045話 ステラ村・・・取り巻く情勢
キナ臭い雰囲気が漂う中、大勢の若い女性達を引き連れてステラ村へ訪れたのは、雌虎のトキ達だった・・・
五月の上旬、晴れた日の午後にステラ村へと訪れた華やかな大勢の女性達は・・・
雌虎・・・正式にはタイガーウイッチの若手数十人を引き連れて「前に此処へ来た時には、慌ただしく夕方に来て翌日には、直ぐにもう迷宮だったからさ、チャンと見て回らなかったさね」「そうすね姐さん」若い子達と一緒にスズとフウも辺りを見渡して「彼から未だ何日も経って居ないのに色々あった物で、妙な懐かしささえ覚えるね」
緑の屋根が鮮やかな、向かう先の領主館を眺めながら「そうだなスズ、未だ建設中の建物も多いし、まあ古くても十年ほどの建築物何だが、アタシは気に入ったよ」「何だろね?此の雰囲気は・・・」「スズ、屋根が緑一色で統一感があるんだよ」「そうか、材質は拘って居ないけれど、緑が多く目に入るから統一感があるんだ」
三人を含めて雌虎の面々が改めて街の様子を窺い見ると「此は確かに緑一色さね」「最初から一つの意思で開発するとこんな芸当も出来るんだね」スズが感心すると「それではマイマム、宿の方を確保して来ます」「ああ、頼んだよ、他の皆も手筈通りにな」若手は散開して各々の役割に応じて動き出した。
サウス・プティマとステラの中間に在る街『ザイオン』はワイツタイガー家の本領地でトキ達の活動拠点だ。其処から一度プティマへ跳んでステラへと辿り着いた。
因みに周囲を囲む壁とは別に転移陣は周囲を囲まれている・・・南北に出入り口が存在しているのだが、此は獣魔などが大量に転移する事を防ぐ意味合いが、大きく決して軍勢除けでは無い、人馬を大量に動かすには多くの魔力が必要な為だ。
しかし、獣魔などは自らの魔力で転移する為に双方が警戒する義務が生じる・・・
人族や魔族でも魔力量の多い者が存在する為、表向きは獣魔の対策と唱えている。
五柱の転移陣を抜けると、一本道で領主館へと続く・・・プティマから陸路で南西方向へ向かうと、大きな街ではザイオン迄に一箇所、そしてザイオン、ジャッカ、ステラと成る。
元々ザイオンから南西全てが、ワイツタイガー家の所領地だったのだが、今は本拠地のザイオンとその周辺を領するだけで嘗ての勢いは無い、しかし、子爵家程度の領地にしては、中級貴族でも羨ましがる程、名家の名残が色濃いザイオン自体は、十分以上に発展している・・・
ジャッカ領までは比較的に平野が多く、穀倉地帯と有益な森林ダンジョンが在り、盆地のジャッカ領とは、些か隔絶されているが、街道はよく整備されている・・・
盆地のジャッカ領をぬけるとステラ村へは山脈を抜ける形になり、途中で村が二箇所、部落的な集落も点在しているが、其処を抜けて街道を南へ向かうと、南の辺境地域を領するワイツ家の分家『サウス・ザイオン』の街が在る・・・
大昔に分家した事で北の本家と区別する為に『サウス・ワイツタイガー家』或いはサウスワイツなどと呼ばれているが、既に血の方は可成り薄く別の家と見做されている・・・
昔はステラ村へ向かう街道などは無かったのだが、此の十年で馬車が何とか通れる位の道が、本道と別系統で繋がって居る・・・後に発見されたサウス・ザイオンへ抜ける道が通ると、近い方が利便性も良くステラ村からも交流が頻繁に行われて、山越えのジャッカ領とは、些か疎遠に成るのも仕方無い所だ。
ジャッカ領方面の山脈は、南北に長く続くために壁の様に成っているが、東の中央大山脈に比べれば低い、本来の街道は此の山脈の向こう側でサウス・ザイオンへと繋がって居たのだ。
此ほど早く街道が整備されたのは、大昔にステラ村の転移陣が稼働していた事で、随所に道の名残が存在して骨格に成る部分が多く残されて居たお陰もある・・・
余談だが銀狼のロボスが「大きな転移陣なら他とも繋がって居た筈」とアビスを説得して捜査をした所、随所に道の痕跡を発見、隧道迄もある本格的な街道だった。
