032話 迷宮内生活 其の一 (修行開始)
アビス達を見送り、残った拓斗達とフェル達は、神殿を後にしてD級を逆方向へと向かう事に成った。運営の悪意に打ち勝つ為にも、拓斗達は修行を開始したのだ。
アビスとリズ、それに加勢をしてくれた5人が、地上へと戻って行く姿を見送り、ミウが羨ましそうにしていたのは、本音の所だろう・・・
拓斗もそれを察して「ミウ、次にはロランさんやムウさん、お兄さんのゴランも、屹度来てくれるだろうから寂しがるなよ」「ウン・・・分かっているわ」
未だ元気がなそうなので「それに頼んだミウの装備かも知れない、三つのお宝箱も楽しみじゃないか」「そう、だわね、それが有ったわ、此でセラと対等だわよね」セラを睨み付ける様に対抗意識を燃やすと、寂しがっていた姿も霧散した。
言い難そ~な、申し訳なさそ~な、スラからの弱々し~い念話が入り〔先に謝っておくけれどもね、アタシね、少し、ほんのすこ~しよ、チョットだけ、何だけれどもね、心当たりが有るのよ、ミウちゃんご免〕「何?何を一体知っているのよ」
ミウの不機嫌そうな問い掛けに〔此処へ来る前の選択肢の中で、オプション装備を選んだのよ、恐らくその関係品が入っているの、かなぁ~?・・・と、思う訳〕
その話しを聞いて次には、セラを見る・・・途端にミウは悪寒が走り、急に不安が込み上げて来る・・・
「真逆それ、セラ見たいにあんな恥ずかし~~~い、格好なの?」セラの姿を見る「酷いスよ、ミウさん」言いながらも仲間登場にセラは、ニヤリと笑う・・・
ミウは、嫌~な予感がして思わず両手を脇の下に入れて、身体全体をプルプルと、微かに震わせていたのだが、セラの態度を見て咄嗟にミウはスラに掴み掛かった。
拓斗も嫌な予感がして「スラ、イヤ、早瀬さん・・・白状をしなさい」〔ご主人様から命令されると、言わない訳にはいけないけれども、どうせ現物が来れば、当然バレる事だからね、勿論隠す事なんかホント、しないわよ〕
首も無いのに締め上げているミウの背中を触手でタップしながら〔えーとですね〕「往生際が悪いよ」〔怒らないでね♡〕「俺はな」「アタシは、品物次第だわよ」〔実は・・・〕「ええーい!早く言いなさいよ」更に締め上げると〔バニーちゃんスタイルを筆頭にミニスカくノ一スタイルとヒットマンスタイルです〕ミウのその剣幕に押されて、スラが早口で白状すると、思うところがあるセラは、更に大胆にそして不敵に笑う・・・
ミウから開放されて〔他にもあったんだけれど、もね、結局アタシは、その三つを選んじゃった。テへへのへ♪〕拓斗は唖然、ミウは驚愕、セラは仲間が出来たと、Vサインをしながらほくそ笑む・・・
ジュートは微笑ましく、そして楽しげに〔此で主殿は、二匹の可愛い兎に挟まれる事になるの〕こめかみを押さえながら「早瀬さん、選りに選って、バニーなの?」〔それも白と、ピンクが又可愛いのよ、アタシ可愛い物好きだし、獣耳肉球大好き人間だったの、因みに匂いを嗅ぐのも好きだわよ〕「ウチはコアな人間許りだな」
意外な事に嬉しそうなミウは「バニーは良いとして、後はどんな格好よ」「ミウ、バニー姿は良いのかよ?」今度は耳まで真っ赤な顔をして「良いわよ、セラよりもアタシの方が、絶対可愛いに決まっているし、問題無いわよ」何故か鼻息も荒い。
其処な小娘は、セラが主殿の視線を独占して居ったのが、随分と気に入らなかった模様じゃの・・・フハハハ!と豪快に笑う。
言われて拓斗は驚くと「そうなの?」「だってタクトはアタシより、セラばっかり見てたじゃない」咳払いをしつつ「そんな事は無いと思うがな・・・」「嘘、絶対イヤらしい目でタクトは見てたわ、此でアタシも互角に渡り合える」此処で何かを言えば、墓穴を掘るような・・・
