114話 魔の国漫遊記⑥フェイト動乱 後編
幼い声で通告されると続く天幕の笑い声、だがそれは一瞬で阿鼻叫喚と成る・・・
次々と彼女は宣言しながら数え終わり「それでは攻撃を開始致しまぁ~す♪エヘ」
その間にバロンはハタと気が付いて「人型で降伏の様子を見せればそれを助けよ、タクト様の間接的な知り合いが居るやも知れぬのでな、それ以外は全て殲滅じゃ!一切を許す事まかり成らぬ、蹂躙せよ!」「おおぉー!」雄叫びが上がると先ずは呼び出した配下の眷属や従魔などを嗾けた。
号令一下、バロン配下の上位眷族達は、後方にも転移をして、足の速い手下を呼び寄せ挟撃を開始する・・・
当初から慌てふためくオーク達は大した抵抗も無く、アッサリ蹂躙戦に突入して、阿鼻叫喚が渦巻く一大地獄絵巻が展開する・・・
その少し前、のんびりと勧告を聞いていた者達の天幕へ「前方、巨大な獣魔が出現しました!」「強力な魔力反応が多数出現!」「後方にも魔力反応あり!」「足の速い獣魔が突撃を開始ぃー!」などの報告を受けて「真逆……そんな筈は……」
「「「ズサ!バシューン!」」」
天幕の上部が十字に切り裂かれると、ど真ん中にヒッキンゲン男爵は降り立った。
驚く一同の天幕を突き破り、突然飛来したヒッキンゲン男爵は「フハハハ♪其処へ直れ!」「ゲゲ!お前は……」天幕内の貴族や軍人とは違い、見下す様にバロンは強者の笑みを浮かべた。
そして睥睨しながら「散々パラ、お前達はエルーザ様と余の足を引っ張り、為たい放題したのじゃ、覚悟せよ、成敗!」巨大な大太刀を血の凝固で固めた血刀、彼は目にも止まらない勢いで一閃!真横に薙ぎ払う・・・
一瞬で其処は阿鼻叫喚、我先に逃げるのだが此処に居る人型はカリン達には関係の無い男許り、遠慮無く二の太刀三の太刀と薙ぎ払い、笑いながら猛威を振るう鬼人ヒッキンゲン男爵!吸血鬼はまさしく鬼だった。
驚きながらもリュウパンは剣を抜き放ち、抵抗しようと構えるが、他の有象無象と同じく、数瞬後には此処に集まった高位貴族達や軍人達と肩を並べる結果と成り、後悔する暇も無かったのである・・・
外でも遺憾なくその力を発揮して、その眷属が情け容赦なく豚共を蹂躙していた。
配下の狼男が変化して高速で迫り、呆気に取られるオーク達の首筋に飛び掛かる!
鮮血が飛び散る中を狼達が、驚くオーク達を見つめて、舌舐めずりしながら次から次へと襲い掛かり、その頃には後続も追い付いて後方から陣を突き崩す。
必死に指揮官が叱咤して変化を果たすと、オーク達も反撃を試みるのだが、後から来た中型大型の獣魔と、嘗ての戦役で血の眷属と化した鬼人族や竜人族が変化したサイクロプスやオーガ、そしてドラゴンの姿で襲い掛かる・・・
変化をすれば多少判断力が落ちて、好戦的にも成るオーク達、現状を正確に認識が出来ずで、なし崩し的に戦い始めた個体も多かったのだが・・・
勧告を思い出して、早くも人型で武器をかなぐり捨てて平伏している者は助かり、そのまま変化していた者は武器を捨てても完全降伏とは認められず、情け容赦なく一族の吸血鬼やその眷属は、主の命令通りに屠った。
況してや抵抗する者達には遠慮が無い、降伏を伝えようとするのだが無視した。
それを見て慌てて変化を解き平伏を始めるオーク達、だがその判断を誤り、命令に従って変化をした者達は、たった数分間で大凡三分の一が打ち減らされた。
戦場に出て来たバロンの軍団に蹂躙されて、三万を優に超える軍団とは言えども、個の能力では可成り劣るオーク達では、上位個体以外では吸血鬼やその眷属に敵う筈も無く、蹂躙状態が続く・・・
長陣に備えてオーク達も軍の展開はしていたが、女の子の勧告では当然気が緩み、兵士達も侮る、そして前後から襲われた時には目前で敵を迎えたのだ。
