オトモダチゴッコ
初めての作品なので誤字・脱字等ございましたら温かい目で見てください。
また、教えてくださると幸いです。
では、本編スタート!!
「おまえはオレの大事な友達だ。だから、オレだけは絶対におまえの味方だぞ!!」
「うんっ!!助けてくれてありがとう」
「おうよ!こんぐらい気にすんな」
確かに彼角谷 勇介《かくたに ゆうすけ》は10年ほど前まではそういっていた。
そう。10年ほどまえまでは………
現在僕、佐上 優大《さがみ ゆうだい》と勇介は烏町《うちょう》第三中学に通っている。一ヵ月ほど前3年に上がった。そんな中、僕は今窮地に立たされている。
「おいおまえ、有り金全部出しやがれ。」
いわゆるチンピラである。
「聞いてんのかにいちゃん。あ?」
僕が絡まれるのはこれが初めてではなかった。去年までは1つ上の部活のやさしい先輩がいたからその人が助けてくれていた。でも、今はもういない。
「おい、こら!!トン面こいてんじゃねぇよ!!しっかりここの通行料置いてけっつってんだよ!!!」
僕はいつからかよく絡まれるようになった。それもこれもおそらくあの事件以来であろう。
それはいまから2年前、中学1年の夏だった。
「優大~いくぞ~~!!」
僕と勇介はこのころよくサッカーをして遊んでいた。ポーーーーン勇介が蹴ったボールが緩やかな曲線を描いて僕の少し先へと飛んでいった。
「勇介~もっとちゃんとパスしてくれよ~…」
「ごめんごめん…」
と言いながら僕はスライディングのような格好をとりながらボールをけった。見事ゴール。
「やっぱ優大と勇介のこんびは最強だな!!」
こうして毎日僕らはサッカーをして遊んだ。
しかし事件はおこった。
その日も僕らは楽しくサッカーをしていた。
いつものごとく、勇介は少し的を外してボールをあげた。だが、今日は少し違った。
「優大ごめーん!!いつもより強かったぁ~!!」
「これを拾う僕の気持ちにもなってくれよぉ………」
僕は思いっきり前に走ってボールに追いつこうとする。
「あいつは相変わらず脚力だけはつえーな……」
そんなことを考えて走っていたとき、僕はあることに気が付いた。公園の端である。
だが、気づいた時には遅かった。
「ガッシャーーーン!!!!!!!!」
公園の隣に住んでいるよりによって、特に面倒くさいおじさんが住んでいる家にはいったのだ。
「おいおい、どうするよ…?」
すぐに作戦会議が開かれた。もちろん、言い訳&後始末についてである。
「まず、誰がボールを取りに行くかだが………」
「優大、お前が行けよ。」
そういったのは勇介である。
「えっ!!?ちょっと待って!なんで僕なの??ここはふつう勇介だろ??!」
僕はすかさずこの理不尽な状況に反論した。
だが、その反論もサッカーをしていたみんなの意見によってけされてしまった。
「なんで俺が行かなきゃならねーんだよ??最後にボールを追っかけていたのはおまえのほうだろ??」
確かにそうだった。
だが僕の必死の説得により、何とか勇介と一緒に謝りに行くことになった。僕自身が犯した失敗はそれだった。
おじさん。いや、どちらかというとおじいさんのいえについた。
大声でおじいさんをよんだ。しかし返事がなかった。そこでしかたなく庭のほうへまわってみると、そこには怒りに震えて声も出ないおじいさんの姿があった。
それから、長い長いお説教がはじまった。正座させられたのは、僕だけだった。さらにお説教の内容が内容で、1つ目は窓を割ってしまったことだった。しかし、以外にもそのことは1時間程度でおわった。
だが、問題は2つ目にあった。
彼曰く、僕は窓が割れたのを友達のせいにしたのだと言う。僕はもちろんそんなことはしていない。勇介もいるまえで、
「………窓を割ったのは…勇介ですが…僕たちも一緒に遊んでいた者として…反省しています……」
といっただけだ。だが、
「君、彼は君のせいだと言っているが本当かね………?」
「いえ、僕は無理やり連れてこられただけです。一緒に遊んでいたので反省はしていますが、僕は直接的には何もしていません。こいつ、嘘ついてます。」
「そうか………では君は、彼が友達を売ったといいたいのかね??」
「ハイ。そういうことです。」
「では、君は帰ってよろしい。」
「ご迷惑をおかけしました。」
そういうと勇介は家から出ていった。
結局僕が解放されたのは、午後7時を回ったころだった。このことは学校や、僕の親にも直接言われてしまった。家では親に叱られ、学校では教師に叱られ………僕が床についたのは2時をまわってしまった。しかしもっとつらかったのはその翌日からだった。
翌日、学校に行くと僕の友達の間で妙な噂が流れていた。
「優大と仲良くしてると、裏切られるぞ。」
たったそれだけの言葉で、僕の友達はついには1人になった。勇介である。
「おーい!!勇介~~~!!」
いつものごとく学校が終わると僕は勇介のクラスまで行った。
しかし、彼は僕の横を通りすぎても何も言わない。気づいているはずだ…
その時、僕はすべてを悟った。そんな気がした。彼と一緒に歩いていた人が、
「勇介、いいのか??あいつ、『オトモダチゴッコ』の大事なコマなんだろ??」
「まあな、でもあいつも馬鹿じゃないからそろそろ気づいてんだろ、『トモダチ』の薄っぺらさをよ。」
それからというものの、僕は勇介率いる不良グループによく絡まれるようになった。それが彼らの『友情表現』と呼ばれるものなのだろう。
あの頃友情は何だったのか………あのころの僕のヒーローはどこへ行ったのか………
それは今でも謎のままだ。