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ツイン・タクト (外部世界の不思議な物語)  作者: スラ君
第一章 始まりは突然に・・・
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027話 迷宮脱出 其の五 (世界の常識)

合流したその晩、アビスから拓斗達が聞いた話しは、驚くべき物語だった。

アビス達が未だ若かった10代中頃の話しから始まる・・・


アビスとリズは、ヘキサグラム王都で育ち、下級貴族の三男だったアビスと冒険者家業を始めたリズが、親父のパーティーに参加した事から始まり、二つ下のリズを見初みそめて夢を語り、共に腕を磨いていた話しを多少端折りながら語った。


独立独歩の気風が色濃い、そんな冒険者達を纏めるには、苦労の連続だ。


当時は、アクの強かったアビスの性格も禍して、離合集散を繰り返しすし、パーティーメンバーも定着しない時期も多く、リズとコンビでいる期間も長かった。


リズの肝っ玉母さん的な面倒見の良さは「この頃に父さんから、もうそれは十分に慣らされたわよ」後によく笑いながら語った。


そんな生活が続くが、二人は日々成長していく、或る程度、腕に自信が付いた頃、タクトの本当の両親『サンダースとエルバード』と王都で偶然出会ったらしい。


最初は、ぎこちなく始まった4人の出会いだったが、徐々に打ち解けて、共に迷宮探査や冒険をしたり、偶然同じ護衛の仕事を請け負い、共に地方に出掛けたりなどをして交流を深めて行った。


後で聞いた話しだが、王都の転移陣には、ヘキサグラムの地方都市と結ぶラインと他に人族、魔族、エルフやドワーフ族などが多く住む、妖精の三カ国とも接続している模様で、当然高く付くが、船などで移動するよりは、断然早く着く・・・


但し、稼げるならと言う厳しい条件が付く、一年も二年もイヤ、それ以上の時間を掛けても、その転移費用を稼げない者達が大半だそうだ。


結局船などで乗り継ぎ、稼ぎながら移動する方が、現実的かも知れない。


その様な理由も有って王都で知り合ったのだが、当時16歳のサンダースが12歳のエルバードを連れて、見知らぬ土地へ渡って来た理由を頑なに秘していた模様で18歳に成った許りのアビスと16歳のリズは「人はそれぞれだぜ、言いたく無い事もあらあな」と懐深く受け入れたらしい・・・


その頃、猿人ロラン当時15歳と兎人のムウ当時14歳が加わり、男女三人ずつ、それもカップルが三組と言う妙に変わった編制のパーティーが出来上がった。


やや親分肌だったアビスが一番年上と言う事も有り、リーダーに選ばれたアビスに因んだパーティー名を付けようとしたが、頑なにリズを前面に押し出して『白豹の爪』と言う名前を付けて解散後にクランの名称とした。


この頃の話しは随分前に聞いて、当時「どうして父さんは、白豹の爪に拘ったの」「そりゃ、おめえ」「アンタ、言ったら酷いよ」「フフフ僕が聞いた話しではね、親父おやっさんがリズ姉さんにベタ惚れでね、そうなったらしいよ」「そう言うこった」「なんか、皆で誤魔化してない?」


夫婦はうそぶいていたが、後に他の団員に聞いて判明したのは、父さんが他の女の子に色目を使い、怒った母さんがその鋭い爪で左顔面を引っ掻いた。


その事を根に持った父さんが、押し切ったらしい・・・


ところが嘘だった。


本当の事を言うと「二度と俺はあんな思いは、したくねえからな、戒めの為だと思って名付けてやったぜ」


その話しを聞きながら「本当は自分縁じぶんゆかりの名前が恥ずかしいからだよ、その後はもう父さんたら『此奴の悋気が怖くてな』顔の爪痕を指差して言うものだから、信じて仕舞う人達も大勢居て困ったもんだったのよ、本当はね、母さんを獣魔から守った勲章なのに」話すとリズ母さんが何だか嬉しそうだった事を思い出した。