特に後方では陣も無防備状態だ。突然の事で立て直しも儘ならず、襲撃を理解した後でも、僅か許りの時間では、指揮官も思う様に命令すら伝達出来無かった。
何より個々の判断で迎え撃った為に被害が拡大したのは仕方の無い話しで、迎撃の猶予を与えなかったバロンは巧みだ。彼の思惑通りに成ったが、えげつない遣り様だったとも言える・・・
やや街道から逸れた牧草地帯の小高い場所に展開していたオークの陣地は、前面と後方から挟撃されて為す術も無く崩される、その後は喧噪の中で虚しく指揮官達の声だけが響くだけだった。
その後も蹂躙状態が続く・・・
元から人の姿で居た者達の中にも、指揮官クラスは果敢に戦ったが、人型でも抵抗する者達には、吸血鬼達も容赦無く不死身の身体で権能を振るい、例え傷付いても回復、腕や足がもがれても、簡単に復元する姿をその目で見ると、オーク達もその戦意は急速に衰えて行った。
既に全面降伏をしようにも、その判断命令を下す責任者のリュウパンは、最早もの言わぬ骸、上級指揮官クラスと貴族は、真っ先に天幕を襲ったヒッキンゲン男爵に殺され、下級の指揮官クラスでは、もうどうする事も出来無い状態で、一般兵士は上官や同僚の顔色を見ながら各々の判断で、降伏して行くしか無かった。
初撃に耐えて逃げ惑うオーク達の中には、何とか戦場を離脱して行ったが「アハ♪此処にも居たよ」「あらあら残念だったわね」見付かれば殺されるか降伏しか無い状態で、勧告通り変化を解いて武器を捨てたが、匂いを追跡していく狼は、不意を突き降伏もへったくれも無い、情け容赦なく食い散らかす・・・
天幕に居なかった高級指揮官や貴族が生き残っていたが、戦意を失ったオーク達に命令するも、萎えた士気は全く上がらず。自身も諦めて勧告通りに降伏して行く、そして運良く逃れた者が近隣で此の惨劇を逸早く伝える事に成った。
僅か半時間程、たった半時間の出来事だった。黒備え師団を初め領主軍、徴兵や王都から意気揚々と出て来た者達も、その骸を晒して生き残った者は、四分の一程の生存者が居ただけだった。
後にアウトレイジ郊外の惨劇と呼ばれた事変、そう……此は戦争では無く、虐殺と呼ばれる範疇だったかも知れない、戦いと言うには余りにも一方的な結果だった。
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バロンこと、ヒッキンゲン男爵がその場から転移した後でも、未だ場外の敵勢力と合流した高位貴族や軍人達からの要求が拡大して次々と届く・・・
曰く王都引き渡しから始まり、曰く貴族特権の復活、早期の王城貴族街の立て直しなどなどだ「未だ来るのか?」「次々と早馬で届いている様子ですな」カントンも呆れてウンザリともしていた所に「忽然と謎の軍団が出現す!」「降伏勧告の後、戦闘開始!」「僅かな時間でリュウパン軍は崩壊!」矢継ぎ早に届く報告に驚く。
そして絶叫に近い伝令が次々と舞い込むと、既に言葉も無いカントンやバショク、ギエンなども「真逆そんな……」後の話しが続かない、しかし、エルーザは「然も在ろうの、鬱陶しい要求が途絶えたのじゃ、良かったではないか」「物見の報告に拠りますと、ほぼ全滅との事です」その後も戦況報告が続く。
特にバショクは報告の結果に驚き「俺が余計な発言をした為に此の結果なのか……此の俺が同胞を死に追いやったのか……」到頭膝を着き項垂れる、だがエルーザは「お前達は一体誰と考えて彼奴と話しをしていたのじゃ、此の結果は当然じゃの、嘗て数十万の敵を彼奴は……彼奴の一族と眷属だけで全滅させた事もあるのじゃ」
カントンが気を取り直して「しかしエルーザ様、何も無慈悲に全滅させる事はありますまい、それ程の力量差があるのならば、何か他に遣り様もあったのでは御座いませんか……」振り絞る様に訴える。
