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ツイン・タクト (外部世界の不思議な物語)  作者: スラ君
第三章 転移 魔人族の国、獣人族の国
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100話 魔の国漫遊記①滅亡の都ソドム

有り難い事に記念すべき百話です。少し自分自身を褒めてやりましたが物語は続きます。未だ未だ此れからも頑張りますので応援よろしくお願い致します。作者拝


話しを戻してミーメことオーク・ディザスターが、異空間で敢え無く消滅したその後からの話しです。

その半分程度が見事に破壊尽くされたソドムの王宮、バロンが撤収した後の廃墟に佇む三人を、遠巻きにしている数多くのオーク達が、徐々に拓斗達を取り囲む様に近付いて行く・・・


殺気立つ者達も居るのだが、それよりも相手に対する恐怖の方が勝り、怖ず怖ずと或る程度の距離を開けて、拓斗達を囲みだしたが王宮内を始め、街の方でも何やら騒がしく、彼方此方で喧噪や怒鳴り声が出初めて、ソドム全体の雰囲気は、変貌し始めて居る事を拓斗達は感じていた。


その中には昨日セラフィナを攫ったと、勘違いしているカントンやバショク、本日当直のカリンが身分的は上位者で「あの三人は一体・・・」バショクが呟くとカントンも「俺もよくは分からぬ」カリンは「陛下が倒されたのか?」「遺体は無いが見ていた限りでは、そうなのだろう」カントンが返事をする・・・


辺りを見渡せば半壊した王宮と吹き飛ばされた裏山、大勢が声も無く見つめるその三人に、一体誰が最初に声を掛けたのかは、初めは不明だったのだが「アナタ達は一体何者ですか!」タクトは問い質されて「ヤア、女官長」「女官長ですとぉ?」「あ!此じゃ分からないよね」タクトはセラフィナへと変化した。


驚いた女官長は「あ、貴女様は・・・」「いやぁ~、ご免ね、僕はセラお姉ちゃんじゃ無いんだよ」後ろで佇む八人の侍女、健気にも女官長の護衛を自認して付いて来たが驚いていた。


そして額ずいて「よくぞ、よくぞご無事で・・・」シュンカが声を詰まらせたが、女官長は「アナタ達は何を言っているのですか、陛下に危害を加えた曲者ですよ、いい加減恥を知りなさい」


シュンカ達は女官長を正面から見て「我が国の国是は強い物が正義、実力があれば何時でも首を取りに来いと陛下は常々仰って居られました」「それは確かに仰って居られましたが、けれどそれは身内の話です。何者とも知れぬこの方を王とは戴けませぬ、ええそうですとも、私は絶対に認めません!この者達を捕らえるのです」


ある意味、この時点で一番度胸があったのは、誰憚ること無く女官長だった・・・


確かに女官長の称える筋は納得が出来る話しで、八人もどうして良いのか迷ったが「あのぉ~女官長」「何ですかシュンカさん?」「陛下ですら勝てなかったお人を相手に私達だけでは迚も敵いませんよ」遠巻きにしていた人々も、話しが聞こえる範囲の者達は同意して、先程のシュンカが語った話しも物議を醸し出した。


意外だと思った三人は「どうやらオーク達と戦わなくても良いのかもな?」「そうだね拓斗、だったら気持ち的にも助かるよ」「ビビって居るだけじゃろう、兎も角退散した方が良くは無いか?彼奴らの話しが纏まるまで待つのも阿呆な話しじゃ」「だよな」拓斗が返事をするとタクトも「言えてるね」と返した。


拓斗は何処を突破しようかと、周囲を眺めて居たら足元が地響きを立てて、大きな亀裂が入る・・・割れた地面から硫黄臭が漂い「此は堪らぬわ」エルーザに嗅覚があるのか不明だが、真っ先に声を上げると「硫黄の匂いだな」周りに障壁を張っている拓斗だが、口や鼻の呼吸に必要な周りにもフィルターを仕掛ける・・・


山の半分を吹き飛ばしたのだ、もし此処が休火山だったのなら、火傷痕のかさぶたを一気に剥がして血が噴き出した?そんな感じの話しで、此れから起こる事が何となく推察が出来る様な・・・全くイヤな感じだった。