地雷を践むような気がして沈黙を守るとセラが「ミウさん、羨ましかったのなら、自分、言ってくれればナース服を貸したんスけれどもね」
チュドォーン!「アンタがそれを言うの?アタシがアンタの物を触れない事を知りつつも、良く言うわよね」「あ、忘れてたスよ、申し訳無いスね、ミウさん」もう掴みかからん許りに迫っていたミウにセラは慌てて謝罪する・・・
話しをそらす様に「ミニスカくノ一スタイルとヒットマンスタイルは、どんな格好なんだ?」〔ミニスカは、濃紺地に赤が所々でアクセントに成っているわよ、勿論上は和風だよ、そしてヒットマンの方は黒ずくめでニットタイプ、ぴっちり身体に張り付く格好で、動きやすいわよ〕「何で又、その三つなんだよ」
やや躊躇った後〔アタシ、前のゲームでミニスカではお助けキャラ、ヒットマンでプレイヤーキルを楽しんでいたのよ、そしてバニースタイルでその世界では、君臨していたのよね〕或る意味想像出来ていた告白を聞いて拓斗は「早瀬さんはそんな事をしていたのか、随分とまあゲーム慣れしていると思ったよ」
得意そうに〔くノ一の時はで御座る、此の口調で数々の初心者をお助け申したので御座るよ〕「やけにその口調が様に成っていたのは、その所為か・・・」
露骨に嫌そうなミウは「その格好と口調をアタシもしなければ成らないのかな?」「それはセラと違って口調を真似しなくても、そして嫌なら着なくても良いんじゃ無いかな、強制でも無いからな」〔然様で御座るな、主殿の申される通りで御座るがしかし、その手の格好なら気分も口調も変えて、役に成り切るで御座るよ、イヤそうする事が本道!邪道はいかんで御座る〕「そんな・・・」やや引き気味だ。
やや嬉しそうに「そうスよね、目立つのは自分だけで良いス」「アンタは其処までして目立ちたいの?」「違うスよ、目立つ格好をして恥ずかしいのは、自分だけで良いと言う意味スよ」「アタシもバニーは絶対着るからね!」来た来た♪キター!スよ♪ミウさんなら此の流れで着ない選択肢は、あり得無いと思ってたスよ・・・
更に喜んで「お揃いで二人共目立つスね、良いスよ、自分、仲間が出来てホント、嬉しいス」妙な売り言葉に買い言葉状態に持ち込み、ミウの対抗意識を煽り立てたセラは、為て遣ったりと薄笑みを浮かべたが、ミウは気が付きもしない様子だ。
イヤ、現在でも生うさぎとバニースーツが並んで居るのだが、拓斗は発言しない。
お蔵入り決定したミニスカとヒットマンだが、高性能な事が後に判明、嫌々と言いながら、変身する事に妙な感性を刺激されて、コスプレイヤーミウは、徐々に愛用していく事と成るのだが、それは後日の話しで、二人がバニー姿で並ぶのも、その品物を手に入れた後に成る・・・
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ヤンヤと話しで盛り上がる拓斗達に「ソロソロ出発しようか君達」気を引き締めて「そうですね、参りましょうか」「一応、此処のボスを一体倒しているから、僕は大して君達の事を心配をしてい無いのだが、一応みんな気を付ける様に」「分かりました(わ、スよ)」スラ達も跳ねて返事に変える・・・
アビス達を見送る前・・・
扉の前に立ち「良いかい君達、此処に一旦魔石や獣石を嵌めるんだよ」扉の凹みに合う品物を嵌め込むと、自動的に開いて行った。無論石は回収した事も付け加えておく・・・