見付かれば、整備の方は比較的短かった南の方が早く開通した程で、更にジャッカ領とは疎遠に成る要因とも成った。
西方面の街道も発見されているのだが、繋げる事で他領との余計な摩擦をアビスが嫌った側面もあり、開発費用を鑑みて手が回っていない、因みに何れ力が付けば、その限りでは無いのだが、現状では遥か先の話に成りそうだ。
森林と森、川を挟んで平原や荒れ地だった物が、アビス達の努力で西側の平野部は徐々に開拓されて、その基地としての機能をステラ村が担っていた。
ステラ村から見て北東はジャッカ領、南はサウス・ザイオン、西は平野部だが開発中でラプトルの森は南に位置する・・・そして遥か北から西にも低いが山脈で隔てられて、人里から離れすぎて昔は開拓の仕様も無い状態だったのが、十年前の転移陣発見で一気に話しの方が変わったのだ。
その転移陣から領主館、元い、クラン白豹の爪本部を挟んで、南側のラプトル生息地に迷宮が突然現れた事で、今年の春から今の騒動が始まったのだ。
八千人程が住むステラ村から西北に千人規模の開拓部落、西南にも同規模が住む状態で、アビスが色々と支援している、日々人口が増えているが、近年は難民擬きの流入が加速している状態で、西にも開拓部落が増えつつ在るのだ。因みにガッチャの家族も、此の西部落で開拓を始めた許りである・・・
冒険者ギルドの方が領主館の手前に在った事から、ギルド長に雌虎の方針を伝えて挨拶すると「姐さん、ご領主が早速会ってくれるらしいよ」先触れに出したフウが迎えに来る「そうかい、ありがたい話しさね、それでは失礼するよ」
「皆さんの今後の活躍に期待しておりますぞ」「さっきも説明したけど、一年程は世話になるよ」小規模と言えどもクランの駐在はステラ村にとっても良い話しで、雌虎の女性陣が居る事で男性の冒険者も呼び込めると、ギルド長は満面のニコニコ顔で挨拶を終えた。
随所に未だ所々拡張中の領主館兼、クラン白豹の爪本部で、アビスは雌虎の面々と会談する事にした「よお、久しぶりだなおトキ」「久しぶりですアビス閣下」「何時も通りで良いぜ」「助かるよ、アビスの旦那」「お前らもな、気楽にで良いぜ」「お久しぶりす、アビスさん」「お久しぶり」スズとフウも挨拶する・・・
「この前は助かったよ」「話しはロランから聞いたぜ。大変だったな、だがワイツ家と良い縁が出来て、反対に此方が感謝している」「そんな事・・・」ややトキが面映い気持ちで、後が続かない様子から「この前の今日で一体何しに来たんだ?」「偵察さね」驚いたスズは「姐さん!」それをトキは宥める。
アビスもやや驚いたが「お前ど真ん中だな」「どうせ隠したってアンタなら直ぐに察するだろ?」「ワイツ家か・・・」「そらヤッパリさね」「どんな情報が欲しいんだ?」「何でもさね、特に此と言われて居ないよ」
少し考えて「特定の調べ物は無いのか・・・まあ、何も隠す事何てねえからな、自由にしてくれて良いぜ」「なら勝手にさせて貰うさね」「その代わり、言える範囲内なら情報を買うがな」「チャッカリしているね」「そうじゃ無きゃ此から領主なんざ遣れねえよ」「なら手土産さね」「何だ?」「今度のジャッカ領からの侵攻は掴んで居るんだろ?」
苦虫を噛みつぶした様な顔を向けて「ああ、バカな奴らだよ、動き出して直ぐに此方へ伝わったぜ。全く何をとち狂った物か・・・」「未だ確証は薄い話し何だが、どうらやプティマの意向が絡んで居る、とバインドの奴が言って居たのさ、旦那に一応警告を頼まれた」「バインドがか・・・」
考える様子を伺いながら「どうやら向こうにも流民が入っている・・・アタシらの本拠も在るからね、若い子にも注意はしているのさ、だから此処へも素人は連れて来ていないさね」「ならば傭兵で雇うぜ」「考えておくさね、一応の名目は、若い子達のレベル上げと迷宮探査訓練、と言う事に成っているからね」
