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流れ落ちた記憶
白兎さん、です!
短編過ぎてごめんなさい!
雨音は嫌いだ。
激しく打ち付ける雨粒は嫌いだ。
君の声が聞こえなくなるのは嫌だ。
かき消された君を、探すのも嫌だ。
大好きな君は、雨音の激しい遠い夜に奪われてしまった。
雨音は好きだ。
激しく打ち付ける雨粒は好きだ。
君の声が聞こえなくたっていい。
手が届かなかった君を抱きしめるだけでよかった。
大好きな君を、雨音の激しい遠い夜に置き去りにしてしまった。
『ああ。』
『大好きな君は、』
「今、どこで笑っているの?」
「今、どこで泣いているの?」
「愛しの君は、僕を失い壊れてしまった。」