037話 迷宮内生活 其の六 (撤退までの道程)
D級最後の難関は、未だ入った許りなのに躓いた。窮地のラーハルト達は・・・
オーガ達に追われるラーハルト達を無視して、火炎魔法を遠慮無くぶっ放すトキ、そしてスズとフウが突っ込みオーガ達を殲滅、イヤ、止めを刺して行く・・・
合流して安心したラーハルト達に「なんだい、見ていられないね、スズ」「全くだよね」フウも蔑む様に見ながら「姐さん、どうします?」「次へ向かうよ」返事を二人が返すと雌虎達は下流へと動き出す・・・
此処で見放されたら不味いと、後を追いながら冒険者の二人は「オイ!チョット、なあ、チョット待ってくれよ」「なんだい五月蠅いね、お前達は其方、お坊ちゃん達に付いたんだろ?」「そんな積もりはねえよ」「そうだよ、元々俺達は、あんた達に付くと話してたじゃ無いか」「その割には、何方付かずだったね」二人は情け無さそうに互いを見る・・・
後ろめたい思いがあるのか二人が黙ると「オイ、待て!」「なんだいお坊ちゃん」「契約を元通りにして金額も上乗せしてやる・・・だから僕を助けろ!」「こりゃ又、上から目線の物言いだね、そんな態度じゃ此方も危なくて、尚更聞けないよ」川下方面へと足を更に速めて歩き出す・・・
見捨てられると恐怖した女達も「タイガーウイッチのお姉様方、どうかお待ちを」「今度はアンタ達かい・・・」「お姉様方なら此の窮地でも、何とか成るのでは無いのですか?」「当然さね、アタシら三人だけなら、どうとでも成るよ」「お願いです、何でも致します、どうかアタシ達三人を助けて下さい」土下座をせん許りに頭を下げる・・・
それを見て「全く自分らの事ばっかりだね、良かったじゃ無いか、アンタ達の思い通りに成ってさ」「何の事ですか?」首を傾げる三人に「アンタ達は、あのお調子者達を殺す算段だったんだろ?」驚く三人が顔を見合わせる・・・
そしてリーダーが代表して「何故それを・・・イエ、確かにそんな相談も致しましたが、本気では無かったんです」「そんな事、此方には関係無い話しさね」「それでは一体何が問題なのですか?」「何も問題は無いさね」
取り付く島も無い返事で何も言い返せない三人だったが「彼奴らは本当に酷かったんです。だから心にも無い相談事をしただけです」「そんな状況に甘んじたのは何故なんだい?」「それは借金が・・・」「それもどうせ甘い考えで、出来もしない依頼を受けては借金が嵩み、そして更に危ない橋を渡って深みに嵌まったてところかい?」三人は黙り込む・・・
返事は無いが様子を伺い「全くハッキリしない子達だね、だがまあ自業自得さね、しかしだよ、或る意味助けて貰ったあのお調子者達にアンタ達は、マーカーを付けたね、正直に言いなよ」
バレていると確信して彼女達のリーダーは「そうだよ、今朝方コッソリと彼奴らの寝ている隙にマントへ獣魔が好む匂いを付けてやったのさ、ざまあ見ろてんだよ」蓮っ葉な物言いをして精一杯の虚勢を張ると「カマを掛ければ見事に当たりかい、その為に奴隷の荷物持ちも死んだよ」指摘に対してリーダーは息を呑む・・・
だが悔いる様子を見せながらも「それは彼奴らが二人を犠牲にしたんだ。アタシ達には関係無い」「なら好きにするさね、アタシは官憲でも何でも無いんだからさ、でも全くアンタ達をアタシは信用出来ないよ」思わず勢い余って話し、仕舞ったと思ったが後の祭りだ。
リーダーは、その場で土下座をして「アタシは覚悟を決めて、二人に内緒でした事だ。だから如何成ってもいいが、この二人は知らない事だった。お願いだよ・・・二人を助けてやって欲しい」「まあ、考えておくさ」「リーダー、アタシ達も一緒だよ」「そうだよ、リーダー」手を取り合ってさめざめと泣く・・・