後に引き返して扉を見ると、三つ在った凹みが今は二つに成っていたので「今度は二体ですね」「そうだね正解、帰りに目星を付けながら行こう」「分かりました」などと言う会話も後にした。
今は神殿の中を見渡して、鎮座している女神像を眺めて居る・・・
フェルが先に立ち「此の台座に両手を入れる所が有ってね、そこで授けられる物が有れば、スキルや魔法を貰えるんだよ、像の種類でグレードも上がるんだ」と先に見本を見せられたので、拓斗達は順番に手を突っ込んで見る。
漏れ出た暖かい光に個々で驚く拓斗達だったが、受領はアッサリと終わった。
そして其処で得た物は、個人個人で全く違う物を授けられたのだった・・・
ミウは回復系で、癒やしの魔法ヒーリングを覚えた。
セラは血の凝固、身体を鋼鉄の如く固めたり、体外に出して剣や楯などを生成する血液操作LV1を取得した模様だ。話しによるとレベルに応じて強度や切れ味などが上昇するらしい・・・
律儀にスラ達三匹も触手を入れると、本体のスラだけは魔法耐性LV1を得た。
後に並列化した模様だったが(お姉さん、ガッカリだわ)〔私も同じくです〕
そして俺は、都合良く鑑定LV1を取得、ロボスさんから指導を受ける事に成った。
後で聞くと「多くの場合は、自身が欲しかったり、何かが不足していたりすれば、見合う力量さえあれば、願いが叶った様に大体授けられるんだよ」「そうなんですか、ロボスさん」「特に女神様の場合は、その傾向が強くてね、例えば武神像なら戦う術や身体を強めるんだ。だから他の物をねだっても駄目な事もあるよ」
「成る程ですね、入ってからのお楽しみですかね?」「そうでも無いさ、初見ならいざ知らず。一度攻略されていれば何処に何の像があるのかは、事前に調べの方は付く物さ」「理解出来ましたが、僕達は此処を最後にする積もりですから、沢山の種類があれば良いのですが・・・」
「それもD級迄の初級を含めれば、大凡手に入るよ、C級からは別に成るからね、実力も見合わずに攻略者に付いて行っても、特別な事情でも無い限りは、何も貰え無いのが当たり前の事なのさ」「理解しましたロボスさん」
ロボスは熱心に聞いて来る拓斗に頷くと「鑑定も使わなければ、スキルが伸びないからね、最初は自分のレベル位しか、判明しないよ」「そうですか、頑張ります」「一応教えておくとね、次は相手のレベル、自分のスキル、相手のスキル、自分を含めて相手の状態などだよ、物の鑑定は一つ一つの積み重ねに成るから頑張って」
「個人の名前などは、初見で分かるものですか?」「それは無理だよ、只レベルが上がれば、偽名かどうか程度なら理解出来る」「獣魔も一々鑑定しなければ駄目ですか?」「一度遭遇した獣魔なら次から簡単になるよ、初見でも君のレベル次第でスキル迄理解出来るさ、だから経験を増やさないとね、それこそ頑張ってだよ」
「因みに本や人から仕入れた知識でも、チャンと理解していれば鑑定に役立つよ」
親切に教えてくれる、ロボスの様子に感謝しながら「ハイ、有り難うございます」「それと態々丁寧な物言いをしなくても良いよ、拓斗君」「教わる身ですから」と頑なに固辞した。
その後、ロボスから手渡された普通の魔石を見て拓斗は「此は一体何のために?通常の魔石は沢山持っていますよ」「それは魔力を抜いた後の魔石さ、此から君達が魔力を各々が込める事で転移石に変わるよ、未だ使い切った魔石は持って居ないだろうから、僕からのプレゼントだよ」全員がロボスから貰った。
魔力を込める前に「D級像でスキルなり魔法が貰えたなら、魔力を込めながら転移石にしたいと願うだけでそうなるよ」「そんなに簡単なのですか?驚きです」