フとタクトの思い出が蘇り、こんな優しいリズ母さんから、やや強い口調で巧みに叱られた事を思い出す・・・


タクトは、自分には都合良く、理由の方は部分的に忘れている様子なんだが、確かみっともない、恥ずかしい格好で、転げたミウを指差して笑った事を面白可笑しく母さんに話すと・・・


怖い顔をした母さんが「お前が差したその手を良く見てみな」自分が差した格好をやって見せると「そら見ろ、差した指の一本は、ミウちゃんだが残りの三本は何方どっちを向いているんだい」見ると自分を差していた「人を指差して笑うと、その三倍は人様に笑われているんだよ」と諭されたな・・・


話しを聞きながら脱線した思考を戻してその後を聞くと、その後の数年間は順調にクラン設立へと向けて活躍もし、名を馳せて行ったが、とある事件を切っ掛けに母エルバードの命が狙われ出した。


そうエル母さんがOWOプレイヤーだったそうだ・・・


彼女は人族に転生したプレイヤーに数多く狙われたのだ。


彼女は、とある特殊なスキルを持っていた為、西も東も分からない彼女を当時は、護衛兼お付きのサンダースが、その身を呈して守り抜き、二年掛けて稼いだお金で転移陣へと逃れ、獣人が住む此処へと辿り着いたらしい・・・


所がしつこいプレイヤーが、獣人国に住むプレイヤーと語らい、再び襲って来た。


その時は撃退出来たが、王都での戦闘に成った為にプレイヤーである事が、多くの人達に知れ渡ると、何時の間にか彼女の持っているスキルも徐々に広まって、組織だって狙われる状態に成った。


隠れ住むように成ったサンダースとエルバードは、四年ほど共に活動して泣く泣く別れた、アビス達とは再び会う事も無く、森の奥深くで過ごして数年が経った。


何時しか六年もの歳月が流れて、タクトを身籠みごもった臨月間近のエルバードを襲う一団、それらから庇うサンダースも必死に抵抗したが、十年も経てば、相手も強化されて再び襲って来たのだ。


その事を情報で仕入れたアビス達は、他の仲間達を引き連れて助けに向かったが、時既に遅く瀕死のサンダースから「未だ死んで間無しのエルの身体から、中に居る子供を助けてくれ」と頼まれて母さんが、泣く泣く腹を切り、そして取り上げた。


男の子であると告げると「タクト、エルが考えた名だ。男ならタクトと、その子に名付けてやってくれ・・・」そこで父サンダースも息を引き取ったらしい。


リズが最後に申し訳無さそうな物言いで「タクトご免よ、お父さんは親友達の命日が、お前の誕生日だとは言いたく無かった見たいでね、知らん振りをしていたんだけれど、アタシが四月一日、本当の誕生日に祝いたいとごねてね、今まで便宜上、なんて嘘吐いて居たんだよ」


ああ、それでか・・・父さんの口数がその時分、妙に減る理由に合点がいった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


遠い過去を悔やむ様に「俺達は、事情を別れる前に或る程度は、聞いていたんだ」「そうだったわね、エルが頑なに皆様の迷惑に成りたくないと、旅だったあの日をアタシは今でも思い出すよ」


真剣な面差しを向けると「タクト良いか、この世界では、何時の間にか、毎年幾人かのOWOプレイヤー達が、送り込まれてスキルの奪いをする。そして生き残った数人が、好き勝手にこの世界を牛耳っている」


フェルも真剣だ「タクト君、ミウ君も、其方のセラフィナ君も、みんな春の珍事に巻き込まれたね?」三人とも頷くと・・・


嫌そうな顔をして、アビスが語り出した「首謀者の狙いは、俺達にも分からねえ、分からねえが、数年経つと、プレイヤーが大量に送り込まれて、実力者達の餌食に成ったり、後発のプレイヤー狩りをしてのし上がったりしてな、俺達のこの世界を乱しまくっている」


