痴話喧嘩
「俺じゃいけないんでしょ」
「うん」
「ふーん」
「なによ」
「いや、いけないんならやんないよ?」
「えっ、………やだ」
「だっていけないんでしょ」
「やだ。違うの、そうじゃなくて………」
「違わない」
「シバ…シバじゃなきゃ嫌だ」
「嫌だじゃない」
「シバじゃなきゃ、しないの………」
「そんなのわかんないじゃん」
「………わっかんな、く、ないもん」
「もし無理矢理、他の男にされたらどうするの」
「そうならないように配慮する」
「そうじゃないでしょ。どうするの」
「やだよ、やだ………考えたくない」
あたしは泣くのを堪え、腕から逃げようとするけど彼はぎゅっと抱きしめてくれた。そうして、トントンと優しく叩いて私を安心させてくれる。頬に頬をすり寄せると、キスをしてくれた。