「了解だ。基地に成る場所は在ったのか?」「宿を確保する予定さね」「それじゃ高く付くだろ?ウチに来いよ」「ありがたい話しさね、だけどお世話に成ればなし崩しだろ?迷宮で稼いで何とかするさ」
アビスは残念そうに「此は仕方ねえか、まあ、何かあったら相談に乗るぜ」「了解さね、暫くお膝元で厄介に成るよ」「ああ、ステラ村を楽しんでくれよ」「此処は良い街だよ」「そうだろ、自慢の街だ。だから好き勝手にはさせねえ」「気持ちは分かるさね、出来る範囲で協力は惜しまないさ」
嬉しそうな表情で「有り難うよ、其方の二人も頼んだぜ」二人は同時に頭を下げる「それじゃ、お暇させて貰うさね」「まあ態々の挨拶、ご苦労さん」「何、渡世の仁義だよ」「弁えない奴も多いからな、筋を通してくれて有り難うよ」
再び頭を下げる三人に「迷宮に入るならもうD級まで跳んで良いぜ。俺から雌虎の面々には、解禁だと伝えておく」「ありがたい話しさ、感謝するよアビスの旦那」「おう、稼いでくれよ、ギルドの連中も喜ぶ」「さっき挨拶をしたよ」「そうか、早いな頑張ってくれよ、此処の発展の為にもよ」「心得て居るさね、それじゃ」と三人は出て行く・・・
館の門を出るとスズが「姐さん、此方の手札を曝しても良かったのかい?」「何、良いって事さね、どの道探られるなら正直に話しておくさ、それに面倒事も避けられる」「成るほど理解はしたよ」「流石は姐さん、それで此の後は如何します?」「取り敢えず中堅所に世話させて、初級から始めさせな、アタシ達はポコに会いに行こう」「そうだったね、此処にはポコが居たんだよ」「賛成」などと言いながら翌日にはD級へジャンプした。
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とある場所のとある一室・・・
数々の情報を眺めて「やっと一段落したな・・・」「転送自体は終わったが、既に随分とプレイヤーが死んで、魂の方も回収されているよ」「その件ではサブリナの奴が凄い剣幕で怒鳴り込んできたよ」「サブリナがか・・・又何でだよ?」「質が悪いんだとさ」「その文句なら所長の所為だろ?」
「あの女が所長、シュミットに逆らうかよ」「まあな、あの魔女は所長を崇拝しているからな」「今も宜しく遣っている事だろうさ」「全くだな・・・」ヤレヤレと二人はサブリナの事を思い出して、お手上げのポーズを同時にすると笑い合った。
「それより俺は新参だから詳しく知らないが副社長、ヴォータン様に頼まれて此の施設、ヴァルハラをお前が作ったんだろう、ヤケに手こずっているじゃ無いか?」「イヤ、それは違うよ、マントバから招かれた元巨人族のヘイムが此処を設計して作ったんだが【約束が果たされていない!】と言って拗ねてるよ」
「約束とは?」「副社長の娘と結婚させてやると言ったらしいんだが、その娘が嫌がってな、未だ果たされていない、そのお陰で俺が本来の仕事、魂を引き込む為の市場調査と転移後のプレイヤー評価が出来ていないんだよ、専門家じゃない俺が、今回の件も更に押し付けられたんだ」「成る程な、それでお前が色々と貧乏くじを引いた訳か・・・」
「全くそう何だよな・・・それよりもお前、現地調査を頼むよ」「俺も負荷実験で忙しいんだよな」「頼むよ、俺の方は未だ調整に時間が掛かりそう何だよな、俺とお前の仲じゃないか・・・借り一つと言う事でな、頼むよアルべ、イヤ、神様アルベルト様」拝むような仕種をされて「仕方無いなミーメ、俺が引き受けてやるよ」恩着せがましくアルベルトは引き受けた。
「有り難いな、だが俺も落ち着いたら現地調査へ向かうよ」「当然だろ、俺一人に丸投げは許さんぞ?そんな事は駄目駄目しょ」「分かっているさ、後少し此処の機能が安定すれば、俺も勿論地上に降りるよ」「そして旺盛な性欲を満たすてか?」「まあ、鬱憤も含めて随分と溜っている事は否定しないがな、だがお前だってそうだろ?」「俺はミーメ、お前ほどじゃ無いぜ」
