111話 魔の国漫遊記⑤フェイト動乱 前編
漸く出発したタクト達の元へ届いた知らせは・・・
南方に位置する王国内でも、中心からやや南に位置したフェイト、タクト達は渋るバロンを残して旧名ソドムを後にした。
今回当初からバロンは、二人だけに成る旅行きに表立って付いて行く気満々だった「妾は飽き飽き何じゃが、こうなっては仕方あるまい、その方は見通しが付く迄、一切を任せる故に善処せよ」などと言い含められて残留した。
可成り時間を浪費した事で、拓斗達との連係に齟齬が出始めたから、タクトを初めエルーザもやや気持ち的に焦り始めたのだが拓斗は「まぁアレだ。最終的に時期を調整すれば良いだろう、或る程度成り行きを見てからだな」との事だった。
紆余曲折を経て、数日後に出発したタクトとエルーザ、そして健気にも付いて来た近衛部隊長の花梨、侍女護衛の依舞花と香貫花の三人や侍女護衛の明日華と彩花、近衛隊の蓮華達までもが同行を志願し、そしてそれを許された。
意気揚々と共にフェイトを出る話と成ったのだがエルーザは「ゾロゾロとそんなに大勢で動いていたら可成り目立つの、オーク領内を出る迄は少数でよいのではないかの」などと指摘すると【ならば二交代制でお願い致します】と言う話しと成り、今は前述の三人が共にいる・・・
因みに残りの三人は、ステラ村内で開店した焼き肉店で、配膳と警護のアルバイト中だったりするのだが、一週間交代の先発(熾烈なジャンケンによる、組み分け勝負が存在した)が決定して、以後はこの組み分けで行動する事に成った。
しかし、騒動が二人を捨て置かない、出発した初日に早々と追いかけて来た早馬が到着する事に成る・・・
知らせによると【南下しつつリュウパン殿が大兵力で移動中、至急指示を請う!】などと簡素に書かれたものが、汗だくの兵士から手渡される、エルーザはカリンを見ながら「リュウパンとは何者じゃ?」「リュウパン様は黒備え師団の師団長で、本来なら北方国境へ赴任する最中のお方です」
エルーザは疑問を口にする「何故今日まで何一つ、誰もが口を噤んで妾達、いや、その方達にさえ、大事な知らせが届か何だのじゃ?」「それは……恐らく何処かで止まって居たのか、或いは我々が忙しさの余りに見過ごしていた?などとも一応は考えられます」遠慮がちにカリンが話す。
そのカリンの答えに「成る程の、じゃが解せぬ話しじゃの……」エルーザは簡素な知らせを見ながら「その師団が南下して来るのが何か問題なのかの?普通なら被災地に一軍が戻って来るのならばじゃ、災害支援と復興の為に急遽引き返して来たのじゃろう、などと妾なら単純にそう思うのだがの、じゃが話しを聞けばじゃ、態と情報を遮断された?とも考えられるのか……」軍の内情に可成り詳しいカリンが、他の二人と顔を見合わせた。
そして意を決して「未だ確定的では御座いませんが、差出人を見ればギエン将軍で御座います。同格の黒師団が帰って来たのならば喜ぶ筈で、此方に知らせる必要も無い話しかと私は思うのです。ですが文面では然に非ずならば、此はもう非常事態かと……現在の赤備えは半壊状態、近衛も同様で混乱中のアウトレイジが危うい、などと将軍はお考えなのでは御座いませんでしょうか?」
被災後、数十日が経過したとは言え、現在は復興と警備に多くの兵力を割いている状態で、軍の機能も近衛と赤備え、徴兵や王都警備隊などとの連係も十分では無く意図不明の軍勢が現れたならば、軍人として懸念するのも当然だった。
可成り辛抱強くタクトやエルーザは、バロンの力を借りて未熟な自治組織の運営を手伝って居たが、事ある毎に貴族や軍の重鎮から横やりが入り、嫌気が差して出て来た許りだった。
其処へ第二便として【王都の明け渡しをリュウパン殿は高位貴族達と連盟で要求、内外が呼応して城外の兵力は拡大中で、現在は王都前面に陣を構築中、兵力は既に三万を超える勢いで展開中】それを読んでタクトに手渡す。
