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お父さんは『勇者』さま  作者: 鴉野 兄貴
『黄金の鷹』と『真銀の隼』

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111/125

翼をください

 私の名前はフィリアス・ミスリルと申します。

ローラ王国出身の15歳。淑女見習いでした。

今は宿敵と戦うために血のつながらない伯父とともに旅に出た国外逃亡者でございます。


 私たちが駆け寄った先は花々を踏み荒した痕に血がかかり、木々が焼け、大地がえぐれて風が荒れるそんな谷間でした。

「フィリアス?!」「フィリアス! どうしてここに?!」

ロー・アースさんとミックさんが背中を合わせて戦っています。

お二人にしては珍しいのですが。


 リンスさんの放った幾重もの稲妻が敵を貫き、ロンさんの大剣が豪快に敵をなぎ倒していきます。チーアさんは珍しく矢をつがえていました。

彼女の矢の腕前は相変わらずですが、敵の鱗を貫くには足りないようで。

「お父さん!!」「ふぃりあす?!」

 援軍。叔父さんは黒い風となって次々と敵の首の後ろを切り裂きます。

いつの間にかこんな修羅場でも吐いたり泣いたりしなくなっている自分は化け物にでもなってしまったのでしょうか。今はそれどころではありませんね。


 崖の上に追いつめられた父はすれ違いざまに敵の一体を屠りました。

でも、それまでで。死兵となった敵が幾重にもお父さんに抱き着いて。


「お父さん!」「ふぃりあすっ?!」


 私の目の前で、お父さんの身体が大きく傾いて、大きく外に飛び出した彼の小さな身体は谷底に向けて。


「お父さん?!」


 私の名前はフィリアス・ミスリルと申します。

ローラ王国出身の15歳。ファルコ・ミスリルの娘です。

もし、願い事がかなうなら。


 私は。

翼が欲しいです。

つばさをください。

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