しかしエルーザは「その方は何を言って居るのじゃ、解せぬ話しじゃの」「何がで御座いますか?」「妾達は元々政権を執る積もりも無ければじゃ、お主達の政権維持にも興味は無かった筈じゃの?」「それは確かに……」「それでも今回バロンが手を貸す事にしたのは、妾から【一切を任せる故に善処せよ】と命令があったからなのじゃ、その時点ならば、お主達の意見なども、或る程度はバロンも取り入れた事じゃろうと妾は思う、それは分かるの?」噛み砕く様に話す。
頷く三人に向けてエルーザは「じゃがお主達は何の代案も無くその行動をただ止めたのじゃ、妾でもお主達のやる気を疑うの、其処でバロンは早々に見切りを付けて出て行こうとしたし、妾達も今度はそれを歓迎した。此処迄の話しは間違いの?」「然様で御座いました」ギエンが代表して同意した。
「しかしじゃ、既に出て行く素振りを見せ始めたバロンの態度に焦ったお主達が、妾を引き戻す為に知らせを寄越したのじゃろ?」頷いて同意する三人に満足そうなエルーザは「その時点でバロンに相談すべきじゃったの、妾の行動に掣肘を掛けたお主達は、その時点でバロンの敵に成ったのじゃ、命が残っているだけ感謝しても良い程じゃな」
驚く三人はそんな事で、と考えて仕舞っていた「しかし……」最後までエルーザは言わさずに「チンシェンに対するその方の言葉で、動いたバロンを責めるのかの?しかし、明確に妾から失態を叱責されたバロンには、彼方様に言ったのでは御座いません、などと通じる筈は無いの」
「お主達は此の大魔女王エルーザの行動を阻害し、一任した配下のバロンを蔑ろにしたのじゃ、特にあの者達は事ある毎に刃向かって居ったでは無いか、主殿の手前妾達は大人しくして居ったがの、我慢も限度と言う物があるわ、舐めた真似をするお主達が悪い」
確かにオーク達は、その伝承よりも意外と大人しいエルーザ達の態度に安堵して、虎や竜である事を失念していた事は否めない・・・
ギエンは何とか発言する力を取り戻して「真逆こんな事に成るとは、考えても見ませんでした」「馬鹿にするでは無い、諜報や暗殺が得意なバロンじゃがな、一軍の将帥でもあるのじゃ、確かにアシュラよりは、武力の面で有名ではないがの、その力は特定分野で互角以上の奴なのじゃ、侮ったお主達が悪いわ」
バショクはその言葉に対して「何も侮ったりしておりません、只一人では無理だと申しただけです」「何故その時、彼奴が一人で戦うと思ったのじゃ、まあ仕方無い面もあるが出来ぬ事は言わぬ奴じゃ、一人ででも相手を全滅させた筈じゃからの、今回手下を呼んだのは、途中で横槍が入らぬように時間を重視したのじゃろう」
話の途中で丁度バロンが現れて「然様で御座いますマイレディ、不手際にも多少は降伏を受け入れましたが、リュウパンを初めぼんくら貴族と軍人達は、完全に掃討致しました」「お前の事じゃ、ハルやカリン達の身内は助けたのじゃろ」「仰せの通りで御座います。それと当初から恭順しておる者達には、全く危害を加えて居りませぬ、四分の一程度ですが生き残っております」「と、言う事じゃ」
シーンと静まり返る部屋で、何も言えないで居る一同に対してエルーザは「此奴は妾が居らねばの、此の魔界を統一していても可笑しく無いほどの逸材じゃ、数多の国を滅ぼして従えておった時期もあったの」「その様な昔話は、もうご勘弁をマイレディ、そんな野望は疾っくに御座いませぬ」
以外だと思ったエルーザは「何故じゃ、一族の長に復権をしたのじゃろ?」「死にかけた私めを助けて、力を取り戻させて頂いた恩人に何か物の役立つやもと考えて復権は致しましたが、権力や諸々に対しては、既に執着が御座いません。今はマイレディと仲間の役にたちたいだけに御座います」