やや迷った様子を見せて「水晶の光らねえ、一般人が狙われる事は殆どねえがな、お前達が光ったのを見た時、運命を呪ったよ」「そうだね、アンタ」二人手を取り合い、タクト達を見ると「おめえもミウも、本当は光らね筈だったんだ」


再び指輪を渡されて「此はタクト、おめえの膨大な魔力を制御すると共にな、外へ出せなくする為の物だったんだ。今は魔力を溜めるようにリズが作り替えてある、大事に使え、一見いっけんではおめえの魔力総量迄は、もうバレない、恐らく光ったのは、既に此でも全ては抑えきれない程におめえの魔力量が上がっていたに違えねえな」アビスが後悔している様に拓斗には見えた。


ミウにはリズからイヤリングが渡されて「此、何時もしていたのにどうして外したの?」「小母さん、ご免なさい、古い物より、最近買った此を褒めて欲しくって、晴れの儀式で付け替えました」タクトは気が付いてくれなかったけど・・・


薄ピンク色のイヤリングと言うよりは、髪留めに近い形で、ミウの可愛いウサ耳を引き立たせる代物だ。


納得した様に「そうだったの、此のイヤリングも魔力を抑える効果が有ったんだけれどもね、お母さんに聞かなかったのかね?しかし、もう今更だよね、此も魔力を溜められるようにしてあるから、アンタが此からもお使いなさい」涙を流しながら「有り難う、小母さん、お母さんに謝りたい、アタシ聞いていたわ」二人手を取り合いともに涙した。


二人の気持ちが落ち着いた頃合いに「儀式の後からは俺達かロラン、他に気の利いた者達に頼んで、子供らから目を離すなと、言って置いたんだがな」「それが一日経たずの僅かな時間で、それもあんな形でアンタ達と引き離されるとは、考えても見なかったさね」「全くだ」


親父達は知っていながら水晶の前へ、拓斗達を無防備に立たせていた訳では、そもそも無かった事を拓斗とミウは理解した。


アビスが再び口を開く「良いか、・・・」


此処からは、長く成るので要約すると、先ず狙われるのは、どの種族も容姿端麗な男女が多い事、更に多いのが能力の高い子供達、地位の高い者や権力者の子供達、大商人の子供達などが主流だと言う事、そして・・・


必ず成年の儀の後から神隠しの如く、子供達が突然消えたり、人格が変わり粗暴な真似をする者や反対に怯える者など様々だが、その者達に共通しているのは『プレイヤー同士なら奪い合える特殊なスキルが一つ有る事』それらを沢山集めて、超越者に至る者が存在している事などが語られた。※超越者には、レベル上限99すら凌駕する事も可能であるらしい・・・


一息入れた後に「此はエルバードから聞いた話しだが、或る日突然、遊びの誘いがあって此方を楽しむためにやって来た。或る程度遊んで帰ろうとしたら、帰れない事が分かり、恐慌状態に陥った所を家来のサンダースに助けられた。そして紆余曲折の後に俺達の国へとやって来たらしい、彼女のスキルは、世間に当時流布された物とは、まるで別物で知っているのは、奪った本人とエルバードだけだ。今となっては、もうどうでも良いが、ヒョッとしたらサンダースの奴も知っていたかもな」


タクトへと顔を向けてアビスは「おめえが敵討ちをしてえのなら、止めはしねえ」「アンタ!」それを手で制して「但し、俺がおめえの実力を認める迄、相手の名は明かさねえから、その積もりで居ろ」「理解したよ、父さん・・・今度は僕達の方から話すよ」「やっと話す気に成ったか」「ミウそれとセラフィナ、良いよな?」「タクトに任せるわ」「自分も良いスよ、タクトさん」


周りを見渡して「それでは皆の同意を得たので、此れ迄の経緯と現状の前に僕の、イヤ、俺の話を聞いてくれ」「了解したぜ」


「それと守秘を宣誓してくれ、信用していない訳では無いが、用心の為にそれを頼みたいんだ」「俺は了解だが」とリズを見る「勿論さね」「僕もだよ」「アタシも他人事じゃないので、勿論オッケーよ」カメリヤが言うとロボスも頷く・・・


