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装甲少女エア・グレイブ  作者: 大月秋野
最終部 「Ø」
156/227

第154話 監獄からの脱走者

 さやか達装甲少女によって本州のバロウズ勢力は駆逐されたが、北海道はいまだ彼らの支配下にあった。最大規模となる基地が置かれて、地球侵略の拠点にされたの地が受けた被害は甚大じんだいであり、かつて広がっていた大自然は今や見る影も無くなっていた。ある場所は人類とバロウズの戦場になり、またある場所はゼタニウム鉱石を採掘するために森林を刈り取られた。


 バロウズと戦う救世主が現れたうわさは彼の地にも伝わっており、人々は日々苦しい生活を送りながら、鋼鉄の悪魔と戦う勇者が降臨する事を待ち望んだ。


 さやか達が、人類に味方した二体を除く本州の全メタルノイドを倒してから二週間が経過した日の事……。


「ハア……ハア……ハア……」


 草木も生えないかわいた大地が何処までも広がる荒野を、三人の若い男が、息を切らしながら走っていた。みすぼらしい服装は如何いかにも囚人といった風貌で、足には鉄球を切断したらしき鎖が付いていて、剃るひまも無かったのか、顔はひげだらけになっている。


 必死に何かから逃げるように走る男たちを、三匹の犬が追いかける。


「ヴァウワウッ!」


 大声でえながら逃亡者を追っているのは、メタルハウンドと呼ばれるバロウズの量産ロボだった。さらに犬の背後から、メタルノイドらしき大男がドスンドスンと豪快に地面を踏み鳴らしながら走ってくる。


『グフフフフッ……まぁーーーーてぇーーーーっ! このファットマン様から逃げられると思うなよ? 貴様ら全員、刺身にして食ってくれるわぁーーーーっ! ダハハハハッ!』


 奇怪な笑い声を発した大男は背丈4mで、牛のような頭をしている。体は脂肪が付いたようにみにくく太っていて、『オークのように太ったブサイクなミノタウロス』と呼ぶに相応しかった。手には彼のサイズに合わせた金属製の棍棒メイスが握られている。

 特徴的な外見も不気味な笑い方も、全く知性が感じられず、とても頭が悪そうに見えた。


 脱走者と思しき三人は全速力で逃げていたが、やがて先頭にいた男が突然足を止める。


「どうしたんだ……ああっ!」


 後にいた男二人もすぐその理由に気付き、驚きの声を上げる。

 男たちの前にあったのは、何処までも広がる断崖絶壁だった。がけ下数十メートルはゴツゴツした岩場になっていて、飛び降りれば間違いなく死ぬ状況だ。

 無我夢中で逃げ回った彼らは、知らず知らずのうちにここへ来てしまっていた。


「ああ……もうだめだぁ……かあちゃん」


 悲嘆に暮れた男が、弱音を吐きながらひざをつく。もう何処にも逃げ場は無いのだという残酷な現実に心を強く打ちのめされ、悲しみのあまり目に涙が浮かぶ。思わず家族の名を口にせずにはいられなかった。

 他の二人も生きる望みを絶たれた事に絶望し、深く落胆したようにうなだれる。


 絶体絶命の窮地へと追い込まれた三人を、犬と牛男が取りかこんだ。


『グフフフフッ……崖から飛び降りて死ぬか、犬にみ殺されて死ぬか、俺に拷問されて死ぬか、好きなのを選ぶがいい。すなわちどれを選ぼうが、死ッ! 死ッ! 死ッ! 貴様ら家畜どもに、生き延びる選択肢などありはせんのだぁっ! ブッヒャッヒャッヒャッヒャッ!』


 自らファットマンと名乗った牛頭が、口からよだれらしながら恰好かっこうに笑う。時折ときおりガムでも噛むようにクッチャクッチャと口を動かしており、何とも汚らしい。

 彼の忠実なしもべらしきメタルハウンドは、グルルルゥとうなり声を発して囚人を威嚇しながら、主人から命令が下されるのを待つ。


 牛頭が振り上げた片手を下ろして処刑を命じようとした瞬間……。


「待ちなさいっ!」


 何処からか勇ましい女性の声が発せられた。


『おんどりゃぁぁああああーーーーーーっ! 俺のスーパー虐殺タイムを邪魔すんのは、何処のどいつじゃあっ! コラーーーーッ!』


 ファットマンが腹立たしげにわめきながら、声が聞こえた方角へと振り返る。


『!? き……貴様らは……』


 視界に入った人物の姿を目にして、牛頭が途端に血相を変える。

 そこにいたのは金属の装甲に身を包んだ、四人の若き少女……言うまでもなく、さやか達一行だった。彼女たちは北海道へと渡り、この地に足を運んだのだ。


「何の罪も無い人々を苦しめる大悪党は、私たちが許さないっ! そこのブサイクな牛頭、大人しく武器を捨てて降参しなさいっ! そうすれば、命だけは取らないでおいてあげるわっ!」