「その代わりお前は人殺しに快楽を求めて居るけれどな、女と快楽殺人・・・業の深い事だよな」「色魔に言われたく無いさ、フフフ」互いにお互いを笑い合った後「それじゃ面倒だが行ってくるぜ」「何度も言うが頼んだぜ」「任せろ」アルべは準備をしてプティマを初め、多方面に分体をジャンプさせるのだった。
サウス・プティマの古びたとある屋敷の一室では・・・
「頭領、お越しをお待ち申し上げて居りました」「ウム、何か面白い動きはあったのか?」「ハイ、ウルサルの意向を受けて、家宰のアルゴスが動き出しました」
此処の現場責任者から報告を受けて「依頼の方は当然受けてやったのだろうな?」「勿論で御座います。既にステラ村へ配下の者数人を派遣致しました。依頼の詳細と動かしました人員名簿は此へ・・・」
書類に目を通して「ステラ村か・・・ヤハリ因縁があるのかもな?気に成る所だ」「ステラ村がですか?何か御座いましたでしょうか?」「イヤ、何でも無い、だが詳細な経過と結果を知らせよ」「ハイ、それは抜かりなく」頷くアルベは、酷薄な笑みを浮かべると、次の場所へと移動した。
「お帰りなさいませ旦那様」「今戻った。前に頼んであった貸し付け名簿の纏めは如何したんだい?」「それは此処に」手渡された書類を眺めて「そうかい、成る程ご苦労様、だが此を見ると危ないね、焦げ付いたジャッカ領には、秋迄だと催促をしておくれ」「畏まりました」大商会『三國屋』の一室でアルベは此処でもほくそ笑む・・・丁度四月も中旬に成り掛けた時期だった。
彼はプレイヤー達の操作以外にも、この世界へ戦争や政争などを司り、魂を含めて災厄をもたらす事で、現地人の魂迄にも負荷を与えるのを仕事としている・・・
無論、彼の楽しみの一つでもあるのだが、プレイヤー以外からも現地人から目的に適合する魂の持ち主が現れないか?副社長、イヤ、本当の主様の希望する魂が見付からないかと、常に楽しみながら彼は熱心に仕事を熟すのだった。
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時系列と二十階温泉地へと場所を戻す・・・
リズがミウとポコへ水系の魔法を伝授している・・・ポコは風系操作LV1を新たに取得してコチャから弓と風の扱い方も習っている「コチャ様、難しいデス」「こんなのは慣れだよポコチャン」「ハイデス、頑張るデス」「その気持ちが大事だよ」ポコが今使用している弓は別注品だった。
今回秘湯温泉キャンプへ到着した際〔ヤッホー拓斗〕どうにも子供フレアの姿が、イメージされて〔何時も元気だよなフレアは〕〔取り柄だからね〕〔それで今日はどうした?〕〔前に渡した枝は使わないのかなと?〕〔気に成るのか?〕〔そりゃまあね、気に成るわよ〕
〔あれは加工が出来る人を探すしか無いからな、地上へ出てから考え様かと思って居るよ〕〔成る程そうか・・・ならアタシが加工して上げようか?〕〔出来るのかフレア?〕〔勿論よ、拓斗の頭部装備はアタシの特製だからね、容易いわよ〕
しかし、過去の苦い経験が蘇り〔そうか、出来るのか・・・だが頼めばややこしい仕事が待っているのだろ?〕〔そんな事、言わないわよ〕〔何だ?嫌な間が有った様だが・・・〕〔そんな事無いわよ、只、アンタ達が来る様に成って随分アタシも楽しいからね、親切心が働いたのかな?と少し不思議に思っただけだわよ〕
〔そお言う事なら気持ち良く頼むよ〕〔それでどうするの?〕〔材料も限りがあるからな、最優先は俺のワンド、次にミウの棍棒、ポコの弓とガッチャの・・・〕
少し離れて居たガッチャへ拓斗は振り返りながら「オイ、ガッチャ」「何です拓斗はん?」「もし武器が手に入るなら何が欲しい?」「そやね、今は剣か刀ですわ」「そうか・・・当分は今の儘だよな、仕方無い、地上に帰ってからクランの倉庫の中から探すしか無いな」「それは期待出来まんな、嬉しい話しですわ、そんときは序でに防具の方も宜しゅうに頼んますわ」「チャッカリしているな」エヘヘと照れ笑いをガッチャはする・・・
