113話 乙女達の語らい⑪
閑話的な話しですが、作中では彼女達の心情が余り描かれていませんので、時折り今後はエピソードを挟んで、深めたいと思います。本文の補足的な部分も多少有りますが、読み飛ばしても問題は有りませんから、ご自由にお楽しみ下さい。
季節ネタと言う事で作中では、やや未来のお話しですが、お楽しみください。
とある日の事・・・チョコレートを溶かしながら姦しく話す、乙女達がいた。
セラが通りすがりに台所で騒がしく話すスラ達とポコを見付けて「ホント良い匂いスね、思わず甘い香りにつられたス」「あら、セラちゃんも型に嵌めてデコレートする」早瀬モードのスラが尋ねると「自分不器用スからね、それにボッチだったしこのイベントには、余り思い入れは無いスよ」ポコは驚いた様にセラを見る・・・
話しに聞いたこのイベントでは【女の子は全員参加が義務だわさよ】などと誤った情報と、詳しい情報も共にスラから聞いていたからだが、スラは作業を進めながら「実は去年、余りの忙しさと展開の早さで、クリスマスもニューイヤーイベントも出来無かったでしょ、だからせめての事、女の子のお祭りイベント位は、今度こそ実施しなければ成らないだわさよ」ガッツポーズを決めて、スラがメラメラと義務感に燃えていた・・・
因みにこの世界では、この様なイベントは全く存在しない、チョコレートも最近に成ってスラが、原料のカカオを魔の国フェイトで発見して、艱難辛苦を乗り越えて徐々に普及を始めた高級品だった。
其処へさっきから黙って聞いていたガッチャが「お正月も恵比寿さんイベントも、おまへんかったさかいにな」「あれ、アンタ居たの?」「嫌やなぁ、早よから居てたで、ホンマ敵わんわ」「ご免ご免、それで昔は沢山貰ってたのかなぁ?」スラは地雷を踏んだ模様で、ガッチャは返答に困る・・・
少しして立ち直ったガッチャは「こんなイベントは、早よ無くなったらええんや、世の中にはなぁ!排除為ねば成らない、忌まわしいイベントもあるんや!」「あれ貰って無かった見たいだわさよ」「そう見たいスね」「デス」最後のポコをチラリとガッチャは、恨めしげに見たが「持てない男の気持ちは、誰もわからへんわ!」ワァーン!と泣きながら脱兎の如く駈け出して消えた。
それを見てスラが「アチャー・・・悪い事しただわさよ、義理でも一応あげよう」「自分は義理ですらも渡した事が無かったんスよ、だけど今年は拓斗さんに食べて貰いたいスね、だから少し分けて欲しいスよ」「良いわよ♪正直で宜しい」スラが返事をすると同時に「何が良いわよ、なのよ」ミウが入って来た。
台所の周辺から廊下に至る迄、既に甘い香りが漂いミウも入って来たのだが「ヤッパリだわよ、例のイベントね」勿論、早瀬記憶を持つミウには直ぐに理解が出来た「ミウさんもどうスかね?」「うーん?どうしようかなぁ・・・」「ミウちゃんも作る?いや、アンタは要らないわさね」「何故よ?」
ニヤリと笑いながらスラは「ミウちゃんの場合は、可愛いエプロンと赤いリボンがあれば、それで足りるしょ」「ん?」?マークのミウにセラは「アタシを食べて♡スよ」裸エプロンと首に巻いた赤いリボンを想像して、真っ赤な顔をして爆発したミウは「あ、あ、あんたねぇ~!」「作法スよね?」「作法だわさ、是非挑戦して欲しいだわさよ」「どう感ス、自分も作法に則るス♡」「偉い!良く言ったわさ」
騒動勃発寸前に「ミウお姉様は甘い!」ディアナは突然指摘する・・・
初めからディアナは手下、いや奴隷のカムセラとアムセラの勧めに従って、チョコレート造りに悪戦苦闘していたのだが「はい、ディア様」「どうぞディア様」助手二人が甲斐甲斐しく手伝う姿を見て「双子は何しているのよ?」「え!ディア様のお手伝い?」カムセラが小首を傾げると、アムセラが乾いた笑い顔を見せる・・・
そう・・・彼女達には、チョコレートを買う金も無く、ディアナのお情けに縋って生きて居る状態だった。例の借金は彼女達の自尊心すらをも奪い、身も心も奴隷と化して従っている「落ちたものね」ミウの述懐にセラも「昔は暗殺者、凄いス!と思ったもんスけどね」もう笑って誤魔化すほか無い双子だった。