 四人の先頭にいたさやかが、腕組みして雄々しく仁王立ちしながら相手に投降を呼びかける。その瞳に宿る闘志には一点のくもりも無く、何とも男らしい。


「おおっ!」


 噂に名高いヒーローが救援に駆け付けた事に、囚人たちが喜びをあらわにする。

 四人の少女は話に聞いた通り十代なかばという若さだったが、その事による不安は一切抱かせなかった。何故なら彼女たちはこれまで幾多もの修羅場をくぐり抜けて来た事が容易に伝わるほど凛々しい顔付きをしていて、全身から漂うオーラは、歴戦の勇士である事を物語っていたからだ。


 とても平穏に暮らしてきた少女がまとえる雰囲気では無い。彼女たちはきっと戦場を生き延びた兵士のような、過酷な体験をしたに違いない……そう思わずにはいられなかった。

 そしてそんな猛者どもが助けに来てくれた事に、男たちの中に生きる希望が湧き上がり、嬉しさのあまり胸が激しく高鳴った。


『ブサイクな牛頭……だとぉ……』


 喜ぶ囚人とは対照的に、ファットマンはギリギリと音が出るほど強く歯ぎしりして深くいきどおる。最初こそ装甲少女が現れた事に驚いたものの、容姿を侮辱された怒りで堪忍袋の緒が切れそうになる。


『おどれら、誰に向かって偉そうな口利いてんじゃあっ! コラァァアアアアーーーーーーッ! このNo.026 コードネーム:バーバリアン・ファットマン様の顔を侮辱した事、万死にあたいするッ! このファッキンクソ虫ども、じわじわとなぶり殺しにして、涙目で命乞いさせてやるわぁぁぁぁああああああーーーーーーーーっっ!!』


 口汚く相手をののしりながら、拷問して痛め付ける事を高らかに宣言した。頭に血がのぼって冷静さを欠いたあまり、『クソ』の意味が被った事にも気が付いていない。もはや一秒たりとも生かしておけるものかッ! と言わんばかりに激昂する。


『犬ども、やれぇええいっ! そやつらをバラバラに引き裂いて、はらわたを引きずり出してバエル様への供物くもつとして献上するのだッ!』


 感情のおもむくままに、メタルハウンドに少女たちの処刑を命じた。


「ウォォォオオオオオオーーーーーーーーンッ!」


 主人の命を受けた三匹のロボット犬が、勇ましくえながら、さやか達に向かって走り出す。


「ゆりちゃん、ミサキちゃん、アミちゃんっ! みんなはワンワンをやっつけてちょうだい! 私はあの肉まんだか何とかマンだかをブチのめして、ひき肉にしてスーパーに売り飛ばしてくるからっ!」


 さやかがテキパキと指示を出すと、他の仲間たちはコクンとうなずく。三人は言われた通りに動いて、それぞれ一匹ずつ犬を相手にする。

 さやかは一直線に駆け出して、おともがいなくなった牛頭の前に立つ。


「ピザまんとやら、私がやっつけてやるわっ!」


 人差し指を向けながら、強気な口調で敵を挑発する。まともに覚える気が無いのか、間違った名前が口をいて出る。


『だっ……』


 名前を間違われた事に憤慨し、牛頭が体をプルプル震わせる。本物の牛のように顔を真っ赤にして、鼻息を荒くした。


『どぅぅぁぁーーーーれが、豚まんじゃぁぁぁぁああああああーーーーーーーーっっ!! 俺様は牛だぁっ! 誇り高き牛であるこの俺様は、豚に間違われるのが一番キライなんじゃぁぁぁああああっ! よくも俺様を二度も侮辱してくれたなッ! 絶対に許さんッ! ゴリラと牛、どちらが上かはっきりさせてやるッ!』