そしてエルーザは「あの馬鹿者共は全く度しがたいの」読み終えたタクトも「同感だよね、そんな場合でも今は無さそう何だけれどもさ、彼らにとって頑張って居る人達や民衆の気持ちは、もう二の次なんだろうね」他の三人も眉をしかめて文面を読み終わると一斉に溜息を吐いた。
未だ郊外に出て王都も間近の範囲だった事から「タクトよ、此は一度戻るかの?」「仕方無い……かな、けれどエルーザは戻ってどうするの?」「後の事を考えるのならばじゃ、話し合いに応じなければ、一度徹底的に叩いてじゃ、妾達の力を見せ付ければこんな話しも次は出ぬじゃろう、幾度も情けを掛けて見逃してやったが、あの馬鹿者共はもう始末した方が良いわ!」
その剣幕に三人の従者は恐れ戦くのだが、タクトはほぼ同意する様に「それにうかうかと話しに乗ったリュウパンと言う将軍も問題だね」「他の有力者も馬鹿にしたように参集もせず。それに支援要請にも応じ何だからの」「そうだね、現在は孤立状態だよ、ヤハリ僕達は出発するのが早過ぎたね」
頷きながらエルーザも「後二つある師団と近隣の貴族や元王族などと言う輩にも、この際に此方の力を見せ付けるのも面白いのじゃ、まぁバロンが本格的に動けば、妾達の出る幕は無いのじゃが、今回は妾が絡んで居る故に奴も勝手な真似を控えて居るのじゃろう」「元々可成り怒って居たのに、バロンもよく我慢して居るよ」
誰言うとも無しに引き返し始めて仮庁舎に到着すると、狼狽気味のバロンは「こ、此はマイレディ、そしてタクト様」「バロン、何じゃこの不手際は?」「真逆知らせて居るとは……申し訳ございませんマイレディ」「余りにも簡素な文面で分かり辛いよね、何でバロンから知らせが無かったの?」
控えて居た三人をジロリとバロンが睨んだ所、怯える様子を見て深く溜息を吐くと「実の所この私めが相手の殲滅に参ろうとした時、ギエン、カントン、バショクの三人に止められました。止められた以上は、私に取っては関係無い話しに成ったと考え、迫り来るオーク共を彼らが受け入れるのも、又は彼らが後に戦う事に成ろうとも、それは彼らの自由、既に私は何方でも良かったので御座います。よって態々知らせる必要も無い些事と考えて、エルーザ様の後を追う積もりで居りました」
それを聞いてエルーザは「ならばその三人は王都明け渡しに賛成、政権運営もあの者達に委ねる、と言う話しで良いのかの?ならば再び旅に出るとするかタクトよ」「そうだね、今度はバロンも一緒に出ようよ」「はっ!有り難き幸せ。ならば早速にも」だが慌てて止める三人と、新政権に参与する商人達も右往左往し出した。
チンシェンが妙に落ち着いて居て「だから私言ったアルよ、不死身の王様を止める必要も無い話しアル、とね」ギエンとカントンがバショクを同時に見て「俺が悪いのか?この俺が……だが考えは変わらぬ、相手の兵力は拡大中で、既に三万を超えたのだぞ?如何に強者の不死身王とは言え、単独で敵う訳もあるまい」
威圧を込めたバロンの闘気が溢れて「ならば見届けるが良い!」次の瞬間、敵陣前に佇むバロンが眷属や従魔を召喚、油断していた黒備え師団に突っ込むと、其処は阿鼻叫喚の嵐と成った。
召喚されたバンパイアは人型に限らず、如何にも悪魔前とした格好をした者や支配下の巨大獣魔などを嗾けて、オークを殲滅して行った事などとは露知らずの三人は「え?」「やや?」「バロン、いや閣下は何処へ行かれたのですか?」
忽然と消えたバロンに対して嫌な予感を覚えた三人は、エルーザ相手に問い掛ける「その方達が敵わぬ、などと彼奴を嗾けたのじゃ、今頃不幸な黒備え師団とやらは壊滅じゃの、昔の彼奴は妾の言う事も聞かぬ暴れん坊での、皆殺しのヒッキンゲン男爵として有名じゃったわ!フハハハ」などと笑い転げるエルーザを見て、三人は知らぬ事とは言え死刑判決を下した事に青ざめた。