発言を聞いて驚いたが「今の話しぶりなら、アンタも過去に魂の転移を経験したんだな?カメリヤさん」「そうよ、アタシもプレイヤーで、貴方達を狙っているかもね」「冗談にも成っていないが、黙ってやられる積もりは無い」拓斗達は、互いに頷くと、素早く三人揃って臨戦態勢に入る・・・


しかし、手を大きく広げて「待った!冗談よ、冗談!」「オカメ姫、冗談に成っていない」フェルが突っ込むと「羨ましいわ、アタシの時は手探りで誰も助けてくれなかったのよ、貴方達は運が良い方だわ」


収まらない拓斗は「詰まらぬ冗談は、ホント無しにしてくれよ、俺達も此処へ最近来たばかりで気が立っている」「ご免なさいね」「カメリヤの事は僕が保証するよ、それで駄目かな謎の人」お手上げのポーズをして此方の様子を伺う・・・


カメリヤを見ながら「アンタも怖いのだろうがな、一応了解した。しかしだ!今度からは変な探り合いは無しだ。次何か有ったら俺は此処を去る」


アビスは一見穏やかそうだが、油断なく「物言いは穏やかじゃねえがな、気持ちは分かる、だがな、身内を変えられてんだ。此方も良い気持ちでは無い事を理解して貰いてえな」一触即発の空気を醸すが、拓斗が先に折れた。


深呼吸をして落ち着くと「未だ未確認なんだがな、アンタ達のタクト君は、一応のところ未だ生きて居る」「何ですって!タクト、どおいう事なのよ?」ミウの方が真っ先に噛み付いた。


ミウの行動結果は分かっていたから慌てない拓斗が「先ず俺はプレイヤーじゃ無い事をハッキリ宣言しておく」「それで君は誰だ?」「信じて貰うしか無いんだが、板垣拓斗と言う異世界人と言った所だ。フェルさん」「同じ拓斗君か、それで君の言うタクト君生存説は、如何言う話しなんだね?」


少し考えながら「順を追って話す方が、早そうだな、暫く俺達4人の話しを黙って聞いてくれ」向かう5名も頷いた「スラ、イヤ、早瀬さん、念話を許可する・・・さっきから五月蠅いし、皆と情報は共有しよう」


全員に聞こえる様に〔ご主人様、知って居たなら教えてよ〕「済まん、俺もフレアと契約してから念話能力が上がって、一応お前達の秘匿回線を聞いていた。だが聞こえて居たのは、スラ達の声だけだったがな」


スライムがポヨーンと膝で跳ねる〔それじゃ、自己紹介しますよ、早瀬美優です〕「自分、山口桃子ス」「此は驚いたな、スライムがプレイヤーなのかい」「其処を此から説明するよ、推理も入るが一応現状では一番近いと思っている」「聞かせて貰おうか、俺の息子の事を含めてな」同意の代わりに大きく頷く・・・


考えを整理する様に言葉を選んで「先ず、アウターワールドの運営が、特殊な魂の持ち主を探して何かをしようとして居る、それも数百年もの単位で徐々に実験的に秘匿しながら、事を進めていると思う。だからアンタ達の様に知って居る人は実際少ないはずだ。此処迄は良いかな?」全員が頷く。


それを確認して「今回は運営も予期せぬ出来事が発生したと俺は考えた。先ずなんらかのトラブルで迷宮の入口が閉じた事、予期せぬ出来事で俺とミウが引き込まれた事が、最初の発端だと考えられる」


「次の出来事は、魔族の国にあった迷宮が、此処と一時的に交わった事だ。そして後に戻した所をみると、運営は迷宮を或る程度自由に改変出来る。そう仮定すると流れが一つに成って行くんだ」


全員が話しを聞き入っている様で、言葉も無い一同を見渡す「運営のトラブル中にミウと俺が迷宮に入った事が、予期せぬ事故の第一なんだ。その為に早瀬さんが、本来ミウを魂ジャック、分かりにくい人に言うなら、乗っ取りを恐らく何の弊害も無い場所で行われる作業が、或る意味結界の中、異空間で接触した為に俺と言う、障害を乗り越えられずにスライムとして留まった事」