その事を知った拓斗は【ディアナの為にもそんな関係は良くない】と「借金自体を帳消しにして、関係を元に戻す様に」拓斗の言葉に従い証文(証文を取って居た事自体が凄いのだが・・・)の方は消滅させたが、双子の負い目から関係性までは、もう元には戻らずに奴隷を続けている程、チャラにして貰った額面は多すぎた。
それでは何故お小遣いすら持てないのか・・・その後も勝負に負けて可成り借金が膨らんでいるからだ。証文は消失したがそれ迄の負けを取り返す為、再び挑戦して敗北、だが懲りない双子は恐るべき精神構造(次こそ勝つ!)を持っていた。
閑話休題・・・
ディアナは育ちきった胸を反らして「アタシはチョコを渡した上で、裸エプロンに挑戦するわ!なの」爆弾発言に周りが驚き「チョット、チョット待つスよ、ディアちゃんは待て!ス」「なぁ~に?何を待つなの」「いや、待つべきだわさよ」
セラとスラの制止に?マークのディアナは「渡しちゃ駄目なの?」「渡すのは良いスよ」「そうだわさよ」「何が問題なの?」「エプロンは駄目何スよね」「そうだわさ」「何故?何故なの?さっき作法と言ってたなの・・・」「え!」「あれ?」
「アンタ達が余計な事を言うからだわよ」ミウは容赦無い・・・
それからの時間は、チョコが焦げるのも放置して、大人の都合を回避しつつ全員で説得した数分後「分かったなの、チョコを渡すだけにするのなの」ディアナの返事に安堵の溜息を吐いた。
休憩の後に再開をしたチョコレート作り、匂いに誘い出されて拓斗が「チョコか、そう言えばもうそんな時期だったな」貰い慣れていた拓斗は余裕で「だったら少し今日は我慢するかな、楽しみにしているよ」
乙女達は拓斗の出現に自分の作品を隠したが、ホッとした瞬間にディアナが「兄様ご免なさい」「何がご免だディア?」「裸エプロンはもう少し待って欲しいなの」全員の苦労が崩壊した瞬間だった。
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翌日の深夜、バロンの館では・・・
お茶を片手に豪華な椅子で寛いでいるエルーザ、さり気なく完璧な給仕を済ませたバロンは「マイレディ」「何じゃバロン?」「配下が聞き及んできたバレンタインなる物をご存知でしょうか?」
やや眉をしかめながら「何じゃそれは……妾は全く知らぬ」「拓斗様のご友人達がチョコレートなる甘いお菓子を制作しながらの話しで御座いますが、何やら特別な催しの事だそうです」
エルーザは自身が知らなかった催しで、何の相談も受けなかった事実に驚きながら「それは妾は聞いて居らぬ」「それが途轍もない催し物だそうで、何やら腐女子が意中の殿御に裸で迫るのだそうです」「な!なんじゃとぉ~!そんな、何故そんな面白そうな催し物に何故妾が招かれぬのじゃ」
バロンはさり気なく「マイレディが参加をすれば、強敵が現るなどと警戒をされたのでは、ありますまいか?」その指摘に納得をしたエルーザは「然も在ろうの……じゃが妾抜きでそんな楽しそうな催しを成功させて成る物か、此処は是非にも参加為ねば成るまいの」「真に仰る通りで御座いますな」
スックと立ち上がるエルーザは、魔力で具現化した服をかなぐり捨てて「どうじゃこの裸体、この美貌、香しい匂いも立ち込める妾に敵う相手は居るまい、見ておれ小娘共フハハハ」「然様で御座います。此のバロン眼福で御座います」「小便臭い小娘には負けは為ぬわ、ブハハハ」勢いが凄まじい・・・
その姿は堂々たる物で、裸体は何も遮るものとて無い状態だったが「しかしながらマイレディ、此のイベントには、エンプロンが必要で御座います」「なんじゃエプロン何ぞが必要なのか?」「然様で御座います。何やら作法が御座いますようで、裸のお姿でエプロンを着用するそうで御座います」
少しエルーザは考えながらエプロンを具現化して着用すると「どうじゃ」くるりと回って見せると、バロンは鼻から厚い物が染み出て「こ……これは凄い、吸血鬼の私めから血を流させる程のチラリズム、剥き出しの背中と形の良いお尻、拓斗様の世界では何と趣のある事考えるものですな」