「もう野望は抱かぬと言うのかの」「嘗ては御座いましたが、マイレディのお供をしておりました頃から、そして更に今の境遇に成ってからは、そんな面倒臭い話しよりも、馬鹿騒ぎをしております方が楽しいので御座います」「合い分かった」
それから事後の話し合いを続けている最中に、拓斗が転移で現れる「あれ?もう旅立ったと思ったんだがな……昨日の話ではそうだっただろう?」位置関係が然程変わっていない事に対して、不思議に思いながら転移をして来たが、開口一番拓斗はそう疑問形で問い掛けた。
それに対してエルーザは「主殿、一旦は此処から旅に出たのじゃがな、問題が発生したのじゃ、どうやらチンシェンの思惑通り、反対派を殲滅させられたわ」などと言いながら、一連の話しを順序立てて説明して行く・・・
「まぁ大局を考え得るとじゃ、後に多くの血を流す事も少なく成ろう程にの、結局妾はバロンの行動を黙認したのじゃ」「成る程な、一応理解はしたよ、当事者でも無い俺が、後からツベコベ言っても始まらない、それに人の事をとやかく言えた義理でも無いしな、此方の事は慣れたエルーザ達に判断は任せるよ」
「配慮感謝するのじゃ主殿、それよりもじゃ、今日は少し早いのでは無いかの?」「あ!それだそれだよ、こんな話しをしている場合では無いんだ。丁度良かったよタクト、力を貸してくれ!」「何?何か僕に出来る事があるの?」
タクトが問い返してくると「ザイオンでの話しが急に早まったんだよ、其処で俺に化けて会談の場に居て欲しいんだ」「拓斗はどうするの?」「俺は秘密裏にワイツ卿と話しを進める事に成ってな、会談の場は囮、目眩ましにしたいんだ。急な話で悪いが頼むよ、話自体はロボスさんがする筈だ」
タクトはニコリと笑い「うん、良いよ、任せてよ」「タクト黙って座って居れば、良いからな」「早瀬お姉ちゃんでは駄目なのかなぁ~?」「他に役割を命じているしな、彼奴らは何かとだからな」「何かとかぁ……了解だよ拓斗」「済まないな、エルーザも良いか?」
エルーザも此方の話しがもう終盤なので「妾は構わぬがの、バロンはどうじゃ?」「私めも問題は御座いませぬマイレディ、そして拓斗様」「ならそう言う話しで、余り過激な事をしてオーク達を苛めるなよな、それでは頼んだ」言いながら二人は転移して行った。
見送るエルーザは「主殿は既に半ば迄達して居る様じゃな」「アルビン迄、と言う話しならば然様で御座いますな、しかし、中央山脈の目的地迄と言う話しならば、未だ時間が御座いますし、挽回は可能かと愚考致します」「此方は未だ出発点から動いても居らぬのじゃがな……まぁ何とか成るじゃろう」「まさしく」
今回物資は接収したのだが、捕虜の方はその場に放置している・・・軍という物は金食い虫で、人が動けば食料を始め、生活物資が大量に必要と成る、任期全ての物資を運んで居た訳では無いのだが、数週間分はある二万人以上の物資は種類と量、ともに途轍もない物だった。後にバロンは手下に命じて搬入した物をチンシェンに引き取らせて現金化した。
解散した軍は各々の判断で、いや、その場に留まっても仕方無いと、忽然と消えたバロンの軍団と大量の物資、屍すらその場に残って居ない状態では、全てを諦めて目前の王都に向かう他無かった・・・
五千人ほどが流入したが、それ以上の食い扶持と生活用品が確保出来た事を喜び、行き先も無かった者は、現政権下で軍務や警備に付く話しに成った。因みに後方に配置されていた領主軍はほぼ壊滅、生き残りは各々が自領へと落ち延びた。
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翌日、何とも不安げな三人が「どうしても直ぐに旅立たれるのですか」「何を今更言って居る当然じゃ、一日無駄にしたのじゃぞ」「しかし……」などと言いながら口籠もると「今回は妾の説得でじゃ、バロンが納得して残るのじゃぞ!もう文句はあるまいに……」「然れど……」と諦めが悪い・・・
