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お父さんは『勇者』さま  作者: 鴉野 兄貴
『黄金の鷹』と『真銀の隼』

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きのこの子

「たっだいま~! お父さんラフィエル! 元気してた?!」


 フィリアス・ミスリルです。

城塞都市ローラ王国(外国からは伯国と呼ばれますが)は『鉄と血の帝国』から『車輪の王国』を守る前線の街であった歴史から武を重んじる気風があり、その中に子供たちの『武者修行』なる悪戯の免罪符があることは以前にもお話した通りです。

私は郊外の黒い森からとってきた大量のきのこさんを抱え、一週間ぶりに懐かしい我が家に帰宅したのです。

『ああ。家に帰ったら大量の宿題が待っているのです。帰ってこなければよかった』


 そんなふざけたことを考えてしまう程度には安心しきった父と執事の嬉しそうな泣き笑いは私を日常に回帰させるには充分で。

「もうっ?! お父さん泣かないッ?! ラフィエル?! あなたもよ?! 子供じゃないのだから」「子供です」「うぐっ……だねぇ」

確かに13歳と言えば子供ですが、学友の中には丁稚見習いを卒業して正式な丁稚として働いている子だって少なからずいるのです。

お酒とか悪い遊びをオトナから教わったりすることだって結構ある歳なのですよ。

私も。ちょっとだけ喉が苦いですけど。ふたりとも泣きすぎですよ。


 

 本日持ち帰ったきのこはなんの変哲もない食用キノコであり、焼いて食べるととても美味しく、干してシチューのだしを取っても素敵だし、何より白くて形がよくてかわいいのです。

「これ、お土産ッ!? 『妖精輪』だよっ?!」

そのきのこをみた父と執事の顔が少々変だったのは気のせいではありませんでした。


 曰く。赤くなっている部分はないか。

曰く。腐った臭いを発していないか。

 毒キノコの区別くらい、もうつきますよ?!

だって伯父さんに散々指導されましたからね。

そうそう。伯父さんは毒や薬品が効かない体質なのです。自身は薬学に詳しいのに。

「じゃ、これで今日はシチューにしましょうか。旦那様。お嬢様」「うんっ!」「うんっ!」

わーい。帰ってきて良かったなぁ。


 私は一週間ぶりに再会し、もきゅもきゅ暴れる父を抱きかかえて床についたのですが。

翌朝目が覚めてみるとミック先生もびっくりするほど背の高くてきれいなお兄さんと……。

えっ?! ええええっ?!!!!!!! えっ??????????????!

「お嬢様?!」ラフィエルが最悪のタイミングで扉を開けます。

すやすやと眠る美男子はほぼ裸で。ラフィエルの髪がバチバチと雷気を。

私は錯乱状態で乱れた寝巻を……あれ? ちゃんと着ていますね。

「あ。その。らふぃえる……」「おのれっ当家のお嬢様をよくも傷物にッ?!」

されていません。だってソレ。そのすやすやと眠るイケメンさんって。

あ。聞いていませんね。ラフィエル。頭に血が上っている彼ってあまり見れるものではないのである意味いけない喜びを感じてしまいます。


 毒キノコと普通のきのこの区別は私にもつきます。

魔法のきのことそうでないきのこの区別は。まだつかないようです。

というか、大人になった姿のお父さんってすっごく美形だったなあ。

あ~あ。すっごくびっくりした。まだドキドキしてる。


 お父さんは魔法のほとんどが効かない体質です。

人間ならば即死級の雷撃を受けても墨まみれになるだけで済みます。

お父さんに『ドゲザ』するラフィエルという珍しいものを眺め、私は久しぶりに家に帰ってこれた喜びをかみしめるのでした。


 うん。このきのこ美味しいよ?

私は。オトナになったらどのような女性になるのでしょうね。

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