閑話休題・・・


タクトは拓斗の姿を見て「拓斗も生身で大変だね、僕は呼吸をしていないから平気だけど、周りも大変そうだよ、だから拓斗お願い」オーク達もむせ返り、弱い個体はもう動けない者達すらいる始末で、タクトは女官長を初め、侍女達八人を結界や障壁などで守って貰える様に促した・・・


その時、半分崩れた裏山から轟音が轟き、残った天辺から水蒸気爆発が発生した。


「「「ドゴォ――――――――――――――――――――――――ン!!!」」」


焼け爛れた岩石がオーク達にも降り注ぐが、拓斗の張った障壁に阻まれて「おい!アレを見てくれ」口々に告げる現象をその目で見て「陛下を倒した相手が真逆」と信じられない思いだが、オーク達は拓斗の障壁に守られている事実を認識すると、神を崇めるような純粋さを見せる・・・即ち、額ずいて拝んでいたのだ。


拓斗達は裏山を見ると、マグマに押し上げられた岩石などが、ドーム状の膨らみを見せて次第次第に大きくなる「此は崩れるの、主殿、早く非難を促せ。弱い者から先に逃がすのじゃ!」「そうだなエルーザ、確かにお前の言う通りだよ、山頂まで削れて一直線に溶岩の通り道が、既に出来ているからな、此処は危険だぞ!」


拓斗はそう判断すると、強制的な念話を発動する〔オーク達、聞こえるか!聞こえたなら早く反対側にある高台に避難しろ!山が崩れれば此処が危ない〕


それを聞いたオーク達は我先に逃げ出したが、怒りを込めた拓斗の念話は強制力を伴い〔馬鹿者共!何をしているんだ!女子供を保護しろぉ――――――う!!!〕


この念話でオークは我を取り戻し、一部は秩序立てて順次逃げ始めたのだ・・・


既に何時崩れても可笑しく無いほど膨れ上がったドームを見て「確か旧約の創世記ソドムは【天からの硫黄と火によって滅ぼされた】などとされていた。同じ名称の土地がそう成るのは不思議だ」などと考えていたのだが、拓斗の足元からも硫黄が噴き出し始めたので、慌てて転移の魔法を発動した。


八人の侍女達と女官長を手招き、拓斗は「早く此処に入るんだ」異空間を覗くと、此処から遠くに見える高台の、彼女達にも見覚えがある景色が開けて見えていた。


其処は一般人にも憩いの広場で、有名な女神の像が縁結びの神様的な信仰を集めている場所だった。拓斗は意識していなかったが、有名なその像が見えていたので、彼女達には直ぐに繋がった場所の特定が可能だった・・・


肉眼で見える場所なら拓斗には、もう簡単に繋げる事が可能だった・・・


先ずはエルーザとタクトが入ると、後は安心して他の者も飛び込む・・・


状況の変化が目まぐるしく、女官長も流石に逆らう気力も失せて、大人しく成った模様だった。序でに成り行きを見る為に残って居たカントン達も飛び込む・・・


そして最初から全員を此方法で逃がせば良かったと、後悔する拓斗が後に続いた。


街の人々も異変に気が付き、裏山が半分消滅した時点で逃げる気満々だった。いやそれ以前にオーク・ディザスターとタクトとの打ち合いで、街の人々は戦々恐々と物音に敏感だった。


タクトは分体を飛行型に変させて上空からの監視を始めた「拓斗、あの人達は低い場所へと逃げてるよ」「了解だタクト」〔低い場所は駄目だ!裏山から離れて成るべく高台に逃れろ!〕タクトは飛行型で逃げ遅れそうな人々を空中に掴み揚げる。


初めは抵抗を見せていたが、助けて貰える事が理解出来ると、素直に次々と掴まり高台にオーク達を送って来る・・・拓斗も念話で説明をして補った。


その後もタクトの監視で気が付けば、拓斗が念話で根気よく注意を促して行った。


溶岩ドームが崩壊して、火砕流の進向方向にあった王宮が真っ先に呑み込まれる、回数を追う毎に地面は転がり易い様に均されて、崩れ去る規模次第だが徐々に遠くまで届く様に成ると、扇状に街の彼方此方あちらこちらで埋まる建物が増え、健在だった建物もその熱で火災の発生を誘発する・・・