「第二は、その時に俺とミウへその力の一部が奪われた事と、ミウの精神、イヤ、知識に多大なる影響を与えた事だ」


「第三は俺の魂は別ルートで運営に関係無くタクト君と接触した為、弱いながらもタクト君の意思は、いまだに残り、早瀬さん達と話す事でその自意識を保っている」


「それが生きて居る事に成るのか?」「何方かが出る事が出来ればな、その場合は後から入った以上、俺が出て行く積もりだ。現状では不明だがしかし、何れ分離は可能では無いと思っている。何故なら入った実績があるなら逆もありだからだ」


「それを聞いて少しは安心したぜ」頷くと「続き良いかアビスさん?」手を振って促す「話しを止めて悪かった」「気持ちは分かる、積もりだよ、アビスさん」


「第四は、混乱中にセラフィナの身体に馴染んだ山口桃子さんが、どうやら運営の玩具にされている、彼女は予定の行動で、ステラ村へと飛ばされた模様から、本来セラフィナと出会う筈だった別の誰かが、タクト君の身体に入る予定だったのかも知れない、だが恐らく何らかのトラブルでそれが出来ずに終わり、俺もタクト君も偶然ながら助かったんだと、俺は推理しているが、未だこの一件に関しては確証が無く、ハッキリと語れないのも事実だ」


アビスは何とも言えない表情をして「成る程な、一応は話しの筋が通っているが、通っちゃいるが、推論混じりじゃ、どうにもならねえな」「それは否定出来ない」


頷くと決心した様に「さっきおめえは、自分自身をプレイヤーじゃ無い、と言っていたが本当なんだろうな?」「それは信じて頂くほか無いですね」


暫く二人は、激しく睨み合い「分かった。選んでタクトの身体に入っている訳じゃねえと、信じてこの後の事を考えざる逐えないか・・・」「見た目は、アタシ達のタクトだもんね、アンタ」「何れ出て行くと言う話しを信じるならば、あの身体を大事にしねえとな」「そうだよね、アンタ」「俺達二人は、おめえに協力するぜ」「有り難う御座います」拓斗は頭を下げた。


少し移動してカメリヤの肩を軽く叩くと「僕は親父さんに従って協力するが、それだけじゃ無いんだ。どうやら、プレイヤー達の中には、プレイヤー以外からでも、スキルを奪える者達が何人もいてね、僕はもう何度も狙われた経験が有るんだよ、そんな遣り取りの最中に襲われている、此のカメリヤと知り合った訳なんだ」


ロボスも「兄貴に同感だね、拓斗君、僕も協力するよ」「お二人共、仰る事は理解しました。有り難う御座います」拓斗も笑顔で答える・・・


突然に手を挙げたカメリヤが「親父さん、拓斗さん」「何だ?カメリヤ嬢ちゃん」「ハイ、発言宜しいですか?」「良いも何も話せば、良いじゃねえのか」「一応、さっきの事が有りましたからね」と拓斗を見る・・・


既に軟化している拓斗は「良いですよ、本名を伺っても宜しいですか?」「それ、未だ言ってませんでしたね、本名はスージー・アナスタシア・ロチェンコフと言います。何故か女性名が二つ付いて、長く成っていますがね」


「ロシアの方なんですか?」「遠い祖先がそうだったと聞いていますね」「そうですか、堅苦しい口調は、もう止めて下さい、ざっくばらんにお話しをどうぞ」少し笑いながら右手の平を差し出す様に促す・・・


ホッとした様子で「ハア、有り難いわね、アタシはもう昔、11年前に此処へ来たのだけれど、当時訳が判らず、出遅れて専属装備も手に入れられずに困り果てた」


「途方にくれていたアタシを最初に助けてくれた人は、もうこの世に居ないけど、プレイヤー達から逃げ隠れしながら、渡り歩いていたアタシを拾ったのが、旦那になる予定のフェルなのよ」


