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お父さんは『勇者』さま  作者: 鴉野 兄貴
『黄金の鷹』と『真銀の隼』
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おじさんは暗殺者。らしい。

 こんにちは。フィリアス・ミスリルです。

お父さんに引き続き、おじさんのお話をしたいと思います。


 おじさんの名前はピートさんと言います。

本名は『ぴーと・ぴえとろ・ふぉん・あいすふぁるしおん・みすりるしーるど』とかなんとかすごく長い名前なので覚えきれません。あ。私全部言えた。凄い。


 見た目ですか?

ええと。お父さんが妖精の血を引いていることは以前解説しましたが、おじさんもまたそうなのです。どうみても6歳くらいの可愛い男の子。

違うところはちょっとツリ目で態度が良くないこと。

「自分は最強のあんさつしゃだ」とかお父さんいうところ「いたい」発言が多いことくらいでしょうか。


 おじさんはたまにお父さんがおうちにいない時にフラリと現れ、おうちのご飯を適当に食べてお父さんが帰ってくる前に帰ってしまいます。何をしに来ているのでしょう。

「フィリアスをまもってあげにきているんだけど」私より小さい身体をふんぞり返らせて自慢するおじさんですが、私の知っているおじさんはかくれんぼがとっても上手だったり、こそこそしていたり、箱に入って移動していたり、謎の手品を見せて教えてくれたり、怪しげな「さいきょーの」剣術や体術を披露してくれるとか、そういう残念な子。もとい人です。あ。人じゃないかも。妖精さんだし。


 頭に布をぐるぐる巻いて、マントを被って背中に剣のおもちゃをもった子です。

何かにつけて私に盗賊の真似事みたいな技を教えようとします。

何も考えずにおじさんに言われるままに錠前を開ける遊びや人に気づかれずに人の持ち物を手の中に持ってくる手品だのをお父さんに披露してみたところ、お父さんとおじさんは本気で大喧嘩していました。

「おじさんの真似しちゃだめ!」とおとうさんはプンプンです。頬を膨らませて涙目です。

「何かあったとき、自分で身を守れたほうが良いと思うよ」おじさんはたんこぶを押さえながらそう言います。

わたしは、こういうとき、お父さんとおじさん。どっちが正しいのかわかりません。

でも、二人とも私のことをすごく心配してくれているんだなとか思うと、うれしくなります。

あと、ピートさんの奥さんはすっごく綺麗な人なんですよ! 取り換え子のエルフさんだとか!

奥さんの『ほのおにまうむすめ』ことマイラさん曰く、私も妖精さんなんですって! だったらいいなぁ。

……ずっとずっとお父さんと一緒にいれるもん。

人間って寿命短いんですよね。

お父さんと一緒にずっといられたら素敵なのに。


 私の名前はフィリアス・ミスリル。

お父さんの名前はファルコ・ミスリル。

私たちの親子仲は。結構いいと思う。

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