その後、二人がトキ達を睨むと「何だろうね、この子達は・・・女に女の涙は効か無いさね、馴れ合いなら余所でしな、もう契約に縛られて居ないだろう?」フウがその通りと頷く・・・彼女達の話しもフウが風のスキルで聞こえた事だった。
悲愴な顔をするリーダーは「此処に来て理解した。アタシ達だけでは厳しいから、こうして頭を下げているんだ。アンタ達頼むよ、お願いだよ、アタシはいいから、此の二人だけでも何とかしてよ」
「それでもアンタ達は、そこの坊ちゃま迄狙って居るんだろ?此方も訳あって聞けないね」「訳とは?」「アンタ達を助ければ、アタシ達の依頼が達成出来無く成るからさ、お坊ちゃんを無事連れ帰ると言う依頼がね」
一連の話しを聞いて驚いたラーハルトは「此奴ら僕の家臣達を嵌めたのか?それに依頼とは何だ?誰の依頼なんだ」口が滑ったと舌打ちしながら「聞いて居なかったのかい」「聞いたから質問をしているんだ。答えろ!」高飛車に出る・・・
仕方なさそうにトキは、首を左右に振りながら「お坊ちゃんは帰りたいのかい?」「当然だ」「上から目線の物言いをするなら、アタシはアンタを見捨てて行くよ」「何だと?何を言っている、今依頼達成が出来ないと言ったのでは無いか」
「そうだよ、だがアタシは成功すれば、多少報酬が上がるだけの話しでね、それを惜しんで足を引っ張られちゃ堪んないさね、命の方が大事だからさ、例えアンタが死んで安く成っても、アタシ達は貰える物を貰って、生き延びるだけさね」
ラーハルトは絶句して「今、何と言ったんだ?」「アタシは死んでも構わない、と言ったんだよ、全く聞いていないのか?ボンボン様はよ」「それならさ、アタシ達を助けてくれるのかい?」「何方でもいいんだがね、アンタ達を助けてアタシ達に何の得があるんだい?」「身売りするよ、そのお金で助けてよ」頷く二人も真剣にトキ達を見る・・・
何なんだ?此奴らは・・・下賎の者達は、僕に従う生物だった筈だ。周りの家臣達は僕におべっかを遣い、関心を買って出世したいだけの生物だった筈だ・・・だが此奴らは違うと言うのか?何処が違うんだ?こんな事は初めてで理解不能だ。
しくじって仕舞った・・・チョット痛い目に合わせて、大人しくさせる算段だったが、此処まで酷い事に成ると考えても居なかったさね、不審に思いカマを掛ければ案の定と来た。彼奴らは自業自得だが奴隷達には済まない事をしたね・・・トキは後悔をしていたのだ。
怖ず怖ずと汚いボロを纏った少女が「あの・・・アタシポコと言います」ジロリとトキは睨んで「知って居るよ、ポコちゃん、それで何だい?」「ポコのおっかあが最後に強く生きろ!と言ってくれましたデス。でもポコ一人では生きられません、お願いします助けて下さいデス」睨まれて震える身体を必死に押さえ、頭を下げて言葉と態度でポコは示した。
ニコリとトキは笑い「ああ、良いよ、此方においで」トキはフウにポコを預けると「何だ・・・チャンと言葉を話せる子が此処に居たよ」「そうだね、ポコちゃんは偉いよ」フウがポコの頭を撫ぜるとガンズは「俺達も済まなかった。確かに詫びが先だったよ」「そうだよな反省する、俺達二人も助けてくれ」オロンが発言すると二人が深々と頭をさげた。
それを眺めて「やっと分かった様だね、それでアンタ達は如何するのさ?」既に半土下座状態から、何を如何して良いのか分からない三人だが「アタシはロゼッタ、この子達のリーダーをしています、思い余ってあんな事をしましたがお願いです、身勝手な事は重々承知していますが、どうか助けて下さい」
ロゼッタが土下座をすると慌てて「アタシはシゼルです。どうかアタシ達をお救い下さい」シゼルが並ぶと最後の一人も土下座して「アタイはミュールです。どうかお助け下さい」