〔と言う事だ〕〔分かったわ、木刀で良いわよね?〕〔練習用に丁度良いかもな〕〔何を言っているのよ、アタシが作る木刀は実戦向きなんだから〕〔木刀がか?〕〔鉱物製でも切れない堅い物でも、魔力を通せば、ギタギタのスパスパよ〕
盛大に驚いて〔魔法剣、イヤ、魔法の木刀か・・・良さそうだな、俺も欲しいよ〕〔フフン♪最初から素直にそお言えば良いのよ、頼まれれば仕方無いからね、拓斗の分も作って上げるわ、そうそう魔力の込め方次第ではね、アダマンタイトやオリハルコン相手でも勝てるわよ〕〔何れも伝説の金属じゃないか、ホントに凄いな〕〔オーホホホ、凄いでしょアタシ偉い!何でも来いよ〕
相変わらずチョロいな〔有り難いよフレア様、それでは一式頼むが材料の方は足りるのか?〕〔任せなさい、足りない分はオマケして上げる〕などと言う遣り取りがあってポコは今、世界に一つしか無い弓『弓張月』で練習中なのだ。
オマケでポコにも、フレアからの木製小刀が授けられているが、此の弓には弓弦が無い・・・弓自体の大きさも然程大きく無く、手頃なのだが今のポコでは、大弓に見えるから不思議だ。弦は魔力を流す事で生成されて矢も同様なのだ。勿論通常の矢も使用可能だが、此の方が連射も可能で便利が良い・・・
通常の矢を使う利点は毒矢だ・・・コチャは専門家でその点も伝授している。
同じ類いの木刀は、大小揃えてガッチャにも授けられている・・・身体に合わせて子供が二本差しすると、玩具を携えて居る様にも見えるのだが、此も魔力を流すと硬化する仕様で、力の入れ加減では切れ味も変わり鍔も発生する・・・只し、秘湯温泉の温泉マーク♨とフレアの紋章みたいな物が焼き印されて、見た目は観光地のお土産状態なのだ。
同様のマークが付いた木刀を拓斗も携えている「何だかな・・・」全員がマークを見てウンウンと頷くと〔何よ、文句あるの?〕「文句は無いんだが・・・」ポコの小刀、ミウの棍棒にも同様のマークが付いているのだ。
性能は魔力の質で各々効果が違う模様だが、基本はほぼ同じで棍棒を含めて、多少長さや太さが魔力の流し方一つで変わる事から、各々が色々と試して形状や長さを決めている・・・因みに重さは見た目より遥かに軽い。
後に試しで大石を上から棍棒を軽くミウが叩き付けると『ドガーン!!!』粉々に粉砕される「驚いたわよ!」全員がウンウンと頷くだけで言葉も無い・・・同様にガッチャも大小を試すと、スパスパ切れる大石を見て、銀狼のメンバー達が羨ましそうにしていた。
俺にはワンドと杖まで用意されていた〔ワンドは魔法の速射に優れ、味方の指揮をする時に高揚感を与えるわよ、杖は大技用で先端に魔力を貯蔵する事が出来るんだわよ〕「名は在るのか?」〔弓には付けたけれど、他は付けて居ないから相応しい名を考えて上げてよ〕「了解だよ、良い物を有り難うフレア」〔どう致しまして〕貰った者は全員お礼を述べると、セラが少し寂しい雰囲気だった。
「自分で付けても良いが、名の方は俺達が活躍すれば、其内二つ名と同じで周りが勝手に付けてくれるだろうな」「そうでんな、その方が相応しい名に成りますわ」「そうよね、タクトの言う通りだわ」
フレアが気を遣った様子で、最後に勿体振った如く出してきた、ナックルカバーをセラへと差し出して、受け渡しは終了した。
当然仲間外れから解放されたセラは喜び、装備すると大岩を次々に粉砕した。
それぞれが試しを行う様子を見ながら「アナタ達が羨ましいわ・・・」カメリヤの呟きに拓斗は「僕も最初から次々と良い物が手に入るのは、随分と可笑しな話しだと思っているんだ」当初から疑問に思っていた事を口にする・・・
カメリヤは自分の考えを口にする「それはゲーム初期に或る程度の専用武器が手に入る様に成っているのよ、アタシは手に入れる事が出来なくて苦労したけれども、そうで無いと危ないプレイヤーと、初期段階で遭遇すれば忽ちゲームオーバーよ」