何故か居残っていた数人の悲鳴が上がるが一瞬で消え失せる「何だぁ!俺の念話が聞こえなかったのか?」「聞こえては居ったのじゃが、其奴らには抵抗力があったのじゃろうの・・・契約などの縛りが無いのじゃ、そんな事もあるじゃろう」


王宮内で良からぬ事でも企んだ欲深い者達は、哀れにも自らが判断を誤ったのだ。


話しに納得した拓斗は「成る程な、言う事を聞かない奴まで面倒を見切れないぞ」「当然じゃな、主殿、其処まで気に病む事はあるまいよ」「そうだよ、拓斗は頑張って居るよ」「確かにそう何だがな、俺は裏山破壊の一因だから・・・」「それも悪あがきした彼奴、ミーメが悪いのじゃ」黙って拓斗は頷いた。


二回目以降のドーム崩壊は、間隔が短くなって、拓斗達が思った以上に酷かった。


その後断続的に噴出して、ソドムの街は敢え無く火砕流の餌食と成って行く・・・


一時間もすれば、もう死の街と化したソドムに生物は存在せずで、拓斗はタクトに「もう念話と転移陣を繰り出す必要も無く成ったよ、明日は早くからオーク奴隷を連れてイーストアランに出発する手筈だから、俺はステラ村に帰るよ」「あ!思い出したよ拓斗、シュンカさん達のお姉さんが近衛に居たらしいんだよ、安否を一応尋ねてくれないか?いや、是非確認して欲しいんだよ」


「そうなのか、いや良く分かったよ、生き残りの名簿でも作るかな」「うん、有り難う、頼むね」「エルーザ、タクトの補佐を頼むな」「了解じゃ主殿、今回は妾達も助けられたのじゃ、感謝しておる・・・」「僕もだよ、一人だったら今頃は未だ戦っていたかな?だから本当に助かった」「ミーメには不幸な話しじゃが、主殿は戦う相手の相性が良かったの」


「良いよ、気恥ずかしいから其処までだ。それでは何かあったら呼び出してくれ」「了解、それとお休み」「あぁ、そうだったな、何だか眠れる様な気がしないよ」「然もありなんじゃな」


三人は再び轟音と共に崩れるドームを見ていたが「それでは・・・」今度は拓斗もアッサリと転移を果たしてその場から消え失せた。


その様子を見ていた女官長や侍女八名と、後ろで助けられたオーク達が膝を着き、拓斗達を崇める様に、或いは額ずいて拝んでいた「こりゃ神話が生まれた瞬間じゃの・・・」「エルーザ、冗談でしょ?」


エルーザは小悪魔的な笑みを見せて「いや、こんなもんじゃ、欲望渦巻く背徳の都ソドムを一瞬で滅ぼした神か悪魔の使途、などと後世に成れば成る程、話しの方は盛りに盛られて大きゅう成り、主殿はオークの世界で、何れ神か悪魔かと人々から敬われ讃えられるか、或いは恐れられかねぬの・・・」


話しを聞いてタクトは諸手を挙げた「そう成るんだね」お手上げのポーズをした。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

拓斗が立ち去ると人々は、見慣れたソドムの廃墟を眺めて涙する・・・気丈に振る舞っていた女官長ですら茫然自失と成っている様子で「此れから私達オークは一体どうすれば・・・」ハンカイが一人で支配していた政治の構造が徒と成るのだが、この時点では未だ考えられる状態では無かった。


ドームの崩壊は時間が経つにつれて、徐々に小康状態へと成って行くのだが、今の段階では何時そうなるのかは伺い知れず「此は新しく別の場所で再起を目指す方が良いかもの」「そう成るのか・・・だったらエルーザ、僕達は此れからどうしようかな?」「妾達には目的地があるからの、どうせ留まっても居られぬわ」「確かにね・・・助けて上げたい気持は少しあるけれど、今回は仕方無いよね」