三人とも本気の涙を流して、地面を濡らすと「勿論アンタ達の境遇も分かるさね、だがね此処では、アタシに逆らうんじゃないよ!」「理解出来ました」異口同音に答えると「立ちな!助けてやるよ」言いながら止めてた足を再び動かして下流へと向かい出す・・・
トキはポコの手を引きながら「ポコ、父ちゃん母ちゃんの事は、済まなかったね、此の通り謝るよ」深々と頭を下げると「良いデス、此も仕方無い事デした」トキと話すと緊張で舌が絡まり、上手く物が言えないポコだが、色々な感情を押し殺してたどたどしくも一生懸命に話した。
述懐する様に「彼処まで酷く成るなんて、想像して無かったんだよ」「もう気にしないでデス」「あのお銚子者達も、腕は立つようだったからね、多少お灸を据える積もりが大火傷さね、次は失敗しないように良く考える」「もう、分かったから、ポコも強く生きると決心したデスから」「良い子だね、ウチの子に欲しい位だよ」その一言で嬉しそうにポコはトキを見た。
道中では・・・ロズの黄金薔薇、彼女達の身の上話が始まった。
要約すると、出身地のロズ村を出て彼女達は、のんびりレベル上げを熟しながら、近くの街セレスを拠点として村と行き来しながら堅実に稼いでいたらしいのだが、ミュールの母親が重い病にかかり、治療代金を工面する為に無理を重ねたらしく、焦れば碌でもない話しでも飛び付き、そこで失敗して高い違約金を払う事に成ったそうだ。
後で考えればE級冒険者の彼女達では厳しい仕事だった模様で、話しを持ち込んだ相手に嵌められた様子だった。そして最終的には借金の利子を払うだけで精一杯と成り、挙げ句母親の治療は間に合わず、愈々抜き差し成らない所で身売りの話しが出た模様なのだ。
同郷仲間だけで結成したロズの黄金薔薇は、ロゼッタが16歳、シゼルが15歳でミュールも同年らしくたった三人だが、和気藹々と楽しく過ごしていたらしい。
冒険者と言っても田舎のロズ村F級に挑戦した程度の初心者、殆どが採取かお使いの類いだけで、E級まで上げるのに数年間を要したのだ。そしてセレスで騙された様な借金返済の為にサウス・プティマ迄連れて来られて身売り同然で引き渡され、若様に引き合わされた。
条件では、若様のお相手を務めてD級の迷宮から帰れば、借金を帳消しにする約束だった模様で、三人とも初めてだったが、ステラ村の宿で勤めを果たしてからは、若様に誠心誠意お相手すれば何とか成るかと、頑張ったらしい事を話す・・・
ところが迷宮へ入ると「解放後の支度金も欲しかろう、我らの相手をすれば出してやろう」話しを持ちかけられ、断れば「では借金の帳消しも無しでいいんだな?」などと脅されて嫌々相手をしていたのだが、数日後に若様から褒美だと下げ渡された時に抵抗したらしい、此の儘ならあの三人にいい様に扱われると、恐怖したんだそうだ。そして思い余ってあんな事をした・・・
告白されて「そんな外道は、殺されて当たり前さね、ホントよく辛抱したよ」三人三様で泣き出すと「真逆、彼奴らがそんな事を・・・」「坊ちゃんはどういう風に聞いていたのさ?」
「僕が彼奴らから聞いた話しでは【此の娘達は借金の所為で娼館に身柄を売られるその前に高い金を出して買い求めました。一応初級の冒険者ではありますが、納得しており娼婦同然で御座います。ラーハルト様、迷宮での無聊を慰めて下さい】と言われたんだ。そして代金を請求されて大金を彼奴らに渡した以上、僕がその娼婦達、イヤ、その娘達を買った主人の積もりで居たんだ」
目の前に借用書をマジックバッグから取り出して見せると「彼奴ら契約者の振りをしていたんだ」ロズの三人は、騙された事に気が付き悔し涙を出す・・・