納得顔を拓斗はして「それではガッチャにも、専用装備が存在すると言う事だね」「イヤ、それはおまへんわ拓斗はん」「何でだ?」「考えたんやけど縛りプレイで商売の項目がおましたやろ、それが尾を引いているんチャウかいな?とワイは思うんですわ」「それは売買で手に入れる事が、条件付けされたと言うのかい?」
「まあね、此だけ探してもワイの専用が出ませんのやから、そう考えるのが自然とチャイますか?」「そうかもね、色々と条件が違うのは、否定出来ないもの、そうだとすれば拓斗君達と今の段階で遭遇したのは、君にとって幸運だったのかもね、武器も無しでは戦えないもの」「そうでんなカメリヤはん、此処へ落とされた事は不運やったけど、何とか希望は出来たさかい、ワイもその意見に賛成ですわ」
補給物資を待つ間、銀狼のメンバー達と訓練や指導を受けつつ、新装備を拓斗達は試して居たが、リズの到着後には、フェルとロボス兄弟、ギンガとコチャの兄妹はステラ村へと戻って行った。
そして数日後、お馴染みの雌虎三人と若手数人が到着する事に成る・・・
二十階への侵入に気が付いたフレアが〔拓斗、前に来た三人を含む数人の女性達が此処へ来たわよ〕〔前と言うとトキさん達か?〕〔そうだわよ〕〔確かトキさんは此処を知らないんだったよな〕〔そうだわね、前は河原だったわよ〕〔他に居ないなら此処でも良かったが、大勢居るなら河原へ移ろうかな?〕〔そんなのは拓斗の判断に任せるわよ〕
〔そうか、それでは〕「母さん、此処へトキさん達と大勢が来るみたいだ」「そうなのかい、それでどうするの?」「あの人達は河原しか知らないんだよ」「大勢が来るならそうしようか?何処から話しが拡がって、此処に迷惑な奴が来ないとも限らないからね」「そうだね母さん、移動しよう」然程遠くも無い事から移動を済ませてトキ達を迎える拓斗達だった。
拙作ですが楽しんで頂ければ幸いです。次回の更新予定は6月17日です。
細かな部分の言い回しやその他で気が付いた間違い等を随時訂正しています。
拓斗 男 人族 魂転移者 本名 板垣拓斗
【通常:精霊魔法LV3(UP)・精霊視LV2・妖精視LV2・魔力操作LV3(UP)・魔法創造LV3(UP)・エナジードレインLV2・魔力自動回復LV2・物理障壁LV2・障壁コントロールLV2(UP)・念話LV3(UP)・火系操作LV2(UP)・土系操作LV2(UP)・鑑定LV1(NEW)・身体強化LV1(NEW)・生活魔法LV1(NEW)・地形操作LV1(NEW)・風系操作LV1(NEW)】
【エクストラスキル:契約魔法LV2従魔〔スライムのスラ他〕従精霊〔ジュート〕奴隷〔セラフィナ〕〔ポコ〕(NEW)対等契約〔フレイアー〕】
【精霊契約:火の精霊サラマンダー・土の精霊ゲブ・水の精霊アプスー・大気の精霊シュー】
装備品:形見の胸当とマント・風林火山のブーツ・ワンド・ナイフ・フレアの守り(頭部装備)・魔力制御の指輪・絆の腕輪(パーティー編制用の道具、装飾品)・フレアの木刀・フレアのワンド(指揮下全員に攻撃力の補正)・フレアの杖(木刀と同様に打撃力があり、頭部に魔力貯蔵が可能)
ミウ 女 兎人 OWOプレイヤー扱い
【通常:身体強化LV3(UP)・体術LV4(UP)・剣術LV3(UP)・探索LV2(UP)・気配察知LV3(UP)解錠LV1・俊敏LV3(UP)・回復LV2(UP)〔ヒーリング〕・魔力操作LV1(NEW)・魔法創造LV1(NEW)・水系操作LV1(NEW)・隠密行動LV1(NEW)・気配遮断LV1(NEW)・忍び足LV1(NEW)・生活魔法LV1(NEW)】
装備品:白の燕尾服バニー仕様、ピンクの兎着ぐるみ、くノ一スタイル服、ヒットマンニット(光吸収と光学迷彩付き)革製の防御装備一式 魔綱製のロング・ソード、くノ一スタイル時の忍者刀(名は黒鐘)・フレアの棍棒
装飾品:魔力制御のイヤリング・イメージ・チェンジ・リング(五着分の変身を可能にする)
