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お父さんは『勇者』さま  作者: 鴉野 兄貴
『黄金の鷹』と『真銀の隼』
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せのび

 たまや~。なの。

父は時々妙な言葉を口にします。

伯父さんや父は異世界の不思議な声を時々知ることができるそうですがそれって『でんぱ』というのですよね。語源はよくわからないのですが。


 こんばんは。フィリアス・ミスリルです。

城塞都市国家ローラに住まう11歳です。先日誕生日を迎えました。

今日はお父さんと一緒に魔導士たちのあげる花火の見物なのです。


 しんしんとどこからか漏れる虫の声。

雑踏の中で私たちはその時を待ちます。

ぱん ぱあん ぱんぱん

何とも言えない甘くて不愉快な匂いとともに花火が上がっていきます。

その赤やオレンジはとてもきれいで、夜空に不思議な絵を描き。

「きれい」「君の瞳ほどでもないさ」そんな言葉が横から聞こえたり。

それは良いのですが小柄な私ではほとんど花火が見えません。

人がどんどん増えていくのも困りますよね。さっきお尻を触られちゃいましたし。

「触ってない。背中押されただけ」「おじさんのエッチ」「せっかく財布をだまって戻してあげたのにぃ」いじける伯父は奥さんと娘さんに引っ張られてどこかに行ってしまいました。

ぴょんぴょん。跳んでみますけど何も見えません。

でも父はロー・アースさんの背に乗ってご満悦。

もう。お父さんのばかっ。

そう思っていると父がするするとロー・アースさんの背から降り、私のスカートに潜り込み。

ちょっと?! 何をやっているのよお父さん!?! ヤメてっ?

ぐっと両脚をもっておんぶしてくれたのはいいのですが。

私の両脚は。彼の背の高さを超えている模様です。


 でも、そういう気遣いは嫌いじゃなかったりします。

私の名前はフィリアス・ミスリル。

お父さんの名前はファルコ・ミスリル。

私たち親子の仲は。とてもよかったりします。

でも次だまってスカートの中に入ったらご飯抜きです。ええ。

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