バロンが具現化した鏡の前で、その姿形を確かめるエルーザは「此処をもう少し狭めてじゃ、丈を短くすれば完璧じゃな」ブフォ!噴き出す鮮血に耐えながらバロンは「まさしく……」「それで何時主殿に迫れば良いのじゃ?」
「はい、確か明日の二月十四日中なら何時でも良いとの話しですが、チョコレートなるアイテムを手渡した後で、拓斗様が受け入れて初めて思いが叶うと聞き及んで居ります」「チョコレートじゃとぉ?確か最近に成って師匠が巷で売り出し始めた食べ物じゃろ」
「然様で御座います。たこ焼きに次いで、早瀬殿の稼ぎ頭と聞き及んで居ります。しかしながらマイレディ、お喜び下さい、此のバロンめは既に入手して居ります」「うむ!出来したバロン、初奴じゃの褒めて使わす」
其処へ最近ではバロンの事を吸血鬼の師匠と慕う、人型の鞍馬が登場すると「あ!此処でもバレンタインなのぉ~♪」「何ぃ~!其方も存じて居ったのかぁ~!何と言うことじゃ、更に不覚」
エルーザが悔しそうにすると「セラ様達はオリジナルチョコを作って、みんな楽しそうだったなの、だから鞍馬も作ったなの、セラ様のご主人様に褒めて貰い、一杯魔力を分けて貰うなの」他の子達とは目的が違い、微妙に勘違いしている鞍馬なのだが、既に裸エプロン状態で作法は完璧だった。
ドタドタと慌てて走ってくるセラが「もぉ~う、鞍馬ちゃん、そんな格好で廊下に出ては駄目スよ」鞍馬はチョコレートが完成すると、早速具現化したエプロンを着用してエルーザや師匠のバロンに見せる為、此処に向かったのだが、正装状態では人目に付きすぎる、其処でセラが注意する為に追いかけて来たのだ。
そしてセラが包装されたチョコレートを見付けると「これはフ二屋の限定チョコスよね、彼処の商品は本命チョコに相応しいス、流石ス」「本命じゃとぉ?違う物があるのかセラよ」「義理チョコと言う物があるスよ、親しいけれども男女の仲には成らない相手に贈るス、又は日頃お世話に成っている相手などに贈るスよ」
感心して聞いているエルーザは「それでは正装をして贈るのは、本命のみと言う事じゃな」「そうスね、そう成るス、だから本命には手作りチョコを渡して、言葉を添えたりするスね」「なんじゃとぉ~!此は大変じゃバロン、直ぐに支度をせよ、急いで妾も制作せねば成るまい」
しかし、バロンは顔で否定しながら「その様な事は下賎な者共の行い、高貴なマイレディは下々の者達に作らせて、それを評価して成果を自分の物にすれば良いので御座います」「じゃが手作りと言われたでは無いか」「然れば僭越ながら私めが、制作致しましょう」「拓斗さんは男の手作りチョコ何か要らないと思うスよ」
ぐぬぬぬ……悔しそうなバロンは「ならばどうすれば宜しいのでしょうかお嬢様」「フ二屋のチョコでも本命に成り得る完成度スよ、最近のあの子達(オーク娘)は此方に馴染もうと研鑽を積んで、勝負エプロンの制作なんなかもしているス、早瀬さんの画策もあるんスが、此の催し物にオールイン、全てを懸けているスよ」
バロンも思い出して「確かに立派な構えの店舗に並ぶ数々のチョコレート、その中から厳選した物を購入したのだ。此が劣るとも思えぬし、下々も盛況なのか大変な賑わいであった」「そうスよ、店の横ではエルーザ様の像が建てられて、縁結びの神様だと女の子達にも受けが良いスよ」「真っ赤な鳥居も御座いました」
エルーザは驚いて「な、なんじゃとぉ~!妾に断りも無しで彼奴らは一体何をしておるのじゃ!」「しかしながらマイレディ、実際貴女様はオークの世界では、神と崇められておられます。色々と不満の多い世界ではありますが、此の件だけは私めも大賛成で御座います」
セラも少し笑いながら「実際の所なんスがね、オークの若い子達が足繁く通う姿を大勢が見て、ステラ村の住人達も可成り興味を持ったスよ、何年後かには、新興の宗教に成りそうな勢いス」
愕然としながらエルーザは話しを聞いていたが突然「フハハハ!その様な物、此の妾自らが、ぶっ潰してやるわ!」指をボキボキ鳴らし出す・・・
