他人を笑わせる事、但し滑るとHPにダメージ)デンジャラスショッピング(買い物で負ける事は許されない)】

装備品:フレアの木刀大小

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銀の狼、通称は銀狼ぎんろう・・・メンバー紹介


白銀のフェル:30歳リーダー、長剣使い 魔法剣術使い アビスの弟子

堅狼のロボス:27歳フェルの弟 杖使い 後衛回復役

ラブラ:28歳 シェパの姉 長斧使い 前衛、護衛兼突撃役

シェパ:26歳 ラブラの弟 槍使い 前衛、護衛兼突撃役

ギンガ:29歳 蛮刀使い 探査、切り込み役 

コチャ:24歳 ギンガの妹 弓使い 探査役

カメリヤ:21歳 双剣使い フェルの恋人 便利屋 OWOプレイヤー

本名スージー・アナスタシア・ロチェンコフ

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