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お父さんは『勇者』さま  作者: 鴉野 兄貴
『黄金の鷹』と『真銀の隼』

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大反省会

 で。説明をしてもらいましょうか。

腕を組む私の前でたくさんの幼児たちがしゅんと頭を下げていました。

ごきげんよう。フィリアス・ミスリルと申します。

城塞都市国家ローラ出身の冒険者見習い。

……と名乗っておきます。父は認めていませんが。


 父ですか?

そこで『セイザ』をしながら石を抱いていますけど何か?

幼児の姿をしているけど、幼児虐待じゃありません。

父とその同族はそういう姿の種族なのです。


 バクヤクだかハッパだか言う爆ぜる劇薬を用いて派手にお屋敷の天井に大穴を開けたエルフ。

いえ、背が伸びすぎた父の同族であるらしぇーばだからしゅーばだか言う方は「兄さん。お話と違います」涙目です。

人のおうちをぶっ飛ばしたのですから当然でございます。

かろうじて被害を逃れた物干し台にて竿屋さんから格安購入した物干し竿に袖を通した状態に私が吊るしあげ、現在きゃっきゃと楽しそうにはしゃぐ二人組は私の祖父母に当たります。

頭に巻いた布の上からでもわかるほどの大きなたんこぶを奥さんから頂いて揺らしてる生意気な釣り目の子と、同じくたんこぶを揺らすなぜか白髪の幼児は片や我が伯父、片や父の義兄弟の契りを結んだ間柄の人らしいのですが詳細は存じません。


 元遺跡荒らしで伯父の奥さんであるマイラさんと従姉妹のフェイスちゃん以外はみんな私の父の同族でございます。

そしてこの一族、全員が見た目は幼児。その実態は全員が生まれながらに盗賊にして狩人にして暗殺者の能力を持つ厄介な一族でございまして。

「アルダスさん。どういうおつもりでしょうか。修理代は」「えっと、サワタリ倒したら考える」逃げるつもりでしょう~?! あなた記憶改変能力と時間巻き戻し能力持っていましたよね~~~~~~~~?!!!!!!


 父の遠い先祖に当たるアルダスさんという幼児の姿をした伝説の戦士は眠そうにこう呟きました。

「リュウェインの娘より怖い」「なんですって~~~~~?!!」

「こーいう娘と結婚しそうね。アルダス」「洒落になっていないよ。ミリオン。ビリーに似てきたね」

「案外翼持ってて、君が逃げても地獄まで追っかけてきそう」「地獄にも逃げられないって……ありえない」案外、そんな方と結婚しそうですね。アルダスさん。首に縄をつけて逃げられないようにされていそうです。


 伯父のそのまた伯父という存在がいることを私は初めて知りました。

フェイロンさんといって伯父曰くとにかく手癖が悪いとのこと。

そのフェイロンさんは器用なもので、早くもおうちに漆喰を塗っています。

手癖は最悪でも意外とわきまえている模様です。

隣でラフィエルが助手をしているのが見えます。同時に彼のポケットからうちの宝石を取り出す姿も。

本当に手癖が悪い模様です。


「とりあえず」


 私は皆さんに厳命します。

「修理してから来てください」


 幼児の姿をしたオトナたちは一斉に頭を下げてうなだれました。

私の名前はフィリアス・ミスリルと申します。

お父さんの名前はファルコ・ミスリルです。

私たち親子の仲ですか? 結構良いですよ。

ただ、親戚付き合いは今後考えるべきかもしれません。

アルダス君の将来のお相手については後日談にして前作である『転生したけど受精卵に負けてしまいました』参照。

見事に尻に敷かれ……ラブラブな模様。

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