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お父さんは『勇者』さま  作者: 鴉野 兄貴
『黄金の鷹』と『真銀の隼』

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アルバイトは社会勉強なのです

 いらっしゃいませ! 『夢追い人たちの止り木』へようこそ!

当店は新鮮なワインが絶品! あと焼きたての干し肉、ソーセージ。

美味しい塩漬け魚を活かした各種創作料理がおすすめなんですよ。


 ええと。私の名前ですか。

エフィーさん?! そっちじゃなくてこっちに運んでください!

失礼しました。私の名前はフィリアス・ミスリルです。淑女見習いの13歳ですけどいろいろあってこのお店のお世話になって『シャカイベンキョウ(社会勉強)』をしているのです。

 こらあああああああああああ?! エフィーさんに触るなぁ?!

あああああ。エフィーさんに触ろうとするお客さんが真っ赤に染まっていく。


「その巨大な熟れ切った果実。誰にも触らせないのになぜある?!」「少なくともあなたに触らせるためにあるわけじゃないもん!」「こらエフィーちゃん?! 今月五人目ぇええええっ?!」「ごめんなさいマスター!?」

「指一本くらい触らせてくれ!」「断るわッ?! 触るどころか突っ込むつもりでしょう?!」


 ええと。引きました? ごめんなさい。エフィーさんはちょっと手に余るくらい強い人ですので……いえそういう話じゃなくて?

ファルコ・ミスリルですか? ご察しの通り私は彼の娘に当たります。

ええと誤解が無いように先に申しておきますが私は養女ですので彼はまだ未婚です。

勇者。ですか。私にとってはちょっと実感がわかないというか子供にしか見えないというか。

あ、でもこのお店のメニューはチーア……この国の高司祭、ユースティティア様自らが考案したレシピが多いのですよ。このお店の名前も元は『迷い人たちの止り木』だったのですが、先の戦役のときに『夢を追う冒険者たち』の常宿になったことから宣伝を兼ねて名前を変えたとかマスターが言っていました。

 この『……』というメニューは異世界の食べ物だそうです。

父たちの冒険の成果の一つなのだそうですけど異世界って本当にあるのでしょうか。

ふふ。そうですよね。私もでたらめだと思います。


 ええ。『トリアエズナマ』ですね。

このエールは本当に美味しいのですよ。びっくりしますから。

あ。私がお酒の味がわかることについては黙っていてくださいね。お、ね、が、い♪

「エフィーさん! 三つ追加注文です!」「ふぃりあすちゃん。ちょっと待って?!」

「なんですか。ジョッキ五つもったくらいで?! コドモの私でも七つ持てますッ?!」「アキさんの真似なんてできないわよッ?!」


 あの姿勢で指一本触らせないエフィーちゃんも凄いですね。

ああ。ヒールの一撃が。あれは骨が砕けたかも。回復魔法が使えるからってやりすぎです。

アキさんだと指一本触れさせずにジョッキを一〇くらい抱えて狭い店内を駆け回れるのですけど。さすが熟練の技。

「エフィーさん。首になりますよ」「それは困る」

泣かないでください。紹介した私まで減給なのですよエフィーさん?! 


 あ、もう行かれるのですか。もう少しゆっくりしていけば。

もうっ?! エフィーさんのばかぁ?!「フィリアスちゃんが苛める」苛めていないわよっ?!


 お小遣いの使い道ですか?

実は父の誕生日が近づいているのです。

エフィーさんも似たような理由です。

お兄さんに復讐。もといプレゼントだそうで。

お父さんと私の仲ですか? 結構いいと思いますよ。

たぶん。いえ。きっと。


 ありがとうございました!

またのお越しをお待ちしております!

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