「それはD級までなら共通だからね、D級で像から何かを授かった時点で、攻略の証を頂いたと同義なんだよ、F級とE級も同様なんだ。但しC級からは本当に石や専用の道具を授けられるからね」「成る程良く出来ていますね、使い方は如何するんですか?」
「此方からなら主に出口、あとF級やE級迄を選んで転移するだけ何だけれども、地上からなら転移柱に各階層の柱が決まっていてね、D級ならD級の柱を選んで触れながら転移する事で、希望の階層に到達出来るんだ。因みに一度で転移が出来る人数は8人迄だよ」「有り難うございます。よく理解出来ましたロボスさん」他の者も異口同音にお礼を述べる・・・
出発後は後日、再度の攻略を楽にする為と、宝箱の捜索の為に広範囲に渡って捜索する事が決まり、戦闘を繰り返しながら進んだ。
D級転移陣で再びアビス達と再開する迄には、30日の猶予を貰っている・・・
此処へ来た当初より、獣魔も纏まりが無く成って扱い易く、戦闘毎に教えを受けながら、拓斗はフェルから教え導かれて、リーダーへの道を徐々に進み始める。
魔法の方もロボスから本格的に指導を受ける事にも成り、此の兄弟に感謝した。
ミウはカメリヤさんから、色々と教わっている模様で、便利屋に成る積もりが有る気配だ。新しく得たスキルを鑑みて、何か思うところも有った模様で、現在の拓斗達にとっては、得がたい職業を目指す様だ。実際、此処迄の道中でミウの取り零しは、お宝一つと言う事で、大人達から称賛された事にも影響されている・・・
しかし、セラは縛りの内容を内緒にしていた為に誰の指導も受けていない・・・
セラの武器が特殊な事も手伝って、ラブラさんと模擬戦をする約束をしただけだ。
順調に平原の探索も進み、川も下流で大きな石を跳び跳びなら、越えられる場所を発見したのだが、そこで一騒動が持ち上がる・・・
渡る先で狼が数匹待ち構えて居たので、用心のため殿にギンガとロボス、シェパを残して、フェル、カメリヤ、ラブラ、スラ、ミウ、拓斗、セラの順で渡河する事が決まり、コチャは援護の為に弓矢を構えて監視する、と言う段取りで渡り始めた。
不揃いな大石を華麗に跳び越えながら、抜剣するフェルに付かず離れず跳んで行くカメリヤ、少し遅れてラブラも到着すると、狼達と立ち回りを始めた。
スラ達は(ポヨ~ン!ピヨ~ン!ボヨ~ン!)リズミカルに跳ぶと、ミウも流石は兎人で、その跳躍力を見せつけるが如く二つおきに跳んで行く・・・
拓斗も風林火山のお陰か、遅れずに進んで行ったが、セラが真ん中辺りで、大きな悲鳴を上げた。
「キャー!!!あ痛た・・・」声につられて拓斗が振り返り見ると・・・
其処には、川の中から跳躍中のセラを狙った、デメキン鰐二匹の同時攻撃を寸前で気が付き、辛うじて躱したセラの姿があった。
しかし、残念な事にマントの端を噛まれて、首のマント留め金具を残し、引っ張られてもんどり打った、全裸状態のセラが、大石の上で大の字に成っていた。
変に金具が残ったもので、何時のもバニー状態へとは戻らず、拓斗に対するセラの羞恥心はマックスだ。恥辱度合いも上昇すると、徐々に帯電を始める・・・
『パチーン!パチパチーン!!!』
全裸の直撃を受けた拓斗だが「危なーい!皆伏せてーーー!」大声で叫ぶと羞恥心マックスのセラが、右手に持つ千条鞭から雷鳴が轟き始めて川面に直撃、其処から川の上下100メートル程を感電させた。
『ゴロゴロゴロ!チュドーン!!!バリバリ!バリバリ!チュドドドーーーン!』
轟く雷鳴と共に浮かぶ水生生物群、拓斗も一度ならずも見た事の有るセラの全裸姿だったが、真面に大事な箇所を目撃したのは初めてで、動揺を隠しきれずに危険を知らせる事しか、出来なかったのだ。