しかし、ある一言に反応した女官長は「エルーザ!?様ぁ・・・」「ん?何じゃ、女官長は妾の事を知って居るのかの」「あの伝説のエルーザ様で御座いますか?」「どの伝説かは知らぬがの、大魔女王サラマンダー(火蜥蜴)のエルーザとは妾の事じゃ」仰け反る様に踏ん反り返りエルーザは告げると、周りのオーク達も口々に噂を始めた・・・


噂は徐々に広がり初めて、この場に集う男女数千、いや、数万のオーク達が「彼のお方が伝説のエルーザ様か・・・」「ハンカイ陛下を下僕状態にしたと俺は聞いて居るぞ!」「いや、陛下のお尻を開発したのも彼のお方らしい・・・」言った男はお尻を手で隠す真似をする・・・


別の男が前に出て「いやいや、火で焼き殺され掛けたと俺は聞いた」「違うわよ、アタシが聞いたのは蝋燭で全身をなぶられたと聞いたわ」「縛られて息子をイジり倒し、暫く使いものに成らなかったと聞いた」思わず其奴は股間を押さえた。


美の化身、破壊神、背徳の女神、或いは悪魔などなど「それでも大魔女王エルーザ様は、炎の化身で在らせられます。私はその破壊振りを想像するだけで、若い頃は貴女様に憧れました」女官長はウットリと手を胸に当ててその様に話した。


話しをする毎にやや距離を開けていくオーク達を見ながら「おい、お前碌でもないよな?」「不満じゃ、不本意な話しじゃ」「なら嘘か?」「妾はもっとスマートで巧みじゃったわ、ブワッハッハァ♪」事実かよ・・・


女官長が更に進み出て「ハンカイ陛下は酔うと必ずエルーザ様を懐かしみ、当時の話しをよく為さいました。王城の奥にはエルーザ様の像が御座いましたが、本物の方がお美しい様で御座いますね」「ほぉう、其方そちは妾を褒めるのかの」


女官長は一つ咳払いをして「巷ではその像を崇拝して美の女神、或いは背徳の神、そして欲望の神などと持て囃されて、オークにとっては憧れの存在で御座います。そして多数の信者からの信仰を集めております。かく言う私めも(コホン)信者で御座います」今日一番の出来事で驚く話しだった。


そして彼女に後ろを見る様に促されると、振り向いたタクトとエルーザは、身の丈8メートル程の女神像が、エルーザに似ている事を確認する事と成った。視界には入って居たのだが、此れ迄は気にしている場合では無かったのだ。


其処にはスラが早瀬モードで立っていて、突然「そうね【完全独占スクープ!あのエルーザに女神様詐称事件発生!】そしてサブタイトルには【長年秘められた魔王エルーザの過去が一部暴かれた!秘めたる彼女の恥部とは何か?】て、とこかしら大魔女王様・・・」「あれぇ早瀬姉ちゃん来ちゃったの?」「あいよぉー」


お冠なエルーザは「随分な言い様じゃの・・・スラ、妾は詐称などして居らぬわ、今日初めて聞いた話しなのじゃぞ、関係などあるまい」「お!全否定ね、だったら恥部の方はどうなのよ」「其方も否定させて貰おうかの、何も秘密になど妾はして居らぬわ、趣味の事は其方も存じて居ろうが・・・妾は常にオープンじゃ」


「それも確かに言えてるわね、完敗だわさ」「誤解が解ければそれで良いのじゃ」


得意の火炎魔法を耐えられる様に成ったスラには隙は無い、最大魔法の雷にも彼女達は平気だ。そして本体ジュートで縛ろうにも、分裂して逃げられればお終いである・・・本気で戦った事は無いのだが、嘗て弱り切っていた時分にミウねえに翻弄された事があり、エルーザと対等な関係を彼女達は保っていた。


因みに本調子なら恐らく軍配の方は、エルーザに上がるのだろうが、彼女は小さな事には拘らず、この関係性をよしとしている・・・


タクトは折り合いが付いたと見て「それで早瀬姉ちゃんは此処へ何しに来たの?」「さっきご主人様に呼び出されて【ソドムでやっちまったんだ。恐らく何かと不都合や不足物資が出るだろうと思うから、出来る限り要望を聞いてきてくれよ、俺は迎えに行く迄少し寝るよ】とね、研究中だったけど、何をやったのかが気に成って来てみればコレッしょ、話しも面白そうだったから暫く黙って聞いていたわさ」