二人は手を繋ぎ「そのアタシが経験した最初と二度目、今回は三度目に成るのだけれど、未だ始まった許りなのに大がかりな異変を伴っているわ、だから今度のは、少し酷い様子ね、言いたい事は此だけ、自己紹介を兼ねて発言したけれど、少しは推理の参考に成ったかしら?」


それでタクト君が見知らぬ相手でも、この場に居させたんだろうな・・・


話しを促されて「大変貴重な話しだったよ、カメリヤさん、スージーの方が良いのかな?」「カメリヤで良いわよ、10年以上も使っているしね、もう他人事では無いからアタシも協力するわ」「有り難うカメリヤさん、まあ、追々不明な部分は、検証をして行くとして、何か他に質問あるかな?」


リズが手を挙げたので頷くと「先は兎も角、今アタシのタクトと話せるのかい?」「タクト君が新しく得た力、念話を完全に使い熟せれば、何れ或いはとも考えられるが、今のところは伝える術が無さそうだな」「そうかい、ありがとよ」


スラさんが膝の上から刺激を加えて〔ご主人様、一般人でもプレイヤーのスキルが奪える事は、伝えないの?〕〔未だ一例があるだけだし、一応スラも元プレイヤーだろ?要検証だよ、後で伝えるならカメリヤさんに危険を知らせる事くらいかな〕


〔分かったわよ、ご主人様、フレアの事は、一体如何するの?〕〔誤魔化しながら話すよ〕〔了解したわ、それに私だけが何時までもドレインしていると、おねえとゲボが拗ねるから代わるわね〕〔仕方無いか・・・〕二匹を手招くとポヨ~ン!とお餅が膝に二つ乗った。


一通り話しが済んで、全員が考え中モードに突入した。


一同に拓斗が「話しが此処まで聞けるとは、思いませんでした」「此方こっちの手の内も見せねと、其方そっちも話をしてくれそうも、無かったんでな」「有り難う御座います。今後どの様にお呼びすれば、良いのですか?」少し考えて「ミウは影響はあるが、前の儘と考えて良いんだな」


ミウも行き成りだったが素早く返事をした「大丈夫です、小父さん」「一応、話し言葉は子供の使い方何ですが、話す内容がもう大人と考えて貰えれば、良いです」「それならロランの奴は腰を抜かすな、手心を加えちゃぁくれねえかな、ミウ?」「成るべく努力します、小父さん」


頷いて決心した様に「それなら、頼むわ、と言う事で対外的にも、本名が拓斗なら俺の方は、今迄と変わらずだが、見知らぬ親父を父さんと言い辛いなら、変えても良いんだぜ?」「アタシも一応良いけど」「一応タクト君の記憶は、既にほぼ同化済みなので、何ら違和感無く呼べますが、如何します?」「それじゃ、頼むわ対外的にも、それが良いだろうぜ」


少し躊躇ためらった後、リズは「アタシも良いわよ」「指三本は、自分を差すか・・・」「アンタ何処でそれを、あ、そうかタクトか」「ハイ、タクト君が印象に残していました」「それを聞いてアタシは安心したよ、対外的な事も有って、それで良いとは言ったけれどもね、釈然としなかったさ、でも今はタクト、アタシの事を本気で母さんと呼んで良いよ」「有り難う、母さん」


何処か琴線に触れた模様で、それを聞いて大泣きしてしているセラとミウ、そしてスライム三匹がプルプル震えていたのは、ご愛嬌だ・・・


雰囲気が良い方向へ向かったと判断して「それと皆さんにご報告です」「何だよ、タクト」「お父さん達を信頼して話しますが、ある方との約束で対外的に洩れると不味い案件です」「そんな大事おおごとか?」「ハイ、確実に今後の展開と、ステラ村迷宮その物の価値に関わります」