元いた場所で殿として残った男性諸氏には、何とか全裸姿を見られずに済んだセラだったが、対岸に渡り終えた、フェルを初めとする者達には、その全てを余さずにご開帳して仕舞っていた。
対岸に渡りきり、戦闘も終えた四人も此の雷鳴に驚き、セラが大の字に成っている事に気が付くが、只眺めている事しか出来ず、視線が当然ながらセラと交差する。
更に恥辱が増して羞恥心もマックス状態のセラは、再び充電を開始、慌てて拓斗がセラを抱き寄せ宥めると、徐々に収まりを見せて二発目は阻止されたが、発動していれば、素材確保に向かった勇気ある、ブレないスラ達も、只では済まないところだった。
対岸に渡り終えると、フェルとカメリヤ、ラブラが心配をして集まる・・・
そこで事情を始めて話した「僕はてっきり吸血姫なので、そのマントをしていると思って居たよ」「アタシも」カメリヤも同意したが、同情心の方が可成り強い様で「アタシが体術を教えて上げるよ、バランス感覚が良くなれば、事故の方も減るだろうしさ」ところがラブラが「アタシに任せな、鍛えて上げるさね」頷くセラは、未だに動揺中でお礼も言えない状態だった。
そこで拓斗がセラに成り代わって「お二人とも有り難うございます。セラをどうか宜しくお願いしますよ」「運営に玩ばれて居ると言うのは、この事だったんだね」「そう何です、フェルさん」「だからリズ姉さんに服を頼んで居たんだね」「そうです、カメリヤさん」
セラを慰める様にラブラは肩を抱き「大丈夫かい?女の子なら恥ずかしかっただろうに」「自分、もう、大丈夫ス、姉様方、宜しくお願いするスよ」此れ迄の経緯と縛りの件を詳しく話すと「ホント碌でもない話しさね、許せねえよな」女にしては巨体のラブラが本気で憤る・・・
「辛かっただろうね、よく辛抱したよ」大きな胸に顔を埋める様にセラを抱いた。
それを聞いてセラは、此処へ来てから初めて本気で泣いた。それ迄は飄々と事態を受け入れていた様に振る舞っていたが、14歳の女の子、山口桃子としては、何も思わずにいた訳でも無かった模様だ。
ラブラさんは、身長185センチ、体重は??キロで胸や腰のサイズもデカい、と表現する方が似合う女丈夫だが、心根の優しい銀狼の肝っ玉姉さん的ポジション、女性メンバーの中心で、比較的無口だが、ここ一番では頼りに成るお姉さんだ。
長斧を片手で楽々と振り回す膂力と、柔軟なバネを生かした戦い方をする。そして格闘技全般にも通じている・・・一体何の革かは不明だが、形としてはプレート・アーマーを装備して、銀狼の前衛を務めている。
そのラブラが「目の良い此のアタシでも、拓斗君の影に隠れてアンタの大事なところは、見えていなかったよ、恐らくフェルの奴も見えていないさね」セラは頷くと今度は拓斗を見て、安堵の涙をひとしずく零した。
兎も角、女性陣全員の一致でセラの特殊事情は、他の者達には秘匿する事と成り、フェルも賛成した事からセラの訓練は、万が一にも今回の様な事が起こらない様に配慮される事に成った。
此の一件が切っ掛けでラブラから教えを請う事に成ったセラは、元々格闘センスも良かった事から益々磨きが掛かり、近接戦闘も更に強く成っていく・・・
その夜、テントの中が拓斗達だけに成ると、心配そうな、何かを考える様なミウが「タクトは前のタクトがその身のうちに存在すると言ってたけれど、前にも過去、何度も生まれ変わったとも言ってたわ、勿論その言葉をアタシは信じるから敢えて聞きたいのだけれども、そんな事を繰り返して人格の方は大丈夫なの?」