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バロンは元来エルーザの奴隷でも召喚魔でも無いのだが、嘗て大魔女王エルーザと敵対して戦い、敗れて軍門に降った時から【忠臣の近い】などと言う、自ら望んで結ばれた主従関係(真実は微妙?)で、バロンを初め、大魔女王様に惚れ込んだ後三人(三体)が存在する・・・
表は執事、裏で諜報や暗殺を司る現在は不死身王と恐れられるヒッキンゲン男爵、表の軍事を司る竜人アシュラ侯爵、政治や経済、軍の維持を司る現在は世捨て人、元帝国宰相のキャベリー伯爵、民政を司る嘗ては厳正な司法長官などと呼ばれた、ジャッジ子爵達が四大貴族、或いは四忠臣とも言われて民衆にも慕われていた。
多くの国を従えた時点で、他者から帝国と一般に呼ばれ出した時、皇帝を名乗るように薦められたが「妾は性に合わぬの、王でもう十分じゃ、バビロンも王国首都でよい」などと辞退したが、当時から大魔女皇帝とも呼ばれていた。
因みに嘗てのエルーザ達が君臨した王都のバビロンは、戦闘の影響で広大な面積に瘴気が漂い、戦い敗れた死者がアンデット化した。
その後、死したジャッジ子爵が不死の王として蘇り、死を司る王として旧バビロン一帯を支配する……その郊外にセラの出身地、バビロン村が存在するのだが、旧の王都バビロンとは全く別物だ。
可成り離れて居る中央には未だ誰一人として近付かない、昔とは違い徐々に瘴気も薄れて、中心地以外は居住が可能な状態に成っていたのだが、アンデットが彷徨き人々には未だに恐怖の対象だったのだ。
当時の戦いでは味方の裏切りと、奸計で身動きが出来なかったバロン、やむを得ぬ遠征に出ていたアシュラ侯爵やキャベリー軍師が、或る意味では陽動作戦に引っかかり、留守の王都でエルーザとジャッジが殺される……そして滅ぶ事に成った。
その後バロンは紆余曲折を経て、魔道具の棺桶に縛られ衰弱、領地は子孫が守り通したが長らく行方不明状態だった。所が最近に成って復活を果たし、領地のルーマ王国へ帰還、バロンの館を維持しながら偶然にも再会を果たした大魔女王エルーザに再び仕える事に成った。
現在は未だ全盛期の力は無いのだが、拓斗の魔力供給が進んで棺桶に縛られながらも、嘗ての権能が大凡戻り、元の職責を果たしつつ、執事として拓斗にも或る意味仕えている・・・
その拓斗が「バロンは現世で動ける事が確認出来たからな、調度良いのでタクトとエルーザの面倒を是非頼む」拓斗を命の恩人と考えて居るバロンは「畏まりましたご主人様」「ご主人様?何それ」「はい、何れマイレディと所帯を持てばそう成るかと……」「はぁ!無い、それは無いよ」「それでは拓斗様」
一応納得した拓斗は「タクトは慣れない身体だし、エルーザはどうも加減と言う事を知ら無いからな、バロンはストッパー役をしてくれよ」「畏まりました」真実を知らない拓斗が、本性を隠しているバロンに命じた。
エルーザやタクト達スライム組、バロンやセラなども拓斗の魔力供給は、堪らないご馳走で、吸血鬼組も本来なら吸血が一番効力を発揮するのだが、バロンは棺桶を通じて魔力が供給される為、魔力に関してだけはタフで、権能が大凡戻った現在は可成り力を発揮する事が出来る、或る意味反則状態だった。
長い年月の留守だったのだが、一族を再び支配して復権が出来たのも、拓斗の魔力供給があればこその話しで、バロンは拓斗に対して感謝をしていた事は、言う迄の無い話しだった。
其処へ呼び出された一族郎党が「お爺様何で御座いましょう?」「ジイジイ、呼んだぁ~!」子や孫、ひ孫までを一族の上位と定めた二十人程が現れて「本営は余が叩く故、一切放置で構わぬが目の前の軍勢、特に黒色をした奴らを足止めしつつ、全てを殲滅しろ!決して逃がすで無い」そして全員が正面を見る・・・