辺りを見渡してタクトも「当分あの辺り一帯の麓には、何時火砕流が流れて来るか不安定だからね・・・それに残った街も火災で燃えているし、物資不足を懸念するなら全てに於いて不足、としか言い様が無いよ」「単に火を消せばいいんだわさ」「火砕流を防ぐ砂防ダム見たいなものでも作ろうか」タクトも案を出す。


話しを聞いてエルーザは「消火か、成る程の、今なら噴煙と街の火災があるじゃ、少し大気を刺激してやればヒョッとして雨を起こせるやもの、どれやって見るか」エルーザは上空に向けて雷を数度打ち放し、結果を待つ事にしたが微妙だ。


戦場ではよく雨が降る・・・迷信の類いに近いのだが、大勢の喧噪が長時間大気を震わせるのが原因だ!などと真しやかに言われるのだが、大気中に水分が不足していれば先ず降ることは無い・・・


「仕方無いの、川から水でも汲むか、スラも手伝え」「あいよぉー」スラはポンプ役で川から水を吸引、多数の飛行型が胃袋から水を取り出して空から散布し始める「これなら僕でも出来るよ」などと言いながらタクトも参加する・・・


水魔法でも使うかと、様子を見ていたエルーザだが、火災は二人に任せて「ならば妾は土弄つちいじりじゃ」既に王宮は破壊されて街の一部、貴族街は呑み込まれていた。


其処で残された場所を起点に火砕流を斜めに受ける感じで、見た目は悪いが急拵えの壁、と言うよりは土手を構築して行った「此で良かろう」「次々類焼して鎮火は未だだけど、まぁ良いんじゃ無い」「だね」三人の努力で王宮と貴族街は壊滅状態だったが、下町の大半と商業地区、そして倉庫群の大凡が難を逃れる事に成った。


しかし、粗末な造りの貧民街は焼け落ちて、出された住民達の数は半端ない程だ。住宅難民は上は王族からスラムのオヤジまで、雑多な階級の者達が明日をも知れぬ状態に成った。タクト達の作業の方は、既に数時間は経過してる・・・


不安な面持ちのオーク達は、タクト達が移動する先々へ三々五々集まり出す・・・今は河原で話しをしていたらカントンが「今更どうこうする積もりは無いが、この後始末はどうしてくれるのだ?」やや威圧的に物を言う・・・


タクト達は親切心で火災を鎮火した。火砕流を阻む土手が出来上がるのを見ると、今後も何とかしてくれる?などと甘い考えが出るのは仕方無いのだが、他力本願な態度と物言いが気に入らぬエルーザは「何の事じゃ?」「我らの世界を滅茶苦茶にしおって、後は放って置く積もりかと聞いている」


ジロリとエルーザはカントンを睨み付け「此は異な事を聞くものじゃな」「何だとぉう!」「我らは売られた喧嘩を買った迄じゃ、その結果お主らは負けたのじゃ、文句を付ける位なら最初から喧嘩何ぞを売るで無い」「全くだわさ」「エルーザの言う通りだよ」タクト達も同意する・・・


正論を突き付けられて、ぐうの音も出ないカントンに変わり、バショクが「此処の事もあるんだが、我らの世界は陛下お一人が頼りの政治をしてきた。行政府も壊滅状態で、此れからは統制の箍が外れて群雄割拠の状態に成りかねぬ、何とか方策を伝授して頂けぬものか、今は恥を承知でお頼み申す」


文句を言われれば反発をするエルーザだが、下手に出られて頼まれると弱い・・・煽てられれば何でもしそうな雰囲気を持っているのだが「そんな暇は無いのぉ~」にべも無い「聞いてやれば良いんじゃ無いか?エルーザ」再び拓斗が降臨した。


エルーザは周囲を見渡して「主殿か、突然じゃの、オーク達が額ずいて居るぞえ」


拓斗はそれ見てやや疲れ気味な様子だが、多少は声も明るく「スラ、迎えに来た」「ご主人様、早かったね」「寝られなかったよ、ソロソロ向こうは夜明け近くだからな、もう動き始めるよ、悪いが今日は乗せてくれ」「あいよぉー♪」「さっきの話しじゃが、妾達には目的があるじゃろう、喧嘩相手のその後なんぞに関わっては居られぬわ」