 間違われた名前をさらに間違えながら、大声でわめき散らす。大気を揺るがすほどの怒声が辺り一帯に響き渡り、口から大量のつばが飛んで、大地がよだれまみれになる。


『俺様をコケにした事を後悔しながら地獄に落ちるがいい、このくされアンポンタンがぁぁぁああああっ!』


 たけり狂う感情のままに、敵に向かって走り出す。完全に冷静さを欠いても、気にも止めない。


『はらわたブチけてブザマにおっね! このメスゴリラがッ!』


 攻撃の間合いに入ると、悪口を吐きながら、手にした棍棒を少女めがけて振り下ろす。トゲトゲが生えた棍棒の先端が少女の顔面を直撃し、ドグォッと鈍い音が鳴る。その瞬間牛頭は勝利を確信し、「やったぜ!」と心の中で大喜びした。


『……ッ!?』


 だがファットマンはすぐに顔面蒼白になる。

 巨大な金属の塊で殴られたにも関わらず、さやかはその場から一歩も動いていない。平然と二本の足で立っている。棍棒が直撃した箇所はかすかに汚れただけで、かすり傷一つ付いてなかった。


「どうしたの? それで攻撃したつもり?」


 さやかが余裕の表情を浮かべながら、見下すように鼻で笑う。最初からこうなる事が分かっていたようだ。


『う、うるせえっ! 今のはたまたまだ! 本調子じゃなかったんだ! 俺が本気になれば、お前は間違いなく死ぬ予定なんだッ! そうに決まってるッ!』


 ファットマンはにわかに動揺しながらも、全力では無かったと言い訳をする。


『今度こそ貴様をミンチにしてやるッ! 喰らええええぇぇぇぇいッ! うららららららららぁぁぁぁぁぁああああああああーーーーーーーーーーっっ!!』


 気迫の篭った雄叫びを上げながら、やたらめたらに棍棒を振り回す。その巨体からは想像も付かないほど俊敏な動きで高速の連撃が繰り出されて、少女の顔面を棍棒が殴る音がドゴドゴドゴッと太鼓のように鳴り響く。それが数分ほど続いた。


『ハア……ハア……ハア……』


 やがて疲労が限界に達して、ファットマンが息を荒くする。全身をグッタリさせたまま、前のめりになってうなだれており、今にも倒れそうになる。手足はガクガク震えていて、棍棒を握る腕に力が入らない。


 一方のさやかは驚くべき事に、全く傷を負っていない。まるで何事も無かったようにピンピンしている。常人ならば即死する威力の打撃を、百発以上喰らったにも関わらず……だ。


「牛よりゴリラの方が強い事が、これでハッキリしたみたいね」


 あえて自分をゴリラ呼ばわりする余裕を、皮肉たっぷりに見せ付けた。


『ど……どういう事だ!? 貴様は最初にブリッツと戦った時、ヤツのパンチで死にかけたのだろう? 俺のパワーはヤツと互角だッ! スペック通りなら、貴様は既に百回は死んでいるはずだッ! それなのに、何故死んでいないんだッ! 何故だッ!』


 ファットマンが声に出して慌てふためく。

 彼もただ脳筋だった訳ではない。それなりに勝算があって、この戦いにのぞんでいた。赤城さやかが報告されたスペック通りなら、彼は間違いなく勝っていた。そのはずだった。


「確かにアンタは強いよ……スピードも加味すれば、ブリッツの数倍強かったかもね。それは認めてあげる。でも残念だけど、私……いや私たちは戦いを重ねるたびに、どんどん強くなってるの。今さらブリッツと同程度の強さじゃ、私たちは殺せないってこと」


 さやかは自分たちの能力が飛躍的に向上した事を告げた。今や彼女たちは強化フォーム抜きでも、初期に比べて格段に強くなっていたのだ。バロウズが最初期に集めた戦闘データは紙クズ同然となった。


(な……何という事だッ!!)


 衝撃的な事実を突き付けられて、ファットマンが焦りだす。もはや一片の勝機も見いだせない状況に、目眩めまいがして気が遠くなりかけた。

 いっそここから逃げてしまおうか……そんな事を考えて、無意識のうちにジリジリと後ずさる。その一瞬のすきをさやかが見逃すはずも無かった。


「でぇぇやぁぁぁぁああああああーーーーーーーーーーっっ!!」


 ここぞとばかりに大きな声で叫ぶと、グッと強く握り締めた右拳を、力任せに相手の腹に叩き込む。分厚い金属の板がメリメリ砕ける音が鳴り、牛男の装甲に、少女の拳が深くめり込んだ。


『ブッ……ウギャァァァァアアアアアアーーーーーーーーッッ!!』


 ファットマンがこの世の終わりと思えるほどの悲鳴を発する。殴られた衝撃で吹き飛んだロボットの巨体が、墜落するように地面に激突して、たるのようにゴロゴロ転がっていく。やがて回転が止まると、手足をピクピクさせたままだらしなく仰向けに寝転がった。腹に受けた痛みがよほど強烈だったのか、ぐるんと白目を向いて口からブクブクと泡を噴いて、気を失いかけた。