ヤレヤレと、情け無い思いをしながら「彼女達だけに留まらず、主人のアンタまで謀って居たんだね、それで地上に戻ったら如何するんだい?」憤慨しながら「彼奴らは全く・・・罪はあるのだが、しかしそんな話しを聞けば、一概に彼女達だけを責められないよ」「そうかい、ならば懸念が一つ減ったよ、訴えると言うならそれこそアタシがアンタを始末した」
驚愕してトキを見つめると「お前達に取っては、僕の命なんてそんな物なのか?」「誰の命でも平等に大切さね、只ね、人で無しなら遠慮は要らないと言う話しさ」「僕が人で無しとでも言うのか!」
憤るラーハルトに「そうだよ、人で無しさ・・・物の頼み方も知らない、大金を出したからと言っても、女の扱い方も知らない、部下の統制も出来ない、未だ言おうか?」見ると頭を抱えて耳を塞いで居たので、腕を持ち上げてトキは聞こえる様に無理矢理話したが、流石に堪えて居た様子で開放する・・・
ラーハルトが未だ手に持っていた借用書をトキは取り上げると「良いよな?」頷いたので、彼女達の目の前で引き裂いた後、得意の火炎で燃やし尽くす・・・それを見ながら付き物が取れた如く安堵した彼女達は泣き崩れた。
それは雌虎の新規人員が増えた瞬間だった・・・自由に成った彼女達は、トキ達に教えを請い、加入を強く願い、後日許された。雌虎の人員は、この様な曰く有りの女たちが集う、小規模クラン扱いでトキはその代表だった。
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話しながらも道行きは進み、セラがひっくり返った石橋へと到着した。
対岸へ渡ると「何で何時までも付いて来るんだい、鬱陶しいたらありゃしないね」ラーハルトと奴隷戦士達三名が、さも当たり前の如く後で陣取っている・・・隊の先導はスズ、そしてガンズとオロンが続き、ロズの三人、フウが風の探知で周囲を警戒すれば、トキが得意の火系魔法で殲滅する・・・
その後をポコが付いて行くが、ラーハルと後衛を自認するが如く戦士が続く・・・
渡河の場面でも、フウが警戒をして弓矢をつがえて睨みを利かすと、スズとトキが橋頭堡を築く・・・全員が無事に渡り終えると、先の陣形に戻って神殿へと、漸く辿り着いたのが、昼も随分と過ぎた時間だった。
トキ達が簡易的な食事を始めると「それを寄越せ」ラーハルトが又、上から目線の物言いをすると「何を言ってるんだい、此の坊ちゃまは?此はアタシ達の食料なんだよ」「奴隷娘やロズの三人まで食べているじゃ無いか?サッサと寄越せ」冒険者二人も干し肉を囓りながら、ご愁傷様と言った顔をして様子を伺う・・・
ラーハルトは「金なら出す、サッサと寄越せ」知らんぷりをしていたトキが「今、この場で金貨を貰っても役に立たないからね、イヤだよ」などと笑いながら舌をだすと奴隷達が「我らは金銭は持ち合わせて無いが、言う事を聞き働く・・・どうか我らにも大切な食料を分けて頂きたい」
「ああ、良いよ、食べな・・・もう直ぐフウとスズが肉を持って来るから、楽しみにしてなよ」「有り難い」などと言いながら奴隷戦士達三名も、腹騙しに水を呷りながら食べると「何でだよ!」突然怒鳴ると「アンタは金貨でも囓ってな!」態々懐から取り出して、本当に金貨を投げつける・・・
その態度に愕然としながらラーハルトは考える・・・何故この者は僕の命令に従わないのだ?何故無礼な真似が出来るのだ?此処から生きて出れば、此の僕の報復が待っているのだぞ?何故だ?何故なんだ?サッパリ理解が出来ない・・・