向かいの5人は、迷宮の価値と聞いて、顔を見合わせ頷くと「良いぜ、話せ」「その前に守秘契約を結んで下さい」「何だと!信用しているのでは無かったのかよ」「そう意味では無いのですが、それでは致し方無いですね、諦めます」やや険悪なムードが再び立ち込めて来た・・・

拙作ですが楽しんで頂ければ幸いです。次回の更新予定は5月12日です。

少し作品が溜まりましたので暫くは、毎日17時に更新したいと思います。


今回は説明回に成り、少し話しが長く成った事とお巫山戯が無かったです。

楽しみにしてくれて居る読者各位にお詫び申し上げます。一話一お色気ス


拓斗とミウのスキル獲得状況は、現在不明確だが目覚めつつ有り。


拓斗の取得能力と推定能力


精霊魔法LV2(UP)・精霊視LV1(NEW)・妖精視LV1(NEW)・魔力操作LV2(UP)・魔法創造LV2(UP)・エナジードレインLV1・魔力自動回復LV2・物理障壁LV2・障壁コントロールLV1・念話LV2(UP)・契約魔法LV2(UP)従魔〔スライムのスラ他〕従精霊〔ジュート〕奴隷〔セラフィナ(NEW)〕対等契約〔フレイアー(NEW)〕

装備品:形見の胸当とマント・風林火山のブーツ・ワンド・ナイフ・フレアの守り(頭部装備)魔力制御の指輪


ミウの取得能力と未確定能力


身体強化LV1・体術LV1・剣術LV1のスキル上昇の可能性、視聴覚、嗅覚などの向上で探索LV1、気配察知LV1、解錠LV1獲得の可能性有り


装備品:現在専属品は無し 革製の防御装備一式 魔綱製のロング・ソード 魔力制御のイヤリング


スラさんの固有スキルと追加スキル


【種族固有:胃袋LV3・強酸消化LV2・物理耐性LV3・聞き耳LV2・分裂LV3・魔力吸収LV2・生物吸収LV3・エナジードレインLV3・変化LV2・気配察知LV2】

【通常:毒耐性LV2・腐敗耐性LV2・並列思考LV2・念話LV2】

【新規獲得:気配遮断LV1(NEW)・隠密行動LV1(NEW)・強制支配LV1(NEW)同族限定】

【ガイダンスAI協力体制、命名アイ子】


セラフィナの種族固有のスキルと取得した能力


【種族固有:吸血LV3・エナジードレインLV1・召喚LV1(蝙蝠の鞍馬)】

【通常:身体強化LV1・ドレイン耐性LV1・痛覚耐性LV1・変化LV1(NEW)】

【吸血後:身体強化LV3・エナジードレインLV3】

【エクストラスキル:痛覚の快楽変換LV1・恥辱のパワー変換LV1】

【現在縛りプレイ中:放置プレイ、羞恥プレイ、女王様プレイ】


標準装備品:伝説の網状恥辱レオタード・奴隷仕様・改(能力未公開)女王様のブーツ(能力未公開)黒の燕尾ベスト(能力未公開)パピヨンマスク(能力未公開)魅惑の網タイツ他、セラ専属恥辱品装備多数・千条鞭(雷撃・ドレイン)・ジュート(貸与中)緊縛のチョーカー格上げ


特殊装備品:バンパイアマント・奴隷仕様(名称未公開)(UVカット、セラ専用装備品の強制収納、他能力未公開)日中限定


備品:棺桶〔アルフォンス・シルベスター・ヒッキンゲン男爵、通称バロン〕

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銀の狼、通称は銀狼ぎんろう・・・メンバー紹介


白銀のフェル:リーダー、長剣使い アビスの弟子

堅狼のロボス:フェルの弟 杖使い 後衛回復役

ラブラ:長斧使い シェパ:ラブラの弟 槍使い 共に前衛、護衛兼突撃役

ギンガ:蛮刀使い 探査、切り込み役 コチャ:ギンガの妹 弓使い 探査役

カメリヤ:双剣使い フェルの恋人 便利屋 OWOプレイヤー

本名スージー・アナスタシア・ロチェンコフ

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