設定・用語集
今この記録を目にしている者達へ。
以下に示すのは、現段階で開示可能な情報である。
―――装甲少女とは。
メタルノイドに対抗する唯一の手段として、ゼル博士が開発した人間兵器。
人間の感情が極限まで高ぶった時に脳や心臓から放出されるバイド(Vitality.Drive.)粒子を動力源としているため、粒子放出量が常人の何百倍という特異体質の持ち主でなければ、変身する事すら出来ない。
ゼル博士はこの体質の持ち主を『適合者』と呼ぶ。
変身を遂げた者はナノマシンに高速で改造手術を施され、身体能力を十万倍に引き上げられる。
……装甲少女とは、生身の人間を兵器に作り替えてしまう、禁忌にして悪魔の発明。
それは世界を救うために用いられた諸刃の剣、劇薬。
―――アームド・ギアとは。
『適合者』を装甲少女に変身させるブレスレットの総称。
搭載した人工知能により独自の判断を行うため、開発したゼル博士すら予測できない事態を引き起こす事がある。
一度装着者を選んだ後は、死ぬまでその者に固定されるため、変身が解除されている間は分解されてナノマシンとなった状態で血液と一緒に体内を巡回している。
管理者権限を持つゼル博士の生体認証が無ければ、装着者からギアを分離させる事は出来ない。
そしてギアの装着者は……どれだけ深い傷を負っても、僅か五時間の睡眠を取るだけで完治してしまうのだ。
アームド・ギアは常に装着者の欲求を第一に優先し、それに応えるべく学習し、自己進化する。それが最終的にどのような事態を引き起こすのか、ゼル博士には想像も付かなかった……。
―――メタルノイドとは。
地球人を根絶やしにすべく、別の星から侵略してきた機械生命体群。
その科学力は地球人を遥かに凌駕し、核の直撃に耐える装甲を標準装備している。
地球人からは殺人ロボットと認識されているが、彼らと、地球で開発されたロボットとの間には大きな違いがあった。
彼らは機械の体を持ちながら、まるで生身の人間のような人格を有しているのだ。
外見上の差異はあれど、皆二足歩行の姿をしているのも、恐らくそれと無関係ではない。彼らをロボットではなくエイリアンと解釈する者もいる。
彼らを最初に『機械人間』と呼んだのは、ゼル・シュナイダー博士だ。
彼らは機械なのか、人間なのか……その答えは、ゼル博士だけが知っている……。
―――バロウズ(B・ARROWS)とは。
メタルノイドによる異星攻撃隊の正式名称。
地球人からは単に『組織』もしくは『メタルノイド』としか呼ばれない事が多い。