従う眷族達は各々が「何だぁ戦か」「豚の血は不味いんだよね、アタシはドレインだけにしよう」「下僕達も呼んで、みんな餌にしょうか?」「構わねえんじゃねえか?」バロンの顔色を伺いながら発言すると「構わぬ、一切合切処分だ」
其処へ念話が入り〔バロン如何じゃ?〕〔此れから殲滅致します〕〔此方ではの、一応被害を抑えて欲しいそう何じゃが出来るか〕〔な、何と……〕バロンは小さく舌打ちをする〔無論敵対する者は構わぬがの〕〔そお言う話しならば承りました〕やや喜んだ雰囲気で、余計な事を言わずエルーザに返事を返した。
一計を案じながら素早く通告文書を作成して、一番幼いひ孫に魔法で通告させた。
可愛い衣装に身を包んだ五歳くらいの女の子が、可愛い声を出しながら拡声魔法を使い「えーっと、え~っと、オーク軍のみなさま、こちらは……」などと言うものだから、ほのぼのとした雰囲気でオーク軍の兵士達は聞くことに成る・・・
一方、消えたバロンを見送り、残されたエルーザは素知らぬ顔のチンシェンを促す様に目を留めて、暫く見つめ合ったのだが、周りが何事かと、訝しげにし始めると深い溜息を吐いた。
エルーザはチンシェンを見ながら「さてお主の弁明を訊こうかの?」「あいやぁ~お腹が痛たたアルね」「惚けるなよチンシェン、ぼんくら軍人の此の三人ならいざ知らず、お主程の者ならばじゃ、此の情報を掴んでいなかったとは思えぬの、腹に一物の商人ならば限らぬが……」一同が驚いてチンシェンを改めて見た。
降参と許りにお手上げのポーズを取るチンシェンは「大魔女王様や不死身王様なら先に相談しても良かったアルけど、此処に残って頑張っている人々と私は色分けをしたかったアルよ、私は商売が大事で政権運営など全く興味無いアルが政自体は是非とも安定して欲しいアル、だからこの際一度は完全に膿を出し切る方が良いと考えたアルね、だったらエルーザ様達が此処を一度出て貰った方が、あの分からず屋の人達も、屹度動き易いと思ったアル」
ジロリと睨み付けてエルーザは「妾もその考えには理解も一応は出来るがの、妾の段取りを狂わせた落とし前はどう付けるのじゃ?」「あいやぁ~更に痛いアルね、勿論償いはするアルよ、今後の旅行きには是非バックアップさせて欲しいアル」
少し考えた後「妾はそれで良いがの、利用されたバロンがどう思うかの……」少し恐怖心を覚えたが、チンシェンも流石はひとかどの男「バロン閣下には私こう言うアル、陛下に誠心誠意お仕えする事で償わせて貰うアル、言わば私も閣下の同僚、同僚なら仕事ではお互いに得意分野でカバーし合うアルよ」
何とも言えない話しだが「そんな言い方ならバロンも一応は引き下がるよね」やや苦笑をしながらタクトも理解を示すと、何とも言えない顔をエルーザはする・・・
エルーザにチンシェンは「それに魔女王様や不死身王様に事前に話すと、とんでもない話しに成ると思ったアルよ」「それは心外な話しじゃ、温厚な妾が何とすると思ったのじゃ」「言わぬが華アル」と惚けたように言ったが「まぁまぁ一応はもう過ぎた話しだし、エルーザも機嫌を直せよ」
「風評被害じゃ!バロンをあんな形で野放しにする方が酷く成るのじゃがの、その点妾ならば手加減という事を心得ておるのじゃが……」などとブツブツ繰り返す。
だがタクトが後押したのでエルーザは「仕方無いの、お主は役に立つ、今回は妾の思慮遠望と言う事にしておいてやるわ、じゃが貸しじゃぞ」「心得て居るアルね、流石は大魔女王エルーザ様、以後御用商人として、ご贔屓に願いたいアル」本当に悪びれるでも無く不貞不貞しい・・・
エルーザは【此奴帝国の復活を望んで居るのかの?馬鹿馬鹿しい】と聞き流した。
少し話しは遡り、リュウパンは黒備え師団を初め、徴兵や貴族軍を引き連れて引き返す途中で、次々と知らせや要望、援軍などの申し入れなどを受けて【案外簡単に上手く行きそうだな】などと気分よく行軍していた。
