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ギリギリ義理の妹  作者: 35
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11/15

その11 妹のいたずらと早起き

「いじめだ……」


最近目覚ましがどう考えても早い時間にセットされている。


しかも絶妙に、二度寝をすると遅刻しそうな時間に。そうなれば起きるしかない。


どう考えても容疑者は1人しかいないのだが、証拠が無い。


その現場を押さえようと思っても、この悪戯はかなりランダムで行われるため、なかなか難しい。


一緒に住んでいる家族だし、俺が眠そうだとかというのは、ばれているのだろう。起きているときは、ほぼ確実に来ない。


水鳥にやり返そうにも、あいつは携帯電話のアラームで起きているから、暗証番号が分からないと、そのいたずらはかなわない。


今日もうまいこと、目覚ましに起こされて、いつもより早く起きる。


「まぁ、いいか。今日は俺が弁当を作る日だし、30分くらい早くても」


ものは考えようだ。早起きは三文の得って言うし。ちょっと凝ったのでもつくろう。昼の楽しみが増える。



「じゃあ行ってきます」


俺は準備も早く終わったので、家もかなり早めに出る。


徒歩ですぐに到着すると、校庭ではまだ朝練をしている部活があった。かなり早く来てしまったようだ。


「あ、木村先輩、おはようございます」


すると、後ろから声をかけられた。


「へ? ああ、森さんか。おはよう、朝連か?」


そこにいたのは、ジャージ姿で走っている森さんであった。


水鳥と比べて、長い髪ときりっとした表情が特徴的で、しっかりものの体育会系という感じである。


「はい、木村先輩早いですね。何か用事ですか?」


「いや……、ちょっと早く起きちまってな。朝弁当を作っても時間が余ったから、早めに登校してきただけで、ただの気まぐれだ」


「お弁当ですか……、木村先輩すごいですね。水鳥ちゃんの分も作ってるんですから」


「まぁ、1つ作るなら、2つ以上作ってもそんなに手間はかからんから」


2つ以上作るときは、量を増やすだけである。例の事件で逆にふっきれたのか、俺の弁当を水鳥が拒否しなくなったので、あまり揉めないし、そもそも順番で作るからいうほど負担でもない。


「でもやっぱり時間は1人のほうが早いですよね。今日は1人分しか作ってないでしょう?」


「え? 何でだ?」


「だって、私たちのクラスは今日は家庭科の授業が、4、5時間めになってますから、お昼は必要ないですもん」


「なんだと……」


「もしかして、水鳥ちゃん。何も言ってないんですか?」


「聞いてない……、しまったなぁ……」


せっかく手間をかけたのに、無駄になってしまう。


「とりあえず水鳥にメールしとくか」


「あのー、そのお弁当はどうするんですか?」


「今日は確か、夜は外食する話になってたから、水鳥がいらなきゃ廃棄だな」


「で、でしたら、私も食べて見たいです。木村先輩のお弁当」


「ん? 別に森さんが無理して食べなくてもいいんだが?」


「わ、私も運動部なんでそうですけど、水鳥もけっこうご飯食べるじゃないですか?」


「水鳥は確かにそこそこ食べるな」


「家庭科の授業の料理だけだと、授業後の部活に足りないので、何か購買で買うつもりだったんです。なので、あつかましいお願いとは思いますが、捨てたり、残ったりするくらいなら、食べて見たいなーって思って」


なるほど。確かに、水鳥と森さんが半分ずつくらいなら、ちょうどいい箸休め程度の量にはなるだろう。


「ああ、じゃあ水鳥にはそう言う風に言っておくから、もしよかったら食ってくれ」


「ありがとうございます! 楽しみです」


森さんは笑顔でその場でジャンプしていた。


「そんなに喜ぶことでもないだろう。ちょっとお昼代が浮くくらいだし」


「いえ、私は男の人の料理って食べたこと無いもので。私の家の男の人は、家事を手伝う気0ですから。家だけじゃなくて、親戚一同皆そうです」


「まぁよくあることだろ。俺はただ、やらなきゃいけない環境にあったから、やっただけだ」


「ですけど、水鳥ちゃんは、お母さんに、木村先輩と水鳥ちゃんが提案したって言ってました。だから、立候補ですよね。やらなくても別によかったはずです」


「水鳥そんなことしゃべってんのか」


水鳥が俺の評価を上げるようなことを友達に話しているとは驚いた。


「はい、だから、素敵だと思いますよ」


「はは、ありがとな。あんま話していると、怒られるだろ」


「あ、そうですね。え、えーと木村先輩」


「なんだ?」


「もし良かったら森じゃなくて、ゆかりって呼んでください。水鳥ちゃんのお兄さんでしたら、きっとこれからも会うことはあると思いますので」


「紫? ああ、いいならそう呼ばせてもらうぞ。紫」


「はい、では失礼します。先輩♪」


そして、紫はグラウンドに戻っていった。




「なんかずいぶんと機嫌がいいな」


その日は帰宅すると、その途端に水鳥に玄関で絡まれた。


「ああ、早く起きるといいことがあるな。俺にきちんと後輩ができたぜ」


特定の部活に入っていなかった俺は、縦のつながりがとにかく弱かった。


俺史上ではじめて、紫と言う、明確な先輩後輩の関係ができた。しかも、可愛い女の子で、俺を慕ってくれて、自ら名前で呼んでと言ってくれた。


これは三文どころの得じゃないな。


「そうか、私は兄さんの弁当を紫ちゃんと一緒に分けて食べていたら、クラスメイトに見つかって、またブラコン疑惑を立てられそうになったぞ。紫ちゃんがフォローしてくれたが」


「そ、そうか」


だから、水鳥は妙に機嫌が悪かったのか。


「しかも、いつもより張り切った弁当だった……。紫ちゃんにあげるからか?」


「こらこら、原因と結果の順番が違うからそれはありえないだろう。お前が、ちゃんと今日のこと言っとけば、今日の問題は起こらなかったんだから」


俺は予知はできない。


「ふん、後輩にデレデレして……、ついにはロリコンまで、発症か」


「1歳年下をロリコンとは言わないんじゃないか? だったらお前もロリになるぞ」


「変態で、鬼畜で、シスコンでマザコンで、ロリコンでナルシストなんて救いようが無いな……」


「おい、1個おかしい……、いや! 全部おかしい!」


その日は、水鳥の機嫌が直らず、ぼろくそに言われ続けた。


そして、この日から、目覚ましが朝早くなることは無くなった。水鳥が被害を被ったからかな。





この中身だと、ヒロイン1人が嘘になるかもしれない? 



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