『グヌウウッ……』


 それでもすぐに意識を取り戻し、気力を振り絞って立ち上がろうとする。殴られた箇所の装甲は内側に大きくへこんでいて、かすかに亀裂が生じている。致命傷には達していないものの、受けたダメージは相当に深刻だった。


(いかん……このままでは負ける)


 ……そんな言葉が彼の脳裏をよぎる。勝てる算段は完全に捨てていた。

 ふと周囲を見回すと、三体のメタルハウンドは少女の仲間に倒されており、完全に不利な状況へと追い込まれた。


『赤城さやか、その仲間たちよ! 今回は貴様らに勝ちを譲ってやるッ! だが囚人を三人助けた程度で良い気になるなよ! 次に会った時は必ず貴様らを殺すッ! 必ずだッ! それまでせいぜい首を洗って待っていろ! じゃあな! ぺっ』


 ファットマンは腹立たしげに吐き捨てると、腰に付けてあった白い金属のボールのようなものを手に取り、勢いよく地面に叩き付けた。その瞬間、辺り一帯がまばゆい光に覆われて、何も見えなくなる。


「うわっ!」


 あまりの光量に直視できず、さやかが思わず声を上げながら咄嗟に目を閉じる。戦いを眺めていた脱走者も、さやかの仲間たちも、同様に目を閉じたり手で顔を覆ったりして、光を見ないようにする。


 数秒が経過すると光が弱まって、うっすらと視界が開けてくる。やがて光が完全に消えて周囲が見えるようになった時、ファットマンの姿は何処にも無かった。


「逃げられたか……」


 ミサキが無念そうにつぶやく。敵を今この場で倒せなかった悔しさに下唇を噛んだ。


「あんな脳筋ブタ男、何度襲ってきたって返り討ちにしてやるわ。へーき、へっちゃら」


 残念がる仲間とは対照的に、さやかは自信たっぷりに腰に手を当ててふんぞり返りながら鼻息を吹かす。敵が牛である事を真面目に覚える気は皆無だった。


「みんな、遅れてすまない。戦いはすでに終わったようだな」


 少女たちがあれこれ話していると、博士が徒歩で駆け付ける。

 一行は北海道を車で移動していたが、遠く離れた場所で人が襲われているのを確認して、さやか達が変身して先に向かっていた。


「アンタらのおかげで助かった! ありがとう……本当にありがとう!」


 ファットマンに追われていた三人の男が、感謝の言葉を漏らす。命を救われた喜びのあまり、何度も深く頭を下げたり手を合わせて拝んだりした。


「とーぜんの事をしたまでよっ。それよりも貴方たち、どっかから逃げてきたんでしょ? その捕まってた場所の話を詳しく教えてくれない? 何か力になれるかもしれないわ」


 さやかは右手の人差し指で「へへんっ」と鼻こすりすると、男たちに事情を聞こうとする。


「……分かりました」


 三人のうち一人がコクンとうなずいて、重苦しい表情を浮かべながら話し始める。


  ◇    ◇    ◇


 さやか達が囚人と話していた頃……荒野のド真ん中にそびえ立つ、へいかこまれた刑務所のような建物……その一室にて。


『ひぃぃいいいいっ! ロスヴァルト将軍ッ! どうか! どうかお許しをッ!』


 ファットマンがおびえた表情で後ずさりしながら、壁際へと追い込まれる。

 直後背丈6mにも及ぶ巨大な人影が、彼の前に迫ってくる。


『ファットマァァアアアアンッ!! 貴様、脱走者を取り逃がしただけに飽き足らず、事もあろうに装甲少女を前にして、おめおめと逃げ帰ってきただとぉ!? この失態、バエル様に如何いかにして申し開き出来ようかッ! 貴様のような役立たず、生かしておく価値も無いッ! 殺すッ! 装甲少女に倒される前に、私が貴様を殺してやるッ!!』


 上司と思しき者が怒りをぶちまけながら、牛男の頭をワシつかみにして、ギリギリと締め付ける。


『痛い痛い痛いッ! 将軍、どうかご勘弁を! 次こそはッ! 次こそは必ず彼奴きゃつらめを仕留めてご覧に入れますので、今一度私にチャンスをお与え下さいッ!』


 ファットマンは必死に命乞いして平謝りしながら、名誉挽回する事を誓うのだった。

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