此処まで空腹に悩まされた事が無いラーハルトは「どの様に頼んだら貰えるのだ?真逆此の僕にお願いします、どうか分けて下さいとでも言えと言うのか」「何だい分かっているじゃ無いか、最初からそう言えば良いんだよ」「そうなのか・・・」
ホッとした様子で分けて貰うと「ン」「何がン?何だ?」食料を取り上げられると「御曹司、有り難うですよ」見かねたガンズが教えると、たどたどしく「あり・・あ・有り、難う」再び手渡されて「チャンと言えるじゃ無いか、互いに向き合って人と付き合うには必要な事さね」
ラーハルトは生まれて初めて心底ホッとした・・・食料を取り上げられて再び驚いたが、自分自身でお礼を述べると食料を返されて、ラーハルトは安心したのだ。
たかだか半日、然れど初めて飢えたラーハルトには堪えた・・・周りには追従する家臣も無く、思い通りに成らない現実を突き付けられて戸惑い、初めて此の現状に向き合う・・・
家族達と部下達、雇われの使用人と奴隷達相手にお礼を述べる事など殆ど無かったラーハルトは「僕は・・・僕は知らない事だらけだったんだな」「そうさね、今日知ったなら今後に活かすしか無いさね」
何故か涙が溢れて「未だ言って無かったな、どうか僕達を助けて下さい、お願いします」「良く言った!その気持ちが有れば、もう何処へ行っても恥ずかしくない、知らない事などは、此から未だ未だ学べば良いのさ」「有り難う、頑張るよ」
それを聞いて「アタシ達の本当の雇い主は、ワイツ卿だよ」「何?父上だと言うのか」「そうさね、腹心のあのバカに頼まれたのさ」「風のバインドがか?彼奴は、苦言ばかり言うやな奴だったが、そうなのか?」「アンタが聞く耳を持てば、あのバカは一番の家臣に成るよ」「そうか・・・」
再び涙が止まらない様だがトキは「最悪、性根が直らない様なら、暗に見捨てても良い様な口ぶりだったけれどもね、ワイツ卿もご心配なさって居られた様子さね」「そんな事を父達が・・・理解したよ・・・今度こそ僕は、もう間違わない」
その場の全員に頭を下げると「こんな僕だが宜しく頼む」「ああ、良いよ、序でにバインドへ意趣返しをするとね、彼奴は恥ずかしがるだろうが、あのバカがアンタを買っていたから辛抱強く諭したのさ」「バインドにも、帰ったらお礼を言うよ」トキと握手したラーハルトは、笑顔を見せた。
そのラーハルトの様子に奴隷戦士達三名も心底驚いて居た・・・互いに頷き合い、トキに対して尊敬を込めて頭を下げると「我らからも改めて礼を言う、有り難う」「いいさね、それよりもアンタ達には力を貸して貰うよ」「承知した」
その後・・・獲物を仕留めてきたスズとフウが帰ると、簡単な食事を済ませた。
神殿の扉を眺めて「二つか・・・」スズが呟くと「二つだね」フウも呟く・・・
何も知らない、ラーハルトは「二つが如何したんだ?」トキが説明口調で「若様、本来D級なら一つ、ボスが一体何だけれどもね、此処には二体のボスが存在すると言う証しさね、二体以上はC級だよ」「そうなのか?」「まあ、初見ならあるんだけれどね、恐らくフェルの奴が一度は制覇している筈なんだよ」
ラーハルトは、思い出しながら「彼奴がか?そんなに強い雰囲気は、感じ無かったがな」「バカをお言いで無いよ、此のアタシが十人がとこ束に成って掛かっても、勝てない相手さね」「それ程か?優男に見えたがな・・・」「ウチの女の子なんか全員が惚の字だよ、ほ、の、字」「それは・・・凄いよ」
「冗談はさておいてだがね、強さならA級さね」「姐さん、フェルはS級かも?」「フウもこう言っているよ」「イヤ、もうSS級だね」「スズ、お前もか?お前も彼奴に惚の字なのか?」俯いて二人は照れて居るが「止めときな、彼奴は女の敵なんだからね」「姐さんも何かあったのかい?」「別にアタシは何も無いさね」覗き込まれて真っ赤な顔をしたトキが居た。