拓斗も言い分には納得しているのだが「まぁ~そう何だがな、壊滅させる積もりは毛頭無かったんだ。出来る範囲で助けてやれよ」「仕方無いの、バロン」「ハッ!此処に・・・」最初から居たのか、召喚されて来たのかは不明だが、バロンは影の如くエルーザに付き従っている・・・


もう召喚出来る事がバレると、エルーザは遠慮が無い「此処の行政を暫く面倒見てやれ」「畏まりましたが専門外で御座います」「長年お主は自分の領地を支配して居ったじゃろ?」「それは魅了などを駆使して為たい放題した迄、行政の方は頼み込んで一切専門家任せで御座いました。昔とは違い現在ならば部下達でも、多少は熟しましょうが、民情が違えばやり方も変わり、難しいかと推察致します」


「ならば其奴に頼めば良いのじゃ」「はい、しかしながら専門家と申しましても、あの方に指南して頂いて居りましたから、私如きの依頼で来て貰えるかどうか?不明で御座います」「ン?あの方じゃと?あの方とは誰の事じゃ」「嘗ての帝国宰相キャベリー様で御座います」


「なにぃー!未だ生きて居るのか?」「はい、ご健在で御座います」「な、何じゃとぉー!彼奴は苦手じゃ、小遣いやおやつに迄文句を付け居るからのぉ・・・」


バロンは淡々と説明を開始する「現在は帝国亡き後、世を捨てて引き籠もって居りますが、レディの健在ぶりを知れば、喜んで出て来るかと推察致します。彼女ならこの程度の王国経営は意図も容易く、難無く切り盛り致しましょう」「何処に居るのじゃ?」「噂ではゴモラの山中で御座います」


エルーザには懐かしい名前なのだが「目的地への通過点じゃな、寄り道程度の話しなのじゃが・・・だが彼奴はのぉ~妾はどうにも気乗りが為ぬ」「彼女はレディの為に生涯を捧げた程の人物、そう邪険にする事とも御座いませぬでしょう、レディの遣う小遣いやおやつの事などは、このバロンが融通致します故、どうかご辛抱の程を・・・」


この一言で、スッカリ懐柔されたエルーザは「然様じゃの、確かに彼奴なら手際は良いからの、一度会ってからじゃが任せるかの?」「それがよう御座います。その間の繋ぎ程度なら我が国の行政官と災害復興の専門家を派遣致しましょう」


頼んだ本人だが驚いて「我が国って何処の話し?」拓斗が口を挟むと「此奴はの、魔の国に数ある王国の中じゃが一国の王じゃ、バロンとは妾の部下であった当時の通称で、現在の身分は吸血族の長でもあり、此処から遥か北、迷いの森と言われる場所の国王らしいのじゃ、妾は最近調教で、いや元い、問い詰めて聞き出した」


拓斗も驚いたが、噂で知っているオーク達の驚きは半端ない、元は北から南下した一族だったのだ。恐怖の代名詞、不死の王と不死身の吸血鬼、オークが恐れるその二体のうち一体が、目の前で遜る相手とは・・・


改めてエルーザを見る目が変わり、オークは全員土下座状態から両手を合わせた。


此の破壊をもたらした拓斗とタクト、そして大魔女王エルーザや不死身の吸血鬼、謎のスライム迄が参集して、ソドムの将来を話し会う場と化した此処では、全員が固唾を呑んだ状態で、オーク達は大人しく見守る展開に成った。


もう何が何やらのウチにオーク達は、手を出してはいけない一行との共通認識が、自然と周りで認識した結果だった。


さてその将来とは如何なる物に成るのやら・・・

拙作ですが楽しんで頂ければ幸いです。次回の更新予定は1月6日です。


今回が今年最後の投稿に成ります。皆さん、よいお年をお迎えください。


私もチョット(-。-)y-゜゜゜


何時も応援有り難うございます。又ポイントが上がるのは、励みに成ります。

此れからも頑張りますので、感想などを聞かせて頂ければ幸いです。作者拝

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