エルーザは三人に向けて「お主達には未知でもじゃな、妾には既知の事を理解して居らぬ」「それは何で御座いましょうか?」カントンが問うと「師団長クラスでもバロンに取っては物の数では無いと言う事実じゃ、今後は軍事的な危機が訪れても問題は全くあるまい、それよりもじゃ、今後も妾達が手助けを為ても良いと思える様な政を心掛けるのじゃな」
チンシェンが進み出て「三権を分立して行政府には、平時の運営と国家の中長期戦略を提言する国策院を作るアル、互いに監視機能を働かせる軌道に乗るまでは大変アルが、その間はみんなで頑張るアルよ」「王が居ないのであればじゃ、指導者を選ぶ選挙は公平にの、先ずは不正が介入出来無いやり方を構築する事じゃ」
「理解している積もりアルよ、民衆は公平な徴税と公平な裁判、そして有効な税の使い道をチャンと示してくれれば、みんな納得するアルね」「まあそれが出来れば良いがの、難しい話しでもあるのじゃ、より公平な社会を目指すが良い」「一年や二年の数年程度では無理アルよ、けれどタクトさんの話しは素晴らしかったアル、手探り状態でも遣り甲斐はアルからね、頑張るアル」
タクトも此の数日間、拓斗記憶で知り得た知識の中にある、別世界で存在している政治形態の話しを彼是と話しては、毎回チンシェン達を驚かせていたのだが何時も「長短があってどの政治形態も、制度を維持するのは結局人が肝心だよ」などと、念押しする事を忘れなかった。
共産主義や全体主義なら独裁を……民主主義なら衆愚政治の事などだ。
エルーザはそんな話しを聞いてはいたが【それ程簡単な話しでは無いのだがな】と思いつつも「お主達が行く目指す場所が決まったのなら上々じゃ、ならば出発するがの、今度何かあったのならばバロンと良く相談せよ」一同に言い渡してタクトとエルーザは、オーク娘達を引き連れて西門から出て行った。
右手に見れば未だ溶岩ドームが見えて、アウトレイジの前途は多難だと思わせた。
その早朝、拓斗がタクトを送って来て「徹夜させたな」「良いよ拓斗、僕に睡眠は必要ないさ」「精神的な疲労は蓄積するだろう?」「それでも一日二日なら全然平気だよ、それよりも拓斗の方が大変だね」「そんな事はないさ、結構楽しんで居るな……」「なら良いけれどもね」
話しながら転移ゲートを開く拓斗は「スラ達に化けて貰っても良かったんだがな、今回は助かったよ」「お姉ちゃん達は何だか妙に抜けてる所があるからね」「そう言う事、それじゃ」拓斗が戻って行くと、手元に残った初期型の携帯を見て「お姉ちゃん達の努力には感心するね」などとタクトは呟いた。
メーカーエンブレムには、可愛いスライム形で目が付いている、お馴染みの物だったのは、スラの茶目っ気だったのだろう・・・
呼び出しと(コール機能とバイブ機能)通話機能を持たせた簡単な仕組みの物が、試験的に出来上がり、試作品を幾人かに手渡した。無線機とは別に拓斗達は格段の情報伝達方法を手に入れたのである。
その頃、東の藐焉に届いた知らせは「先行させた部隊からの急な報告です」部下が書簡を手渡すと「なぁ!なんじゃとぉ~!」思わず力が抜けて床に落とした文字を部下達が言葉も無くのぞき見た。
其処には【リュウパン軍壊滅す!】簡素に書かれて居た文字列を不思議な物を見る様な面持ちで、言葉も無く全員が只眺めて居る他無かったのである・・・
拙作ですが楽しんで頂ければ幸いです。次回の更新予定は02月20日です。
何時も応援を感謝致します。少しでもポイントが上がるのは励みに成ります。
此れからも頑張りますので、感想などを聞かせて頂ければ幸いです。作者拝