話しを改める様にトキは「やっと若様と真面な話しが出来るから、専門家としての意見を言うとだね、此処は撤退を視野に入れて、ボス捜しをする方がいい様だね」「理解したが、捜索は僕では無理だ。だから撤退をしよう」
ラーハルトの言い分に喜んだが「良い判断なんだがね、一日だけおくれよ」「如何するんだ?」「此処に居れば安全だからね、アタシ達が見付けて倒せれば、明日で終了だが無理なら撤退さね」「成る程、ならば待つとしよう」「俺達も微力ながら近辺なら捜索するぜ」「有り難うだよ」他の者達は、近辺で狩りをしながら過ごす事に成ったが、その日は返って来ずに翌日の朝方にトキ達は帰って来た。
トキ達が報告する「一応探したんだがね、一体はサイクロプスだったよ」「それで如何成ったんだ?」「倒したさ、だが後の一体は恐らく狼さね」「それなら俺達が確認しているぜ。あの強面達を殺した狼が金色で光って居た」
残念そうにトキは「ヤッパリか・・・」「その言い方なら倒せないと言う事か?」「一対一なら簡単さ、でも彼奴らは群れるからね、護衛をしながらでは厳しいし、補助が心許ないから逃げる事にする」
「理解したが二十階への入口は彼奴らの巣、例の茂みにほど近いんだろ?」「そう何だよ、今朝も此処へ来る前にざっと確認してきたが、思わしくないさね」
トキが考え込むと「昨日は沢山の獲物が狩れたんだよ」「それで?何が言いたいのさね」「此をばら撒いて一気に逃げ込む!と言うのは如何だろうかな?」「若様、偉く冴えているね、強行突破より望があるよ」「そうか、褒められると照れるな」
「本当さね、それなら、今日も狩りをして餌を増やしてさ、明日の明け方に強行突破しよう」「それなら皆、頑張ろう」トキ達は休息に入ったが、昼からは精力的に狩りをして、若様のマジックバッグへ羊や山羊を大量に詰め込んだ。
深夜に出発して、徐々に夜が明けて来る・・・脱出口は目の前だが、狼達は群れて徘徊をしている姿が目撃された。其処に淡く金色に光る大型の大狼が一頭、入口の付近で陣取って居る・・・
それを確認してトキは「いいかい若様、アンタはその中味をばら撒きながら、ひたすら走りな・・・皆もいいかい、あのボスはアタシが何とかするからね、一目散に逃げるんだよ」各々が返事をする・・・
最後の注意と許りにトキは「だがボスをアタシが倒せても、方針変更は無しだよ」「何故なんだ?その時はトキさん引き返そう」「その気持ちも分かるさ、それでもアレだけの狼が牙を剥くんだよ、人死にが出るからね、最低限一度は逃げて、それから後の事は考えようさね」
周りの様子を見渡して、餌を食い尽くせば確かに襲われる・・・「分かったよ」と同意すると「皆も理解したね」「ハイ、姐さん」「当然の判断だよ、姐さん」
他も含めて全員が頷くと「なら作戦開始さね・・・」命懸けの脱出が始まった。
拙作ですが楽しんで頂ければ幸いです。次回の更新予定は6月4日です。
少し作品が溜まりましたので暫くは毎日17時に更新したいと思います。
橋頭堡・・・知って居られる方も多いと思いますが、本来は敵地にある橋の前進拠点、渡河作戦などで敵地の対岸に陣地を築く事などです。因みに海岸への上陸作戦などでは、浜頭堡とも言うそうです。
拓斗の能力
【通常:精霊魔法LV2・精霊視LV2(UP)・妖精視LV2(UP)・魔力操作LV2・魔法創造LV2・エナジードレインLV2(UP)・魔力自動回復LV2・物理障壁LV2・障壁コントロールLV1・念話LV2・火系操作LV1・土系操作LV1・鑑定LV1(NEW)・身体強化LV1(NEW)・生活魔法LV1(NEW)・地形操作LV1(NEW)・風系操作LV1(NEW)】