何の話しじゃな?妾は聞いて居らぬぞ「そうか、ジュートと出会う前の告白なんだがな、確かに話したな・・・」「アレは自分達に魂転送を説明し易い様に話しただけだと思っていたス、自分は未だ半信半疑スけど、もしそれが本当なら死ぬ事は、選べないスからね、疑って居ても信じるのみス、イヤ、今と成ってはタクトさんの人柄も徐々に理解出来て来たスから当然信じているスよ」
「そうか、有り難う、しかし、言っている事は紛れもなく事実だよ、ミウの質問に答えるなら人格は各々の過去生で、経験した事などが徐々に加味されて変貌していくよ、一回一回の人生は一度きりだしな、どの人生も大事にして来た積もりだよ、但し錯乱状態や急激な変化をもたらした事などは一度も無い」
「恐らく此も確証の無い、全ては推理だけれど、魂は次の段階に近付くと、それを覚えて居て、準備を始めるのかも知れない、そしてそれを耐えうる魂、イヤ、精神力の強い者が、次の段階の一歩を踏み出せるんじゃ無いかなと考えて居るよ、俺が見た光景から察するに魂を汚すと、その記憶などが削られて覚えて居るのが困難に成るのだと思うんだ。だから幸運な事に俺は、此処数世代の記憶が在る事を素直に喜んで居る・・・此で答えに成っているかな?ミウ」
「それでは前のタクトは、今のタクトの体内にいる事は危険じゃ無いの」「ミウ、俺の魂に影響されたら不味いと思うよ」「ヤッパリそうなのね」「俺自身はタクト君の影響を少し受けているが、たかだか10年イヤ、物心が付いてから数年程度の人格なら、俺の人格に影響を与える事も少ない、それより俺の考え方や知識が流入しているタクト君の方が、ミウの指摘通りに危険だと思うがその辺りはスラ、何か聞いていないか?」
色々と話しをしているけれどね、自我を保つのが精一杯の状況だわよ、ご主人様の影響を受けつつだけれどもね「ヤハリそうなのか・・・何とか早く分離が出来ると良いのだがな」アイ子の話しではね、強力な魔獣核石があれば、其処へ移して魂の保管が可能かも?と思案中だわさ「それが実現出来れば、俺が核石へと移るよ」
一つ心配なのは、ご主人様の身体は日々進化しているのよ、時間が経てば経つ程、レベルや魔力関係でタクト君がその身体を制御出来ないかも知れない、とアイ子が考えている事、そしてアタシ達と繋がって居る事で、レベルは更に此からも上がるからね、元々レベル一桁の精神が、行き成り数十レベルに耐えられるか如何かは、疑問だとアタシも思うわ・・・
それは妾も案ずる所じゃ、今のウチに言えば例のフレアから預かった実が、役立つ時は近いかも知れぬな「あの実はその為にくれたと言うのかジュート」そうじゃ、フレアからの好意じゃ「なら今使って此の身体から出れば上手く行くのか?」
それは誰も分からぬが、主殿が希望する形よりは、少年タクトを移す方がより安心じゃな、真っ新な器で徐々にレベルを上げる方が馴染みやすかろう「それらの事を知って居れば、アビスさん達に断りを言えたのに残念だよ」知らなかったのじゃ、仕方あるまい・・・
それにあの時点でも遅い話しじゃった。だからギリギリまで方策を模索してじゃ、無ければ最悪、少年タクトの魂を守る為にあの実の使用を決断するしかあるまいの「そうなのか、意に沿わぬ結果に成れば、アビスさん夫婦に申し訳が無いからな、頑張って方法を探るよ」
深刻な話しに成って、青ざめるミウだが「そんな最悪な事態に成っても、アタシはタクトの決断を信じるわ」「有り難うミウ、最悪な事態で終われば、アビスさん夫婦に詫びるよ」「その時は態とじゃ無い事を自分も訴えるスよ」「有り難うセラ、だが今の段階では諦めないからな」「それでこそアタシのタクトだわ、アタシ応援する」「自分もス」アタシ達もだわさ、妾もじゃ・・・