「まぁ女神像のお顔の方は、オーク世界で一般化されたお顔で御座いますし、然程目くじらを立てる必要は無いかと、私めは愚考致します」神認定賛成派のバロンが擁護すると「エルーザ様、フ二屋だけでは無く、拡がりつつあるブテックとん子や焼き肉もうタマらんでも、既に女神像は普及しているスよ」セラが止めを差した。
エルーザは驚きながら「一体、一体誰がそんな事を……」「お春さんスよ、何でも熱烈な信者とか言っていたス」「うむ、お春は見所がありますな」「ばぁ、馬鹿を申すな!他人事だと思い、気楽なことを申す出ない!」言われた二人はお手上げのポーズだ。
事態を重く見ながらもエルーザは「それよりもじゃ、急ぎチョコレートの制作に、妾も取り掛からねば成るまいの」「そうスね、数日前から今日まで、毎日何処かで作って居るス、次々作りたいと女の子達から申し入れがあって、可成り盛況スよ、今も現場に行けば、屹度早瀬さんは作り方を教えてくれるスよ」
「師匠ならば取引もし易いの」「そうスよ、頑張って欲しいスね」
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何も無いとは言わせない、運命のバレンタインデー当日・・・
アルビオンでの任務も一段と落ち着いて、今週は数日ぶりにタクトも長めに休んでいた。朝食を終えた二人は「拓斗、何やら今週は落ち着かない雰囲気だね」「あぁそうだなタクト、それに妙な胸騒ぎすらするよ」何故か二人共が同様の予感がジワジワと込み上げて来る・・・
其処へディアナ達が現れて「兄様達、どうぞ此を受け取って下さい」両手で同時に出してきたチョコレートを受け取ると「有り難うディア」「嬉しいよディア」アムセラとカムセラも、小さいながらもチョコレートを出して「何時でもアタシ達二人込みで食べて下さい」同時に同じ台詞でハモった。
苦笑いしながら二人は「考えておくよ」「拓斗は懐が深いね」などと言うと、次にリズが訪れて「はい、アンタ達、アタシからだよ、それとディアにもね」「ありがとうなの」「有り難う母さん」「母さん嬉しいよ、お父さんにはもう渡したの?」「未ださね、何だか難しい作法があると言うじゃないか、噂で聞けばさ、もう吃驚さね、アタシに出来るのか疑問だよ」「真に受けないでよ」「全くだ」
全員で笑い飛ばしていたその頃……「先ずはお子ちゃまの時間スね」「あんた何を考えて居るのよ」セラの言い様にミウが疑問を投げかけると「昼の間に手渡すと、そんな雰囲気作りは出来無いわさ」「まぁ師匠の言う通りじゃの、小娘達は早目に手渡して休むが良いぞ」
やや向きに成ったミウが「何よジュート、子供扱いはしないでよね」「そうスよ、このピチピチした身体を見て貰うんスよ」「ばぁ!馬鹿を言わないでよ、アタシはそんな不純な事は一つも考えていないわ」「ほぉ~う、ならばミウは此の勝負から逃げるのじゃな?」ピキーン!と何が切れる音がした。
スラがそれを見て宥める様に「まぁまぁそんな事言わないでさ、みんなで、全員で可愛がって貰いましょうよ」「自分はそれでも良いスよ、今更ス、拓斗さんは独り占め出来無い人だと、日頃から思って居るス」「ア、アタシはそんなの嫌だわよ」「あら子供ね、こんな時には大勢でも楽しいんだわさよ♡」再びピキーン!と何が切れる音がした。
エルーザが勝ち誇るように「まぁ此の中で経験者は妾と師匠だけじゃの、ブワッハッハー」「あらアタシを一緒にしないでも良いんじゃない、未だ此の身体に成ってからは美しい儘よ」「なんじゃとぉ!師匠は妾を裏切るのかの?」「裏切るも何も関係無いわさよ、事実を言っているだけだわさ」
カッチーン!と来たエルーザは「スライムと人間ではどうにも成るまいて!」吐き捨てるように告げると「紐でも同じ様な物だわさ」「妾は既に男が喜ぶ状態にして居るわ、実証済みじゃからの」「そんな事を言うのならアタシ達も同じ機能を模倣出来るわよ!既に研究済みのさわり心地だわさ」
此の時分には、既にミウねえとゲボは、避難しつつ拓斗達の元へと向かっていた。