その中には王都の高位貴族や軍人などから知らせて来た話しが多く、曰く「不埒者が国政を壟断中で、貴族や高官を蔑ろにしている」曰く「市民が中心と成る共和国成るものが発足中だ」曰く「貴軍の到着を待って合流、政権を取り戻したい」曰く「進軍すれば内から門を開ける」曰く「主犯格は既に王都から脱出」などなどだ。
中には冷静な判断に基づく知人やお抱え商人からの知らせもあったのだが、自分にとって都合の良い話しの方が魅力的で、彼の判断を曇らせていった。
逃げのリュウパン、又は小心者のリュウパンと言われる程、気の小さいこの男は、そんな大それた事をする積もりは、此処に来ても全く無かった。
一瞬は部下のひと言【閣下、ご運が到来しましたな】などと言われて、大きな夢を見たのだが、時間が経てば経つほど考えも改まり、或る程度の活躍をして後の政権内で上位の扱いを受ければ、もうそれで彼自身は満足で良かったのだ。
しかしリュウパンは、その内心を隠して部下達の手前、威勢の良い話しをした。
そうなると部下達も担ぐ神輿は大きい方が、派手な方が良いと考えて、事ある毎にリュウパンを煽てて来る・・・
しかも仇討ちと声高に引き返した手前、強気に行かなければとの心理が働き、後に色々な要求を伝える事に成るのだが、情報が入り【陛下を倒した犯人と戦わないで済むのなら、後は民衆と一部の者が相手だ。ならば強気に出るか】などと気も緩み甘く考えて、脱出してきた貴族達を迎え入れ、王都郊外で軍を展開した。
其処へやって来た高位高官と、弾き出された貴族や軍人達、近衛の一部残存勢力を従える近衛師団の副師団長などが天幕に現れると、お互いに握手をした挨拶の後、盛大に愚痴を言い合った。
お互いに見知った相手ならば気心も知れて、次第に愚痴から侮った話しに代わり、その声も可成り大きく成る・・・
暫くの後、今後あるべき姿、バラ色な方針を早速話し合おうとした所で、幼い女の子の声が鳴り響く・・・
その内容は「こ、こちらは、きゅ旧帝国軍、不死身王が指揮する部隊です」所々でつっかえながら「今からぁ~!十を数える間にぃ~♪降伏して下さぁ~い」今度は間延びして思わず笑い声がする陣内では「此は可愛い声ですな」「不死身王?何を馬鹿な、彼奴は遥か北に居るでは無いか、アハハハ」
その上後から合流した者達は、バロンを見知っていたので尚更、あの優男が真逆?と言う思いと、紹介はされたのだが、唯々諾々と従う姿を侮り、エルーザの腰巾着程度にしか見ていなかった。
事実バロンは魔力供給過多で若返り、二十代半ばの若造としか見えなかったのだ。
それでは何故ジイジイか、最初の姿が老紳士だったからだ。日毎に若返り拓斗達も驚いて居てのだが、エルーザは「どうやら以前の姿に戻ったようじゃの」「時間は掛かりましたが、ご心配をお掛けいたしました」「力はどうなのじゃな?」「未だ完全にと迄は言えませぬ」「成る程の、だが期待して居るぞ」「畏まりました」
話しは少し脱線したのだが戻すと・・・
更に女の子の声が響き「ひと~つ!降伏するなら変化を解き、武器を捨ててへ?」「平伏」「へいふくしなさい、ふたぁ~つ!数を読み終えた後の降伏はこれ何?」「基本認めない」「きほんみとめ、ない」「みっつ~う!戦闘開始後では……」
数を読み上げる最中に降伏条件を伝えながら「ここのぉ~つ!擬態化、或いは獣化している間は、攻撃の意思がありと見做しまぁ~す♪そして最後にとおぅ!」
次々と彼女は宣言しながら数え終わり「それでは攻撃を開始致しまぁ~す♪エヘ」
本気とは思えない通告で、一同は大笑いしながら天幕を揺るがすと、其処へ兵士が駆け込んで来た。此の瞬間から阿鼻叫喚が始まったのだ。
拙作ですが楽しんで頂ければ幸いです。次回の更新予定は02月13日です。
細かな部分の言い回しやその他で気が付いた間違い等を随時訂正しています。
何時も応援を感謝致します。少しでもポイントが上がるのは励みに成ります。
此れからも頑張りますので、感想などを聞かせて頂ければ幸いです。作者拝