「明日、フェルさんやロボスさん達に相談して見るが、何と説明すればいいんだ」
正直が一番だわさ、妾も事実を伝えるのに反対は為ぬが、推論混じりじゃと告げる方が良いと思う「アタシも二人の意見に賛成よ」「自分もそう思うスよ」「みんな有り難う、正直に話してみるよ」こうしてその夜は更けていく・・・
拙作ですが楽しんで頂ければ幸いです。次回の更新予定は5月20日です。
拓斗の能力
【通常:精霊魔法LV2・精霊視LV1・妖精視LV1・魔力操作LV2・魔法創造LV2・エナジードレインLV2(UP)・魔力自動回復LV2・物理障壁LV2・障壁コントロールLV1・念話LV2・火系操作LV1・土系操作LV1・鑑定LV1(NEW)】
【エクストラスキル:契約魔法LV2従魔〔スライムのスラ他〕従精霊〔ジュート〕奴隷〔セラフィナ〕対等契約〔フレイアー〕】能力の入手は、奪った可能性大
装備品:形見の胸当とマント・風林火山のブーツ・ワンド・ナイフ・フレアの守り(頭部装備)魔力制御の指輪
ミウの能力
【通常:身体強化LV2(UP)・体術LV3(UP)・剣術LV2(UP)・探索LV1・気配察知LV2(UP)解錠LV1・俊敏LV2(NEW)・回復LV1〔ヒーリング〕(NEW)】
装備品:現在専属品は無し 革製の防御装備一式 魔綱製のロング・ソード 魔力制御のイヤリング
スラさんの能力スキルと強奪スキル
【種族固有:胃袋LV4(UP)・強酸消化LV2・物理耐性LV3・聞き耳LV2・分裂LV3・魔力吸収LV2・生物吸収LV3・エナジードレインLV3・変化LV2】
【通常:毒耐性LV2・腐敗耐性LV2・並列思考LV2・念話LV2・気配遮断LV1・隠密行動LV1・気配察知LV2・魔法耐性LV1(NEW)】
【強奪した能力:強制支配LV1同族限定】
【ガイダンスAI協力体制、命名アイ子】
セラフィナの種族固有のスキルと取得した能力
【種族固有:吸血LV4(UP)・エナジードレインLV2(UP)・召喚LV1(蝙蝠の鞍馬)・血液操作LV1(NEW)】
【通常:身体強化LV1・ドレイン耐性LV1・痛覚耐性LV1・変化LV1】
【吸血後:身体強化LV3・エナジードレインLV3】
【エクストラスキル:痛覚の快楽変換LV1・恥辱のパワー変換LV2(UP)】
【現在縛りプレイ中:放置プレイ、羞恥プレイ、女王様プレイ】
標準装備品:伝説の網状恥辱レオタード・奴隷仕様・改(能力未公開)女王様のブーツ(能力未公開)黒の燕尾ベスト(能力未公開)パピヨンマスク(能力未公開)魅惑の網タイツ他、セラ専属恥辱品装備多数・千条鞭(雷撃・ドレイン)・ジュート(貸与中)緊縛のチョーカー格上げ
特殊装備品:バンパイアマント・奴隷仕様(名称未公開)(UVカット、セラ専用装備品の強制収納、他能力未公開)日中限定
備品:棺桶〔アルフォンス・シルベスター・ヒッキンゲン男爵、通称バロン〕
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銀の狼、通称は銀狼・・・メンバー紹介
白銀のフェル:リーダー、長剣使い 魔法剣術使い アビスの弟子
堅狼のロボス:フェルの弟 杖使い 後衛回復役
ラブラ:長斧使い シェパ:ラブラの弟 槍使い 共に前衛、護衛兼突撃役
ギンガ:蛮刀使い 探査、切り込み役 コチャ:ギンガの妹 弓使い 探査役
カメリヤ:双剣使い フェルの恋人 便利屋 OWOプレイヤー
本名スージー・アナスタシア・ロチェンコフ