指をボキボキ鳴らしてエルーザは「どうやら一度、師匠とは何かと決着を着けねば成るまいて!」「望む所よ、掛かって来なさい大魔王」手の平でクイクイと馬鹿にするように挑発し出した。
一気にヒートアップした二人を止める事も出来ずに唖然とセラとミウは戦い始めた二人を見ていた。
お互い接近しながら同時に右アッパー繰り出し顎が首毎爆ぜると「やるな師匠!」「アナタもね、けれどアタシには全く効かないわよ!」「確かに物理攻撃は効かぬ様じゃの、ならば此はどうじゃ!」魔法を使ってスラを炎の中に沈めた。
慌てて燃え移りそうな壁や天井にミウとセラは、水系の魔法で防御する・・・
だがしかし、スラの体内には大量の水が内包されていてそれを一気に噴出、四人は溺れながらも暫くすると鎮火した。
その後溢れた水を操作してエルーザに放出すると防御障壁で此を防ぐ「魔法耐性も中々の物じゃな」「お褒めを頂いて嬉しいわさ、けれど此はどうかな魔王様」スラ細胞を無数に硬化させて飛ばした。
エルーザは「何のその位」全て弾くと其処ら中が傷だらけに成る「物理も駄目で魔法も耐性がありか……ならば此でどうじゃ!次は妾のターンじゃー!」
衝撃波を飛ばしてスラの身体を吹き飛ばす「「「「ブォーン!ベチャ!!!」」」この時、ミウとセラは彼方へ吹き飛ばされたのだが、二人はお構い無しで「崩れた身体を元に戻している様じゃがな、其処に核が見えておるぞ!」などと言いながら具現化した槍を突き付ける真似をエルーザはした。
何も命の遣り取りをしている訳でも無い二人は、上下の決着が着けば、もうそれで良いので「降参か?」「ご冗談でしょ」言うなりスラはエルーザの身体を包み込む様にして取り抑える「其処に見えている核は囮よ」「チィ、成る程の、遣り居る」だがスライム細胞で包んでも、決定打には成り得なかったのだ。
徐々に発熱しだした紐、ジュートはスラ細胞から逃れて、二度三度と打ち付ける!紐が打ち付ける身体は、そして飛び散る細胞は一時期的には、傷を付けるのだが、直ぐに他が補い復元する「何とも厄介な……もうこうなったら、ブラックホールを作って吸い込むかの」物騒な事を言い出すエルーザだった。
其処へ現れた拓斗達、コンビネーションも良く流石は同じ考えを持つツインズだ。
二人から同時期に攻撃を受けたエルーザとスラ、拓斗のハリセンがパッコーン!と小気味良く辺りに鳴り響くと、スラに対してタクトが借りてきたトール・ハンマー(通称ピコハンマー)が、ピコ!と打ち付けられると、内包したスキル衝撃波で、スラ体内へと伝わり内部の水分が揺れる・・・
目を回しかけたエルーザが「痛いのじゃ主殿」「目が回るわさ、それに身体が維持出来ない」「バカな事を始めたのは誰だ!」「愚かだよね早瀬お姉ちゃん」見れば談話室の壁が崩れて、見通しよく中庭まで行き来できる状態だった。遠くでミウとセラも伸びている・・・
因みに拓斗とタクトは今日一日、可愛いオーク娘やその他日頃お世話に成っている雌虎の三姐さん、そして雌虎とクラン白豹の爪の若い子達、果ては駄菓子屋の祖母ちゃんに至るまで、愛想も良く受け取っていたが「こりゃお返しの方が大変だな」「そうだね」などと言いながら一ヶ月後に思いを馳せた。
その後復旧作業に数日掛かり、反省が足りないと関係各所からのクレームが続出、日頃理不尽な目に合っていた者達も、今がチャンスと許りに責め立てた事などは、言うまでも無く、チョコレートすら受け取って貰えないと言うオマケ付きだった。
連帯責任と言う事で、ミウもセラも同様の処罰を受けた事実を追記して『談話室の崩壊事件、又はバレンタインデーの悲劇事件』は一応の解決を見たのだった。
拙作ですが楽しんで頂ければ幸いです。次回の更新予定は02月17日です。
何時も応援を感謝致します。少しでもポイントが上がるのは励みに成ります。
此れからも頑張りますので、感想などを聞かせて頂ければ幸いです。作者拝
乙女達の語らいシリーズは、本文の合間に少しずつ紹介したいと思いますが、不定期ですのでシリーズ次回作の投稿予告は致しません。