スラ 不明 拓斗の従魔スライム 元OWOプレイヤー 本名 早瀬美優
【種族固有:胃袋LV4・強酸消化LV3(UP)・物理耐性LV3・聞き耳LV2・分裂LV3・魔力吸収LV3(UP)・生物吸収LV3・エナジードレインLV3・変化LV3(UP)】
【通常:毒耐性LV2・腐敗耐性LV2・強酸耐性LV2・並列思考LV3(UP)・念話LV3(UP)・気配遮断LV1・隠密行動LV1・気配察知LV2・魔法耐性LV2(UP)・解体LV3(UP)・分析LV3(UP)・魔力操作LV1(NEW)・魔法創造LV1(NEW)・水系操作LV2(UP)】
【強奪した能力:強制支配LV1同族限定】
【ガイダンスAI協力体制、命名アイ子】
セラフィナ 女 吸血姫 拓斗の奴隷 OWOプレイヤー 本名 山口桃子
【種族固有:吸血LV4・エナジードレインLV3(UP)・召喚LV2(UP)(蝙蝠の鞍馬)・血液操作LV2(UP)】
【通常:身体強化LV3(UP)・ドレイン耐性LV2・痛覚耐性LV3(UP)・変化LV1・気配遮断LV1(NEW)・魔力操作LV1(NEW)・魔法創造LV1(NEW)・水系操作LV1(NEW)・生活魔法LV1(NEW)】
【吸血後:身体強化LV4(UP)・エナジードレインLV3】
【エクストラスキル:痛覚の快楽変換LV3(UP)・恥辱のパワー変換LV3(UP)】
【強奪した能力:頑強LV1(NEW)】
【現在縛りプレイ中:放置プレイ、羞恥プレイ、女王様プレイ】
標準装備品:伝説の網状恥辱レオタード・奴隷仕様改(能力未公開)女王様のブーツ(能力未公開)黒の燕尾ベスト(能力未公開)パピヨンマスク(赤外線、熱感知、相手に見せる幻視)魅惑の網タイツ他、セラ専属恥辱品装備多数・雷龍の千条鞭(雷撃・ドレイン)・ジュート(貸与中)緊縛のチョーカー格上げ・フレアのナックルカバー
特殊装備品:インビジブルマント(透明裸窃のマント)・奴隷仕様改(UVカット、セラ専用装備品の強制収納、透明化)日中限定
備品:棺桶〔アルフォンス・シルベスター・ヒッキンゲン男爵、通称バロン〕
ポコ 女 狸人 拓斗の奴隷
【種族固有:舞踊LV1・鼓舞LV1・変化LV1・土系操作LV1】
【通常:身体強化LV2(UP)・体術LV2(UP)・魔力操作LV1(NEW)・魔法創造LV1(NEW)・水系操作LV1(NEW)・生活魔法LV1(NEW)・弓術LV1(NEW)・小太刀LV1(NEW)・風系操作LV1(NEW)】
装備品:絆のチョーカー(物理障壁あり)・弓張月・フレアの小刀
ガッチャ 男 鼠人 OWOプレイヤー 本名 佐藤浩一
【種族固有:俊敏LV2(UP)・気配遮断LV2(UP)・強嗅覚LV1】
【通常:腐敗耐性LV1・隠密行動LV1(NEW)身体強化LV1(NEW)・体術LV1(NEW)・魔力操作LV1(NEW)・魔法創造LV1(NEW)・火系操作LV1(NEW)・生活魔法LV1(NEW)・交渉LV1(NEW)・剣術LV1(NEW)】
【現在縛りプレイ中:笑福の呪いプレイ(一日一度他人を笑わせる事、但し滑るとHPにダメージ)デンジャラスショッピング(買い物で負ける事は許されない)】
装備品:フレアの木刀大小
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銀の狼、通称は銀狼・・・メンバー紹介
白銀のフェル:30歳リーダー、長剣使い 魔法剣術使い アビスの弟子
堅狼のロボス:27歳フェルの弟 杖使い 後衛回復役
ラブラ:28歳 シェパの姉 長斧使い 前衛、護衛兼突撃役
シェパ:26歳 ラブラの弟 槍使い 前衛、護衛兼突撃役
ギンガ:29歳 蛮刀使い 探査、切り込み役
コチャ:24歳 ギンガの妹 弓使い 探査役
カメリヤ:21歳 双剣使い フェルの恋人 便利屋 OWOプレイヤー
本名スージー・アナスタシア・ロチェンコフ