【エクストラスキル:契約魔法LV2従魔〔スライムのスラ他〕従精霊〔ジュート〕奴隷〔セラフィナ〕対等契約〔フレイアー〕】能力の入手は、奪った可能性大
装備品:形見の胸当とマント・風林火山のブーツ・ワンド・ナイフ・フレアの守り(頭部装備)・魔力制御の指輪・絆の腕輪(パーティー編制用の道具、装飾品)
ミウの能力
【通常:身体強化LV2(UP)・体術LV3(UP)・剣術LV2(UP)・探索LV1・気配察知LV2(UP)解錠LV1・俊敏LV2(NEW)・回復LV1〔ヒーリング〕・魔力操作LV1(NEW)・魔法創造LV1(NEW)・水系操作LV1(NEW)・隠密行動LV1(NEW)・気配遮断LV1(NEW)・忍び足LV1(NEW)・生活魔法LV1(NEW)】
装備品:白の燕尾服バニー仕様、ピンクの兎着ぐるみ、くノ一スタイル服、ヒットマンニット(光吸収と光学迷彩付き)革製の防御装備一式 魔綱製のロング・ソード、くノ一スタイル時の忍者刀(名は黒鐘)
装飾品:魔力制御のイヤリング・イメージ・チェンジ・リング(五着分の変身を可能にする)
スラさんの能力スキルと強奪スキル
【種族固有:胃袋LV4(UP)・強酸消化LV2・物理耐性LV3・聞き耳LV2・分裂LV3・魔力吸収LV2・生物吸収LV3・エナジードレインLV3・変化LV2】
【通常:毒耐性LV2・腐敗耐性LV2・強酸耐性LV2(UP)・並列思考LV2・念話LV2・気配遮断LV1・隠密行動LV1・気配察知LV2・魔法耐性LV1・魔力操作LV1(NEW)・魔法創造LV1(NEW)・水系操作LV1(NEW)】
【強奪した能力:強制支配LV1同族限定】
【ガイダンスAI協力体制、命名アイ子】
セラフィナの種族固有のスキルと取得した能力
【種族固有:吸血LV4・エナジードレインLV2・召喚LV1(蝙蝠の鞍馬)・血液操作LV1】
【通常:身体強化LV2(UP)・ドレイン耐性LV2(UP)・痛覚耐性LV2(UP)・変化LV1・気配遮断LV1(NEW)・魔力操作LV1(NEW)・魔法創造LV1(NEW)・水系操作LV1(NEW)・生活魔法LV1(NEW)】
【吸血後:身体強化LV3・エナジードレインLV3】
【エクストラスキル:痛覚の快楽変換LV2(UP)・恥辱のパワー変換LV2(UP)】
【現在縛りプレイ中:放置プレイ、羞恥プレイ、女王様プレイ】
標準装備品:伝説の網状恥辱レオタード・奴隷仕様・改(能力未公開)女王様のブーツ(能力未公開)黒の燕尾ベスト(能力未公開)パピヨンマスク(能力未公開)魅惑の網タイツ他、セラ専属恥辱品装備多数・千条鞭(雷撃・ドレイン)・ジュート(貸与中)緊縛のチョーカー格上げ
特殊装備品:バンパイアマント・奴隷仕様(名称未公開)(UVカット、セラ専用装備品の強制収納、他能力未公開)日中限定
備品:棺桶〔アルフォンス・シルベスター・ヒッキンゲン男爵、通称バロン〕
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銀の狼、通称は銀狼・・・メンバー紹介
白銀のフェル:30歳リーダー、長剣使い 魔法剣術使い アビスの弟子
堅狼のロボス:27歳フェルの弟 杖使い 後衛回復役
ラブラ:28歳 シェパの姉 長斧使い 前衛、護衛兼突撃役
シェパ:26歳 ラブラの弟 槍使い 前衛、護衛兼突撃役
ギンガ:29歳 蛮刀使い 探査、切り込み役
コチャ:24歳 ギンガの妹 弓使い 探査役
カメリヤ:21歳 双剣使い フェルの恋人 便利屋 OWOプレイヤー
本名スージー・アナスタシア・ロチェンコフ




